カンニング(不正行為)

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カンニング(不正行為) - (2023/01/16 (月) 17:20:05) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/07/05(火) 16:19:26
更新日:2024/02/25 Sun 21:58:32
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Cheating (on exam)


カンニング』とは、テストなどで不正な方法で解答する行為。

【概要】

みなさんは小学校・中学校・高校等で一度は耳にしている単語であろう。

テストで不正を行い毎回高得点を採っている大馬鹿野郎や、逆にバレて「ザマァw」なことになったヤツも学校にもよるが大抵一人は居たと思われる。

もちろんそんな行為が許されるはずもなく、小・中学校では説教か生活指導、高校では謹慎や停学、全教科0点扱いなどがポピュラー。
最悪の場合、退学という事も。
専門学校・大学でも全科目0点扱い(=単位なし)や強制退学が当たり前。
運転免許の試験でやるとその後1年間全国で受験ができなくなり、自動車学校に通い直しとなる。

センター試験だと毎年全国で数人は摘発されているという。
様子がおかしいと見られると試験監督が複数で確認、カンニング確実と判定されるとスッと「あなたの行為は不正行為です」と書かれた紙が置かれ別室へ連行され全ての科目が没収となる。なお、この紙の現物とされる写真も出回っているが定かではない。
これだけで済めばまだマシなほうで、偽計業務妨害容疑で逮捕されることもある。つまり立派な犯罪である。

とくにフェアプレー精神を尊ぶ欧米の大学では、その後の進学や就職にまで響くという徹底ぶり。
歴史を遡ると、古代中国の役人採用試験である科挙では場合によっては死刑であった。賄賂で試験官を買収した大掛かりな不正では、大量の処刑者を出している。

なお『カンニング/cunning』は和製英語でモノホンの英語は『チート/cheat(ing)』と言う。何気に間違えやすいので要注意。
最近の日本では「ずるいほど強い」といういい意味で使われているCheatだが、海外では単なる「イカサマ」というようなニュアンスである。


カンニングには様々な種類があるが、基本的に次のような型が存在する。


【覗き見型】

そのまんま、隣の席や斜め前後の人の解答を覗き見る方法。
試験当日まで勉強しなかった人がやる。

カンニングの手段としてはかなりの下策。
まずキョロキョロしたり挙動不審な行動があるためバレやすい。そもそも、覗いた隣の人が書いている答えが正解である保証はない。
特に見ず知らずの人が大勢集まる資格試験や入学試験、入社試験なんかだとこの手のカンニングはほぼ無力である。

ちなみに試験中の視界にあえて間違った解答に誘導するような手の動きや行動を入れて間違いを誘発させるというテクニックもある。
「受験は闘いだ!」


【カンペ型】(cheat sheet)

あらかじめ解答が書いてある紙である「カンニングペーパー」を使用する方法。
その歴史は古く、科挙ではカンニングペーパーとして使うために解答を細かく書き込んだ下着が残されている他、米粒に答えを書いたという逸話もある。
小テストでは机に書き込むなどもみられる(机対策にテストの時だけクラス替えをする学校すらある)。

テストでは出題範囲が指定してあるため、要点を書き留めて解答に使う。
デメリットとして小さめの紙しか使えず、書ける量にも限界があり、文章などの長文は必然的に見にくくなる。
また問題用紙と解答用紙が一体化して一枚の大判用紙で出来ていた場合、隠すことが難しくなり、最悪バレるケースが多い。
女子生徒の場合スカートで隠れた太ももに書くと言う手段もあり、男性教師が確認しづらいことに定評がある。
しかし、男性教師であってもつまみ出して保健室などで女性教師に確認させると言う対抗策があり、こうなると証拠隠滅が不可能なためやはり厳しい。

さらにカンニングは答えを書いた後も続いている。つまり問題を書き終えた後に用済みになったカンペの証拠隠滅が大変難しい。
たとえばカンペを落として試験監督に拾われたらその時点でほぼアウトだし、下手にペンケースに紙切れなんてしまったら目立って仕方がないなんてこともある。
試験が終わるまでの間バレないようにするのは、これがなかなか難しいのである。

そして、見当違いの場所が出て解答できない場合もある。
また、カンペを作っていたらそれ自体がよい復習になってカンニングしなくとも高得点が取れるといういい意味での本末転倒もある。
そのため一部の優秀者は、使わないこと前提にカンニングペーパーを作ることを復習方法にしていたりすらする。

一部の大学の試験ではサイズや用紙の形式を指定した上で「カンニングペーパー許可」という形式もある。
これはカンペとは言い難いが、「事前に必要な知識を紙にまとめてくるのも一つのスキル」と言うことだろう。
同様にインターネットにつながる機器以外の関連書籍・プリントの持ち込みOKな試験もある。
こちらも必要な書籍を的確に集め、問題文を理解し資料を試験時間内に検索するスキルも考慮しているとみるべきか。

講義によっては特定の書籍のみ持ち込み可能ということもある。なお、著者は講義の担当教授。印税目当てじゃねーか
この手の本は授業を受けていても授業の範囲から出題されることが稀であり、「書籍を持っているかどうか」というところだけが明暗を分ける。いいのかこんな講義で

総じて国家資格等の難関試験では効果が薄い。カンペ程度の情報量では補いきれないほど出題範囲が膨大で、自分自身の思考力や説明力を問われる計算問題や論文問題も多いからだ。
つまり暗記型の試験では比較的に効果がある。

女子はシャツの胸の部分や太ももに書いて「カンニング指摘と言って痴漢してきた!」という対策を取る…というネタは有名。女性先生の場合はどうするんですか?

【協力型】

同じ試験会場に居る者同士で行う方法。

他の型と組み合わせて使用することが多く、他者が監督の目を逸らさせて、その内に解答用紙を交換したり、見せてもらったりする。

デメリットとして協力者がいなければ成立しないため、ぼっちや一匹狼貫いていたヤツはできない。
また、全く同じ誤答を多人数が行うという不自然な事態からバレることもある。
みんな揃って芥川龍之介を芥川之介と書いて全員一網打尽になった、という例も……。
こういった例ならまだましなのだが、ひどい場合はバレたときに1人だけ犠牲にしてうまく逃げおおせる世渡りのうまいヤツがいるということ。
本当に信用できる人と組まなければならず、それなら信用をくみ上げる時間で勉強したり、そもそも友達同士で勉強会でも開いたほうがよほど効率的である。

インドでは学生の親がテストの時間中に校舎の壁登りをして答えを我が子に見せようとするダイナミックな事例が発生している。

【替え玉受験型】

試験を本人ではなく、替え玉に受けてもらう方法。
当然協力者として、口が堅く、問題を解く能力にも信頼のおける替え玉を準備しなければならない。

試験官に替え玉であることがバレないことが大前提となるので、不特定多数が受験し、受験生の顔が分からない資格試験や入学試験などで考えられる手法。
受験票に顔写真などをつけさせているのは大体替え玉対策でもある。

日本では女子大の受験生の父親が女装して替え玉受験するという事件が起きたことがある。
検挙されたのは試験2日目だったが、初日から怪しまれまくりで何故バレないと思ったのか謎である。

なお、替え玉受験は業務妨害罪の他、文書の作成名義人を偽ったということで文書偽造罪にもなることがある。


【携帯電話型】

ここ数年で発現した最新の方法。
携帯電話で友人や知り合いに教えてもらったり、ネットの検索などで解答を導き出すなど最早テクノロジーの乱用である。
立て主が学生の時、この方法を用いてバレた生徒がおり、メールの履歴で芋づる式に協力者が摘発されたのが記憶に新しい。

実際この型が近年もっとも問題になっているのも事実であり、2004年には韓国と台湾の入試で数十人が摘発され、日本でも2011年に京大の入試で発生。
「Yahoo知恵袋」に入試の問題が投稿されそこから事件が発覚、ID「aicezuki」を使っていた青年は逮捕された*1
この事件について、かの石原慎太郎都知事は、
「カンニングなんて昔からあった。(中略)ある意味では、やった青年の方が頭は良い。逆にやられた大学側がバカだった」とコメント。
石原氏のコメントにもあるように、カンニングを行った生徒だけでなく試験中やカンニング発覚時の対応に関する京大への批判も多く、大きな話題を呼んだ。

当然ながら試験中は携帯電話の電源を切ってカバンに入れるよう指示される。
試験によっては試験試験終了まで指定の場所へ預けたり、封をした状態で首からぶら下げるよう指示されることも。
もっとも指示を無視したり、携帯を複数用意したりされては意味がない。
日本では、携帯電話対策として入試会場に妨害電波装置を設置しようとしたが、電波法に引っかかったため設置は見送られた。

【ハイテク型】

携帯電話型の亜種、あるいは進化型と呼ぶべき方法。
シャープペンシルに超小型カメラを仕込み、無線LANで試験問題の画像を外部に送信。
それを受けた外部協力者が、受験生が耳に装着した小型イヤホンに正解を知らせるというもの。
無論、問題に詳しい協力者がいることが前提となるが、比較的そういう者の多い英語資格試験などで使われやすい。

特に英語教育熱の高い韓国では、TOEICなどで頻繁にカンニングが行われており、
受験予備校が組織的に関与するケースもあって、逮捕者が出ることすらある。

【海外のカンニング】

日本でもカンニングは時々騒ぎになるが、海外では非常にダイナミックなカンニング騒動が多い。

  • 親が壁を登ってカンペを見せる、カンペを紙飛行機にして飛ばす、カンニングを支援する闇組織が存在する。(インド)
  • 消しゴムに偽装したカンニング用電子機器、指紋認証を突破するための指紋フィルム。(中国)
  • 長さ11mのカンペ。(カザフスタン)

アジア圏だと強烈な学閥社会+貧富の格差が激しい故に受験で一発逆転を狙いたいという発想が強いため、こうしたカンニングも頻発する。
また、カンボジアのように過去に政情不安定で社会のモラルが低下しているところもあったり、ラオスのように国民性としてあまり悪いと思っていない場合もあり各国政府も苦慮している。

そのため、カンニング対策もそれを追うように厳重というか過激化しており金属探知機によるチェックなどは序の口。
韓国のセンター試験に相当する「修能」では、カンニング対策の一環として試験会場をギリギリまで受験生に告知しない、問題作成担当者を1ヶ月人里離れた施設に閉じ込めるなどの対策が行われている。

欧米でももちろん多発しており、高校生以下だけではなく名門のハーバード大学でも大規模カンニング事件が発覚したことがあった。


【結論】

このように時代を経て手段は多種多様化・巧妙化し、「する側」と「される側」のイタチごっご状態。

人の目をかいくぐってのカンニングする頭と手間があるなら、
その頭脳を勉強に振り向ければもう少しましになったんじゃないか?という例も正直言ってかなり多い。
ただしそういう知恵を絞ったカンニングよりも、単純で古典的な方法ほど

ただしよく考えてほしいのは以下の3つ。
  • 臨む試験に対してある程度の知識がないと有意義な結果が出せない。だから結局勉強が必要である。
  • 凝った手法のカンニングは動きが極めて不自然になるため、意外とバレやすい。
  • バレた場合のリスクが非常に高い。逮捕とまではいかなくとも、退学を要請されることもしばしばある。そして摘発された場所を見た知人たちは何を思うだろうか?

本当にする価値があるだろうか。そもそもカンニングの手法なんて誰に教わればいいのだろうか。
たとえばカンニングを教えるYoutuberやサイトだって今はごまんとヒットするが、あなたごときが見つけられるものを複数人いる試験監督がひとりも押さえていないと思うだろうか。
そのリスクに、試験を1回やりすごすというリターンは本当に見合うのだろうか?
そしてその1回がバレなかったとき、「これでバレなかったら次も大丈夫だろう」なんて思わない保証はどこにもない。
楽して高い点数が取れること、他人を出し抜いたときの快感が絶対にクセになってしまい、そしていつかバレる。

というわけで学生のみなさんは絶対にカンニングをしないようにしましょう

人生を棒に振るというのは言い過ぎにしても、「あいつはカンニングをした奴だ」という風評は一生取れないものである。
そしてテストでカンニングをするということが、他のこと…たとえばちょっとしたお金の貸し借りなんかでも暗い影を落とすことだってありうる。
カンニングをした奴というのは同情の余地がないため、間違いなくいじめられる。楽しかった人生が暗くなる。上手くいっていた人間関係が帳消しになる。
いわばカンニングとは、出来心が捺す烙印なのである。




No more Cheating

No more Cunning



バレなきゃ良いと思ってやってると、地獄に落ちるぞ!




「カンニング」が登場する作品







次の文字のうち振りがなのある□を漢字になおしなさい。

□□(ついき)□□(しゅうせい)お願いします

「うーん、分からん。よし、カンニングしよう。」チラッ

解答欄
遂木(ついき)週星(しゅうせい)お願いします

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