宇宙世紀(ガンダムシリーズ)

登録日:2011/11/24 Thu 21:44:19
更新日:2025/04/16 Wed 20:05:02
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現在、グリニッジ標準時23時40分。
今、ひとつの世界が終わり、新しい世界が生まれようとしています。

まもなく、首相官邸『ラプラス』において、
地球連邦政府主催の改暦セレモニーが執り行われます。

私達は、母なる地球の外に自らの世界を築く時代に足を踏み入れました。

今宵、私たちは歴史の目撃者となります。
この幸運を全ての人と分かち合い、
去りゆく西暦の時代を、感謝と感慨をもって見送ろうではありませんか。

そして、新たなる世界、宇宙世紀の始まりを笑顔で迎えましょう!


さよなら(Good Bye.)西暦(A.D.)
ようこそ(Hello.)宇宙世紀(U.C.)



宇宙世紀(うちゅうせいき)(U.C.)とはガンダムシリーズに登場する紀年法の事。


【概要】

機動戦士ガンダムで設定された紀年であり、後に続くガンダムシリーズで最も多く使われた紀年法である。
昭和のガンダム作品は全て宇宙世紀に内包され、平成においても映画やOVA等で新たに物語が綴られている世紀である。
宇宙世紀を舞台にしない作品群として、『機動武闘伝Gガンダム』以降のアナザーガンダムシリーズも存在。

もはや取り返しのつかない後付け多くの続編やスピンオフで描かれる様々な陰謀が渦巻く幾多の戦乱が起こった混沌とした世界観であり、コロニーと小惑星が幾度も人為的に地球へと落とされている。

そもそも宇宙世紀になった瞬間にテロリストが宇宙ステーション爆破する事件(ラプラス事件)を起こしており、
宇宙世紀の混乱はここから始まってると言っても過言ではないのかもしれない。

機動戦士ガンダムUCによれば、U.C.は「Universal Century(ユニバーサル・センチュリー)」の略。日本語では「普遍的(ふへんてき)世紀」となる。
宇宙世紀なら「Universe Century」となるはずだが、当時の連邦政府首脳陣の「人類は一つになれるという事実を普遍化(Universal)しよう」という願いから、あえてこのような名称にしたという。スタッフの勘違いとか言うな


【宇宙世紀の主な事件・戦争】

本伝・それに準する作品の事件

宇宙世紀ガンダムシリーズの原作者である富野由悠季が制作に関与した作品の事件、富野由悠季が制作に関与していないが映像展開や『UC NexT 0100』プロジェクトの関連作として「本伝」であると公式に明言をされたことや一時期でもサンライズの宇宙世紀年表に正史として掲載されたことのある作品の事件、上述の作品群の外伝作品や資料集として制作・設定されて現時点で明確なパラレル描写が発生していない事件など。

ただし、本伝と明確に扱われている作品同士でも細かい部分で決定的な矛盾や制作年代の時期による後付けの弊害などから設定の整合性に違和感が生じているパターンもある*1
また、『G-SAVIOUR』のように展開時から扱いが二転三転した末に後々に公式年表から外れて曖昧になったり、『閃光のハサウェイ』のように正史とされていた原作小説の時点で本伝作品と矛盾があり*2、アニメ化の際に改変が加えられるといったパターンもある。
そのため、必ずしも事件同士で密接に繋がりがあるという訳でもなく、シリーズの展開によっては今後何かしらの扱いの変更や内容の修正なども起きうると言えるだろう。


  • ラプラス事件【0001】
地球連邦政府の首相官邸がある宇宙ステーション「ラプラス」で行われた改暦セレモニーを狙った爆破事件。
この事件により、当時の主だった官僚は全員死亡した。のっけから首脳陣がテロで一新される新歴
機動戦士ガンダムUCの根幹に関わる事件。


  • ミノフスキー・ショック【0045~0072】
トレノフ・Y・ミノフスキーが特殊な粒子の存在を予測・確認。サイド3では0045年に「ミノフスキー物理学会」を設立、やがて0065年に特殊な効果などがジオン公国で本格的に確認され、「ミノフスキー・ショック」とも呼ばれる革新的な出来事となる。
ところが0072年にミノフスキー博士が連邦側に亡命し、ジオン公国の独占技術ではなくなった。


  • サイド3独立宣言【0058】
サイド3の首相だったジオン・ズム・ダイクンが、サイド3を共和国としての独立を宣言する。
これに対して地球連邦は経済制裁を実行に移す。


  • コロニー自治整備法案の提出と棄却【0067】
ジオン・ズム・ダイクンが妥協案として連邦政府に提出したコロニー自治整備法案が棄却。
政治的決着は頓絶し、この事実はサイド3側のダイクン派とザビ派による内部対立を深め、両者は互いに向けてテロ行為を繰り返すことになる。
結果的に、法案の破棄はジオン公国の成立と一年戦争の火種に繋がることになる。


(機動戦士ガンダム)
みんな大好き一年戦争。
ジオン公国軍による非武装コロニーへの核攻撃と、地球へのコロニー落としによる影響で、地球圏の人口の約半数(50億人以上)が開戦から1週間で死に絶えた。
この打撃で地球の環境は致命傷を負い、緩やかな衰退へと向かい始める。
モビルスーツが歴史に初めて登場したのもこの頃。ガンダムの伝説もここから始まる。


  • 水天の涙作戦【0081】
(PS3版機動戦士ガンダム戦記)
ジオン残党軍が月のマスドライバーを利用した地球への攻撃を計画。
作戦を巡って、地球連邦軍の遊撃特務部隊ファントムスイープ隊とジオン残党の実働部隊の一つインビジブル・ナイツが各地で交戦を行う。


(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)
ジオン残党のデラーズ・フリートによるガンダム強奪事件を発端とするコロニー落とし事件。
この紛争がきっかけでティターンズが発足することとなったが、連邦内では秘匿事項とされ、運用された試作ガンダムタイプ共々歴史から抹消されている。


  • シン・フェデラルの反乱【0084】
(機動戦士ガンダム カタナ)
前年のデラーズ紛争時の隠蔽に抗議の意を示す地球連邦軍の派閥が反連邦組織として「シン・フェデラル」が台頭し、連邦総会を利用した暗躍を試みる。
シン・フェデラルを迎え撃つ連邦の特殊部隊の「BGST」やティターンズの構成員との抗争が発生し、シン・フェデラルは内乱などによって壊滅するが、BGSTを初めとする連邦軍の勢力も衰退させられることになり、ティターンズの影響力の増加という結果に終わる。


  • 30バンチ事件【0085】
サイド1、30バンチコロニーでの反連邦デモを鎮圧するために、コロニー内に毒ガスを注入した事件。
コロニー内の全住民約1500万人が死亡。
この事件を実行したのはバスク・オム率いるティターンズ。まさに外道。これでもジオンの所業に比べると三百分の一以下なのだから世紀末である


(機動戦士Ζガンダムガンダム・センチネル)
エゥーゴによるガンダムMk-Ⅱ強奪を発端とする地球連邦の内部抗争。
後にハマーン・カーン率いるアクシズが介入した事で三つ巴の戦争となる。
可変機体が登場し、戦場は更に賑やかに。また、コロニーは月のグラナダに落ちる筈だった。
終盤には小惑星ペズンで一部の連邦軍青年将校たちが武装蜂起、ペズンの連邦軍教導団が「ニューディサイズ」として連邦軍へ徹底抗戦を表明「ペズン事件」を起こす。


(機動戦士ガンダムΖΖ)
アクシズ改めネオ・ジオンとエゥーゴ+地球連邦の戦争。
ネオ・ジオンは先のグリプス戦役で多くのベテランパイロットを失っていたが、エゥーゴ・地球連邦はもっと被害が甚大で初期は戦争が出来る状態では無かった程。
モビルスーツの大型・大火力化が顕著。
再びコロニーが地球に落とされた。


  • レジオン建国紛争【0089】
  • 「輝ける星」作戦【0091】
(ADVANCE OF Z Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-)
一年戦争後に火星を実効支配していたジオン残党勢力のジオンマーズに対し、同じくジオン残党でありながら別派閥故に敵対していた組織レジオンがティターンズ残党を取り込みながら火星の支配権をジオンマーズから奪って独立国家の建国を宣言。
支配権を奪われながらも抵抗するジオンマーズや反乱を起こしたティターンズ残党がレジオンに立ち向かった。


  • カラード事件【0090】
(ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム)
反地球連邦組織「カラード」が、地球連邦軍のサラミス改級巡洋艦・アラハスを襲撃。
ガンダムの外観を持つ作業用モビルスーツがこれを撃退するが、事件はネオ・ジオンも絡んで予想外の事態に発展する。
なお、この事件名はファンや一部媒体で呼称されているだけで、原作で特にこの騒動に対する固有名称は存在しない。


  • 新生ネオ・ジオンがスウィート・ウォーターを占領【0092】
(機動戦士ガンダム ジオンの再興/機動戦士ムーンガンダム)
第一次ネオ・ジオン抗争で敗れたネオ・ジオン勢力の独自行動、グリプス戦役で行方不明となったシャア・アズナブルらしき存在の暗躍、ジオン勢力やティターンズ残党を追うロンド・ベルなどの各勢力が入り乱れる。
スペースコロニーのムーン・ムーンでは、謎のモビルスーツが転がり込んできたことから一騒動に発展する。

そして0092年が終わりを迎える12月の時期、ついに表舞台に顔を見せたシャア・アズナブルが新生ネオ・ジオンを率いてサイド1のスウィート・ウォーターを占領する。


  • 第二次ネオ・ジオン抗争【0093】(シャアの叛乱)
(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)
赤い彗星シャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオンが連邦政府首脳部を粛清するため再び地球圏に飛来してきた。
地球にフィフス・ルナを落としただけに留まらず、アクシズをも落とさんと画策するシャアを止めるべくロンド・ベルが出撃。
アムロ・レイとシャアの因縁が決着を見る。
アナハイム・エレクトロニクス社のロングセラー、ジェガンの初舞台でもある。


  • ジュピター・ファントム蜂起【0095】
(MSV90)
第二次ネオ・ジオン抗争において木星圏に敗走した新生ネオ・ジオンの残党勢力が、ジュピター・ファントムという反連邦組織を結成して蜂起。
木星圏と地球の補給ラインを潰す作戦に出たジュピター・ファントムに対し、地球連邦軍は新型ガンダムを投入しての鎮圧を狙う。


  • ラプラス戦争【0096】(第三次ネオ・ジオン抗争)
  • バーナム動乱【0096】
(機動戦士ガンダムUC/機動戦士ガンダム Twilight AXIS)
政経両面で広い影響力を持つ「ビスト財団」が重要機密ラプラスの箱をネオ・ジオン残党「袖付き」に譲渡する事を決定。
「箱」、それの鍵である変形では無く変身するガンダムを巡って袖付き、地球連邦軍、アナハイムで三つ巴の争いとなり、戦いの規模は急速に拡大していった。

本戦争終結から数か月後、連邦政府の要請でアクシズを調査する部隊が謎の武装集団に襲われるが…?


  • 不死鳥狩り【0097】
(機動戦士ガンダムNT)
消息不明となっていたが、ラプラス戦争後に姿を現すようになったユニコーンガンダム3号機"フェネクス"
神に匹敵するその力を確保するべく、様々な勢力の思惑が入り乱れる「フェネクス捕獲作戦」が始まる。


  • ジオン共和国消滅【0100】
(機動戦士ガンダムF90 FastestFormula)
連邦政府との約束からジオン共和国が自治権を放棄し、国家の消滅と戦乱の終結が宣言される。
この際に一部のジオン共和国軍が武装解除を拒否して『共和国解放戦線』というテロリスト組織が発生する。


  • マフティー動乱【0105】(マフティー戦争)
(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ)
地球連邦政府の特権階級の者達はマンハンターを使い地球の人口を整備する傍ら、自分達が移住するペースを加速させ地球を汚染していた。
スペースノイドを弾圧する彼らに反抗するのは秘密結社マフティー・ナビーユ・エリン
その指導者マフティーを名乗り、天翔る新型ガンダムを駆るのはかの英雄ブライト・ノアの一人息子だった。
閣僚の半分を粛清し、最後の攻撃に打って出る為、アデレード上空を飛翔するガンダムだったが……。
この事件の鎮圧により急激に反連邦運動は減少する。


  • クロスボーン・バンガード活動開始【0106~0123】
ブッホ・コンツェルンが自社の秘密組織バーナムや社内の職業訓練学校を発展させ、極秘裏に私設軍隊クロスボーン・バンガードを設立。
0108年に新型の小型MSのシリーズを確立させると、以後もアナハイムやオールズモビルを中心としたジオン残党軍への接触を進め、コスモ・バビロニア建国戦争に繋がっていくことになる。


  • シャア・コンティニュー・オペレーション【0110~?】
(ガイア・ギア/機動戦士ガンダムF90 FastestFormula)
0110年、突如としてアナハイム・エレクトロニクスが超高級兵器「ゾーリン・ソール」をロールアウトさせるも、地球連邦軍に正式採用されずに終わる。
実はこの兵器は行方不明のシャア・アズナブルの復活を目論むズィー機関が、アナハイムと連邦に干渉して製造させた「シャア存続計画」の一環だった。
ズィー機関に譲渡されたゾーリン・ソールは100年近く隠蔽されることになり、計画や機体に関する情報も全て最高機密として抹消される。

これらの出来事は当初は雑誌ホビージャパンでのみ作られた独自設定であり、原作小説では描かれていないのだが、後に公式関係者の発言や『F90FF』などではこの出来事が示唆されている。


  • 第0次オールズモビル戦役【0116】
(機動戦士ガンダムF90 FastestFormula)
この時期のジオン残党軍としては比較的規模の大きい組織として活動していた地球圏のオールズモビルであるレガシィがフロンティアⅠを襲撃。
これに応じてラプラス紛争やマフティー動乱以降も細々と存続していた地球圏のジオン残党軍やエゥーゴ系列の反連邦組織が蜂起し、これを迎え撃つファステストフォーミュラ隊を初めとする連邦軍の勢力と激突した。
レガシィは隕石迎撃用人工衛星「トリムールティ」を狙うが、最終的に軍事勢力の大半を消失して多くの反連邦組織も勢力を失い、残存勢力は第一次オールズモビル戦役時まで潜伏することになる。


  • オールズモビル戦役【0120~0122】
(機動戦士ガンダムF90機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91/機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122)
一年戦争当時の機体を最新技術で再現したオールズモビル軍と地球連邦軍の戦い。
0120年の第一次OM戦役では火星で地球でとF90が活躍し、0122年の第二次OM戦役ではF91も実戦投入され、新世代vs旧世代の様相を呈していた。
第二次OM戦役の終結によって、旧来から無限沸きしていたジオン系反連邦組織の命脈は遂に絶える。
が、全てはクロスボーン・バンガードの掌の上での出来事だったのかも知れない。


  • コスモ・バビロニア建国戦争【0123~0128(?)】
  • ゼブラゾーン事件【0123】
(機動戦士ガンダムF91機動戦士ガンダム シルエット・フォーミュラ フォーミュラ91の亡霊)
かねてより暗躍していた貴族主義者たちが地球連邦政府に反旗を翻した紛争。
クロスボーン・バンガードの有する小型MSには性能がアップした大型のジェガンタイプといえども相性が悪く、練度の低い田舎コロニーの防衛隊等は瞬く間に制圧されてしまった。
……が、流石に連邦本隊の力は強大であり地球まで侵攻できず攻めあぐねている内にレジスタンスの活躍やクロスボーン・バンガードの内部崩壊で幕を閉じる。


  • 木星戦役【0133】
(機動戦士クロスボーン・ガンダム)
地球から遠く離れた木星で暗躍する木星帝国の野望を打ち砕くべく、新生クロスボーン・バンガードが立ち上がった。
戦火は地球圏へと飛び火し、新生クロスボーン・バンガードに兵器を供給していたサナリィは泣きを見た。
ここから地球連邦政府の権威が転落していく。


  • (ゼウス)の雷計画/鋼鉄の7人作戦【0136】
(機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人)
復活した木星帝国は地球をコロニーレーザーで狙撃するという大胆な計画を行動に移す。
計画を阻止すべくクロスボーン・バンガードのトビア・アロナクスは、6人のエースパイロットと共に死地へ向かう。
F90、F91、クロスボーン・ガンダムことF97レコードブレイカーことF99という新時代を駆け抜けたF9シリーズが集結した。
そして最大の被害者はまたしてもサナリィであった。


  • 神聖軍事同盟構想発足【0139~0148】
民間ネットワークで神聖同盟構想が考案され、0148年に実践的な軍事組織としてリガ・ミリティアが結成。
結成翌年のザンスカール帝国発足を機に、独自のMS開発と軍事活動を本格的に開始する。


  • マリア・ピァ・アーモニアが活動を開始/政治結社「ガチ党」が躍進【0141~0147】
0141年、サイド1のアルバニアン政庁にてマリア・ピァ・アーモニアが出現し、3年後に民間の新興宗教団体「マリアの光の教団」を確立。
0146年にフォンセ・カガチが政治結社「ガチ党」を結成すると、マリアの勢力や思想を取り込んで翌年にサイド2アメリア政庁の政権与党になり、ザンスカール戦争の前触れとなる。


(機動戦士Vガンダム機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト)
女王マリアの力とギロチンの恐怖政治によってサイド2を席巻したザンスカール帝国は地球侵攻作戦を開始する。
やる気のない地球連邦に変わってザンスカール帝国に抵抗するレジスタンス『リガ・ミリティア』では新たなガンダムが開発され、二つの勢力は死力を尽くす戦争を繰り広げる。
新世代の機体がぶつかり合うこの戦争の最中、一説に拠れば量産型F91が出撃していたらしいが本当だろうか?

戦争の裏では木星とザンスカール、そしてリガ・ミリティアによる死の生物兵器の奪い合いが繰り広げられ、
その戦いではかつて木星での戦いを最後に消息を絶った海賊のモビルスーツと、全身から火を吹きだす幽霊が活動していたと言われている。


(機動戦士Vガンダム機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST)
0140年よりコロニー主義が台頭した時勢もあり、コロニー同士が争い合う宇宙戦国時代に突入した。

ザンスカール戦争開始前も宇宙戦国時代真っ只中であったわけだが、ザンスカール戦争終結後もこの時代が終わることはなかった。
むしろ、正規軍ではないリガ・ミリティアが中心となってザンスカール帝国を打倒したことで、地球連邦政府が弱体化していることを世界へ証明する事となり、
これを機と見た各コロニーは自治独立を行い始め、同時に覇権を巡るコロニー間の戦いが始まってしまう。
互いの国力の問題から大規模な戦争こそ起こらないものの、コロニー間の戦いはお互いに引かない泥沼になってしまい、
コロニー修理、維持に必要なコストすら確保できなくなった結果、壊れ行くコロニーから脱出したスペースノイドは難民となって宇宙を彷徨う事となった。

技術を支えるヒトの暮らし、モノの流れもまた不安定なものとなり、技術レベルも退行してしまう。
モビルスーツの新造も一部勢力を除いて難しくなり、複雑な機構を持つモビルスーツは敬遠され、
多少古くても整備のしやすいモビルスーツがレストアされて使われるようになっていった。
このため、戦場では一年戦争からザンスカール戦争までの亡霊達が銃口を向けあっている。


  • 再投火の日【0169】
(機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST)
ザンスカール戦争後の宇宙戦国時代にて頭角を現したルナツーの首切り王が、自らの勢力を『賛美歌の国』と名乗り独立宣言を行った。
連邦軍に大損害を与えた賛美歌の国はその勢いのまま、地球圏のコロニーを次々と襲いにかかる。
これに触発されてコロニー同士の戦いも激化し、あるものは賛美歌の国へ吸収され、またあるものは賛美歌の国への対抗策を模索し始めた。


  • DUST計画【0169】
(機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST)
賛美歌の国の標的にされたサイド1のネオ・1バンチが、連邦軍をも敵に回して9000万人の生き残りをかけた『DUST計画』を始動する。
この大計画の余波で、宇宙戦国時代はさらなる混迷の時代へと突き進んでいく。


  • マハの反乱【0203(?)*3
(ガイア・ギア)
ズィー機関が作り上げたシャア・アズナブルのクローンが本格的に表舞台に出現し始める中、マハ所属のビジャン・ダーゴル大佐が地球逆移民計画を発表。
マハを地球に降下させ、ヌーボ・パリでの連邦軍を支配下に置いての地球連邦政府への反乱を企む。
(小説版では独立国家「ガイア・エンペラー」の建国、パラレルのラジオドラマ版では軍事クーデターによる連邦政府乗っ取り)
しかし、裏取引をした連邦政府とズィー・ジオン・オーガニゼーション改めメタトロンの手による妨害が入り、最後はアフランシ・シャア率いるメタトロンの部隊と激突の末に失敗に終わる。
しかし、200年代初頭の連邦は存続していたとはいえ、組織内の反乱を自力では抑えきれずに反連邦政府組織と手を組んで抑えようとするまでの醜態と弱体化に至っていたのだった。


  • 地球連邦崩壊、地球圏の勢力再編【0218〜0222】
(小説版『G-SAVIOUR上巻』 REPORT OF G SAVIOUR サイド8独立に関するレポート)
度重なるコロニー同士の紛争に際して地球連邦はとうとう強硬策としてコロニーへの武力行使を開始。
しかしそれに反発するコロニーとの激しい争いとなり、ついに地球連邦政府はその強制力を完全に喪失、事実上の崩壊を迎える。
止む無くサイドの独立を認めた地球連邦は分解、地球とサイドは同等の権利を持つに至った。
その後コロニーはセツルメントと名を変え、地球上の国家と親地球派サイドはガーノー総督やヘイル将軍を中心として『セツルメント国家議会』を打ち立てた。
しかし、セツルメント国家議会はサイド1,4や月がこれに対抗して結成した『セツルメント自由同盟』と依然睨み合いを続けており、連邦崩壊以前のアースノイドとスペースノイドの対立状態はこの時代でも解消されてはいなかったのである。
というか「地球連邦」という名前が「セツルメント国家議会」に変わっただけであった。旧ジオンや旧ザンスカールなどかつての独立志向サイドまで加盟しており、独立運動とは何だったのかという状況であった。


  • サイド2の紛争【0218〜0219】
(G-SAVIOUR サウンドシネマ イカロスの紅い翼)
サイド2の農業セツルメントにて紛争が発生、ぶどう農家のエルグ夫妻を含めた大勢の犠牲者が発生する。
この事件の直後、死神イカロスことアンドリア・グラーシェが議会軍を退役して姿を消した。


  • アース・エドバードの紛争【0221】
(G-SAVIOUR サウンドシネマ イカロスの紅い翼)
旧ヨーロッパ地区のアース・エドバード農業指定区のクリフ知事が同地区の工業化を画策し、反対する市民に対して中央議会の承認を得ないまま弾圧を展開、被害者達はレジスタンス組織クラブ4を組織して抵抗。
また中央議会も査察官を派遣して捜査を行い、最終的に工業化は阻止された。
この事件において、旧連邦軍のフリーダムに似た謎のMSがクラブ4によって運用されたのが確認されている。


  • ガイアの光事件【0223】
(G-SAVIOUR)
長きに渡る戦乱によって地球環境の大部分が汚染され、自給率は激減。世界を未曾有の食糧危機が襲っていた。
食料危機を救う生物発光体を巡ってサイド・ガイアとセツルメント国家議会軍がぶつかり合った末、秘密結社イルミナーティの武力介入によって議会軍は撃退された。
事件後、事態を重く見たセツルメント国家議会はガイアをサイド8として正式に認可、旧ガイア委員会委員長グレーブスが初代大統領に就任した。


  • プロジェクト・レイヴン【0223~0224】
(PS2版G-SAVIOUR)
議会軍准将のバイス・バッシングが、軍事増強計画である「プロジェクトレイブン」を発案し、地球圏の軍事政権獲得を計画。
イルミナーティのライトニング部隊がこの計画の阻止を命令され、議会軍特殊部隊グレムリーシープとの戦闘を繰り広げる。
正史かどうかはさて置き、現在宇宙世紀の歴史で最も先の未来が詳細に描かれた事件となる。


アナザー宇宙世紀作品の事件

サンライズ公式の宇宙世紀作品ではあるが、上述の事件の描かれた作品群と矛盾を起こしているなどの事情から明確なパラレルワールドとして扱われている作品の事件。
これらの作品群は公式で「アナザー宇宙世紀」と分類されたことがあった。
主に「映像作品や富野由悠季制作の作品ではあるが、明確にパラレルとして作られている作品」と「シリーズ拡大の時期に制作され、後の本伝とされた作品と大きく矛盾したことでパラレルとなっている作品」のパターンが見られる。
前者の例は『機動戦士Ζガンダム A New Translation』・『機動戦士ガンダム サンダーボルト』・『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』、
後者の例は『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』などが該当する。
ただし、前者のパターンに含まれる作品は年表の扱いとしてパラレルなだけであって、各ゲーム作品などの出演では本伝と分類される作品及び事件と同じように扱われているパターンが多く、それでもこの扱いが不可能なのは出発点からして歴史が狂っている『GQuuuuuuX』のみ。

また、アナザー宇宙世紀作品の事件でも本伝に準する作品や資料集で類似した出来事が起きた可能性が示唆されることもある。
他にも『サンダーボルト』は完全にパラレルワールドと明言されている漫画版に対してアニメ版では描写の差異が発生していて曖昧になっている部分があったり、正史の原作小説の別世界線とされているラジオドラマ版の『ガイア・ギア』では、原作でぼかされている一部年号設定などはラジオドラマ版をベースに原作の設定に組み込んでいるサンライズ公認の媒体があるなど、特殊な例も見られる。

要はパラレルワールドの事件と扱われていても、それはあくまでも視聴者や本伝に関わるスタッフの個人の意志や細かい考察に委ねられており、状況によっては扱いに違いが見られる曖昧な部分もあると言えるだろう。



  • RS計画【0067~0073】
(アウターガンダム)
ライアン重工業社で将来的な太陽系外での活動を目標とした大型汎用機械ロボットシステム「RS」の開発が開始される。
最終的に宇宙開発者の内乱によって地球連邦政府が計画を凍結させたことで中止・解散に終わるが、この計画が一年戦争における地球連邦軍のMSの開発に貢献し、当時のRS計画の一部関係者が無人MSの開発を行う。
本伝とは大きく異なるMSの開発経緯や無人MSなどの存在から正史ではないが、本伝に準する作品である『F90FF』の企画『月刊モビルマシーン』では一年戦争における無人MSの研究に関する言及という『アウターガンダム』の出来事を連想させるような記述がある。


  • 雨の海海戦/スミス海の虐殺【0078】
(機動戦士ガンダム THE ORIGIN)
一年戦争の一年前、ミノフスキー博士の亡命を巡って宇宙世紀の人類史上初のMS同士の戦闘が起きる。
ジオン側はエースパイロットが揃ったこともあって連邦のMSに圧勝し、惨敗した連邦側からは虐殺事件として認識された。
なお、本伝において記録されている人類史上初のMS同士の戦闘は一年戦争時のサイド7となっているため、この事件は起きていない。


  • ジオン独立戦争【0079】
(機動戦士Gundam GQuuuuuuX)
『GQuuuuuuX』における一年戦争のパラレル。
途中までは本伝と同様の歴史を辿るが、たった1機のザクの故障が全く真逆の歴史を招くこととなり……
ただし、この世界線においてはキケロガのコックピットを筆頭に技術力が本伝と比べて6〜7年近く先取りしているため、実際のターニングポイントはサイド7襲撃よりももっと前だった可能性や根本的に微妙に正史とは異なる宇宙世紀である可能性も考えられる。


  • サンダーボルト作戦【0080】
(機動戦士ガンダム サンダーボルト 第二部)
一年戦争終結からしばらく後、インド洋周辺地域「南洋同盟」が地球連邦組織からの独立を目論む。
そのための切札として秘密裏にリユース・サイコ・デバイス(RPD)の開発を行い、地球連邦軍は計画阻止のため地球降下作戦を実行。
南洋同盟は宇宙世紀の反連邦組織の集団としてはかなり異色的な経緯と組織構成を持つ。
ちなみに本戦役が描かれた「サンダーボルト」は他の宇宙世紀作品(より厳密に言えばファースト以降の作品群)と繋がっておらず、公式認定でパラレルワールドの出来事とされている。
また、サンダーボルト作戦も漫画版とアニメ版で一部設定が異なる。


  • タイラント開発計画/SE計画【0080~0088】
(TYRANT SWORD Of NEOFALIA)
一年戦争後に勢力を拡大するアナハイム・エレクトロニクスは新型MS開発計画として「タイラント開発計画」が開始させるが、やがてMSに代わる新型機動兵器を開発する「SE計画」として発展してそれを実現する「ネオ・ファリア」という開発局も始動する。
ところがティターンズの勢力を拡大を危険視するアナハイムによって投入された新型機動兵器「ソード」の存在はあまりにも強力すぎる異様な兵器だったことから、最終的に計画は破棄されて歴史の闇に消えていくのであった。
SE計画が描かれた『TYRANT SWORD Of NEOFALIA』は宇宙世紀をベースにしたパラレルワールドの設定であり、機動兵器の開発技術なども正史と大きく異なる。


  • 木星圏で伝説巨神が復活【0091】
(機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス)
木星圏で「巨神」と呼ばれる超大型MSを木星圏のネオ・ジオン勢力が発見。
ミネバ・ラオ・ザビの力によって超大型MSが復活を遂げるが、ジュドー・アーシタを初めとする様々な人物の活躍によって巨神は破壊される。
本伝作品との大きな矛盾やそもそも本事件が描かれた作品がガンダムシリーズとは別作品とのクロスオーバーであることから正史ではないが、本伝に準する作品である『F90FF』の企画『月刊モビルマシーン』では一部の記者が主張するオカルト的な扱いで存在を示唆する小ネタがある。


  • シッガルト発電基地占拠事件【0099】
  • ジオン共和国消滅【0100】
(機動戦士ガンダム ムーンクライシス)
ヌーベル・エゥーゴのタウ=リンとネオ・ジオン残党による同時多発テロは、タクナ准尉とメイファ・ギルボードの活躍により解決を見た。この事件の責任を取る形でジオン共和国は自治権を放棄、本年をもって永久にジオンの名は失われることになった。
最後は、サイド3にて地球連邦代表大統領レイニー・ゴールドマンによる「次世代がより聡明な人々(ニュータイプ)であることを期待する」演説によって締めくくられた。

『ムーンクライシス』における描写は、本伝とされる時代設定が近い作品の『UC』などと決定的な矛盾を起こしていることやこの事件の設定を反映した本伝作品がないため、パラレルワールドと見られている。
ただし、本伝に準する作品である『F90FF』では一部設定の逆輸入やオマージュと思われる描写が見られる。


  • キール・ウェラーの反乱【0107】
(機動戦士ガンダムReon)
地球連邦軍戦略諜報部の大佐のキール・ウェラーが、FAMASというテロ組織を率いて地球連邦軍防疫研究所から「DJE(Die Jungeren Engel)」と名付けられたウイルスによるバイオテロを目論む。
そして機密情報を持つ新型MSの輸送を襲撃するが、貨物船ルピナスの航海士の奮闘もあってテロ計画は失敗する。
本事件が描かれた『Reon』は『ムーンクライシス』から続く世界観の話であるため、正史としては扱われていない。


(ラジオドラマ版ガイア・ギア)
宇宙移民者独立運動のリーダーとして伝説になっている人物シャア・アズナブル、そのシャアの細胞を分割して存続させる作戦が開始された。
後にこの研究の成果はシャアの記憶を持ったメモリークローン「アフランシ・シャア」として結実する。
正史とされる小説版では、この部分に関して明確な年表設定はなく、ホビージャパンによる小説版の前日談ではズィー・オーガニゼーションはマフティー動乱後の時点で活動していたことになっているなど矛盾が生じる(そもそもラジオドラマ版の世界線ではズィー・ジオンを名乗った経歴がない可能性がある)。
ただし、小説版のアフランシ・シャアの年齢設定と小説版に事件時期がラジオドラマ版と大きく変わらないと推定した場合、シャア・コンティニュー・オペレーションの達成時期はそちらでも大差がない可能性はある。


  • エウロハイム級突撃要塞ガンダムとの戦い【0179】
(機動戦士ガンダム アルマリア)
地球連邦軍と公国軍の戦闘が続く中、地球連邦軍が運用するガンダムの名前を持つ超巨大兵器の戦艦が公国軍との戦争において周辺のコロニーを巻き込もうとするが、公国軍側の作戦によって失敗に終わる。
現時点では正史では描かれていない時代の事件であり、本伝に分類される『ダブルフェイク』の続編的な側面を持つ作品だが、何故かジオン公国軍の流れにあるらしい組織が現存していることや宇宙戦国時代とは大きく異なる世界観である*4ため、正史に入り込めた前作の『ダブルフェイク』の事件とは異なってこちらはパラレル的作品として扱われている。


  • 連邦政府が連邦軍内にマン・ハンティング部局を設立【0186】
  • 地球連邦内でのマン・ハンターの権限拡大【0197】
(ラジオドラマ版ガイア・ギア)
既存のマン・ハンター組織とは異なる、連邦軍の秘密警察組織マンハンティング(通称MHA)部局が設立(ラジオドラマ版のみ)。
197年に連邦軍内のマンハンター組織の権限が強化され、連邦軍の実権を握る。
その結果、地球上の不法居住者摘発が前にも増して激化する。




その後軌道エレベーターを建設するなどの進歩を続けていった宇宙世紀だが、発展と消費の末にあらゆる資源を使い尽くした人類は滅亡の危機に立たされることになる…
やがていつの日か終焉を迎えた宇宙世紀の世界は、暦号を「リギルド・センチュリー」に改めることとなる。



そして、宇宙世紀の暦で8000年を数える遥か未来。
最終戦争(アーマゲドン)の果てにある2機のMS同士の戦いで発せられた光輝く青き蝶の羽ばたきによって宇宙世紀を始めとする宇宙戦争の歴史は黒歴史の彼方へと葬り去られた……。


【その他】

宇宙世紀がいつ始まったかはアニメ作品では長い間触れておらず、準公式作品であるコミックボンボン版『機動戦士F91』で第一話に「時に宇宙世紀0123年西暦にして2168年」と書かれているなど、宇宙世紀0001年は西暦2045年であるとされていた。
映像作品でサンライズ公式作品である『G-SAVIOUR』のDVD版が発売されるようになると、その字幕版において西暦2045年に宇宙に生活圏を拡大した人類が大規模な移住を開始し暦を宇宙世紀へ改めたとのナレーションがあり、映像としては初めて宇宙世紀の始まりに触れられたのであった。
……ただ、気が付いたらその2045年が現実に訪れそうになったこと、しかもコロニーとか宇宙開発とかがあと二十年で出来るようには到底思えない現状になったことから、制作サイドもいつの間にか宇宙世紀元年をあやふやにするようになったらしい。
例えば『0083』小説版の用語解説では「地球歴1999年に地球連邦政府設立、2009年に連邦軍設立」と書いており地球歴というのが西暦であればノベル執筆の7年後に連邦ができることになる。無茶だろう

そもそも『宇宙世紀0079年』自体が初代放送年の『西暦1979年』をもじっただけで、作中世界も近未来ではなく(放送当時の)現代とも取れるし
あと2045年というのも太平洋戦争終結=1945年から百年後というだけの数値だったと思われる

+ 西暦とガンダム世界について
宇宙世紀以外の作品だと、SEED系作品と00系作品には西暦との関係が設定されている。
SEED系作品のコズミック・イラは西暦年代末期に発生した再構築戦争(第三次世界大戦)後に成立したもの*5
00系作品は現実世界の延長線上である西暦2307年*6(1stシーズン)である。

これらの作品も黒歴史の一部として扱われる場合もあるが、その場合は同じ星に三度、西暦に由来する文明が生まれたことになる。
人類は三度自らを滅ぼしたのだろうか……
(※)ただしちゃんと突き詰めると歴史も地形も矛盾が生じるため、極一部の例外を除いて黒歴史の一つと明言されてはいない。

尚、2020年の『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』のコンセプトによれば「横浜・山下ふ頭近郊において、ガンダムタイプのモビルスーツと思われるパーツが大量に発見された」とされている。

またザンスカール戦争時に地球圏を旅立ち宇宙世紀0663年頃にアルファ・ケンタウリ系に植民が始まったという年表が存在する、
『機動戦士ガンダム アルマリア』では、宇宙世紀0179年にはコロニー並みの巨体を持つ外宇宙用宇宙戦艦・エウロハイム級突撃機動要塞 ガンダム が存在したとも記録され、
さらに先の時代にて、宇宙の民らが自らのセツルメントを恒星間宇宙船に改造し、太陽系外に旅立って行ったという話も存在することを鑑みると、我々が触れた宇宙世紀の物語は壮大な宇宙開拓史のプロローグに過ぎないのかもしれない。
『強化人間物語 MAD WANG1160』では、宇宙世紀1160年の時代が描かれている。



【宇宙世紀憲章】

宇宙世紀0001年、コロニー・ラプラスで公開されるはずだった憲章。
現在存在しているのはテロで失われたオリジナルを模した複製品だが、実際にはオリジナルはとある男が回収していた。
全文を邦訳したものは以下。なお第七章は複製からは削除されている。

宣言

  • 地球連邦は、ここに宇宙世紀憲章として以下の条文を宣言する。
  • これは地球連邦首相リカルド・マーセナスにより、U.C.0001の最初の日、ラプラスの居住区画にて実効する。

第一章 宇宙世紀

第一条

  • 地球連邦及び加盟国は、宇宙における活動の拡大と地球環境維持のため、人類の団結の象徴として「宇宙世紀」の呼称を採択する。

第二条

  • 第一項:宇宙世紀は、地球連邦において唯一の公式の時代名である。
  • 第二項:地球連邦は、宇宙世紀の制御システムに基づき、年間予算計画を構築する。
  • 第三項:地球連邦およびその全ての下部機関は、全ての公式文書を宇宙世紀のものとする。

第二章 宇宙活動の拡大

第三条

  • 地球連邦とその加盟国は、人類の生存のための宇宙活動を拡大するために、地球連邦の基本原理に基づいて建設的な役割を果たさなければならない。

第三章 宇宙生存圏の開発

第四条

  • 地球連邦およびその加盟国は、月および他の天体上を含む生存圏開発において、各々の文化と社会の多様性、地球環境に配慮した上で開発を行わなければならない。

第五条

  • 宇宙生存圏の開発は、地球連邦の最優先の政策として社会安定の原則に従って保証されなければならない。

第四章 宇宙移民政策

第六条

  • 地球連邦とその加盟国は、資源の不足している全ての人々のために、宇宙移民政策を積極的に推進しなくてはならない。

第七条

  • 地球連邦とその加盟国に属する全ての市民は連邦法に基づき、月および他の天体上を含む生存圏を含む、連邦政府が承認した宇宙移民の場に移動し、常駐する権利を持つ。

第八条

  • 地球連邦は、地球環境の利益と人類の将来のために、月および他の天体上を含む全ての領域の生存圏を管理せねばならない。

第九条

  • 各スペースコロニーは地球連邦の地方公共機関として機能するものとし、その管理機能は、原則として地球連邦の中央政府に帰属するものとする。

第十条

  • 地球連邦は、避難民と連邦の支援を必要とする第三国の民間人の宇宙移民のために、特別に法律を制定しなければならない。

第五章 宇宙移民者の権利

第十一条

  • 地球連邦は連邦法に基づき、月およびその他の天体を含む宇宙生存圏のすべての市民のために、性別、言語、宗教による区別をすることなく、人権及び基本的自由の実現を追求しなければならない。

第十二条

  • 地球連邦は、人類のために適した環境を作り出し維持するために、月およびその他の天体を含む宇宙生存圏における経済、社会、文化、教育、医療のための公共インフラを確立しなければならない。

第六章 一般規定

第十三条

  • この憲章は、この憲章によって認められる全ての権利を破壊するための活動に従事するものに権利を保障するものではない。

第十四条

  • この憲章は、英文によって表記され、地球連邦の認める代表者のアーカイブに保存され続ける。



第七章 未来

第十五条

  • 地球連邦は大きな期待と希望を込めて、人類の未来のため、以下の項目を準備するものとする。
  • 1.地球圏外の生物学的な緊急事態に備え、地球連邦は研究と準備を拡充するものとする。
  • 2.将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者達を優先的に政府運営に参画させることとする。




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最終更新:2025年04月16日 20:05

*1 例としては、正史年表で扱われていて互いに近い時期を描いた『ムーンガンダム』と『ダブルフェイク』において決定的な矛盾が発生していたり、本伝に準する作品として『F90FF』ではアナザー宇宙世紀作品の要素も拾われていたり、『ガイア・ギア』では他の本伝作品と異なってパリが一年戦争で消滅する出来事があったことになっていたりするなど

*2 『閃光のハサウェイ』の小説版はアニメ映画版『逆襲のシャア』のパラレルである小説版『ベルトーチカ・チルドレン』の後日談として描かれているため、アニメ映画版とは決定的に矛盾する描写があって厳密には時系列は繋がっていない

*3 具体的な年表はパラレルのラジオドラマ版の設定ではあるが、現在のサンライズの公認媒体ではラジオドラマ版の年表設定を採用・混同されていることが殆どであるためここに記載する。正史である小説版では宇宙世紀0200年頃である事しか分かっておらず、一部の媒体では宇宙世紀0190年代や0180年代としていることもある

*4 メタ的に言えば『アルマリア』が宇宙戦国時代に関連する作品が展開される以前に執筆された作品であることから特に考慮されていないため。これは正史扱いの『ガイア・ギア』なども同様の条件ではあるが…

*5 再構築戦争が起きた時期は不明だが、原因は資源の枯渇や民族紛争。これは00で描かれた世界の現状と近いので数百年先といったところか。

*6 宇宙世紀262年に相当。