「カーライル王朝・聖王国」

[解説]
聖王国の統治は王侯貴族派、聖騎士団派、聖導教会派の3派閥からなる議会制度となっている。
聖華暦680年以降は聖王が政に関する権限を放棄した為、貴族派閥の発言権は著しく低下している。
貴族派を懐柔し傘下に納めた事で800年現在では教会派が最も強い発言力を持っている
聖華暦680年以降は聖王が政に関する権限を放棄した為、貴族派閥の発言権は著しく低下している。
貴族派を懐柔し傘下に納めた事で800年現在では教会派が最も強い発言力を持っている
[国家の体制・聖王国の行政形態について]
[基本事項]
カーライル王朝・聖王国は形式としては聖王を頂点とした王制である。
だがその実態は貴族による聖王国議会が国家を運営しており、実際の制度としては貴族制が近い。
しかし聖華暦830年現在においてはその形式自体が揺らいでおり、このままでは聖導教会による神権政治に移行しかねない状況が懸念されている。
ただし今現在においてはまだ、聖騎士団派議員と聖導教会派議員の権力争いがあるものの、基本的には聖王国議会は一応機能しており実権を握っている。
だがその実態は貴族による聖王国議会が国家を運営しており、実際の制度としては貴族制が近い。
しかし聖華暦830年現在においてはその形式自体が揺らいでおり、このままでは聖導教会による神権政治に移行しかねない状況が懸念されている。
ただし今現在においてはまだ、聖騎士団派議員と聖導教会派議員の権力争いがあるものの、基本的には聖王国議会は一応機能しており実権を握っている。
この貴族だが、カーライル王朝・聖王国における貴族は広範な領地を持つわけでは無い事に、注意が必要である。
元々中世欧州の貴族の爵位は、領地によって決まっていた。
広大な土地を支配している場合は公爵(ただし公爵の爵位は、王家などに連なる者だけに許されていた場合も多い)など上位の爵位持ちとなり、ちょっとした都市だけの支配者は男爵など下級の爵位となるのである。
呼び方も、「〇〇(土地の名前)伯爵」などと呼ばれる事になる。
なお場合によっては互いに離れた飛び地を幾つか支配し、「〇〇伯爵にして××子爵にして△△男爵」など複数の爵位を持つ事も、さほど珍しくは無かった。
元々中世欧州の貴族の爵位は、領地によって決まっていた。
広大な土地を支配している場合は公爵(ただし公爵の爵位は、王家などに連なる者だけに許されていた場合も多い)など上位の爵位持ちとなり、ちょっとした都市だけの支配者は男爵など下級の爵位となるのである。
呼び方も、「〇〇(土地の名前)伯爵」などと呼ばれる事になる。
なお場合によっては互いに離れた飛び地を幾つか支配し、「〇〇伯爵にして××子爵にして△△男爵」など複数の爵位を持つ事も、さほど珍しくは無かった。
しかし聖王国の貴族は、広大な領地を持っているわけではない。
各々の貴族は、それぞれ一つの都市や集落の領主となり、土地を治めている。
しかもこの場合の領主というのは土地の持ち主を表していない。
カーライル王朝・聖王国においては土地の権利はすべてカーライル王家の物であり、貴族は過去のなんらかの手柄や功績に対する褒賞として、領地である都市の支配権……徴税や統治の権利を、あくまでもレンタルされているだけなのである。
少々異なるが、中世欧州における法衣貴族(または法服貴族)に近い感覚であろう。
各々の貴族は、それぞれ一つの都市や集落の領主となり、土地を治めている。
しかもこの場合の領主というのは土地の持ち主を表していない。
カーライル王朝・聖王国においては土地の権利はすべてカーライル王家の物であり、貴族は過去のなんらかの手柄や功績に対する褒賞として、領地である都市の支配権……徴税や統治の権利を、あくまでもレンタルされているだけなのである。
少々異なるが、中世欧州における法衣貴族(または法服貴族)に近い感覚であろう。
この様な統治形態であるものの、聖王国においては各領地における領主の権限はかなり大きい。
もともと聖華暦680年に当時の聖王が政に関する権限を放棄、聖王国議会への出席を控えるようになって以来、その傾向はかなり増した。
基本的に行政の方針は聖王国議会が選出し任命した各種担当の大臣が、聖王と国民に対し責任を持ち、各領地を預かる領主らに対して命令を下す事には、形式上なってはいる。
しかし実際は各々の領地の統治は、軍事以外に関してはほぼ完全に各領主に委任され、大臣から降りて来る指示はあくまで方針程度のものだ。
もともと聖華暦680年に当時の聖王が政に関する権限を放棄、聖王国議会への出席を控えるようになって以来、その傾向はかなり増した。
基本的に行政の方針は聖王国議会が選出し任命した各種担当の大臣が、聖王と国民に対し責任を持ち、各領地を預かる領主らに対して命令を下す事には、形式上なってはいる。
しかし実際は各々の領地の統治は、軍事以外に関してはほぼ完全に各領主に委任され、大臣から降りて来る指示はあくまで方針程度のものだ。
ただし軍事に関しては、話が多少変わる。
各領地における領主も、私兵を持つことは禁じられてはいないし、アルカディア帝国との国境付近を預かる領主では推奨されてすらいるのだ。
しかしながら、これらの私兵の指揮権は、あくまで正規軍であるクルセイダー、四聖騎士団、そして近年において新たに加わった十字騎士団の下に置かれる。
普段は領主が指揮権を保有しているのだが、正規軍が出張って来たならば、領主自身が正規軍における地位を持っていない限り、私兵の指揮権を正規軍に供託しなければならないのだ。
各領地における領主も、私兵を持つことは禁じられてはいないし、アルカディア帝国との国境付近を預かる領主では推奨されてすらいるのだ。
しかしながら、これらの私兵の指揮権は、あくまで正規軍であるクルセイダー、四聖騎士団、そして近年において新たに加わった十字騎士団の下に置かれる。
普段は領主が指揮権を保有しているのだが、正規軍が出張って来たならば、領主自身が正規軍における地位を持っていない限り、私兵の指揮権を正規軍に供託しなければならないのだ。
[行政の現場]
多くの場合、街というレベル以上の人口がある場所では、実際に行政の実務を行う『役場』が存在する。
まれにその地の領主の館そのものが『役場』機能を持っている場合もある。
基本的にここで雇われている役人は領主の部下である。
これらの役人は、これもまた領主が召し抱えたりあるいは一族郎党であったりする、内政官の命令に従う。
言わば内政官は、役人の総元締め的な位置にいると考えて良い。
まれにその地の領主の館そのものが『役場』機能を持っている場合もある。
基本的にここで雇われている役人は領主の部下である。
これらの役人は、これもまた領主が召し抱えたりあるいは一族郎党であったりする、内政官の命令に従う。
言わば内政官は、役人の総元締め的な位置にいると考えて良い。
小さな村々になると、そこを領有している貴族から指名を受けた者が村長となり、そして村長の邸宅そのものが『役場』機能を持つ事になる。
この場合は予算的なものもあり、村長の家族を含む一族郎党がそのまま役人的な仕事をさせられている事が多い。
また教会領と言われる、聖導教会の保有する領地においては、低位の神官たちが役人としての役割を果たしたりもする。
この場合は予算的なものもあり、村長の家族を含む一族郎党がそのまま役人的な仕事をさせられている事が多い。
また教会領と言われる、聖導教会の保有する領地においては、低位の神官たちが役人としての役割を果たしたりもする。
また聖王国には、従属都市という物がある。
これは聖王国でも帝国でも無い第三者が開拓し築いた都市を、聖王国が自国に編入させたものだ。
この様な都市では、基本的に都市の長などは都市ごとに独自の決め方になっている。
当然ながら役人の形態も、その都市ごとに違って来るのだ。
ただしこれら従属都市では聖王国貴族の持つコネが存在しない事もあり、基本的に聖王国へ上納金の様な形で重税が課される事が多い。
そのため、都市の住人などの役人に対する感情は悪い。
役人たちからすれば、薄給で都市のために頑張っているのに、報われないにもほどがあると言う物だ。
これは聖王国でも帝国でも無い第三者が開拓し築いた都市を、聖王国が自国に編入させたものだ。
この様な都市では、基本的に都市の長などは都市ごとに独自の決め方になっている。
当然ながら役人の形態も、その都市ごとに違って来るのだ。
ただしこれら従属都市では聖王国貴族の持つコネが存在しない事もあり、基本的に聖王国へ上納金の様な形で重税が課される事が多い。
そのため、都市の住人などの役人に対する感情は悪い。
役人たちからすれば、薄給で都市のために頑張っているのに、報われないにもほどがあると言う物だ。
役人の地位は、基本的には一般人と同等である。
しかしながら聖王国の法によれば、あくまで職務に就いている間に限り、一般人よりも高い権限を持つ事になっている。
更に言うならば高い職務権限などを持っているため、職務中でなくとも一般人側で忖度する事も多いと言えよう。
しかしながら聖王国の法によれば、あくまで職務に就いている間に限り、一般人よりも高い権限を持つ事になっている。
更に言うならば高い職務権限などを持っているため、職務中でなくとも一般人側で忖度する事も多いと言えよう。
なお聖王国では、軍人はだいたいにおいて役人よりも地位的に優遇される。
具体的に言うと、役人の地位は従士階級(歩兵~従機操手)よりは高く、そして聖騎士(機装兵操手)より格段に落ちる程度だ。
ただしこれにも例外があり、第三階梯の従士は言わば旧人類の軍隊における軍曹的な位置づけにある者も多く、軍内部に大きく顔が利くため、普通の役人はいくら立場が上だからと言って、彼らには逆らわない。
具体的に言うと、役人の地位は従士階級(歩兵~従機操手)よりは高く、そして聖騎士(機装兵操手)より格段に落ちる程度だ。
ただしこれにも例外があり、第三階梯の従士は言わば旧人類の軍隊における軍曹的な位置づけにある者も多く、軍内部に大きく顔が利くため、普通の役人はいくら立場が上だからと言って、彼らには逆らわない。
もう1つ、聖王国で幅を利かせている存在に、聖導教会の神官たちが居る。
彼らは名目上、政治権力の外に位置する存在であり、宗教権力の庇護下にある存在だ。
そして戒律にこそ縛られているが、国の法には従わなくても罰則が無い。
まあ聖導教会の戒律そのものが、カーライル王朝・聖王国の法の大元になっているのであるからして、破戒僧でもなくば法を蔑ろにはしないのだが。
当然の事ながら、神官たちの実際の地位は役人たちよりも遥かに高い扱いになっている。
本来は清貧を心掛け、民衆に尽くすべき神官たちではあるのだが、腐敗している者も多い。
そんな者たちは、役人たちを上から目線でいけたかだかに顎で使う者も多々存在し、本来の徳の高い神官や、心正しき領主、まっとうな役人などの頭痛の種になっている。
彼らは名目上、政治権力の外に位置する存在であり、宗教権力の庇護下にある存在だ。
そして戒律にこそ縛られているが、国の法には従わなくても罰則が無い。
まあ聖導教会の戒律そのものが、カーライル王朝・聖王国の法の大元になっているのであるからして、破戒僧でもなくば法を蔑ろにはしないのだが。
当然の事ながら、神官たちの実際の地位は役人たちよりも遥かに高い扱いになっている。
本来は清貧を心掛け、民衆に尽くすべき神官たちではあるのだが、腐敗している者も多い。
そんな者たちは、役人たちを上から目線でいけたかだかに顎で使う者も多々存在し、本来の徳の高い神官や、心正しき領主、まっとうな役人などの頭痛の種になっている。
[とある教会領の例]
ある辺鄙な山中の盆地に開かれた村を例に挙げる。
この村を開拓したのは、本来聖王国の国民ではなかったため、従属都市の扱いになるはずであった。
しかしながら当時のこの村の村長は、聖導教会に村の土地を寄進し教会領とする事で、従属都市としての過酷な扱い(重税など)から逃れる事に成功する。
更に村長の息子が水魔法の使い手であったのを良い事に、彼を聖導教会へ入信させて修業を積ませ、ほどほどの神官とする事にも成功した。
この村を開拓したのは、本来聖王国の国民ではなかったため、従属都市の扱いになるはずであった。
しかしながら当時のこの村の村長は、聖導教会に村の土地を寄進し教会領とする事で、従属都市としての過酷な扱い(重税など)から逃れる事に成功する。
更に村長の息子が水魔法の使い手であったのを良い事に、彼を聖導教会へ入信させて修業を積ませ、ほどほどの神官とする事にも成功した。
今現在この村は、そのかつての村長の息子が、代官(教会領の領主はあくまで法皇であり、土地の持ち主はカーライル王家である)として取り仕切っている。
そしてその配下の低位神官たちが、検地、徴税、犯罪取り締まり、裁判、その他諸々の役人的な働きを行っているのだ。
なおこの村は、帝国とは大きく離れた国の南東、自由都市同盟寄りの地域に存在する。
同盟の軍事ドクトリンが専守防衛だという事もあり、軍事侵攻はまず考えなくても良い。
そのためこの村には、魔獣相手の傭兵や冒険者が常駐している他は、軍事力は存在していない。
そしてその配下の低位神官たちが、検地、徴税、犯罪取り締まり、裁判、その他諸々の役人的な働きを行っているのだ。
なおこの村は、帝国とは大きく離れた国の南東、自由都市同盟寄りの地域に存在する。
同盟の軍事ドクトリンが専守防衛だという事もあり、軍事侵攻はまず考えなくても良い。
そのためこの村には、魔獣相手の傭兵や冒険者が常駐している他は、軍事力は存在していない。
[聖王国貴族]
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