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751 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/02(水) 17:20:20 ID:9+q6phjU0
インテグラ「色んなお前がいるもんだからイマイチお前の性格が掴めんよ。」
旦那   「私も誰かに お前は何だ? と問われたら 只の化け物だ。
と答えるしかないくらい自分の事がどうでも良くなっている
時があると自分自身感じる時がある。」
インテグラ「自分自身が結構波乱万丈の人生を送っているのに
血を吸うと他人の人生まで背負わねばならんのがお前の性質だからな。
言わばお前は様々な人格やら魂やらの複合体。まさしく『歩く国』
自分の性格がどうであろうがそれこそ『どうでもいい』までに
なってしまっているのか・・・?」
旦那   「私自身の精神の大元はあの『狂った王様』なんだろうがな。天に向かって
屍の階段を築き上げればいつかは自分も救われると信じていた愚か者。
そしてそんな自分を端から見て楽土は降りてきたかよとせせら笑うのが
今の『吸血鬼アーカード』である私。殺して殺して高笑いするのが私。
死の河を削ぎ落とし『1人』になって血涙を垂れ流して我が身の有様
を嘆く『俺』。…自分でも奇妙奇天烈な性格をしているとは思うな。」
インテグラ「どのお前もお前自身という事でいいじゃないか。
人間として生まれてきても狂って鬼にならねば生きても行けない
奴もいる。沢山の性格を引きずって数多の他人の人生を吸って
倣岸な笑いを浮かべて生きていく地獄は私には到底どんなものかは
想像もつかんがな。・・・それでもお前は気高きノーライフキングだよ。」
旦那   「フ・・・。」
インテグラ「自分を嘲笑する事なぞないさ。もう少しもう1人のお前、あの少女を
見習ってみるのも良いかもしれんぞ。天真爛漫になれるかもな。」
旦那   「あいつは特殊だ。特殊。」


756 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/02(水) 20:34:43 ID:pQMt/rOfO
インテグラ「ペンウッド卿。最近変質者が敷地内に頻繁に現れるので、最新鋭のガードシステムに戦闘ヘリ10機とミサイル50発、それとワイルドギース隊の装備を新調して下さい」

ペンウッド「そんな無茶な…」

インテグラ「無茶?」(ギラン)

ペンウッド !!(ビクーン)「…わかった わかったよインテグラ、すぐに手配しよう」(領収書はアーサーにツケとくとして、ああ…アイランズの怒る顔が目に浮かぶ…)


757 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/02(水) 20:48:51 ID:jbW/c/u3O
何かまた愉快な住人が増えたなオイw
…………えーと、
アルクとワルクと猫アルクと猫カオス、
志貴と七夜、
旦那とロリ旦那とヒゲ旦那とショタ旦那、
んで若執事と老執事と黒執事、か。
他に多重人格っぽいのは路地裏コンビに萌香かァ……あと誰かいたっけ?


759 : 対決 その1 2008/04/02(水) 21:27:24 ID:hU7Tn2WA0
ウォルター・C・ドルネーズは自室のベッドの上で眠れぬ夜を過ごしていた
もう1人の自分と、自分自身の事についてである。
「俺はまだまだ弱いよなあ…畜生。 もっともっと強くならねえとなあ。」

頭にちらつくのはべらぼうに強いもう1人の自分。「だははははは!!」
と調子付いた思い出すだけでムカつく笑いを浮かべる黒尽くめのあの男。
格下と踏んだ相手にはとことんやりたい放題するくせに格上相手だと情けない程
にブチのめされる見下げ果てた奴。もう1人の自分だとは信じたくもない存在。
そして、そんな最低男に実力で勝てない自分の不甲斐なさ。
色々とモヤモヤを抱えながら日々を過ごしている少年に、相棒の少女吸血鬼が
「何か悩み事でもあるのか?ウォルター。」と聞いてくる。そんな相棒に「何でもねえよ。」
と答える自分。スッキリしない頭で日々を過ごしている事くらい普段の何気ない態度で
分かってしまうものなのだろう。ジョセフからも「なーんか最近深刻な表情でボーっとしてねえ?」
と指摘されたくらいだ。
「あー畜生!!不甲斐ねえ!!」
と、寝床の上で叫ぶ。 一言叫ぶとこの現状をいかにするかを考えた。
『このままウダウダしててもしょうがねえじゃねえか。……弱い自分に
腹が立つんなら強くなるしかねえもんなあ。…何か腹の中が熱くなってきたぞ
いてもたってもいられねえや。…走るか。』

ジョギングウェアに着替えて屋敷を出たウォルターは夜の月面町を疾走する。
月明かりがそんな彼を照らしていた。町をぬけ、月面河のだだっ広い河原まで来た。
「フウ…。」と一息をつき、休もうと河原に寝転がる。
体を動かすと気持ちがいい。悩みを忘れられる。少しまどろんだ気分になっていると
ビュ! ビュ! と音が聞こえてきた。
「何だ?こんな夜中にこんな所に来るもの好きが俺以外にいるのか?」
と音のする方を見ると、見慣れた顔の男が1人、イメージトレーニングをしているのか
ひたすらに拳打を繰り出し、蹴りを空に放っている。
ビュ! という音は拳が空を斬る音だ。
「大尉じゃねえか。ほーー…流石にミレニアム1真面目な男。訓練はかかせないか。
あの不真面目執事も見習えってんだ。…あいつはトレーニングしなくても強いけどよ。」
大尉は上半身裸で黙々とイメージトレーニングを続けている。
そんな姿を見ていると、『自分もあんだけ頑張ってみるか。』
と思えてきた。そして、何かを思い出しそうになる。
『何か引っ掛かるんだよなあ…。えーっと、連想で記憶の糸を辿るか。
まずは大尉、大尉と言えば強い。でも、あいつは不思議と不真面目執事
と比べたらまだ恐さがねえんだよな。性格の違いってのもあるんだが、
何か重要な事を忘れてる様な…。……あ、思い出した!!俺、前にあいつと
戦った事があるんだ!!何でこんな事忘れていたんだろ? この町は何だかんだ
で秩序は守られた平和さがあるからなあ。…間違いなく平和ボケだ!
ここじゃ厨二眼鏡とかぺドゴニアとかしか相手にしてなかったかんなあ。
心身共になまってやがったんだ!畜生俺のクソッタレ!
なんっつー事だ!アイツのボディーブローとストレートの痛さを忘れるなんて!
……まてよ、俺、アイツの攻撃くらっても戦えたんだよな。頑丈なセラス嬢
も食らったらノックアウト負けしかねないあいつのパンチを。
俺ってタフネスとスタミナは案外凄いんじゃねえか?
………よーーーーーーーーーし。」
ウォルターは何かを思い立ったのか立ち上がり、イメトレを続ける大尉の所へ
歩み寄る。そして、こう言った。
「よう、1人でそんな事やるよりも戦闘訓練なら俺とやらねえか?」


今までの流れに触発されて書こうと思ったネタです


762 : 対決 その2 2008/04/02(水) 22:22:27 ID:hU7Tn2WA0
大尉はその声にピタリと動きを止め、ウォルターの方を見る。
ウォルターはそんな大尉の向かって更に話しかける。
「覚えてるか?前にお前が首を絞めてガチで殺しかけた男だよ。
俺も強くなりたくてウズウズしてんだ。お前が『一緒に訓練なんざゴメンだね』
と言ってもやり合うぜ。俺と出逢った事運の悪さを恨みな。」
精一杯の強がりを言う少年。大尉は、ザワ…ザワ…と髪をざわつかせ、殺気をウォルターに向ける。
河原の草が殺気に反応し、大尉の髪と一緒に揺れる。まるで風が吹いたかのよう。
大尉の眼が火を灯したかのように輝き出す。ウォルターは久しぶりの感覚に捕らわれていた。
『喰うか喰われるか』の勝負の場所。修羅の庭である戦場の真っ只中に躍り出たかの様な感触。
『こ れ だ よ…!今の俺に必要なモノは!!』
ウォルターは自然と自分が笑っているのを感じた。笑うとは本来獣が牙を剥く
動作と等しく、攻撃的な表情なのだという話を思い出した。
大尉は、自分を目の前にして笑みを浮かべ、瞳に闘争心の輝きを灯す少年を見て、
誰も気づかない程の、本当に僅かな微笑を浮かべる。そして、右手の人差し指をクイ、クイと動かす。
ウォルターも身構え、糸を取り出す。
「カモンカモンってか…。行くぜ犬っコロおおおおお!!」
ウォルターは踊りかかった。

数分後。

『!!!…強え!やっぱり強いぞコイツ!!』
ウォルターは人狼の強さを全身で感じていた。なまった自分の攻撃なぞ
まるで通じない。ことごとく避けられしこたまに殴られる。
ボディー、ストレート、アッパーカット。変身しなくてこれだ。
最初の一撃で失神しそうになったが、そうなりそうになる度にムカつくもう1人
の自分が頭の中に浮かび、意識が保たれる。
「この糞ったれがあああああああ!!!」
腹の中からこみあげてくる雄叫び。がむしゃらに大尉につっかかる。
鼻っ柱に一撃、鋼の拳撃。ウォルターの脳内に星が飛ぶ。
宙に舞い、気を失う瞬間にみたものは馬鹿みたいに綺麗に見える星空。
そして意識を失う寸前に
『へへ…黒いのよう、もう1人の俺よう。お前はこんな一撃食らったら、
赤ん坊に戻るだろうが、俺はならねえんだぜ…。』
こんな事を思った。

1時間後
意識を取り戻したウォルターがまだガンガンする頭を抱えていると
バシャッと上から冷たい水が降ってくる。
目をぱちくりさせるとそこにはペットボトルを持った大尉。
運動後の補給用の水を頭からかけられたみたいだ。
「ざまあねえな…。」
呟くウォルターの前で仁王立ちする大尉。『まだやるかい?』と言わんがばかりに。
ウォルターは強敵を前にこう言い放つ。
「まだ元気いっぱいだっつーの。」
結局、二人は朝までやりあった。夜明けの光が東から登る頃には
ウォルターの顔は血と痣と地面に叩きつけられた時についた泥にまみれていたが
心は何か晴れ晴れとしたものだった。
大尉は上着を着て、ミレニアムの本部へと帰る。ウォルターは大尉に言い放った。
「おーい!また今夜もやり合おうぜ!俺が恐いからって逃げんなよ!!
それとガキの我侭に付き合ってくれてありがとうなあ!!」
大尉はそんな少年の方にくるりと振り向き、コクリと頷いた。
ウォルターはヘルシング邸に帰る途中、こう呟いた。
「俺はまだまだ強くなるぜ不真面目糞執事。てめーはいつかブッ飛ばす!」


続きはまた。


766 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 00:21:12 ID:tkHTqfqP0
令裡  (ふふ、やっぱり体育のお着替えの時間は眼福ですわね~♪)
キリエ「く、今日も晴れか。日光…ウザい」
夕維 「大丈夫、具合悪くなったら付き添ってあげるから」
キリエ「へ、平気よ…これくらい」
令裡  (キリエ、胸のほうはまだまだ控え目ね…それにしても夕維ったら可愛らしい下着♪)
ディーヴァ「ひゃっほぉおぉおおお~~~!」
小夜 「で、ディーヴァ!何やってるのよ!服を着なさい、服を!!」
ディーヴァ「小夜姉さまも脱いじゃえぇぇ!」
小夜 「ちょ、やめ!キャッ!?で、ディーヴァぁぁぁ!!!!」
令裡  (双子の姉妹がくんづほぐれつ…これもなかなか)
胡夢 「やだぁ、また大きくなっちゃった…また差がついちゃったわね萌香?」
萌香 「お、大きさより形のほうが大事だもん!」
紫  「そうですぅ!巨乳より美乳のほうがエクセレントですぅ!それに貧乳はステータスですぅ!!」
胡夢 「屁理屈並べて!オッパイは大きくて柔らかい方がいいって昔から相場が決まってるの!!」
紫  「お前のはただの脂肪の塊ですぅ、このメス豚!」
胡夢 「何ですって!!」
みぞれ「胸なら私もなかなかのもんだぞ?雪のように白い肌と、チェリーのようなピンクの
コントラストなんて我ながら――――……」
令裡  (わたくしは全部大好物ですわ)
美夕 「何さっきからチラチラ見てるのよ、このバイセク吸血鬼」
令裡 「あら美夕、人の愉しいひと時を邪魔するのは野暮でしてよ」
美夕 「…そう言いながらその目つきで私の胸見ないで」

アルク「む~胡夢の奴92cmとは生意気な~、でも上には上がいるぞぉセラス!」
セラス「ちょ、な、何するんです!ヤメ!」
アルク「うりゃあ!」
セラス「きゃ、きゃああ!」
萌香 「!?」
胡夢 「で、デカ!」
令裡  (ふふふ…)ペロリ
美夕 「…」
夕維 「み、美夕…」

秋葉 (だから体育は嫌なのよ!)


767 : 対決 その3 2008/04/03(木) 01:11:26 ID:G2JumWH50
薄暗がりの明け方に傷だらけでヘルシング邸に到着した少年執事。
シャワーを浴びて、顔を消毒し、絆創膏を貼り、包帯を巻いて、身支度をする。
ウォルターはふと思う。怪我をして手当てをしたなど、どれくらいぶりだろうか。
弾丸の飛び交う中、職務をこなした事もあるが自分が怪我を負う事などごく稀。
それでも危険な任務の時には不覚を取る事もあり、身体を縫う羽目になる怪我を負った事もある。
しかし、この町に来てからは割りとのどかな時間を過ごす事が多くなっていた為、
自分の血を見る事など無くなっていた。
『平和な生活って奴を送っていたら身体なまりまくりになっていたのが
よーく分かったぜ。前にあの犬コロと戦った時には少なくとも自分の攻撃は
食らってくれたもんなあ。昨晩は掠りもしねえでやんの。
刃物は手入れを怠れば錆びる。それがよーーーーーく分かったよ。』
こんな事を考えつつも執事服に身を包み、自分の両頬を両手でぺシぺシと叩き、
朝の勤めをするべく気合いを入れる。

ヘルシング家朝食の時間。
アーサーとその娘であるまだ13歳のインテグラ、そして少女吸血鬼は驚いた
表情をしている。執事が包帯を巻いて何事も無かったかの様に紅茶を淹れている
のだから明らかに昨晩ウォルターの身に何かがあった事は明白なのだから。
ウォルターは食卓で一斉に質問をされる。
「死神坊主よう…何かあったんかい?」
「誰か強い敵に襲われたの?」
「…ゆゆしき事態だなこれは。涼しい顔をしとらんと誰にやられたか言え…!
場合によってはそいつを八裂きにしてくれる。」

ウォルターは頬を人差し指でポリポリと掻きながら
『包み隠さず正直に話そう。』と思い、こう答えた。
「あー…昨晩、自分の不甲斐なさに悶々としてジョギングして、河原に
寝そべったらミレニアムんちの大尉もそこで自主トレしてて、大尉に
戦闘訓練を申し込んだ。そしたらこの有様。いやー、俺ケンカの腕なまりまくり。」
『ふうん、無茶しやがるねえ。』という様な表情をした後ニヤリと笑うアーサー。
呆気にとられた表情のインテグラ。……そして腑に落ちないと言った表情のアーカード。
朝食が済み、月面学園に登校すべく仕度をし、アーカード、インテグラ、ウォルターの三人
は家を出ようとすると、地下の部室から出てきたもう1人のアーカードと出くわす。
リオに行った時の白コートと白スーツ。ブレナーと名乗っていた時の彼の姿が
月面学園世界史教師であるアーカードの正装だった。2m近い長身で地獄の様な声
を出す彼は学園では強面教師で通っている。その彼に
「おはよう、インテグラ、ウォルター、もう1人の私。」
と声をかけられたので三人は返事をする。
「おはよう、アーカード。」「おはようさん、アーカード。」「おはよう、もう1人の私。」
男性体アーカードはウォルターの顔を見ると笑顔を浮かべてこう言った。
「やんちゃも結構結構。誰が相手か知らんが手こずったようだなあ。はははははは。」
少女アーカードはその一言に多少怒気を含んでこう言う。
「ここまで顔を腫れ上がらせて来られたのでは笑い事では済まされんぞ、私よ。」
「ふん、血気盛んな若造が無茶をするのはある意味当然なのだ。女の性を持った私よ。」
その様子を見たインテグラはこう声をかけた。
「学校があるでしょう?」

次期当主のご令嬢の一言でアーカード2人は口論を始めるのをやめ、
ウォルターとインテグラと一緒に学校へ向かう。
ウォルターは晴れやかな空の下で口笛を吹いている。
一睡もしていないのに頭はすっきりしている。ナチュラルハイの状態の様だ。
ファイトクラブのエドワード・ノートンの様に。

取り合えずここまで。


770 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 14:26:52 ID:iWUOACpB0
ウォルターの朝は早い。
だが、それは決して執事としての仕事をこなすためではない。
「あんなデブにココアいれるくらいなら、餓鬼執事のケツ舐めた方がマシ」
というのが信条のウォルターは、基本的にロクに仕事をしない。
鳥も眠っているような時間に起きた理由は、打倒アーカードのため、自身を鍛え上げるために他ならない。
手早く身支度と鋼糸の手入れを済ませると、エヴァンジェリンの小屋へ向かう。

「おはようございます、ウォルターさん。マスターは未だ睡眠中にございます」
「だろうな。かまわん」

エプロンを着け台所に立つと、鮮やかな手つきで料理を完成させていく。
何故こんなことをしているのかと言うと、これがエヴァンジェリンの出した条件だからである。
「訓練を手伝ってやるから、家事全般をこなせ」。
一応現役執事であるウォルターにとって、その条件は容易い。
朝食をテーブルへ並べると、庭に出て体を温める。
ボクサーがするように、架空の敵を想像し、その攻撃をかわし、受け、攻撃を加える。
ウォルターの鋼糸は、中・遠距離で最も力を発揮する。
格闘の訓練は、決してしておいて損にはならない。

(アーカード・・・・・・)

ウォルターの脳が作り出した虚像が、その小さな拳を振りかぶる。
ウォルターは、その攻撃を絶妙のタイミングで逸らし・・・・

(アーカードッ!!)

一閃、ウォルターの蹴りが、虚像の側頭部を捉える。
タイミング、スピード、インパクト。そのどれもが最高のものだ。
その虚像がウォルターの知る最強の人物とて、それをまともに食らった以上、一瞬の隙は生まれる。
そしてその一瞬の隙こそが、人外の闘争では命取りになるのだ。

ギャギャギャギャギャギャ!!

死神が鎌を振り上げる。宙に舞う鋼糸は、虚像の四肢を縛りあげ、それをいとも容易く壊す。
手足を失い、ダラリと鋼糸に吊るされている奇妙なオブジェの心臓に、手刀一閃。
虚像は、朝の光に霧散した。

「都合の良い虚像相手に、やっと一回か・・・・・・遠すぎるっ・・・・!!」

小屋に入ると、エヴァンジェリンが朝食をとっていた。
エヴァンジェリンが「これはどうやって作るのだ?」と聞いてくるが、無視してタオルで汗を拭く。
聞いてもどうせお前は作らんだろうが。

「さっさと済ませろ。先に待っている」


771 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 14:27:14 ID:iWUOACpB0
続き

エヴァンジェリンに告げると、内部に見事な模型が形作られている、複雑な形をしたボトルの前で立ち止まる。
内部に外界と断絶された、別空間を形成するマジック・アイテム。
この中ならどれだけ暴れても構わない。何より、この中での一日は、外の世界での一時間。この中でなら、毎日満足の行く量の訓練をこなせる。
まるで回数制限のない、精神と時の部屋だ。
早速中に入り、しばらく先ほどのようにシャドーをこなしていると、エヴァンジェリンがやって来た。

「待たせたな、執事」
「なに」

短く言葉を交わし、睨みあう。
目の前の少女が放っている眼光は、断じて人のものではない。
まるで、それだけで人を殺せてしまえそうな、魔性のものだ。
何故なら、彼女は吸血鬼。ウォルターが知る、二番目に強い不死の王なのだから。

ビュビュッ!!

牽制に、氷の矢が飛ぶ。
それを必要最低限の動きだけでかわし、鋼糸を振るう。
常人ならば鋼糸の存在に気付くことも出来ずに切り裂かれるが、そこははやりエヴァンジェリン、
自らの身に迫る鋼糸の軌道を瞬時に見切り、安全域へ逃れる。
はずだった。

「え?」

背中に感じる、あり得ない感触。
ニヤリと口元を歪める、黒尽くめの男。

「兵は詭道なり」

エヴァンジェリンは遅まきながら、全てを悟った。



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「糞っ・・・・未だ貴様にすら及ばんのか・・・・・・!!」
「そう悲観的になるな、私がここに来る前に、予め糸を張り巡らせておくと言う作戦。
私は卑怯などとは思わん、見事だった。まんまと蜘蛛の巣に誘い込まれたよ」
「フン、貴様に遅れを取るようで、アーカードに勝てるか」

エヴァンジェリンは考える。この男は、強い。
霧にも蝙蝠にもなれず、吸血鬼の特殊能力は何一つ持たず、傷を負えば若返るという、出来損ない。
にも関わらず、この男は「死神」と呼ばれる。
何故なら、彼の力は人間であった頃に培ったものだから。
この男は、歪な出来損ないになってまで、その力を行使し続けている。
たった一人の、吸血鬼のために。

「アーカード、怖い女だな」
「どの口がそれを言う」

エヴァンジェリンは減らず口を叩くウォルターに、フッ、と笑いトドメを刺すことにした。

「赤ん坊が仏頂面でベラベラ喋っていると、気持ち悪いぞ」
「・・・・・・・・バブー」


773 : 対決 その4 2008/04/03(木) 17:20:50 ID:SVaLlezS0
月面学園のウォルターのクラスはざわついていた。
理由は只一つ、『至極真面目なウォルター君』が顔を腫らして登校してきたからである。
この学園では、ウォルターを血生臭いイメージで見る者はあまりいない。
友達である日和見ヒロは驚愕の表情で
「どうしたの!?ドル君!?その顔!誰にやられたの!!?」
と聞いてくる。因みに『ドル君』とはウォルター・C・『ドル』ネーズのあだ名である。
「犬とケンカした。まあ大げさに驚く程のもんじゃねえよ。」
ケロッとした表情でそう返事をするウォルター。いつも通りの飄々とした、
いや、いつも以上に涼やかな声で。ジョセフからは、
「なーんかふっ切れたいいツラになったんじゃね?最近モヤモヤしたツラしてたから
心配だったけどよ。二枚目がボコボコになっちまってるが、額にかかった黒雲がなくなってら。」
と言われた。悪い気はしない。悪友と久しぶりに話しが弾む。
「なあ、ジョセフ。ここには強い奴は多いよなあ…。」
「?何だよ急に。ま、確かに多いぜ。俺も含めてな。」
「何かよ、俺は今片っ端から無謀な勝負に挑みたい気分なんだよ。」
「ははは、承太郎とかどうだ?」
「・・・・良いかもな。」
「! おいおいおい、冗談のつもりで言ったんだぜ?・・・本気で強くなりたいみたいだな。
久しぶりに大マジみてえだな。・・・そういう相談なら世界史の方のアーカード先生に頼めば
いいじゃん。マジでケンカの事ならあの人は親身になって相談に乗ってくれる
話の分かる先生だぜ?ブリジット先生からはその姿勢が睨まれてるけどよ。
家庭科の方のアーカード先生はぶっちゃけお前に甘いし。」
「・・・あー・・・やっぱ家庭科の方は俺を甘やかしてる感じがするか?」
「おう、見える見える。手作りランチを持たせるのはまあ、お前んちの台所番だから
そうなんだろうなとは思うがよ、何か出来るだけお前に降りかかる火の粉は
祓いたがっている感じはするね。家庭科のアーカード先生は俺がこの学校で
知り合った最初のうちは世界史の方と同様ギラギラしている感じだったがよ、今は
大分丸くなった。この町の雰囲気に飲まれたんかなあ?世界史の方はまだ危険な獣の
匂いがするがよ。」
「んー・・・貴重な意見ありがとう。俺は甘やかされているか・・・。
言われてみれば、そういや思い当たる節もあるなあ・・・。
よし、おっさんの方のアーカードに相談してみる。」


774 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 17:22:29 ID:SVaLlezS0
そんなこんなで昼休み、ウォルターがランチを食べていると、
教室に『家庭科の方のアーカード先生』が入ってきた。
「ウォルター。話がある。来い。」
と言われたので、ウォルターはアーカードに連れられるがまま
学校の屋上に向かう。心地よい春風の吹く屋上。二人以外は誰もいない。

「さて、屋上で何の相談?アーカード。」
「大方察しはついているであろう。その怪我の事だ。」
「ああ、この怪我なら大尉と・・・。」
「その経緯なら朝に聞いた。何でそんな無茶をやった?」
「声色がちょっと怒っているね。俺の事が心配?」
「心配するに決まっているだろう!そして怒るのは当然だ!いいか?そんな無茶は・・。」
「ストップ。どうして無茶をやったのか理由を聞いておいて弁明も聞かずに怒る
ってーのは無しなんじゃないの?つか無茶した訳も朝話したじゃん。自分の不甲斐なさ
に腹が立ってだな・・・。」
「・・・・・・急にあんな事を言われても腑に落ちん。焦る事もあるまいに。」
「・・・そうだな、まず質問をさせてくれ。お前にとっての俺は何?」
「相棒だ。大切な相棒で・・・かけがえの無い存在だ。」
「相棒ってのはお世話になりっぱなしじゃダメだろ?」
「・・・何?」
「背中とか守られてばっかりじゃダメだろ?強くならないと。」
「!!それで大尉と一戦交えたのか!!戦闘訓練なら私と・・・!!」
「お前、俺に甘いじゃん。昨日大尉とやりあって、今日友達と話して
分かった事だがよ。お前、戦闘訓練の時ですら手を抜いてねえか?
大尉は徹底的に執拗に俺をぶちのめしたがお前は『今日はこんなもんかな』
とか言ってツメを甘くしてるだろう?まあ、大尉とやり合ったおかげで分かった
事だがよ。お前の訓練に比べたら大尉の方が遥かに実戦に近いね。
・・・ったく、吸血鬼アーカードらしくねえよ。」
「それは・・・そんな事をしたらお前が壊れて・・・。」
「おいおいおい、過去を振り返ってみろ。俺らこの町に来る前、任務で
かなり無茶したろ?それでも笑い合えていた。ちっとやそっとじゃ俺は
壊れねえよ。お前がこの町に来て何を思って変わったのか、俺には分からん。
相棒なのに情けねえよ。確かにここは秩序も保たれていい所だ。でもな、この町の
優しい空気と優しいお前にすっぽり包まれて、俺はだんだん弱くなった。
・・・・いや、この町とお前のせいにするのは止めよう。甘ったれのガキの俺が悪い。
自分で気をつけて、なまくらにならない様にしていれば済んだ事だ。
お前に『甘やかさなくてもいいよ』と言えていれば済んだ事だ。
気づけば俺はもう1人の胸糞悪くなる自分にぶちのめされて見上げている。
・・・そんなのはもう嫌だ。勝手な言い分かもしれんがよ、ちとキツめの
自主トレさせて貰うぜ。」
「ウォルター・・・お前・・・。」
「・・・泣きそうな顔すんなよ。・・・俺、もう1人のお前に掛け合ってみる。
強くなるとは言ったものの、結局は誰かの手を借りなきゃならない不甲斐ない
俺だがよ、もうちっとマシになったら、お前も俺を甘やかさなくても済む様に
なるだろ。もう1人のお前なら、ヤバめの訓練メニューを喜んで用意するんだろうなあ。
問答無用で糸で斬りかかるってのもいいなあ。・・・流石に死ぬかな?」
「待てウォルター!!!もう1人の私な掛け合うだと!!?
そんな事は絶対に・・・!!!」
「危ないからさせられませんってか?・・・人の選択をどうこう言わないのが
お前の流儀だろ? これも俺の自由意志・・・なんつって。人道は踏破しないから
安心しろ。そんな事したらもう1人の俺みたいになる。・・・やりたい様にさせてくれよ。
このままじゃ俺は前みたいに何の蟠りもなくお前と笑いあえねえよ。
これは、俺を取り戻す為のチャレンジってところなんだから、頼むから止めてくれんな。」


775 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 17:23:07 ID:SVaLlezS0
ウォルターは屋上を去る。もう1人の『男』のアーカードによって地獄に誘わられる覚悟を決めて。
硬い決意を決めている少年を引き止める事なぞ不可能と知った『女の子』のアーカードは、
しばらく、ただその場に立ち尽くしていた。そしてこう思っていた。
『ウォルター・・・私はな・・・お前が極限の強さを求めたら・・・。
お前も修羅になりそうで恐かった・・・。もう1人のお前の様に・・・。
私の生を終わらせて生きる苦しみから解き放ってやるだと!!?
一方的な想いで勝手に裏切っておいて今の私がどんな気持ちでいるのかも知らず!!
お前に殺される様な私とでも思っているのか!糞、思い出しても腹が立つ
あのうつけめ!!お前もあのうつけの様な力を求める修羅になる気かウォルター!
そんな事は絶対にさせん!!!
お前は自分はあんな風にはならないと思っているだろうが、血塗れた道を歩けば
行き着く果てはアレだぞ!!力を求めるという事は、奇麗事を抜きに考えれば
常に心に羅刹を携えて歩く様なものなのだ!そうはさせない為に闘争とは縁遠い
ヌルい空気も創り上げてお前の中の獣の部分も添いできたのだ。

私は今はウォルターとインテグラの行く末を見届けたい・・・!いつかは誰かに
殺される生き方をしてきた私だ。自分が死ぬのは構わん!だが、あいつは、
あいつは出来るだけ血の匂いから遠ざけておきたかった・・・!真っ当な一生を送れる様に!
その為にあの懲りずに突っかかってくる裏切り者の相手だって
ケラケラと余裕ぶって相手をしてきた。あいつを哀れとも思い、もう1人の自分が
流す血を見せたくないとも思ってきたから道化を演じて適当にあしらってきた。
私達以外にも化け物狩りが居るこの町なら、血まみれの任務からも遠ざけて
もしかしたらまっとうな子供として育っていけるかもと思った・・・。
血を啜る様な生き方は化け物だけにまかせておけばいい。そうとすら思っていたのに!
・・・呆けている場合か!!私ようろたえるな!!・・・しかしどうする?
あいつの選択の自由を否定する権利なぞ、私には無い!!
どうしたらあいつを止められる?決意は固いぞ・・・。もう1人の私のもとへ
行くかウォルター・・・。お前があまりに傷つくようなら、私は是が非でも
止めさせてもらうぞ。お前に恨まれたとしても。お前は真っ当に生きていて
ほしいからな・・・。』

とりあえずここまで


781 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 18:37:26 ID:HH48IBBC0
>>773に便乗してのネタ
令裡「ヒロはヘルシング家の執事さんと仲がよろしいんですの?」
ヒロ「うん、ドル君とは友達だよ?」
令裡「ドル君・・・?米国の貨幣みたいな呼び方ですわね。」
ヒロ「ウォルター・C・ドルネーズだからドル君。」
若ウォル「俺の母国の通貨はドルじゃなくてポンドだけどな。」
ヒロ「あ、ドル君、今帰る所?一緒に帰らない?」

令裡「(ヘルシングの縁の者はれっきとしたヴァンパイアハンター
で、出来ればあまりお近づきにはなりたくない方ですわね…。
でも、ヒロのこの様子を見る限りは、人畜無害な方なのかしら?)」



782 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 18:54:36 ID:iWUOACpB0
>>775読んで、機嫌悪い旦那ってスゲー怖ェーだろうなってことで

ウォルターは悩んでいた。アーカードを襲撃するか否か、である。
いつものようにアーカードを探し、街中を探し回っていたウォルターは、程なくしてアーカドを見つけ、あることに気付いた。
いつもと、雰囲気が違う。ガラにも無く落ち込んでいるのだろうか、とても闘争の空気では無い。
今なら勝機があるかもしれないが、自分は少佐とは違うのだ、自分が望むのは、あくまで正面からの完全決着。
目的と手段が入れ替わることは、本意ではない。
帰って銀食器でも磨こう、と踵を返そうとしたとき。アーカードがポツリと呟いた。

「誰だ・・・・?」

不覚。
ごちゃごちゃと考えているうちに、気配に気付かれてしまったらしい。
こうなってしまった以上、戦う他無いと、アーカードの前に姿を現す。

「ウォル・・・・ター・・・・?」
「そうだ、今日こそお前を終わらせる」

殺意と共に発せられた、定番となった決まり文句。
しかし、アーカードは軽く俯いたまま、臨戦態勢を取ろうともしない。

「・・・・今日は帰れ」
「ふざけるな!!」
「頼む・・・・・・」

次の瞬間、ウォルターは驚愕に目を見開いた。
なんだ────この殺気は?
ウォルターに、まるで全身を針で刺し貫かれたかのような戦慄が走る。

「今日は機嫌が悪いんだ・・・・」
「ア・・・・アーカー・・・・・・」
「今戦ったら・・・・・・お前を殺してしまう・・・・・・」

---------------------------------------------------------------------------------------------

ウォルターは悩んでいた。自室のベッドに腰を下ろし、己の在り方に。

「私は一体、何をやっている・・・・・・?私は・・・・私は一体なんだ・・・・・・?」


783 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/03(木) 19:43:21 ID:Aa7LqBPR0
今日ついたレスを職人さんに感謝しつつ読ませてもらったが、
何かある漫画(バガボンドだったかな)の「刀は、刀である事をやめる事はできない」
という言葉を思い出した。どんだけ平和に見える暮らしの中に浸っていても
武士(もののふ)は、男(おのこ)はギラつかずにはいられないんだなあ。
しかしウォルター君はブラックウォルターといういいライバルを手に入れたなあ。


788 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/04(金) 02:30:35 ID:146D+68e0
シュレ「ねえねえー」
黒執事「・・・・」
シュレ「何作ってるのー?」
黒執事「・・・・」
シュレ「晩御飯なにー?」
黒執事「・・・・カレーだ。カレー粉を入れた時点で察せ」
シュレ「いがーい。執事さんってー、スパイスから自分で調合するイメージあるけど」
黒執事「あのデブに食わせるものなど、市販品で十分だ」
シュレ「ふーん」
黒執事「・・・・」
シュレ「ねえねえー」
黒執事「五月蠅い!!前に、私は貴様が嫌いだと言っただろう!?話しかけてくるな!!」
シュレ「なんで嫌いなのさー」
黒執事「努力したわけでもなく、生まれつきアーカードを妥当し得る能力を持っているからだ!!納得行かん!!」
シュレ「それって嫉妬ー。ていうか、アーカードやっつけるには、僕死なないといけないんだけど」
黒執事「アーカードを倒せるなら、私とて命の一つや二つ、惜しくはない!!とにかく、私はお前が嫌いだ!!」
シュレ「嘘・・・・だね?」
黒執事「な・・・・」
シュレ「僕のことが嫌いなんて嘘。本当は、自分が“何か”に目覚めそうなのに、必死に抵抗しているだけなんだよね?」
黒執事「何を・・・・」

すす・・・・

黒執事「まとわりつくな!!」
シュレ「抗っても無駄・・・・だって、執事さんは僕みたいな男の子に欲情する変態さんなんだから・・・・・・」
黒執事「ち、違う・・・・私は・・・・」
シュレ「男の子に・・・・・・戻れなく、して?」

-----------------------------------------------------------------------------------------------

黒執事「ハッ!?夢か・・・・・・」
黒執事「夢・・・・?私が夢だと・・・・?フン、下らん・・・・・・・・・・・・・・・・・・パンツ洗お・・・・ハァ・・・・」


795 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/04(金) 15:59:43 ID:146D+68e0
シュレ「ネクタイなんかしめて・・・・ヘタレの癖に、なに気取ってるの?執事さん」

シュレディンガーはそう言うと、ウォルターのネクタイを掴み、ぐいっと引き寄せる。

黒執事「ち、違うんだ、これは英国紳士として・・・・」
シュレ「フフフ、英国紳士だって・・・・ヘタレがスカしちゃって、まぁ・・・・・・」

シュレディンガーはウォルターのネクタイを解くと、ウォルターの腕を縛り、柱に固定する。

シュレ「僕が本当のネクタイの使い方、教えてあげるよ・・・・」
黒執事「クッ、やめてくれ准尉・・・・」
シュレ「二人きりの時はシュレディンガー、でしょ?教えたよね、またお仕置きされたいの?」
黒執事「す、済まないシュレディ、あ・・・・・・」





リップ「なぁんて・・・・・・・・良いかも、准尉×執事・・・・・・」


798 : 対決 その5 2008/04/04(金) 17:39:54 ID:s61twl6d0
トルルルル 
「直通回路から?誰だ?」
ガチャ
「アーカードか?何だウォルターか。緊急の用事か?」
「おお、悪いけど俺、スパルタな訓練がしたいんだ。いつもの訓練じゃなく。
女の子の方のアーカード相手じゃ厳しい訓練にならんのよ。
だから、おっさんの方のアーカードに掛け合ってみようと思うんだ。」
「・・・今朝の事といい、心境の変化が並々ならんなあ。」
「強くなりたくて仕方が無いお年頃なんだよ。ヘルシング機関としても手駒
がより強くなるのは大歓迎だろ?だから、男の方のアーカードに連絡っつーか
命令してくんない?『ウォルターを鍛えろ』って。女の子の方には『ウォルター
の邪魔をしてやるな。しばらく放っとけ』って。・・・・・・頼むよ、アーサー。
あ、お嬢にも俺の修行の事を言ってくれるかな。」
「へ、俺がお前が修行とやらをする事を許すと思っている様な口ぶりじゃねえか。」
「許すでしょ?お抱えのソルジャーが強くなるんだから。」
「勿論許すぜ。部下を地獄に送るのはヘルシング当主のお家芸だ。
もうすぐ学校春休みだよな?強化合宿といこうぜえ。ストラウスに連絡して
世界史の教師とウォルター君はちと早めの春休みをとらせてもらう事にする。
・・・学徒に暴力を叩き込むなんざブリジット嬢ちゃんに睨まれそうだが。
二人のアーカードにも娘にもお前の事はストラウスを通じて連絡しておくさ。
おっと、そちらで体育教師と英語教師をやっている乳でかセラスと眼帯隊長
にも連絡しなくちゃな。・・・・・・・死なん程度に気張れよ。」
「了解。マイマスター。」

これが、ウォルターがアーサーに昼休みにした電話の内容である。

放課後、月面学園の校庭にヘルシング家のエンブレムが刻まれたチヌーク(軍用ヘリ)
がバリバリバリとプロペラ音を響かせてと降りてくる。生徒達はその轟音に何事かと目を丸くする。
「やれやれ・・・。もうちっと静かに事を運べないんかねえ。大仰なんだよ。」
ウォルターは溜息混じりで呟き、校庭に向かう。その様子を見たジョセフは
朝の会話の事もあり何かを察したのか、「ウォルター。」と声をかけ、只一言
「グッドラック。」と言って見送った。

校庭にウォルターが行くと、そこには二人のアーカード、インテグラお嬢さま、
セラス、ベルナドット、そして何故か不良の馬鹿兄弟、ルークとヤンまでいた。
男の方のアーカードは教卓につく時の白コートではなく、あの赤コートに
テンガロンハットのいつもの格好である。どうやら気分はノリノリらしい。
「やあ、何か大袈裟な事になっちゃって悪いね皆。・・・何で馬鹿兄弟までいるんだよ。」
「私が知るか!!この極道世界史教師に『少し顔を貸せ』と首根っこ掴まれて
ここまで連れて来られたんだ!!『お前にも都合とかあるかもしれんが
まあ、いいよなあ?』とか言われたから思わず『はい』と答えちゃったんだぞ!!」
「お、俺はあんちゃんが心配だったからよ・・・。それに『お前もついて来るか?』
ってニヤケ顔でドスの効いた声で聞かれたからつい『はい。』って返事しちまった。」


799 : 名無しかわいいよ名無し 2008/04/04(金) 17:41:10 ID:s61twl6d0
ウォルターは苦笑して、男の方のアーカードに訪ねる。
「おいおい、拉致じゃねえのかこれは?それにこいつらまで連れて行くのか?
つか、俺はこれからどこへ行くんだ?」
「何を言うかウォルター。こいつらは二人とも私が『ついて来るか?』
と訪ねたら『はい。』と答えたのだ。拉致ではない。こいつらもまあ、
お前の特訓に役立つと思ってな。・・・これからお前は望みどおりの
スパルタ訓練を受けることになる。これからその訓練場へ行くのだ。」
アーカードの言葉を聞き、兄弟は同じ事を思った。
『こんのド畜生が!お前の声色で何か言われたら全てYESと答えなきゃ殺されそうなんだよ!!』
そんな二人はさておいてアーカードとウォルターは会話を続ける。
「あー・・・今晩も大尉と訓練するって約束しちまったんだ。
月面河の河原でなんだけど。訓練の場所ってそこら辺かな」
「フン。安心しろ。お前がこれから行く場所はワイルドギースが野戦を演習する土地だ。
町の外れ、彼岸山の近くだ。水が汲める月面河が近くにある場所だ。
さあ親しい者としばしの別れを告げろウォルター。」
「ああ・・・!」
この時の馬鹿兄弟の心境はこうである。
『おいおいおい。俺らも訓練だか何だかにつき合わされんのかよ!!帰りてーーー!!!』

しばしの別れを言おうとする少年に、家族も同然の者達が真剣な眼差しで語りかける。
「何で急にこんな事になっちゃんてんのか分かんないですケド・・・。
色々と気をつけて下さいね。」
「了解・・・セラス嬢。」
「その歳でお前も気張るねえ・・・。ま、修行生活が済んだらご褒美に
ピンナップ貸してやる。厳しい環境だと性欲とかは二の次になるが
戦場から帰ると途端に暴れ馬がうずき出すんだ。そん時にヌクとイイぜー。」
「プッ!はははははははは!あんたはこんな時でも下ネタかよ!!
じゃ、頑張ってきます。」
「朝の時から何かこんな事になりそうな気はしていたわ。・・・・何て
言葉をかけたらいいか分からないけど、無事に帰ってきてね。」
「ヤー。次期当主。」

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最終更新:2008年05月07日 22:48