ダガー(MS)

「ダガー(MS)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ダガー(MS) - (2020/12/11 (金) 21:05:44) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/15 (金) 00:31:58
更新日:2024/04/22 Mon 15:21:00
所要時間:約 11 分で読めます




『機動戦士ガンダムSEED MSV』等の『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』登場するモビルスーツ(MS)。


■目次




ダガー

DAGGER


■基礎データ


型式番号:GAT-01A1
全高:18.00m
重量:57.05t
装甲材質:ラミネート装甲(胴体部のみ)

武装(本体):
40mm口径近接自動防御機関砲「イーゲルシュテルンⅡ」×2
GAU8M2 52mm機関砲ポッド
MX703G ビームライフル
M703 57mmビームライフル
M703k ビームカービン
12.5mm対人機関銃×2
ES01 ビームサーベル×2
対ビームシールド

特殊装備:ストライカーコネクタ

パイロット:モーガン・シュバリエ、他


■機体解説


C.E.71の大戦後期に地球連合軍大西洋連邦が独自に開発した汎用量産機
先行して試作されたX105ストライクの制式量産機で、通称「105(イチマルゴ)ダガー」。


基本はストライクをベースにしつつその性能を検証して設計を見直し、オーバースペックと考えられる部分に手を加え量産性を高める方針で開発された。
GAT-Xシリーズで採用されていたPS装甲やTP装甲に代わり、本機ではラミネート装甲を採用。
これはDPX-M30融除材ジェルを活用した物で、これによりビーム兵器に対する防御力が高くなった。
このラミネート装甲を採用したのは、今後現れるだろうザフトの新主力機が小型ビーム兵器を標準装備してくることを想定した結果でもある。

ただし、ラミネート装甲は生産性の問題故に、全身ではなくバイタルエリアに限られている。
加えて、装甲全体に熱量を拡散させて排熱し無効化する機構上、防御性能は総面積に依存するので、
シールドや戦艦のものと比較すると防御性能は随分と落ちており、実際のところどの程度の防御力を発揮できたのかははっきりしない。

頭部センサーはストライクと同程度の性能を保ち、OSは扱いやすさと動作の安定性の高さを両立した新型を積んだことでナチュラルでも動かしやすい機体となっている。
最大の特徴はストライクと同様にストライカーパックシステムを採用したことで、様々な作戦に対処できるだけの高い汎用性が維持されている。

これによりダガーは総合性能でストライクとほぼ同等の物を獲得した完全量産機となった。
宇宙世紀で言うところのRX-78に対するRX-81的な存在だろうか。

完成した本機は主力機として正式採用され、名称に「ストライク」の名を冠して早速量産されることになる



…はずだった。




戦局が一変したため、軍の上層部は1機でも多くのMSを実戦配備すべく、同時期に造られていた戦時量産型の方を優先して造るよう指示。
その結果、そちらが「ストライクダガー」と名付けられ当時の地球連合軍の主力機として運用されることになってしまい、
本機は制式化の遅れから「ダガー」と命名され、区別のためストライクの型番から取って「105ダガー」と呼ばれるようになったのだった。

しかしストライクの流れを汲んだシンプルながらバランスのとれた基礎設計を有していたためか、ストライクダガー以外にも大戦中の短期間に本機の設計をベースにした派生機が幾つも開発されており、その性能がしっかりと評価されていたことも窺える。



■武装


  • イーゲルシュテルンⅡ
頭部に内蔵。
Ⅰを小口径化して装弾数を増加し、
近づいてくる敵に対してFCSによる自動発射が可能になった。

  • GAU8M2 52mm機関砲ポッド
初期生産型に配備された実弾装備。
元々はレイダー制式仕様の副翼に搭載されるオプションの1つ。
後に外装を共用したビームライフルが開発されている。

  • ビームライフル(MX703G)
メインウェポン。
ビーム・実弾兵器を共通のフレームやプラットフォームで
ハイブリッド共存させるというコンセプトに基づいて造られた。
……のだが、当時の技術では実弾とビームの完全な撃ち分けを実現できず、
センサー系と外装のみを共用化するにとどまった。
見た目が同じなのはこのため。
試作品だからか、配備数は少ない。

  • ビームライフル(M703)
ストライクダガーに採用されているビーム兵器。

  • ビームカービン
ストライクダガーのビームライフルの銃身を短くしたもの。
取り回しや速射性・近接戦闘に重点を置いた。
ダガーLも同じものを使用する。

  • 対人機関銃
脚に内蔵。
基本的には歩兵や軽装甲車両から攻撃された際の迎撃用とされる。
つま先に装備されているので、攻撃対象とほぼ水平に撃てる為高い命中率が期待できる
(MSの腕や頭の高さから地表の対象を攻撃をしても打ち下ろしになってしまうため中々当てづらい)*1
MSによる歩兵への攻撃は「オーバーキルだ」と批難される事が多く、それをかわす目的でこの武装が採用されたという。

  • ビームサーベル
  • 対ビームシールド
どちらもストライクダガーと同じ物。
サーベルは腰にマウントされている。



■劇中の活躍


戦時中は23機しか造られなかったが、戦後になると当初の予定通り量産されて各部隊に配備された。
詳細は不明だが、「ブロック7」までマイナーチェンジされたという。

南米の独立戦争ではソードストライカー装備機がダガーL部隊の隊長機として運用され、
遭遇したアウトフレームと交戦している。

C.E.73時にはヘブンズベース攻防戦でランチャーやジェットストライカーを装備した機体が出撃している他、
メサイア攻防戦で本機の残骸が確認されている。



■派生機


◇ガンバレルダガー


ガンバレルストライカーを装備した105ダガー。
有線式ガンバレル4基を駆使したオールレンジ攻撃を得意とする。

ガンバレルストライカーは本来、ムウ・ラ・フラガに引き渡されるはずだったが、
そのムウが軍を抜けたため、後にガンバレルの適性があると判明した「月下の狂犬」モーガン・シュバリエが受領して運用。
カナードハイペリオンと戦ったり、ボアズ攻防戦や第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に参戦したりしている。
南米の独立戦争でもエドのレイダー制式仕様と交戦した。
C.E.73時にはルドルフのグフイグナイテッドと戦い、これを鹵獲している。

漫画版では火器運用試験型ゲイツ改と交戦していた。



◇スローターダガー

型式番号:GAT-01A2R

105ダガーのマイナーチェンジ版。
「105スローターダガー」とも呼ばれる。
スローターは「虐殺、殺戮」等の意。
ファントムペインがウィンダム共々制式採用した。

見た目は黒い105ダガーで基本的な装備も同じだが、中身に改良が加えられており性能が上がっている。
通常は背中にエールストライカーを装着していて、非常に高い万能性を誇る。
勿論、他のパックにも換装可能。
なお、このエールストライカーは単独長距離飛行が可能になった改良型。

因みにスローターダガーは全重量が68.09tと105ダガーとエールストライカーの組み合わせ(合計77.35t)より軽くなっている。どちらかを軽量化しているのだろう。
(エールストライカーは20.30tの重量が有る)


STARGAZER』ではストライクノワールなどと共にコーディネイター達のいる難民キャンプを襲撃し、脚部対人機関銃の掃射でキャンプを壊滅させた。
その後もDSSDのトロヤステーション襲撃に参加するが、最後は返り討ちにあった。

『⊿ASTRAY』ではマーシャン追撃の際に5機がファントムペインからオーブ軍へと供与・配備され、その内の4機はストライカーを換装して出撃している。



◇バスターダガー

型式番号:GAT-A01/E2
全高:17.81m
重量:80.70t
装甲材質:ラミネート装甲
動力:内蔵バッテリー
武装:
ES01 ビームサーベル×2
220mm径3連装ミサイルポッド×2
350mmガンランチャー
94mm高エネルギー収束火線ライフル


105ダガーをベースとしたバスターガンダムの量産機。
元々はバスターのストライカーパック版である「バスターストライカー」を105ダガーに装着するはずだったが、
パックの開発が上手くいかなかったので105ダガーの改造型に変更された。

ストライカーパックの換装機能はオミットされ武装も固定装備されているが、バスター譲りの高い砲戦能力に加え、腕にオプションとしてビームサーベルをマウントすることで接近戦にも対応できる。
105ダガーと同じ部品が多いので生産性や整備性も高い。

主なパイロットは「乱れ桜」ことレナ・イメリア。
「八・八作戦」にて投入され、高い戦果を挙げた。

なお、カラミティの武装の搭載も検討されていたが、「量産機にしては火力高すぎだろjk」ということで却下されたという。

ちなみに外伝作品等では後の時代にバスターストライカーやカラミティの武装を
曲がりなりにも積んだサムブリットストライカーが出ていたりする。本機の存在があってこそだろうか?



◇NダガーN

型式番号:GAT-S02R
動力:核エンジン
武装:
DFH-S2026 攻盾システム「シルトゲヴェール」
(70mm高エネルギーブラスター)
ピアサーロック「ハーケンファウスト」
GES-D07G+ 対装甲刀×2(大小2振り)
Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾
多目的ランチャーポート×17
多目的アンカー×4

特殊装備:ミラージュコロイドシステム


ダガーを基にした特殊機。
ミラージュコロイドを搭載しているなど、ブリッツガンダムのコンセプトを取り入れて開発されている。
よく見ると各部の形状は105ダガーベースなのだが、スネアーマーやV字型アンテナなど特徴的な部分をブリッツに近付けているため一見するとブリッツそっくり。
武装もブリッツ譲りの万能兵装を右手に装備している。
顔もガンダムフェイス。
作例でもあまり変わっていない。

動力は核エンジンでNJCも積まれているため、無制限にミラコロが使える。
手足にはワイヤーアンカーを内蔵し、場所によってはスラスターを使わず熱探知に引っかからないように移動可能。
勿論、武器にもなる。

開発中にユニウス条約が発効されたので、秘密裏に完成させて非正規部隊に配備された。
これにちなんで開発者達は「ニンジャワークス」、「シノビマフィア」を自称していたそうだ。

ちなみに2つのNは「ニュートロン」と「忍者」の意味らしいが、ガンダムウェポンの解説では「どちらのNがどちらの意味なのかは分からない」とされている。

ヘブンズベース攻防戦でニーベルングの秘匿性保持のために働いていた他、
(パイロットはオーブ兵だが)オーブでもジオグーンと戦う姿が目撃されている。



◇ダガーL

型式番号:GAT-02L2
全高:18.40m
重量:55.05t
動力:内蔵バッテリー
武装:
M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×4
M703k ビームカービン
ES04B ビームサーベル×2
Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾×2
Mk39 低反動砲
対ビームシールド

特殊装備:ストライカーコネクタ


『DESTINY』に登場した105ダガーの後継機。
全体的な装甲を簡略化。頭部は105ダガーやストライクダガーの意匠を残しつつ、バイザー部分が大きくなり、頭部装甲とフェイス部分が一体化しており、より一層ジムっぽい顔になった。

イーゲルシュテルンに代わってトーデスシュレッケンが採用されているが、頭部の物は従来の内蔵型ではなく両側頭部に独立したポッドとして装着する形態を採っている。
その他、短銃身化され取り回しを良くしたビームカービン、105ダガーの流れを汲むビームサーベルとシールド、更に腰部に格納した投擲噴進対装甲貫入弾などを基本装備。
肩掛け式の大型バズーカ・Mk39低反動砲や、背部ストライカーコネクタによる換装機能も備えている。

低コスト化よる生産性を向上しつつ、手堅い武装構成と換装による高い汎用性を引き継いでいる。

しかし所詮はモブMS。本編ではジェットストライカーやドッペルホルン等の量産ストライカーくらいしか付けていなかった。
一応C.E.73年時では主力量産機として配備は行き届いていたようだが、開戦頃から次期主力機であるウィンダムの配備が本格化したため完全に旧式化した。

『DESTINY ASTRAY』ではソードやランチャー装備が登場。
ただしダガーLはストライクやダガーにはあった肩のマウントが廃されている。
なので肩パーツの取り付けは本来なら不可能である。

この機体の開発は『SEED』の段階で始まっており、最終決戦後にプラント制圧の為に投入される筈だった。



◇ダークダガーL


ステルス性を重視した黒いダガーL。
といってもミラージュコロイドなどは搭載してはおらず、装甲も単純な視認性の低下を図っているだけ。
その他の違いも特に言及されてはいないため、恐らく純粋な性能面では通常のダガーLとの差はない。

本編ではファントムペインの特殊部隊が使用。
アーモリー・ワン襲撃時にはバズーカを携行した機体が投入され、密かにコロニーに接近し軍港への奇襲作戦などを実行した。



■ゲームでの性能


◇連合VS.ZAFTシリーズ

ダガーL、ダークダガーLが登場。
ダガーLはジェットストライカーとドッペルホルン装備があり全3種のダガーLが使用可能。

ダークダガーLの特殊格闘はジム系列伝統のジャンプ下突き。
コストは全て270に統一されている。
どれも使いやすい性能と武装でバランスが良い。
特にダークダガーLは低コストの優秀なバズーカ機体として高く評価されている。
ただし所詮は低コストなので、火力は言わずもがな。
味方の支援に徹しよう。


SDガンダムGジェネレーションシリーズ

『ウォーズ』からダガーLやダークダガーLが登場し、砲撃戦仕様のドッペルホルンや空中戦型のエールストライカーへ換装も可能。
だが、以降のシリーズでは換装ではなく個別に開発する必要があったり、ドッペルホルンが登場しないこともある。
『ウォーズ』や『ワールド』だと105ダガーのビーム兵器がダークダガーだと実弾になっていたり、『オーバーワールド』ではダークダガーの方が武装は多いが105ダガーにはラミネート装甲があるなど差別化がなされている。

基本的に武装の違いやバリエーションの豊富さを踏まえても新型のウィンダムには劣る。
しかし、『クロスレイズ』ではジェットストライカー装備の105ダガーにランチャーも統合されているため量産機の中では比較的強力。

ダークダガーLの方は強力なストライクノワールを目指すための開発素材として重宝される。
しかし、『オーバーワールド』以降は間にスローターダガーを挟む必要性が出てきた。


スーパーロボット大戦シリーズ

Wでエドやモーガンが搭乗する105ダガー、ガンバレルダガーが登場。
周回プレイではどちらも購入して自軍で使用可能になる。
105ダガーは趣味機体だが、ガンバレルダガーは性能も悪くなく強化パーツ枠も4つ。
しかし、ルート分岐でアストレイ組とSEED本編組が分かれてしまうとムウが乗れなくなってしまうのが難点。

ZではダガーLが登場。
ストライカーパックはなく、これといった特徴もないただの雑魚。
中盤以降はウィンダムやドートレス・ネオ等に取って代わられ、ほとんど登場しなくなる。

KではダガーL、スローターダガーが登場。
ダガーLはノーマル、ジェットストライカー、ドッペルンホルンが登場し、性能は雑魚敵の中でも最弱クラスだが、ドッペルンホルン装備のものは射程が長く地味に面倒。
また、自軍の半数以上が宇宙適応Bの状態で宇宙で戦うこともあり、いくら貧弱だからと言って油断すると思わず痛い目を見ることも。
スローターダガーは一応ラミネート装甲はあるが、性能が低すぎてあまり意味がない。
しかし、戦闘アニメの出来がなかなか。

Lでも3種のダガーLが登場。
今回は終盤まで登場する他、擬態獣の戦力としても何度も登場する。
というか、連合軍としてよりも擬態獣として出てくることの方が多い。


◇BATTLE DESTINY

連合ルート序盤で105ダガーが換装機能があるものと無いものとで入手可能。
主武装は機関砲ポッドとビームカービンの両方が装備されている。
換装機能付きはストライクと同様のエール・ソード・ランチャーの3種を自在に換装が可能で、各モーションや性能はストライクとほぼ同じ。
やはり特にランチャーの性能が高く、エースキラーとして優秀。ストライク入手までの慣らしとしても有用である。
エネミーとしても頻繁に登場しており、やはりランチャー装備のダガーは遠くから高威力・地形貫通のビームを連射して来る厄介な敵機である。
総じて劇中ではかなり地味であったが、非常に印象に残る機体である。
また別種としてスローターダガー、ガンバレルダガーも登場している。

ダガーLはC.E73の連合ルート初期機体として登場。ほぼ同性能のダークダガーも登場している。
ドッペルホルン装備機、ドッペルホルン装備ダークダガー、ジェットストライカー装備機なども存在するが何れも最序盤で入手できる。
共通して武装にビームカービンとバズーカを装備している。
バズーカとドッペルホルンはかなり高威力であり、ビームカービンも強化すればそれなりに使い勝手の良い武器となるが、
機体の基本性能が恐ろしく低く、立場は対となるザクウォーリアが高性能なのに比べてこれはかなり弱い。
ゲーム的には直前までC.E71のストーリーで高性能なガンダムなどを乗り回していれば、
或いは同時にザフトルートでザクウォーリアなどに乗っていれば、そのロースペック振りに困惑する事間違いなし。



■立体化


ガンプラ

HGでガンバレルダガーとスローターダガーが発売。
どちらもパックは換装可能。ストライクの装備をガチャガチャ換装して遊ぼう。
もちろん、ストライクにもこちらのパックを装着できるぞ!





追記・修正をお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/