アラン・レイサム

[解説]
第五次鋼魔獣特別調査隊に志願し、作戦中に未帰還者となった。
調査隊記録(アランの手記より)
聖華暦 | 事柄 |
---|---|
824年4月20日 | 夜明けと共に調査隊は聖王国を出立。 アラスカを目指してカナド地方を北上していった。 |
824年4月26日 | 幾度となく、鋼魔獣の襲撃を受けるが、歴戦の猛者揃いの調査隊は難なくこれを突破。 旅程を順調に消化する。 |
824年5月5日 | カレナ族のテリトリーへと到着。脱落者0で旅程の半分を消化。 カレナ族からの補給物資を受領。 |
824年5月8日 | 常設交易都市ムサシに到着。久しぶりの固定集落での休息。隊の士気は大いに回復した。 |
824年5月13日 | 北上を続けること4日。隊は世界樹へと到着。 休息を求め神人と交渉をするが、結果は不首尾に終わった。 |
824年5月14日 | 脱落者が出る。神人に4名の隊員が殺された。 どうやらオリハルコンを盗みに入ったらしい。 4人とも機兵乗りだった。手痛い戦力の低下となってしまった。 |
824年5月15日 | 調査隊はアラスカの鋼魔獣生産地を目指して移動を再開。 世界樹を発ってからずっとつけられている。 馬型の機兵に乗っている神人だ。どうやら、我々は警戒されてしまったらしい。 |
824年5月17日 | アラスカの鋼魔禁域との境界線まで到着。明日より調査を開始する旨が通達される。 前祝いと称し隊長が酒が振る舞う。 |
824年5月18日 | 鋼魔獣の夜襲に合う。 泥酔し深い眠りに落ちていた我々はこれに即応できず大きな損害を被った。 隊の半数が壊滅したが、鋼魔獣の群れをなんとか撃退する事に成功。 作戦の続行は不可能だろう。 |
824年5月19日 | 作戦は続行されるらしい。 このまま帰還して笑いものにされるのを恐れた隊長が強行したようだ。 くそっ、冗談じゃない。こんなところで死んでたまるものかよ。 |
824年5月20日 | 半減した戦力での調査は苛烈を極めた。 偵察に必要な人員を確保できず、我々は幾度となく鋼魔獣の奇襲を受け、一人、また一人と仲間が散っていった。 |
824年5月21日 | 隊長が戦死した。 遠距離からの狙撃を受け、跡形も残らなかった。 後任をどうするかで上官たちが揉めている。 |
824年5月22日 | 目が覚めると食料と半数の隊員がいなくなっていた。 どうやら昨日、揉めていた上官の一団が離反したらしい。 |
824年5月23日 | 食事と休憩もままならない行軍はすぐに限界が来た。 魔力切れを起こし、行動不能者が出た段階で我々は機兵を放棄することを決めた。 動けなくなった者は置いて行くことになった。 反対する声はなかった。もう誰にも余裕は残っていなかったんだ。 |
824年5月24日 | 鋼魔禁域との境界線まで戻って来た。 ここまで辿り着けたのはたったの5名だ。 機兵の残骸がある。オレ達を裏切った奴らだ。 鋼魔獣にやられたらしい。 |
824年5月25日 | 襲撃をうける死にたくない |
824年5月26日 | もうオレしかいない。 |
824年5月27日 | 恐らく最後の記録になる。 これを拾った者はどうか、この手記をオレの故郷に届けて欲しい。 オレの名前はアラン・レイサム。故郷はシャーロット村だ。 皆に約束を守れず済まなかったと伝えてくれ。 不甲斐ないオレを許してくれ。 |
824年6月01日
どうやらオレは助かったらしい。
桃色の髪のエルフの女の子に助けられた。
今でも信じられないが、この少女はとんでもなく強い。
見間違いでなければ、確かにオレの目の前で鋼魔獣を真っ二つに叩き斬った。
そのあと意識を失ったオレをカナン族の里まで運び介抱してくれたようだ。
オレも治療が終わったら必ず戻る。
今回の調査で得た情報を聖騎士団に届ければ莫大な褒賞が貰える。
これで今年の冬は誰も飢えずに済むだろう。
楽しみに待っててくれよな。
添付ファイル