錬金時計
[解説]
これによって、人々は時間を測る術をいったん失ったのである。
当然ながら、それはさまざまな不便を生じさせ、一朝一夕に解決する事は無かった。
当然ながら、それはさまざまな不便を生じさせ、一朝一夕に解決する事は無かった。
だが、聖華暦200年末期、帝国在住の一人の錬金術師が発掘品の時計を買い取り、錬金術によるリバースエンジニアリングを試みたのである。
時計は旧世紀のゼンマイ式時計で、錬金術師は時計の仕組みを丹念に解析して、約10年の歳月をかけ、ついにゼンマイ式時計を再現せしめたのだ。
時計は旧世紀のゼンマイ式時計で、錬金術師は時計の仕組みを丹念に解析して、約10年の歳月をかけ、ついにゼンマイ式時計を再現せしめたのだ。
しかし、時計が失われてから数十年が経っていた事と、時計が無い事で生じた不便さへの忌避感から、その事を指摘する者は皆無であった。
かくして錬金時計は聖華世界の世に誕生し、時計本来の役目以外にも、その機構は様々に流用される事となったのである。