デヴィルン粒子
[解説]
聖華暦622年、自由都市同盟のボールドウィン・デヴィルン博士が魔導理論的に推測し、その存在を予言した粒子。
存在が実証されたのは聖華暦659年、これも自由都市同盟のホレイショー・デヴィルン博士によって。
父親であるボールドウィン博士の研究を受け継いたホレイショー博士は、これを実用化して抗魔結界を完成させた。
存在が実証されたのは聖華暦659年、これも自由都市同盟のホレイショー・デヴィルン博士によって。
父親であるボールドウィン博士の研究を受け継いたホレイショー博士は、これを実用化して抗魔結界を完成させた。
この粒子は空気中のエーテルと結びつき、そのエネルギーを高次元空間へと向けて放出して消滅するという性質を持つ。
エネルギーが放出されるのが高次元空間であるため、三次元空間にはなんら影響をもたらさない。
この粒子で満ちた空間では、普通は魔法は発動しない。
魔法の効果が発揮されるより先に、術者より放出されたエーテルが消滅してしまうためである。
エネルギーが放出されるのが高次元空間であるため、三次元空間にはなんら影響をもたらさない。
この粒子で満ちた空間では、普通は魔法は発動しない。
魔法の効果が発揮されるより先に、術者より放出されたエーテルが消滅してしまうためである。
ただしエーテル消滅効果を発揮するのには、空気中に一定以上の密度で存在する事が必要。
無風状態の密閉空間でなければ、この粒子はすぐに拡散してしまい、微細なエーテルを消滅させる程度の効果しか発揮しない。
無風状態の密閉空間でなければ、この粒子はすぐに拡散してしまい、微細なエーテルを消滅させる程度の効果しか発揮しない。
元々ボールドウィン博士は、この聖華世界におけるエーテルの挙動について研究している学者であった。
あるときボールドウィン博士は、空気中に霧散したエーテルが何処へ行ってしまうのかを疑問に思う。
大昔の時代から聖華暦600年代に至るまで、魔獣や人類の魔力臓器により、無属性魔素から変換されたエーテルの量は、莫大な物になるはずである。
しかしながら、自然界に遍在しているエーテルの密度はあまりにも薄く、ボールドウィン博士がざっと計算した値の数千分の1にしかならなかったのだ。
あるときボールドウィン博士は、空気中に霧散したエーテルが何処へ行ってしまうのかを疑問に思う。
大昔の時代から聖華暦600年代に至るまで、魔獣や人類の魔力臓器により、無属性魔素から変換されたエーテルの量は、莫大な物になるはずである。
しかしながら、自然界に遍在しているエーテルの密度はあまりにも薄く、ボールドウィン博士がざっと計算した値の数千分の1にしかならなかったのだ。
そしてボールドウィン博士は、犯罪捜査に用いられていた魔素残滓検知鏡(マギアスカウター)の原理を応用。
微弱なエーテルの反応を検出する魔導器を開発し、霧散して希薄になったエーテルが上空へと立ち昇って行くのを発見する。
更に望遠鏡タイプの魔導器と組み合わせ、はるか上空の高度1,000kmでエーテルの反応が消失する事を確認した。
微弱なエーテルの反応を検出する魔導器を開発し、霧散して希薄になったエーテルが上空へと立ち昇って行くのを発見する。
更に望遠鏡タイプの魔導器と組み合わせ、はるか上空の高度1,000kmでエーテルの反応が消失する事を確認した。
ボールドウィン博士は上空1,000kmにエーテルを消失させる何かが存在する、と確信。
そして聖華暦622年、ボールドウィン博士はエーテル反応消失現象をつぶさに観測した結果、あくまで『おそらく』と言うレベルであるが、エーテルを消失させている物は何かの粒子状の存在である、と見当を付けたのだ。
そして聖華暦622年、ボールドウィン博士はエーテル反応消失現象をつぶさに観測した結果、あくまで『おそらく』と言うレベルであるが、エーテルを消失させている物は何かの粒子状の存在である、と見当を付けたのだ。
時は流れて聖華暦659年。
父親であるボールドウィン博士の研究を受け継いだホレイショー博士は、エーテルを消失させる粒子が上空の宇宙空間だけではなく、地球の大気中にも密度は薄いが含まれている事を発見する。
これは偶然に、エーテル検出魔導器を操作していて、エーテルが消失する現場を捉えたためであった。
父親であるボールドウィン博士の研究を受け継いだホレイショー博士は、エーテルを消失させる粒子が上空の宇宙空間だけではなく、地球の大気中にも密度は薄いが含まれている事を発見する。
これは偶然に、エーテル検出魔導器を操作していて、エーテルが消失する現場を捉えたためであった。
ホレイショー博士は、地上でこの粒子がほとんどエーテルを消失させないのは、単純に密度が薄すぎてエーテルと粒子とが結びつく事象が起きないためだと考える。
そして同時にこの粒子が、電磁場に影響を受けやすい性質を持つ事を確認した。
ホレイショー博士の予測では、この粒子は太陽の中心部で生まれ、太陽風に乗って地球へと到達、地球の地磁気に捕まってその周辺に層をなしているのだろうと考えられた。
そして同時にこの粒子が、電磁場に影響を受けやすい性質を持つ事を確認した。
ホレイショー博士の予測では、この粒子は太陽の中心部で生まれ、太陽風に乗って地球へと到達、地球の地磁気に捕まってその周辺に層をなしているのだろうと考えられた。
ただし大気中では、風などの大気の揺籃によってその密度が小さく、大規模なエーテル消失効果が発揮されないのである。
ホレイショー博士はしかし、電磁場でこの粒子を集積する方法を考案、その原理に基づいた魔導器を開発する。
この魔導器と、これが集めた粒子を一定方向に放出する板状の装置の組み合わせにより、今現在で抗魔結界と呼ばれるシステムが完成の運びとなった。
ホレイショー博士はしかし、電磁場でこの粒子を集積する方法を考案、その原理に基づいた魔導器を開発する。
この魔導器と、これが集めた粒子を一定方向に放出する板状の装置の組み合わせにより、今現在で抗魔結界と呼ばれるシステムが完成の運びとなった。
そしてこの粒子は、ボールドウィン、ホレイショー両博士の功績を讃える意味合いもあり、その姓を取って『デヴィルン粒子』と名付けられたのである。