ヴァニラ・アイス(ジョジョの奇妙な冒険)

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ヴァニラ・アイス(ジョジョの奇妙な冒険) - (2022/10/13 (木) 20:49:06) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/25 Wed 19:24:38
更新日:2024/01/09 Tue 00:03:08
所要時間:約 7 分で読めます




こ の ド 畜 生 が ァ ーー ッ !




ヴァニラ・アイスとは、ジョジョの奇妙な冒険 第3部『スターダストクルセイダース』に登場する敵スタンド使いである。

CV:青野武(OVA)、岸祐二(カプコン格ゲー)、速水奨(カプコン・テレビ)、吉野裕行(ゲーム版『オールスターバトル』)

【人物】

DIOの館の住人の一人で、長髪の端正な容姿のイケメン青年だが、上はジャケット、下はブーメランパンツ(?)という暑いんだか寒いんだか分からないなんとも奇天烈な格好をした男。
DIOに絶対の忠誠を誓っているのだが、その誓いぶりが異常なレベルでヤバい。


DIO「血が欲しい」
一切の躊躇なく、壺を抱えて自分の首を刎ねる

自分のためなら進んで命を投げ出す忠誠心の高さに感心したDIOが自らの血を分け与え、吸血鬼*1として蘇生させる

……もっと他のやり方はなかったのだろうか。ある意味これが遠因でやられてしまったし。
尤も吸血鬼化していなければ脳幹を貫かれた辺りで死んでいたかもしれないが…
(ちなみにこのやり取りは格ゲーの未来への遺産でヴァニラ・アイス登場時に再現される)。

そして一番ヤバいシーンが…(後述)

そんな彼ではあるが、日本語の読み書きができる*2など頭が悪い訳では決してなく、執事としては優秀でもあったらしい。
蘇って以降、人間不信の極みにあったDIOも少なからず心を開いていた模様。


【劇中の活躍】

DIOとの上記のやり取りの後、ジョースター一行最期の刺客として、ジョセフ達と分断されたポルナレフ、アヴドゥル、イギーと対戦。

ケニーGを倒し、『ティナー・サックス』の迷宮の幻影が晴れた直後、アヴドゥルは壁につけた自分の手の平付近にある落書きに気付く。










このラクガキを 見て うしろをふり向いた時









おまえらは




















死ぬ









足元のイギーの様子を伺い、敵の気配が匂っていないのを確認し振り返った時、
そこには何もない空間から現れていたスタンドの姿が……。
咄嗟にポルナレフとイギーを庇い突き飛ばすも、アヴドゥルはその突き出した両腕だけを残しガオン!*3されてしまった。


そして、ポルナレフとイギーは『クリーム』を出し抜くべく、イギーが砂で作り出した「偽DIO」を使うが…この攻撃に対しての反応で破壊『してしまった』時。
ヴァニラ・アイスという男の真の狂気が現れる。


「よりによってこの私によくも!砂の偽物だろうと DIO様をよくも私に攻撃させたなァ――――ッ」

「蹴り殺してやるッ!このド畜生がァ―――ッ」


今までの冷徹冷静な態度が一変、物凄い勢いで激怒。




「暗黒空間に呑み込むのは一瞬だッ!それでは私の怒りが収まらんッ!」




激しく顔面が崩壊して、激しい憤怒の念を吐き捨てながらイギーの肋骨が砕け、
内臓等に突き刺さるほどの勢いで苛烈に凄まじい蹴りの連打を食らわした。




「キサマが悪いんだ!キサマがッ!私を怒らせたのはキサマだッ!キサマが悪いんだ!」




たとえ姿だけのものと理解していながら、自らが崇め奉るDIOをただ攻撃させるという状況に陥ったというだけでさえ
凄まじい癇癪を引き起こすこの歪み切った精神性はポルナレフをして「心の中がバリバリ裂けるドス黒いクレバス」
と評させるほど、彼(と読者一同)を大いに戦慄させた。




「思い知れッ!どうだッ!思い知れッ!どうだッ!」




「どうだッ!」


……ぶっちゃけ病気である。


そんな彼だったが、終始ポルナレフを圧倒し、絶望さえさせたが、イギーの尊い犠牲の末に形成は逆転。
脳天にチャリオッツの剣が深々と突き刺さり、すかさず攻勢に出るもポルナレフには既に通用せず、全身を滅多刺しにされる。
更には自分が吸血鬼(屍生人)化していた事に気付いておらず、迂闊にポルナレフに殴りかかろうとした際に
窓から差し込んでいた太陽の光を浴びたことによって手足が崩れてしまう。
同じ吸血鬼と言えども、厳密には屍生人(ゾンビ)である彼は傷の再生が出来ない。*4
その事が災いし…!!




ヴァニラ「キサマなああんぞにィィィィィィーッ…」

ポルナレフ「地獄でやってろ」




最期は窓からの日光に入ったポルナレフに手も足も出せず、
シルバーチャリオッツ』に突き飛ばされた事により日光をモロに浴びて浄化され、消滅した。

彼の登場まで、負傷や瀕死等という幾多のピンチにおいてもジョースター一行に死者は無かった。

しかし、彼はたった一人で不意打ちとは言え一瞬の内にアヴドゥルを葬り、
そしてイギーの命まで奪い去るというその異常な忠誠心故の圧倒的な強さを見せつけた。
(イギーに関しては厳密には瀕死の状態でポルナレフのサポートをしたための戦死であるが)


【スタンド】

スタンド名:『クリーム』
破壊力…………B
スピード………B
射程距離………D
持続力…………C
精密動作性……C
成長性…………D

白骨が布をかぶったような、鬼や死神を連想させる凶悪な姿のスタンド。
アニメでは煙から集まって『クリーム』が形成させるような、幽鬼を思わせる演出がなされている。

◆能力

大きな口に入ったものを亜空間に消し去る。
そして本体のヴァニラは大丈夫なので、口の中に隠れたり、スーツの様に着ることも出来る。ってかその使い方がメインである。
また、『クリーム』が自らの足から体を全て口の中に入れることで、完全に姿を消して攻撃を仕掛けることができる。

そうして自分自身が亜空間に隠れているときはその場所が透明な亜空間の球になっており、それに触れたものもガオン!である。

その状態では見えない上に攻撃が一切効かない、ほぼ無敵の状態で、
実際に砂を巻き上げその砂がガオン!されていくために位置を把握出来たポルナレフが、
チャリオッツの剣を繰り出すも剣までもガオン!されてしまった。
しかし、自分も周りが見えなくなる欠点もあり、作中では外の様子を覗いた隙に攻撃された。
逆を言えば、周りを気にしないで闇雲に攻撃すれば完全に無敵と化す。

ぶっちぎりのチートスタンドで、下手すりゃDIO様にも、否、カーズ様にも勝てるかもしれない能力であり、
尚且つハンサム顔変態と違い、本体も吸血鬼というチートスペックなので、日光や波紋以外は本当に向かうところ敵なしである。
よくポルナレフ勝てたよな……

破壊力は「B」となっているが、能力の殺傷力は間違いなくAクラス相当。
おそらく「破壊力B」というのは『クリーム』本体の殴る蹴るなどのパワーであり、「ガオン」の威力は指さないと思われる。
格闘能力自体もチョップを腕に連続で浴びせられたポルナレフがたまらず退かざるを得ないほどには充分である。
(世界中に影響力をもたらす『ザ・ワールド』の射程距離がCなのと同義。スタンド能力チャートの項目も参照)

とはいえ万能というほどではなく、逃げまわる敵を追いかけて倒すのが苦手。
最大の弱点は本体のヴァニラ・アイスが暗黒空間に隠れている時は、わざわざ顔を出さないと外が見えないという事。
そして無条件に取り込んでしまうので、砂や煙などを巻き上げられたら、その砂などを取り込んでいる事で居場所がバレてしまう。
攻撃中視界が無くなる上に速度もそんなに速くはないので、察知されて完全に逃げに回られると打てる手段が少ない。
吸血鬼状態になってからは陽光の下に出られなくなっているのも痛手で、広い空間で相手とやりあうには向かないスタンド。

ただし全く動かない相手を破壊するとか、本編のように
  • 向こうから近づいてくる
  • 逃げられない相手に不意打ちする
  • どうしても先に進まなくてはいけない相手を狭い空間で待ち伏せする
…ような状況ではスタンドの破壊力と防御力・本体の耐久力で無類の強さを発揮する。

そんな彼の強みがいかんなく発揮されたポルナレフとの戦いは、アヴドゥルへの弔い戦として、またイギーの命懸けの援護もあり、作中でもかなりの熱さを誇る。

スタンド名の元ネタはかのエリック・クラプトンが在籍していた60年代を代表するロックバンド、クリーム。
因みにヴァニラ・アイスの名前が名前なのでお菓子に使われるクリームが由来だと思われがちだが(スペル自体は同じなのであながち間違いでもないが)こちらの由来は“選りすぐり”や“極上の”といった意味合いの方である。

+ 余談
なお、砂粒から石壁までなんでも削り取りこなみじんにする『クリーム』だが、空気を飲みこんでいる描写はない。
空気を飲みこんでいるなら、『クリーム』を中心に気流の流れが発生するはずである。
また透明化しているので「光」を飲みこむこともできない様子。出来ていればブラックホールのように真っ黒になっているだろう。
「飲みこむものをある程度選択できる」のか、「一定の密度・質量を持たないものは飲みこめない」のだろうか?
いずれにせよ、破壊力と隠密性を両立させた厄介な特性であることには違いない。


【メディアミックス】

AC用格ゲー『ジョジョの奇妙な冒険』ではCPU専用キャラクターとして登場するが、その「ガオン」効果は健在。
距離が空いていると、『クリーム』でガード不能の攻撃を繰り出してくるが、近距離だと何故か普通の攻撃をしてくる。
バージョンアップ作品『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』およびPS版初代では、プレイヤーも使用が可能となった。
CVは岸祐二、未来への遺産・PS版では速水奨が担当した(ただし一部の技は岸の声を流用している)。
因みに速水氏は三部TVアニメでもヴァニラを演じている。意外ッ!それは割と昔の作品からのキャスティングッ!


OVA版

原作同様DIOの腹心として登場、服装がアレンジされジャケットがノースリーブになり、上下に肌よりやや薄い色のインナータイツを着用、その上にブーメランパンツを履いたものとなった。
ヌケサクの代役となったアヴドゥルを「ガオン」した後、DIOの命令により、自らの首も「ガオン」しDIOの血を与えられ復活する。
階下へ逃げ込んだポルナレフを追跡し、重傷を負わせることに成功するが、イギーの『ザ・フール』による大量の砂攻撃で吹き飛ばされる。
倒されたかと思われたが致命傷にはならず、油断したイギーの下半身を飲み込み(このシーンがかなりエグい)蹴り飛ばすが、
その光景を見て激昂したポルナレフの猛攻を受け、頭部を真っ二つにされて死亡した。(普通に体を刺された際にダメージを受けていたことやDIOの「私の血で甦れ」という台詞から単に復活しただけで吸血鬼にはなっていなかったようだ。)
CVは青野武。


PS3用格ゲー「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」にも追加キャラクターとして出演。
スタンドON時の攻撃手段が一つしかなく、専用のスタンドゲージの消費と行動後の隙を引き換えに凄まじい瞬間火力(ガード不能)を叩き出すキャラとして調整された。けけけけりをつけてやる!
CVは吉野裕行。
ちなみにガオン球は赤い球に黒いモヤという形で表現されている。
EoHでは中の人を速水氏に変えて続投。その関係でプッチ神父は中田譲治氏となった。
ちなみにこの2人はポプテピピック(アニメ)12話Bパートに出演した際は「新旧プッチの縁か?」と言われた。

スマホゲー「ジョジョのピタパタポップ」でも途中からプレイアブル化。限定版ポルナレフ(最終回の別れの際の袋を持った姿)と同時にピックアップガシャに出た。
色は紫パネルで、スキルは「ランダムなパネルをヴァニラに変えて隣のパネルごと消した後しばらく自身は出現しなくなる」というもの。
元からあったヴァニラも一緒に消すので、パートナーのパネルにチェンジするスキル持ちのキャラ(玉美など)と組み合わせると恐ろしい火力を出すことも。
なお、マンションではいつも通りの姿(会話内容によっては原作通り首をはねる)だが、バトルになると『クリーム』を着てその周りに例の暗黒空間ボールが出現している。攻撃時は完全に隠れる。


【名言】

  • ひとりひとり 順番に順番に このヴァニラ・アイスの暗黒空間にバラまいてやる
  • 確実に追いつめて倒す・・・確実に・・・わたしのスタンドは圧倒的にやつより勝っているのだ・・・
  • 本物のDIO様はこのわたしを信頼されて「まかせる」とおっしゃったのだ!!だから!なにがあろうとこの2階へ降りてこられるはずがないッ!
    よくも!このクソ犬がッ!わたしにDIO様の「姿」を破壊させたなァああっーッ!
  • 蹴り殺してやるッ!このド畜生がァーッ(プッツン)
  • ハァァァーッけりをつけてやる!ポルナレフ!
  • おれは死なん・・・苦痛を意に介しているヒマもない・・・
    必ずきさまを仕留めるッ!必ずイギーを飲み込みジョースターどもを殺すッ!わたしが死ぬのはその後でいいッ!


【余談】

元ネタの方は現地時間で2015年02月18日窃盗の容疑で逮捕された。
事件が起きたのはフロリダ州ランタナで、時期は2014年12月から2月にかけての期間とのこと。
警察によると、ヴァニラ・アイスが改装していた家の付近には差し押さえになった家が1軒あり、
そこから家具、複数台の自転車、などを含む物品が盗まれ、これにヴァニラ・アイスが関与した疑いがあるそうだ。
ヴァニラ・アイス逮捕の字面で反応したジョジョファンも多くいたとか。



「冥殿……様 あなたの期待は満たされるでしょう………」


「必ずや追記修正して…………ごらんに…………いれます」

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