星をみるひと

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星をみるひと - (2021/06/01 (火) 20:57:05) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/12/11(土) 19:51:40
更新日:2024/03/13 Wed 16:59:46
所要時間:約 6 分で読めます





『星をみるひと』とは、1987年10月27日にホット・ビィによりファミコンで発売されたRPG

ゲーム史上指折りのクソゲーとして名高いゲームである。
しかしながら、一部からはクソゲーとはせず「高難度ゲーム」と評されている。
その難しさたるや実情を知る人々をして「クリアする事自体がやり込み」と言わしめるほど。

何はともあれ、まずは当ゲームの説明を見ていただきたい。
クソゲーかどうかはそれから判断していただきたい。


ストーリー

作中冒頭で一切の説明がない
なので、スタートボタンを押すといきなりフィールドの上に立っている状態でゲームがスタートする。
説明書がなければまず間違いなく、「?」となるだろう。

一応ストーリーは……

未来の世界…「みなみ」と言う記憶喪失の少年がいた。
彼はロボットや軍隊をはじめとした「超能力狩り」に追われている。みなみは超能力者「サイキック」と呼ばれる者だった。
巨大都市「アークシティ」はその管理を「クルーIII」と言うコンピュータが行っていた。
「クルーIII」は都市の住人に対してマインドコントロールを行っていた。
しかしそのマインドコントロールが効かない新たな人類、それが「サイキック」である。
「超能力狩り」に捕まったサイキックはアークシティに捕われる。
みなみの運命は果して……。

※説明書から抜粋省略


ゲームスタート

まず……最初に行くべき村が見えない
前述の通り、プレイヤーには何の情報も与えられていないので思いもよらないだろう……
スタート地点から1歩左のただの森が村だなんて。

しかもこのゲーム、エンカウント率が高い。
だいたい5歩で敵に当たる。
しかもアホみたいに強い
いきなりゲーム中最強の魔法(ESP)を使ってくる奴もいる
繰り返すがスタート地点周辺である。
「強い敵からは逃げればいいじゃん!」
甘い。そもそも逃げるコマンドが『無い』
(後々敵から逃げられるESPを覚えられるが)

この時点で勝てる敵は出現しうる全モンスター中、たった1体しかない。

なお、ゲームオーバーになるとコンティニューはなく最初からになる。これはさほど珍しいことでもない。
セーブはパスワードである。
ただし入力が非常に面倒で、時間がかかる。表から十字キーで選ぶ形式ではなく、一文字ずつ上下で送って選ぶ方式である。
ゲーム中のメッセージはひらがなとアルファベットのみであるが、パスワードのみカタカナも使用される。
なお、このパスワードは、ゲーム中の情報を完全に記録できないらしく、所持金や経験値が再開時に若干切り捨てられることがある。


戦闘

前述の通り、全滅=ゲームオーバーである。
パーティ全員が「びょうき」状態(戦闘終了まで一切の行動がとれない)になることも事実上全滅と言える。
ただし、全員が「びょうき」になっても即全滅とはならず、HPが0になるまで待たなければならない。
(後半になると、HPが五桁に達するため、より一層時間がかかる)

攻撃は武器によるものとESP(所謂魔法に相当するもの。超能力)によるものがある単純なターン制バトル。

一度押したコマンドのキャンセルは出来ないため、慎重を期する必要がある。


装備

武器と防具。

武器は……少なくとも序盤はいらない。
素手ならば敵の防御力に関係なく「0~3」のダメージを必ず与えられる。しかし、武器を持っていた場合は「味方の攻撃力-相手の防御力(0以下ならノーダメージ=0と表示される)」と設定されているため、ばらつきはあるものの素手のほうが強いことと、敵によっては与ダメージが0になってしまうと言う事態が起こり得るからである。

なお、装備は外せない。武器を新たに購入した際に自動的に売却される(その旨のメッセージは表示されないが)。
レベルが上がる前に攻撃力の低い武器(序盤で「れいがん」など)を装備してしまうと、敵にダメージを与える手段が存在しなくなってしまい一切倒せなくなる。
素手に戻したくても、メニューに「武器を装備する」コマンドは無く、さらに『素手が(自動的に)売却されている』ため、完全な詰みとなる。

武器が効果を発揮してくるのは、パーティのレベルが上がって所持金に余裕が出てからとなる。
ストーリーが進行すると当然ながら敵のHPも高くなる。すると素手で与えられるダメージではどうしても効率が悪くくるため、登場する敵に対して一定以上のダメージを発揮できる攻撃力をきちんとセレクトできることが前提となるものの、ここからは武器は一般的なRPGと同じような立ち位置に近くなる。

しかしながら終盤付近では、最高の攻撃力を持つ武器でも通用しない敵も現れる。たたかう(攻撃)で倒すにはHPが高すぎるのでESPで倒さないとやってられない。
なお、最強の武器は一番値段が高い武器ではなく二番目に高いじゃいろSPである。酷い罠だ。*1

防具。
中盤からいらなくなる。
HPだけはレベルアップごとに凄まじいペースで上がっていくため、終盤のHPは4~5桁に達するほど多いからである。


ESP

所謂魔法。主人公達は超能力者なので、超能力である。
バトル等で使うものの他にフィールド上で使うものがある。

  • ぶれいく
カベとか壊す

  • じゃんぷ
川とか飛び越す

  • しーるど
ダメージ床も平気…なんだけど、普通にやってるとダメージ床の存在にはなかなか気がつけず、さらにダメージ床の回避は余裕で、とどめに悠長にダメージ床の上を歩いているとクリアが厳しいため、いらん子扱いされがちである。

  • てれぱし
テレパシー。これがないとクリアできない。

  • てれぽーと
戦闘で敵から逃げる。ただし1回につき1人ずつ。


キャラクター

  • みなみ
主人公。記憶と呼べるものを一切もっていない。主にぶれいく系のESPの使い手で、メインアタッカーを務めることになる。

  • しば
最初の仲間。じゃんぷ系ESPの使い手。彼がいないと逃げることさえままならない、

  • あいね
仲間。友達とはぐれてアークシティをさ迷っている。
てれぱし系のESPの使い手であり、クリアに必須。

  • みさ
仲間。アークシティに捕われている。
仲間にするのにアホほど手間がかかるし、下手をうつと詰む。
主にしーるど系ESPの使い手なのだが…まあぶっちゃけいなくても問題はない



用語

※ここから最重要ネタバレを含む

  • アークシティ
世界唯一の都市。
周囲のは汚染され、かなり荒んでいる。
汚染はサイキック達の反抗活動によるものであるが、
軍隊であるガードフォースのかつま大佐は人類の真の敵が別にいると気付いてサイキックと内通している。

  • 世界
……などではなく実はこの世界自体が巨大な宇宙船である。
クルーIIIのコントロールのもと新たな安住の地を探して宇宙を600年間さ迷っていた。

  • アクア
そうしてついに見つけたのが惑星「アクア」であった。
ただしこのままではまだ生物が住めない環境の為、環境改造が必要である。
ほとんど陸地が存在せず、ほぼ海に覆われているため人類移住には適さない。


  • くるーすり
「おれは、すりだ!!」、……とは全く関係なく
アークシティ及び宇宙船の管理制御をする巨大コンピュータ「クルーIII」。
遺伝子操作で生まれた、人類とは別の存在を「新たな主」に選んだため、実はすでに人類の制御下から離れている。

  • マインドコントロール
争い等の発生を防ぐ為に人類から悪意を消し去るための自動措置。サイキックには効かない。
その効果は世界全体に有効でシールドで隠れているまむす村とて例外ではない。
強盗を企てている人間の心をテレパシーで読むと「きーん・こーん」と矯正される様子を見れる。

  • サイキック
マインドコントロールが効かない新たな人類。
……が、実はクルーIIIの指示の下、人間の科学者が遺伝子操作によって生み出したミュータントである。
惑星「アクア」を発見し、移住するにあたり「新たな主」のアシスタントとなる人類が必要になった為、新たな主と言葉を交わせる力(ESP)を持つ「サイキック」が生み出された。

  • サイキック狩り
サイキックは人類に害をなすもの、としてサイキックを捕らえる軍隊やロボや合成生物の集団。
実態は、「新たな主」のアシスタントとすべく為により強いESPを持つサイキックを探していた。
囚われたサイキック達は一足先に環境改造中の惑星アクアへと護送されている。

遺伝子操作で生まれたくるーすりの「新たな主」たちにして、かつま大佐が「真の敵」と睨んでいた存在。
人間よりも高い知能と、死者すらも生前の意識を持ったまま動けるようにできる高い超能力をもつ。
イルカはサイキックと共存すべきとの主張をもつ。
シャチはサイキックとは共存できないとの主張をもち自分達がイルカより優れていると考えているが、イルカリーダーと争う気はない様子。
ぶっちゃけた話、大体全部こいつらのせい


  • イルカリーダー
人類と対話をする為により強いESPをもったサイキックが現れるのを待っていた。
そして現れた主人公達に全サイキックの代表権を与え、イルカ達と協力して惑星アクアに安住を求めるのか、サイキックは宇宙船に帰って人間と共に新たな惑星を探すか、イルカ達と敵対するのか、選択を迫る。





所謂ラスボスは存在せず、会話で選択肢を選ぶのみであり、エンディングも複数存在する。
当時のファミコンソフトとしてはマルチエンディングは相当珍しかったが、ゲーム自体の難易度が鬼のように高いことから殆ど話題に登ることはなかった。

その他の特徴

  • 移動速度がすごく遅い。だが、NPCの移動速度は無駄に早い。

  • 村やダンジョンを出ると、入口に出ず、決まったポイントに出る
例えば、中盤の村やダンジョンから出るとスタート地点に出る
終盤にもなると、行ったこともないさらに奥地に出たりする。

  • アイテム「IDカード」の仕様。
開かなかった扉が開くが、一度使ったらなくなる上に開けた扉はまた閉まる。
よって下手をすると詰む。出入りするには2枚必要となる。
おまけにアホみたいに高い。
正規の手段でみさを仲間にしようとするなら、一枚2000ゴールド(一戦の収入が50ゴールド程度)するシルバーIDカードが複数枚必要になるのである。
放置されるわけだわ、みさ。

  • かりう、について。
敵が使ってくるアイテム。
こちらを「びょうき」状態にしてくる。
前述したが「びょうき」になると戦闘終了まで一切の行動がとれない。
序盤(しかもゲーム開始直後)から終盤まで様々な敵が使う作中一番恐ろしい攻撃である。
なお、「かりう」が何かは正確にはわからない(「カリウム」説、「火竜」説、「顆粒」説などがある)。
ある方法で自分も入手可能、戦闘中に使用できるが…
使用すると「かりうをのむと からだじゅうに さむけが おそった。」と、自分が「びょうき」状態になる。
なんで自分で飲む、投げろよ

  • クソゲーとして有名な本作ではあるが一方でSFな世界観、単純な勧善懲悪ではないストーリー、画期的ではあるシステム、良質なBGMなどと光る部分もいくつかあるためか、
    有志のリメイク作品として作成された「STAR GAZER」「ロマンシングステラバイザー」などの同人ゲームが存在するなどカルト的な人気がある。

移植

  • 2020年7月30日、何を思ったのか、ニンテンドースイッチにて移植版が販売開始。
    パッケージや取扱説明書、本編未使用だった第4のエンディング、ユーザー公募のファンアートが収録され、さらに移動速度が2倍になるさいこうぉーく、巻き戻し機能のさいこりばーす、クイックセーブ&ロードのさいこめもりー、いわゆる強くてニューゲームのにゅうがめぷらすの4つの新機能も追加され遊びやすくなっている。苦行には変わらないが。

追記・修正をするひとは、星をみるひとをクリアしたひとがお願いします。

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