「簡易魔装兵 メイジクラーベ」
[解説]
冒険者組合が迫る魔獣の群れを足止めするための決死隊に支給した。
機体は従機センクリクテ・クラーベを突貫で改造したもので、胴体正面全体を構成する大きな窓の上から申し訳程度に鉄板を貼りつけ、二つの座席の目の高さにのぞき窓をつけている。
また、余計な魔力を食う二丁の魔導砲は取り外され、代わりに魔装兵の武器としては使えない質の悪いブラッドグレイルを発動体とし、魔力伝達コードを有線式で機体の中まで伸ばした急造のマジカルワンドを携えている。
魔獣が都市に迫るまでに用意できた機体は13機、機体には決死隊に志願した魔法攻撃担当の魔導士と機兵を操縦できる人間が二人一組で乗り込み、防衛線を張る。
ワンドのブラッドグレイルが砕け、機体を圧倒蹂躙され、投入されたメイジクラーベは1機残らず失われた。
搭乗員の生存者は部隊全滅を伝えるために脱出した魔導士一名のみであった。
そこまでして稼いだ時間は、わずかに30分。
されどその30分で、最後に街にとどまっていた民間輸送船を使い、身一つとはいえ住民たちを逃がすことには成功したのだった・・・・・。
[関連項目]
センクリクテ・クラーベ(原型機)