おまえは、“運命”であらねばならない。おまえは、“終焉”であらねばならない。おまえは、“希望”であらねばならない。なぜなら、おまえは“■■”なのだから───

発言者:葬想月華(ツクヨミ)
対象者:希望の殉教者


ラグナ・ニーズホッグが初めて神殺しとして覚醒した際に授けられた神託。

正体を示すだろう伏字について、発売前から様々な予想がユーザーから発せられており、同時にライターの高濱亮氏が期待を裏切らないサディズム精神今回も禄でもない運命を仕組んでいるだろうと期待させていたことだろう。

そもそも、運命の片割れであるミサキについては九条榛士(グレンファルト)九条御先(にくしん)であることが暗に示されていたが、ではラグナは何故ミサキの片割れになったについて理由は不明であった。

――何故、千年間神祖以外に不可能であった星辰体(アストラル)結晶化能力を発現できたのか?

――何故、旧暦の遺物である次元間相転移式核融合炉・一号機(オリジン)を元にした必殺兵器、終焉兵装(フィンブルヴェトル)を創造できるのか?

――何故、旧暦の星辰体運用兵器、眷星神超新星発現用基幹プログラムどころか、人造惑星(プラネテス)の製造法まで分かるのか?

光狂い特有の出力向上では説明のつかない不可思議な現象、言うならば智の覚醒ともいうべき頭脳面での超越(・・・・・・・)を成し遂げたその要因とは?

その答えは、ミサキルートにてとある人物より語られる。


+ ご明察。ようやく正解に辿り着いたな
「そうとも、おまえは“運命”でなければならない」
「おまえは“終焉”でなければならない」
「おまえは“希望”でなければならない」
「そして、おまえに出来ないはずがない、理由はもはや明白だろう」

+ なぜならば――
発言者:九条榛士(ヴェラチュール)
対象者:九条榛士(ニーズホッグ)


「なぜなら、おまえもまた“神祖”――九条榛士(グレンファルト)なのだから」


ついに明かされる最大最悪の真実。ラグナ・ニーズホッグの正体。それは旧西暦の星辰体(アストラル)研究者、第二太陽の一部と化した九条榛士をオリジナルとして発生した同一存在(コピー)であるということ。

そして同じく、グレンファルトもまた九条榛士(オリジナル)の一部から派生した起源を同じくする同一存在(コピー)であったのだ。

始まりは大破壊(カタストロフ)の直後。

九条榛士の肉体は目玉が一つと頭蓋の一部、そこにこびりついた少々の脳漿、全体の五分にも満たない肉片しか地に残されていなかった。

しかし直後、その肉片から瞬時に肉体は再生する。爆心地に近い場所で大破壊(カタストロフ)を向かえた結果、維持性の限界突破を果たし、不死身の肉体を獲得するに至ったのだ。

これが九条榛士(オリジナル)より派生した別御霊(うつしみ)、神祖グレンファルト・フォン・ヴェラチュールが新西暦に誕生した瞬間であった。

九条榛士を構成する肉体の九割五分を妹の九条御先や一億数千万の日本国民と共に、第二太陽(アマテラス)の構造物と化したままで。

そして、今から9年前の新西暦1027年。

神世界(アースガルド)創生のため、第二太陽(アマテラス)への干渉実験を試みていたグレンファルトは奇しくも第二太陽(アマテラス)の構造物と化した九条榛士(オリジナル)との間に微細な共鳴反応を引き起こしたその時に、まったく別の運命(・・・・・・・・)と奇跡的に重なった。

奇しくも時はアスクレピオスの大虐殺。そして英雄魔星の衝突の裏側で起きた裁剣天秤(ライブラ)副隊長の脱走。

その過程にて愛しい片割れ逆襲劇(うんめい)を嗅ぎつけた死想恋歌(エウリュディケ)と名付けられた星辰体(アストラル)干渉特化型人造惑星(プラネテス)が不完全ながら起動し、第二太陽(アマテラス)へと干渉したのだ。

干渉自体は不発に終わったものの、さらに同時刻に起きた偶然へとその影響は飛び火した。

第二太陽(アマテラス)中枢機関(メインプログラム)と化していた九条御先は当時、大和謹製生体端末聖教皇国の片田舎へと送り出す瞬間だった。

そのタイミングに、先の二つの出来事が重なった結果、生体端末の転送過程にエラーが生じ、本来地球へ訪れるべき二人に代わって別の存在が三次元に顕現した。

本人そのものというべき、どこまでも純粋な別御霊(うつしみ)九条榛士(ラグナ・ニーズホッグ)九条御先(ミサキ・クジョウ)が新西暦に舞い降りたのだ。

故に、それがラグナ・ニーズホッグが不可能を可能にしてきた全ての理由だった。

―――九条榛士(オリジナル)別御霊(うつしみ)故に、オリジナルの知識と第二太陽(アマテラス)に送られた同一存在であるグレンファルトの千年の経験値を参照できるから

―――九条榛士(オリジナル)別御霊(うつしみ)故に、オリジナルを通して第二太陽(アマテラス)との繋がりから無限の力を引き出せるから

―――九条榛士(オリジナル)別御霊(うつしみ)故に、同一規格の星辰体(アストラル)結晶化能力を発現でき、不滅の肉体を破壊可能な性能を宿すことができるから

そう、己も神祖(カミ)であるが故に、神祖(カミ)を殺すことができる。単純にして明快な答え、しかしそれは同時に避けられない真実(ぜつぼう)を突き付けていた。

互いに別御霊(うつしみ)という関係上、グレンファルトとラグナはお互いの覚醒に引きずられる相互作用を強いられている。

しかし、それは互角の関係ではなく本来の肉体から直接派生したグレンファルトは、生体端末の転写エラーから派生したラグナよりも九条榛士(オリジナル)と強固なつながりを持つ。

その結果、親機(マスター)子機(スレイブ)という関係を生みだし、ラグナはグレンファルトと違い、神祖としての特性は不完全なものになっている。

特に肉体の再生能力は明らかに劣等であり、瞬時に再生する性能のないラグナは首を断つなどの致命傷を負っても死なないだけの不完全な不死身でしかない。

そして、この親機(マスター)子機(スレイブ)という関係は、親機(マスター)側のグレンファルトを殺せば九条榛士(オリジナル)も連鎖的に死に、子機(スレイブ)でしかないラグナも連鎖的に死亡するという最悪の事実を示していた

加えて九条御先が神世界(アースガルド)創生の片割れとなったことから、九条御先とミサキ・クジョウにも親機(マスター)子機(スレイブ)という関係は適応され、神殺しを成すことは自身と片割れの死を招くことになった。

よって神託は最悪の形で告げられる。

おまえは、別れた我らが再会するための“運命”である。
おまえは、人間の世を終わらせるための“終焉”である。
おまえは、全ての人間が神となるための“希望”である。

「なぜなら、おまえは“神祖”――九条榛士(グレンファルト)なのだから」

これにより二人の終焉は運命づけられた。願い求めた希望は訪れず、未熟な神祖(カミ)は新たな宇宙の誕生に潰えるはずだったが。

に託された星の結晶(かけら)が道を照らし、その果てに二人は真なる己を掴み取る――


+ ミサキ、俺に神託を授けてくれ
「おまえは、“運命”であらねばならない」
「おまえは、“終焉”であらねばならない」
「おまえは、“希望”であらねばならない」


+ なぜなら、おまえは――

「あんたは、ラグナ・スカイフィールド。
私に笑顔を与えてくれた一人の"人間"なんだから」

それは神祖(カミ)である自分自身と決別し、新西暦を生きる一人の“人間”であることを宣する誓いの言葉。

百の繁栄を生むために、一の犠牲が容認されるというのなら。
千なら、万なら尚のこと。必要な贄として歓迎されるというのなら。
まして、それが神祖(カミ)ならば───地獄をこの世に生み出しても、許されるというのだろうか?

かつて壊滅する故郷を目の当たりにして抱いた想いを果たすべく進んだ道、それは皮肉にも同じ過ちを犯していた自分たちへと報いは還ってきた

明日を掴むために進み続けた自分たちは間違いなく数多の祈りを轢殺する運命の車輪、疑いようもなく神祖(かれら)同一存在(どうぞく)だ。一層のこと、諸共滅ぶが救いかもしれない。

だけど、そんな自分たちを信じて託してくれる人たちがいた。大切なのだと、守りたいのだと、大丈夫だと言ってくれた絆があった。

償いきれない過ちもあったけれど、あの絶望を前に抱いた想いは今も胸に在り続けている。

新たに掴み取る未来が、悲劇であってはならないように。地獄の先で笑顔の花を咲かせるために。

だからこそ、今この時吼えるのだ。──ふざけるな。認められるか。そんな神祖(こたえ)は糞喰らえだ。

絶望(ヤミ)を穿て、噛み砕け。此処は人界。天地の狭間。人間(ヒト)が生きるこの新西暦(セカイ)に神の秩序は必要ない。

猛る宣誓に応えるかの如く、星の結晶(かけら)が二人の道を照らす。託された祈りに導かれ、ついに全ての神祖(カミ)

棄却される神性、その身に宿すのは人の叡智が紡いだ希望(ヒカリ)

二人だけでは決して辿り着けなかった星の頂きで、二人は真なる己を掴み取った。

大切な皆の生きる、新西暦(だれか)の明日を守り抜くために。


全てが終わるその瞬間、今まで同じだった筈の自分(だれか)神の星奏でる者達は呆然と眺めている。

すべてを見てきたであろう永劫の旅人と交差する視線。初対面(・・・)の知らない相手に、神々は初めて答えを求めて(・・・・・・)問いかけた。

「「おまえ達は、いったい誰だ?」」

――決まっている。何度だって答えよう。

おまえは、託された思いを未来へ繋ぐための“運命”である。
おまえは、全ての神祖を終わらせるための“終焉”である。
おまえは、全ての人間がいつか青空の下で笑顔を咲かせるための“希望”である。
なぜなら、―――

「俺はラグナ・スカイフィールド」
「そして、私はミサキ・クジョウ」


「「 皆と何も変わらない、誰かを愛する“人間”だ! 」」




  • 結論「全部ゼファーさんのしわざ」 -- 名無しさん (2020-07-16 23:49:44)
  • さすコル -- 名無しさん (2020-07-17 00:15:20)
  • 流石はコールレイン少佐!実姉とインモラルして、必死に自分の存在価値を示そうとしてる相手の心をへし折り、自分を慕ってくれた部下達を殺して相棒を半殺しにした後心へし折れて脱走した結果、世界を三回も救っちまうなんて!ヒューッ!! -- 名無しさん (2020-07-17 00:20:07)
  • あっぱれ!極楽浄土上級住民様! -- 名無しさん (2020-07-17 00:26:15)
  • それじゃハードル上げて次の勝利を目指しましょうねー -- 名無しさん (2020-07-17 01:36:13)
  • 違っ…俺はそんなつもりじゃ… -- 名無しさん (2020-07-17 02:02:08)
  • ↑往けるものは、征くべきなのだ -- 名無しさん (2020-07-17 02:24:48)
  • ↑2俺への“勝利”を、その背に負って進むがいい -- 名無しさん (2020-07-17 02:36:51)
  • 流石、コールレイン少佐! そこに痺れる憧れるゥッ -- 名無しさん (2020-07-17 07:41:01)
  • 待てよ全部じゃねぇだろ!全部じゃ!(冥王) -- 名無しさん (2020-07-17 07:46:20)
  • どんな事件が起きても、冥王夫妻がセックスすれば取り敢えず解決するんじゃね? -- 名無しさん (2020-07-17 13:36:40)
  • 凄いよな。姉とセックスした結果全てのスフィアの産まれる原因になったんだから -- 名無しさん (2020-07-17 19:30:28)
  • 何故かラグミサの項目でゼファーさんが弄られているw -- 名無しさん (2020-07-17 20:04:30)
  • ↑2くに産みみたいだな。あれ?それってたしかイザn -- 名無しさん (2020-07-17 20:05:00)
  • エウリュディケとイザナミ、オルフェウスとイザナギの話は似てるから… -- 名無しさん (2020-07-17 20:12:08)
  • イザナもマイナも逆レしている。つまりイザナ=マイナ=ヴェンデッタであるということn……あれ?誰か来た -- 名無しさん (2020-07-17 20:17:14)
  • ↑5 よっ!1回の射精で世界を3回救った男! -- 名無しさん (2020-07-17 21:46:33)
  • ゼファーさんが実姉に逆レされる→姉が逃げて糞眼鏡に殺されてヴェンデッタに改造→色々あってラグナとミサキが誕生、身寄りを無くしたゼファーさんが軍に入って師匠の心を折る→アッシュ生存、ゼファーさん冥王になってカグツチを相討ち→新西暦救済一回目、アッシュが界奏に目覚めてヘリオス説得→新西暦救済二回目、ラグナとミサキが人奏に目覚めて神奏を相討ち→新西暦救済三回目。うーん、この -- 名無しさん (2020-07-17 21:54:30)
  • 『精剣セクスカリバーのコールレイン』という称号を与えよう -- 名無しさん (2020-07-17 21:57:01)
  • ↑それどこのアザゼルさん -- 名無しさん (2020-07-17 22:21:48)
  • ↑5 冥王と錬金術師が凄い顔してそっち行ったぞ -- 名無しさん (2020-07-17 23:15:30)
  • ↑ナギサちゃんがインスタント第二冥月作って援軍にむかったぞ。 -- 名無しさん (2020-07-18 07:50:20)
  • ヴァルゼライド閣下ですらキレそうな理論やめろ -- 名無しさん (2020-07-18 07:54:32)
  • ↑8無言の滅奏 -- 名無しさん (2020-07-25 00:26:40)
  • 要するに自分も神祖だったから同じ神祖や使徒をころせると……。もっとひねったものかと思ったがかなり単純な理論だったな今回は。同じ神祖だったらそりゃ殺せるだろって話ではあるし。 -- 名無しさん (2020-07-25 00:41:48)
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最終更新:2022年01月13日 01:55