「機装兵 サングリーダル・ロド」
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鍛冶師フォーン・ライ・テラスンは、名工であり有数の技術者であり、聖王国最大の工房の重職に在った。
彼は自分の作品であるシャハナン・ローゾとサングリーダル・ロドの2機を見上げる。この2機は、工房の保存機体だ。
万が一の事でもなければ、動かす事はない。
彼は自分の作品であるシャハナン・ローゾとサングリーダル・ロドの2機を見上げる。この2機は、工房の保存機体だ。
万が一の事でもなければ、動かす事はない。
フォーンは最初にシャハナン・ローゾを見遣り、しばし物思いにふける。
次にサングリーダル・ロドに視線を移すと、思わず小さく笑みを漏らした。
それを見る者がいたら肝を潰しただろう。彼が笑ったところなど、見たことがある者は、ほぼ誰もいない。
次にサングリーダル・ロドに視線を移すと、思わず小さく笑みを漏らした。
それを見る者がいたら肝を潰しただろう。彼が笑ったところなど、見たことがある者は、ほぼ誰もいない。
彼が笑みを漏らしたのは、サングリーダル・ロドを商品として物にするのに、かけた手間と苦労の日々を思い出したからだ。
優等生であったシャハナン・ローゾとは異なり、サングリーダル・ロドは問題だらけだった。
可能な限り安価にするために設計に無理を重ね、安値な低い格の素体から強力な力を引き摺りだすために工夫と苦労を重ね、試作機が出来上がってからは試験を担当した操手から「これは欠陥機か?」との言葉を何度も重ねて言われた。
優等生であったシャハナン・ローゾとは異なり、サングリーダル・ロドは問題だらけだった。
可能な限り安価にするために設計に無理を重ね、安値な低い格の素体から強力な力を引き摺りだすために工夫と苦労を重ね、試作機が出来上がってからは試験を担当した操手から「これは欠陥機か?」との言葉を何度も重ねて言われた。
それも無理は無かった。
この機体は敵の攻撃を回避する事は、まったく考えていない。
低い機動性、低い速度、その割に微妙なところで過敏なため難しい操縦。
しかしそれと引き換えにした圧倒的な防御力のおかげで、戦場で助かった操手は多い。
この機体は敵の攻撃を回避する事は、まったく考えていない。
低い機動性、低い速度、その割に微妙なところで過敏なため難しい操縦。
しかしそれと引き換えにした圧倒的な防御力のおかげで、戦場で助かった操手は多い。
シャハナン・ローゾと共に、聖王国に無理を言って……次期開発予定機のためのデータ収集のためだと強弁して、一般用の機装兵として一般販売して良かった。
そうファンは再び小さな笑みを漏らすと、仕事のためにその場を立ち去って行った。
そうファンは再び小さな笑みを漏らすと、仕事のためにその場を立ち去って行った。
[解説]
ちなみにこの機体は、本来は低い格の素体を、各部調整などで無理矢理に高い格に当てはめ、強引に強力な能力を引き出しているらしい。
そのため、闘気法の増幅力は低い格の機種と同等でしかない。
そのため、闘気法の増幅力は低い格の機種と同等でしかない。
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