登録日:2012/07/15 Sun 04:02:06
更新日:2025/01/27 Mon 19:13:40
所要時間:約 11 分で読めます
やれやれ…
犬好きの子供は見殺しには……できねーぜ!
【プロフィール】
【概要】
元々大金持ちの人間に飼われる、由緒正しい血統書付きのボストン・テリアだったが、成長するに連れ人間を大マヌケと思うようになり家出。
ニューヨークでノラ犬の帝王として君臨していたところを
アヴドゥルが苦心して捕まえた。
アニメでは
ペット・ショップ戦後にそのときの様子の一部が回想として描かれている。
この手の動物キャラクターはカワイイだけのマスコットポジにされがちだが、
イギーの野良犬としてのプライドは非常に高く、人間には全く懐かず言う事も聞かない。
加入時初期は仲間というよりは
ゲームでいうNPCのような扱いであり、
戦闘に直接参加することは少ないものの、
ンドゥール戦では彼の嗅覚が無ければ本体を見つける事ができなかったり
オインゴ&ボインゴ兄弟戦や
アヌビス神戦ではその食い意地のおかげで敵の思惑を外させ、間接的とはいえ
承太郎達のピンチを幾度となく救っている。
そういった
トリックスター的なポジションはまさに『愚者』のカードの暗示に相応しいものであった。
また同族である犬に対しても容赦はなく、ペット・ショップ戦前に2匹の犬が絡んで来た時には鋭い眼光を飛ばし、
明らかに体格がひとまわり以上大きいのにビビらせていた。
しかし
ンドゥールとの戦いの後、吹き飛ばされた
承太郎の帽子を拾って持って来たり(噛んだコーヒーガム付きだったが)、
見ず知らずの犬好きの少年を救うなど優しい一面もある。
「犬好きの子供を見殺しには…できねーぜ!」と心中で発していることから、なんだかんだで犬を可愛がってくれる人間に対しては悪い感情を抱いていないことが分かる。
人の髪の毛を口でむしり、その顔に向かって
屁をするという下品な趣味を持つ。
やたらと食い意地が張っており、拾い食いや盗み食いの常習犯。
甘味、中でもコーヒーガムが大好物で、ガムで誘い出す事がイギーを従わせる数少ない方法となっている。
犬なので当然会話は出来ないが、ペット・ショップとの戦いではイギー視点で話が進むため、このエピソードに限っては独白の形で喋っている。
また、それまでは実際のボストン・テリアのようなリアル顔で描かれていたのだが、
表情豊かにリアクションしたり喋るようになったからか、このエピソード以降は漫画的なデフォルメがされた凛々しい顔になっている。
【劇中の活躍】
ストーリー終盤、一行の中でいち早くDIOの館を発見し、ペットの二頭の犬を殺された犬好きの少年を救うために、館の門番であるペット・ショップと戦う。
死闘の末ペット・ショップを倒すが、イギー自身も前片足を失う等の重傷を負っており、衰弱したまま水没してしまい溺死しかける…
が、図らずもペットの犬の仇を討ってもらった犬好きの少年に助け出され一命を取り留めた。
この件をきっかけにイギーもDIOを明確に自分の敵と認識するようになる。
その後はSPW財団の治療を受け
花京院と共に一行に復帰。
ポルナレフ、アヴドゥルと共に承太郎達を追ってDIOの館に突入し、
幻覚のスタンドで館を迷路のように見せかけていた
ケニーGを鋭い犬の嗅覚で探しだして倒している。
◆誇り高き愚者
続く
ヴァニラ・アイスとの戦いでは『
愚者』の能力でDIOの偽物を造りヴァニラへの奇襲を試みるも反撃され、
「自分にDIO様の姿を破壊させた」として怒りを買ってしまい、報復として何度も蹴飛ばされ肺に骨が突き刺さる重傷を負い、瀕死となる。
それだけの怪我を負いながらも
ポルナレフがヴァニラの攻撃によって絶体絶命に陥った際には立ち上がり、彼を助けようとする。
しかしポルナレフはイギーの助けを拒み、イギーだけでも逃げ延び、承太郎たちにこの事を知らせるよう告げる。
そしてポルナレフにヴァニラのスタンドが迫り……
ポルナレフを始末し、勝利を確信するヴァニラ・アイス。
だが……!!
「イギー…
スタンドを使うなとあれほど言ったのに…
カッコつけやがって…
あれほど言ったのに……」
『ニヤリ』
イギーはポルナレフが攻撃を受ける直前、最後の力を振り絞り『愚者』を操作し、彼を避難させていたのだった。
…ヴァニラ・アイスは言った。
「ノラ犬に覚悟などない」と。
「誇り高き魂などない」と。
…だが、スタンドとは魂の発露!
こ、この砂から感じる感覚は!
ああ…なんてこった…くそッ!
「ぬけがら」「スタンドのぬけがら」「冷たい消滅」「いのちの消滅」…
ちくしょう……!おれの方が、生き残っちまった!!
「イギィーイイイイ――!!」
直後に限界を迎え、口から血を撒き散らし力尽きたイギー。
しかしその顔には満足気な笑みが浮かんでいた。
そう言いたげに…!
野良犬に誇りなど無いとヴァニラ・アイスが侮蔑したイギーの魂は、『仲間』であるポルナレフの危機を目の当たりした時、独りでに動いていた。
誇り高き魂などないDIOという呪縛に縛られた狂気の悪鬼は、誇り高き魂を持つ自由に生きる愚者に負けたのであった。
その後、ヴァニラ・アイスを撃破したポルナレフの前にアヴドゥルと共に幻影として現れ、その魂は天へと昇っていった…。
その最期は生き残ったポルナレフによって「ここまでは来られなかった」と合流した承太郎達に伝えられ、その悲しみに暮れる間も無く、4人はDIOとの最終決戦へと望むのだった。
おれっていつもそうだ
…いなくなってはじめてわかるんだ
ひねくれたクソ犬と思ってたけれど
どんな人間にもなつかない
つっぱったおめーが好きだった……
いっぺんも愛想をふりまかねえその性格は
本当に誇り高い奴だったってことが
今になってわかった……
【スタンド:愚者】
破壊力:B
スピード:C
射程距離:D
持続力:C
精密動作性:D
成長性:C
イギーのスタンド。名前の由来は
タロットカード0番目のカード「
愚者」から。
犬であるイギーのスタンドだけあって獣の姿をしており、インディアンのような羽飾りのついた民芸品の仮面のような頭部と
自動車の車輪状になった後ろ足が特徴。
タロットにおける「愚者」の暗示(正位置)は「自由」「気まぐれ」など。
本体の気ままな性格は勿論、あらゆる攻撃をいなし、どのような形にも姿を変える砂の能力はまさしく掴み所のない自由さの象徴と言えるだろう。
◆能力
砂を自由自在に操る能力を持つ。
イギー死亡時に『スタンドの抜け殻』として砂が舞い散っていたことから考察するに、スタンドそのものも砂を媒体に実体が構成されているらしく、スタンド使い以外にも目視可能だと思われる。
粒子状のボディに物理的なダメージを与えるのは困難。
しかも『スタンドの一般的なルール』から外れているところがあり、
砂のスタンド部分を攻撃されても、イギー本体にはダメージフィードバックがないのが大きな特徴。
実際、ンドゥール戦で翼を狙撃されたり、ペット・ショップ戦でイギーに化けたスタンドを爆散させられたり、ヴァニラ・アイス戦でも砂のスタンド部分を亜空間に飲み込まれたりしているが、それでイギー本体にダメージが来た描写はない。
このことから、対スタンドにおいては非常に高い防御力を誇ると言ってよい。
さらに砂の操作能力は攻撃、防御、果ては精密な分身となり敵を欺くなど、汎用性は非常に高い。
若干スピードに劣るのが難点だが、闘い方次第でカバーできるので致命的ではない。
イギー自身も承太郎の『
星の白金』と互角の実力だと自負している。
ただ、仲間になったのが遅かったのもあっていかんせん原作では敵と戦う機会が少なく、しかも相対した敵は全て物理的な攻撃以外をメインダメージとするスタンドだった。
背中に羽を作り滑空することも出来るが、自力では飛べず、風などの外部からの力が必要。
弱点は前述の通り
機動力や攻撃速度に欠けるのと、遠距離への攻撃手段が無いこと。
なので近距離型には打撃への耐性で圧倒できるが、素早い相手に
飛び道具を使われるとなすすべがない。
そのためまさにその特性に合致するペット・ショップに大苦戦することになった。
相手のほうから近づいてきてくれなければ、そのまま負けていた公算が大。
【余談】
- コブラチームのRPGではなぜか砂漠の町にいて、ピラミッドの奥でボスキャラクターとして登場。倒すと仲間になる。
このゲームではジョースター一行は誰も死なず、イギーも最後まで生き残る。
- カプコンの対戦格闘ゲーム版にも登場。小型犬なのでキャラクターのサイズは非常に小さい。
必殺技はタメ技コマンドが多く操作難易度の高い
上級者向けキャラクター。
この技でトドメを刺すと背景に「犬」の字が浮かぶ…予定だったようだが、
ロケテスト版のみでこの演出はお蔵入りとなり、製品版では見れない没スプライトになっている。
AC版ではボイスはそのまんま犬の声だったが、PS版ではそれに重ねる形でCVが用意されており、
そちらは
花京院典明の声を担当した真殿光昭が演じている。
- バンナムのオールスターバトルにも登場。こちらもイギーの心情の翻訳としてCVが存在する。
ペット・ショップ戦でイギーが喋っていた設定を反映し、戦闘前の掛合や勝利シーンなどでは台詞が用意され、千葉繁氏が声をあてている。
小型キャラクターであるため攻撃が当て辛く、『愚者』を活かしたトリッキーな戦法は強力だが、
体力が低く設定されており、またガード時でもダメージを多く受けるというデメリットも抱えている。
- OVA版での最期は、ヴァニラに下半身を削り取られた後、蹴り殺されるという非常にエグいものだった。
OVAでは不遇な印象を受けるイギーだが、実はスタッフ全員から愛されており、
作画を担当していた女性スタッフはこのシーンのくだりに入ると泣きながら作業していたらしい。
- 第3部の小説版エピソード『砂漠発地獄(ヘルシティ)行き』で、
乗客のイメージを学習して自己進化を繰り返す列車のスタンド『凶悪連結器(サタニック・カプラー)』がイギーの列車に対するイメージを吸収した結果、
車両から無数のトゲが生え、先頭からクワガタの大アゴが伸びるというシュールでおぞましい形状に変化した。
犬から見れば列車はこのような脅威に映るということなのだが、お陰で承太郎が攻略に手を焼くハメに…
- 一度だけ「犬」というセリフを喋っているようなコマがある。勿論誤植であり、後に「アゥ」という鳴き声に訂正された。
- 2012年放映のアニメではオリジナルのシーンの追加により、特にポルナレフに絡むシーンが増えている。この改変は好意的に迎えられた一方、その結末を知る多くのファンが胸を詰まらせた。
甘いぜッ!
追記・修正したと思ったのは変幻自在の砂の「愚者」だぜッ!
- 露伴先生なら、さそイギーのことを漫画にしたがるだろうな -- (2015-07-24 15:30:51)
- ↑2 イギーは33.3㎝だから平均より小さいんだな -- 名無しさん (2015-07-27 10:20:46)
- 彼の墓には遺骨と一緒にSPW財団特製の義足が納められていると信じている。 -- 名無しさん (2015-10-26 16:47:13)
- 彼が蹴られるシーンが一番キツかった…ヴァニラ許すまじ -- 名無しさん (2015-10-31 14:55:08)
- ↑4仮に3部を生き残ってても小型犬の寿命から考えて、4部の時点でそうとうヨボヨボの老犬だけどね -- 名無しさん (2015-10-31 15:19:19)
- op二番の「愚者名乗る勇者」にホロリとくる -- 名無しさん (2015-11-10 12:19:11)
- コブラチームでイギーをドーピングさせることでDIOに吠える攻撃で大ダメージを与えることができる(DIO様犬嫌いなんだね)そうすれば5人と一匹でDIOを囲んで暴言を吐きまくるだけで精神ダメージを蓄積させDIOを倒すことができるのだ(但し時間はかかるので殴ったほうが早い)精神が限界を迎え戦意喪失し「うおお馬鹿な、このDIOがああ」と言ってバラバラになるDIO様はシュールである -- 名無しさん (2015-11-16 02:43:53)
- チャージマン -- 名無しさん (2015-11-16 02:44:12)
- 鳥野郎倒した後、子供に溺れたを助けられた時、『人間ってのも捨てたもんじゃねーかもな…』とでも思ってたのだろうか。 -- 名無しさん (2016-03-05 23:05:12)
- 「犬と鳥の闘いに一話使うなんて...」 -- 名無しさん (2017-04-03 16:31:30)
- みたいなのが海外の反応のコメ欄にあったけど、これってどういうニュアンスなんだろうか -- 名無しさん (2017-04-03 16:33:05)
- ↑人間が出て来ず動物同士のバトルってのが信じられなかったのかも・・・ -- 名無しさん (2017-07-05 20:26:01)
- イギーが死んだ時に仗助が居たらイギーの命は助けられてたよね… -- 名無しさん (2017-11-10 22:45:06)
- そらそうだが、それはイギーに限らんと言うか何というか -- 名無しさん (2017-11-14 12:57:02)
- 7人目のスタンド使いでは飛び道具がいくつか設定されてたな、ゲームバランス的に遠距離攻撃が全くできないのもまずかったのかな -- 名無しさん (2019-02-16 20:31:35)
- ↑3 仗助の能力的にクリームに吸われたものまでは再生できないっぽいので、あの状況で仗助の方が生きていられるかどうか… -- 名無しさん (2019-09-04 23:12:11)
- 生還してたらポルナレフが飼う事になってたんだろうか。 -- 名無しさん (2021-02-26 12:05:28)
- チューーーーーーーーーーーー -- ネズミ勘太郎 (2021-04-08 19:58:44)
- 犬と喋ってるコマって修正されてたのか 当時謎に思ってたわ -- 名無しさん (2021-10-06 00:13:52)
- イギーとアブドゥルでスピンオフがでるみたい! -- 名無しさん (2022-03-27 22:19:29)
- ペットショップ倒したのは大金星だよな -- 名無しさん (2023-01-06 05:43:57)
- ペットショップ戦でイギーの内心が描かれててキャラの理解度が深まった。 -- 名無しさん (2024-06-05 13:31:26)
- DIOの砂像が喋ってたからこいつその気になればスタンドを介して人間と会話できるよな -- 名無しさん (2024-07-04 14:41:42)
- かっこいいけど、戦いに勝手に連れてこられた不憫な動物 -- 名無しさん (2024-07-04 14:49:07)
- DIOのスタンド効かなそう -- 名無しさん (2024-10-03 18:03:35)
- スタプラ以上じゃなくてあくまでも互角と言う辺り、プライドの高いイギーも承太郎の実力は評価してるってことかな -- 名無しさん (2024-12-03 10:06:00)
- ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2025-01-19 12:14:56)
- ログ化しました。 -- (名無しさん) 2025-01-25 14:23:48
- ↑3 承太郎といやいや共闘させられたことで間接的に屈服してるからな。一目置いてるんだろう -- (名無しさん) 2025-01-25 14:50:27
- イギーのこと最初読んだとき人面犬だと思ってました、ごめんなさい -- (名無しさん) 2025-04-07 16:37:12
最終更新:2025年01月27日 19:13