インド神話は、
ヒンドゥー教や
バラモン教、
仏教を含むインドの宗教と深く結びついた壮大な神話体系です。
その起源はインダス文明やアーリヤ人の宗教に遡り、数千年にわたって語り継がれてきました。
概要
インド神話は、宇宙の創造から破壊までを繰り返す「循環的
世界観」を特徴としています。この世界観は、創造神
ブラフマー、維持神
ヴィシュヌ、破壊神
シヴァという三大神によって支えられています。これらの神々は、それぞれが異なる役割を持ちながらも究極的には一体であるとされます。
また、インド神話では宇宙や世界が「創造→維持→破壊」のサイクルを繰り返し、終わりがない円環的な時間概念が強調されます。この思想は他の多くの神話体系とは異なる特徴です。
主要な神々
- 1. ブラフマー(創造神)
- 宇宙を創造したとされる神で「黄金の卵」から誕生したと伝えられます
- ただし現代では信仰対象としての人気は低めです
- 2. ヴィシュヌ(維持神)
- 世界を維持する役割を担い、多くの化身(アヴァターラ)を持つことで知られます
- 有名な化身には『ラーマーヤナ』の主人公ラーマや、『マハーバーラタ』に登場するクリシュナが含まれます
- 3. シヴァ(破壊神)
- 世界を破壊し再生する力を持つ神であり、多くの妃(パールヴァティー、カーリーなど)や子供(ガネーシャなど)がいます
- 破壊だけでなく恩恵を与える側面もあり、多くの信者に崇拝されています
- ガネーシャ
- ラクシュミ
- サラスヴァティー
主要な叙事詩と物語
- 『マハーバーラタ』
- 『マハーバーラタ』は世界最大級の叙事詩であり、パーンダヴァ五兄弟とカウラヴァ百兄弟との王位争いを描きます。この物語には多くの英雄や賢者、そしてヴィシュヌの化身クリシュナが登場し、哲学書『バガヴァッド・ギーター』も含まれています。
- 『ラーマーヤナ』
- 『ラーマーヤナ』は理想的な王子ラーマが妻シーターを救出する冒険譚です。ヴィシュヌの化身であるラーマが主人公であり、その道徳的な行動はヒンドゥー教徒にとって模範的なものとされています。
- 日本との関係
- インド神話は仏教を通じて日本にも伝わり、一部の神々は日本文化に取り入れられました。例えば:
- これにより、日本でもインド由来の神々が信仰されています。
魅力と特徴
- インド神話はそのスケールの大きさや多様性で知られています。例えば、踊りや呼吸だけで宇宙を破壊するほど強大な力を持つシヴァや、魚や亀、人間など様々な姿に変化するヴィシュヌなど、そのエピソードは驚きに満ちています。また、人間味あふれるキャラクターたちが織り成す物語には哲学的・道徳的な教訓も多く含まれています。
インド神話は単なる物語ではなく、その中に宗教的・哲学的な思想が込められており、人々の日常生活や文化にも深く根付いています。その壮大さと奥深さから、現代でも映画やゲームなど様々な形で影響を与え続けています。
関連ページ
最終更新:2025年01月03日 08:10