反魂術 - 聖華世界 @ wiki

反魂術

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［解説］

現世に何らかの形で残っている魂に新たな器を用意して蘇生させる魔法の総称。
この世界では、生物が息絶えると、肉体から魂が抜けて、やがて魂は命の源である星の命（地球）へと還る
だが、なんらかの手段で魂を現世に留まらせることができた場合、これに新たな肉体を用意する事ができれば、蘇生することは理論上可能と言われている。
しかし、残念ながらこの世界の現時点の魔法学では人間の魂を自在に操ることはできない。

理由としては、人間の魂というものに対する理解が不足していることが最も大きい。
反魂術を行う上で、魂を解読してその本質を理解することは必要不可欠。
魔法を応用すれば魂を解読することはできるのだが、古くから、これらを行うことは禁忌とされている。

どういう訳か、この世界では魂の研究を行う魔導士や錬金術師は、その成果を発表することなく忽然と姿を消してしまうのだ。
それこそ、建国期から様々な魔導士がこの命題に挑んだが、誰一人としてその真理に到達することなく消えてしまった。

一説では、この世界を管理している超次元存在にとって、反魂術がなんらかの不利益を齎すのではないかと言われている。
それ故に、研究者たちは世界の抑止力によって存在を抹消されたのではないだろうか。

真相は定かではないが、魔法を使って魂を蘇生することが不可能という事実だけが存在する。
現状、蘇生や反魂といった方法が使えるのは魔族の反魂のゲヘナと、それらの能力を持った精霊と契約した契約者のみだろう。

魂魄転生理論

防神・希紗羅が提唱し、ただ一度だけ使われた反魂術。
ハクライ族が長年にわたって研究した魂に関する論文が元になっており、防神族の族長であるシトゥンペからキサラへと口伝された内容を彼女が昇華したもの。

人間を構成する魂（こん）と魄（はく）。
魂（こん）とは、精神を支えるもののこと、即ち記憶や感情を司る魂のこと。
魄（はく）とは、肉体を支えるもののこと、即ち人体を構成する元素のこと。

そのどちらが欠けても蘇生は不可能。
魂魄転生理論においては命の総量は一定であると仮定して、命の置換は等価交換であるとされている。
即ち、欠けた魂にはそれを補填するための同質同量の他者の魂を、失った肉体の補填には人間一人分を構成する他者の血肉が必要となる。

つまり、この理論では一人の命を蘇生するためには、一人分の魂と生きた人体を別々に用意する必要がある。
一人を生き返らせるために、最低でも2名以上の犠牲が必要になるという致命的な欠陥が存在する。

なお、2名の犠牲で済むのは万事全てが上手くいった場合である。
魂には相性が存在し、補填に使う魂は誰のものでもいいという訳ではない。
同量の魂を用意しても、蘇生する人間の魂との相性が悪ければ、魂は適合できない。
あくまで"同質"同量でないといけない。

また、肉体の方も相性が存在し、蘇生する人間と異なる性別の肉体に魂を移そうとすると、反発が起きて魂が定着しないことがある。
肉体と魂の相性は様々な要因で反発現象が起きるようで、この謎を解明できず、反魂術の研究は難航した。

また、研究の成果から魔獣の魂は異なる魔獣の肉体でも簡単に移す事ができることが判明している。
人間の魂はあまりにも複雑かつ多様な記憶と感情をもつため、他者の肉体を受け入れづらいのかもしれない。

最終的に適合したケースはエンネア・ライトフィールドとサヤ・ハクライ・ファミリアの一回だけだった為、魂と肉体の相性については理論の提唱者であるキサラにもよく分かっていない。

キサラはこの時、自身の魂をつかってサヤの魂の補填とした為、キサラの魂がエンネアとサヤを繋げたのかもしれない。
それが真実だとしたら、蘇生に使う人間の魂と肉体は、蘇生者と縁がある人間に限られるという、悍ましい事実が浮かび上がってくる。

ともあれ、この理論はキサラの死と共に葬られた為、二度と使われる事もないだろう。