山本元柳斎重國

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山本元柳斎重國 - (2022/11/12 (土) 13:31:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/03/21 Mon 21:37:08
更新日:2024/03/31 Sun 16:52:35
所要時間:約 9 分で読めます







心配無用 此の儂が居る それに勝る警備など無い




山本元柳斎重國  
やまもと げんりゅうさい しげくに

[職業]死神
[肩書]護廷十三隊一番隊隊長
    護廷十三隊総隊長

 [羽裏色]京紫
 [身長/体重]168㎝/52㎏
 [誕生日]1月21日
 [斬魄刀]流刃若火(りゅうじんじゃっか)
  〔解号〕万象一切灰燼と為せ「流刃若火」
 [卍解]残火の太刀(ざんかのたち)
 [CV]塚田正昭→高岡瓶々


漫画『BLEACH』の登場人物。



 概要



護廷十三隊一番隊隊長兼総隊長。

額に十字の傷を持つ禿げ上がった老人で、髭は膝まで垂れ下がっている。
普段は細目で好々爺っぽく見えるのだが、全身ムキムキな上に所々に傷跡が付けられている。
千年以上前から、彼以上に強い死神が存在しなかったために君臨し続けており、老齢でありながらその実力は衰えていない。
雀部京楽浮竹など、彼を師と仰いだ死神たちも数多い。


 人物



「一死以て大悪を誅す。それこそが護廷十三隊の意気と知れ」と断言する通り規則や規範に対し非常に厳格で、時には非情・冷徹な対応・態度を取ることもある保守的なタカ派。
劇中初期では命令に従わなかったかつての教え子である京楽・浮竹の意見にも「戯けるな。世界の正義を蔑ろにしてまで通すべき己の正義などない」と一蹴して容赦なく刃を向けている他、
隊長の証である羽織を大切にせず軽く考えていると思しき京楽、白哉剣八らにブチギレたりもしている。
なので白哉、剣八、京楽が虚圏編で隊首羽織を紛失したときは怒っていた。更に白哉が羽織を「安物」と言ったためもっと怒った。

しかし、崩玉を巡る一連の騒動には思う所があったようで、後の死神代行消失篇ではかつて尸魂界を救った旅禍の危機を救い返す」ため、率先して掟を破っている(冬獅郎もそのことを言及している)。
「山爺も人間味があるんだな」くらいにさらっと読み流した読者も多いだろうが、これは死神の価値観からすれば非常に大きな変化である*1


かつては「山本重國」と名乗っており、2000年前に死神統学院という教育機関を設立。「元流」という流派の開祖で、それを教える「元字塾」の総師範となっていた。
当時から何故か額に「ノ」の字の傷があったため、生徒からはノ字斎(えいじさい)と呼ばれていた(山本本人はこれを快く思っていなかった)が、
卍解を習得した雀部との本気の手合わせで額の傷が「十字」になったため、「十字斎」と呼ばれるようになった。
なお、当の雀部だけは一連の事件の後も「ノ字斎」と呼び続けていたため、彼の心情を慮る意味もあって「元柳斎」と名乗り始めた。


実力だけなら最強クラスであり、更に実戦の勘ももちろんあり、徹底的に対策を練っていた藍染に対してもいいところまで持ち込んでいる。
しかし、長く総隊長を務めている間にボケてしまったのか、うっかりな面も露呈している。
例として、藍染の一味が百年以上前から企てていた計画に全く気付かず、しかもみすみすその計画の片棒を担がされていた。
そして真向から意見を出す者は居なかったとは言え、中央四十六室から出ていた偽の決定事項を完全に鵜呑み。
その計画、朽木ルキアの処刑が妨害された後は、妨害を行った京楽、浮竹の2人と交戦状態に入ってしまう。

千年血戦篇では「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」の侵入を許し雀部を殺害させてしまったばかりか、その後の対策会議を途中で勝手に打ち切ってしまった。
この時の山本の「敵が述べた侵攻予定日などあてにならない」という読みが合っていたまでは良かったのだが、
会議を打ち切ったことで味方の連携が取れなくなり、結果として尸魂界に大きな被害をもたらした。もっとも、この時点ではマユリですら有効な対策は一つもなかった*2ので会議が続いていたとしても結果は変わらなかったかもしれないが。
さらにこの時、『BLEACH』では絶対にやってはならないとされる「能力のお披露目」を逐一やりつくしてしまった。偽物相手に。
最後に活躍する主人公はイチゴさんなので、物語の展開的に仕方ない面も多少はあるのだが、それらを鑑みても総隊長としての力量を疑問視する声もある。

ただカリスマ性は本物であり、前述の京楽や浮竹、また狛村なども山本の事を高く評価している。
彼が動き始めた時にはほぼ壊滅状態に陥っていた死神達も士気を取り戻し、劣勢でも持ちこたえている。


また後に創設期の護廷十三隊は護廷とは名ばかりの殺伐とした殺し屋集団であったことが語られており、そもそも知略や政治方面は管轄外だったらしい。
「何故儂が千年も護廷十三隊の総隊長を務めとると思うとる?儂より強い死神が千年生まれとらんからじゃ」といった台詞などから、「もともと政治や知略は門外漢だったが自分より強い後輩が生まれず交代できないのでしょうがなく最高指揮官の座にいた」かのような世知辛い背景が垣間見える。

なおかなり苛烈な性格であった連載初期の頃ですら1000年前と比較すると大分丸くなった後らしい。
千年前元柳斎と戦ったユーハバッハは「剣の鬼」「敵を討つに利するものは全て利用し人はもとより部下の命にすら灰ほどの重みも感じぬ男だった」と語っている。*3


 能力




伏して生きるな

立ちて死すべし

(BLEACH45 THE BURNOUT INFERNO より)


上記の通り尸魂界最高戦力の一角。
千年以上も総隊長をやっているだけあってあの藍染惣右介「単純な戦闘力では自分より上」と評している。
斬拳走鬼にも当然卓越しており、ワンダーワイス戦で流刃若火を封じられた際はただのステゴロでボコボコに叩きのめして完勝したほどである。
曰く「流刃若火を封じれば儂に勝てると思うてか。甘いのう。甘過ぎて眩暈がするわい」
更には藍染の鏡花水月の完全催眠下で攻撃された際は、腹に刺さった鏡花水月の霊圧だけを頼りに、目の前の藍染が本物か否かを見極め実際に反撃を食らわせる離れ業じみた攻略法を披露したことすらある。

最大限に対抗策を練っていた藍染に対し、ユーハバッハも山本重國の戦闘力は評価していたが、片腕を失ったこと、さらに人間の女(井上織姫)を慮ってその再生をしないほどに甘くなったことから特記戦力外と見なされていた。


◇ー流刃若火(りゅうじんじゃっか)

解号は「万象(ばんしょう)一切(いっさい)灰燼(かいじん)()せ~。」
全斬魄刀中最高の攻撃力を誇る、焱熱系最強最古斬魄刀。普段は封印状態の斬魄刀をさらに杖の形状に封印して携帯している。

能力は解放とともに「斬魄刀全体から巨大な炎を発する」こと。
単に炎を生み出してその炎を操るだけのシンプルな能力だが、扱える熱量があまりにも凄まじく、その熱は天を焦がし雲すら消し、その刃の通る道は世の一切を灰燼に帰す。
始解であるにも関わらず、他の斬魄刀の卍解並み(どころかそれを上回るほど)の威力と熱量を有する桁違いの斬魄刀で、解放するだけで周囲が火の海と化すので、並大抵の者なら太刀打ちどころか近づくだけでも困難。
藍染を始めこの能力を警戒する者も非常に多かった。
この炎を取り込んだワンダーワイスが、町一つを容易く消し飛ばせるほどの爆発を起こすという点を見ても、その凄まじさが計り知れる。

ただ、攻撃範囲が非常に広いということは、一対一、あるいは一対多(敵側が後者)の状況ならばともかく、味方と連携して戦う際には、日番谷の『氷輪丸』のように、無暗に使うと味方を巻き込みかねないという欠点にも繋がる(初登場時の光景を参照)。


◇ー卍解残火(ざんか)太刀(たち)

凄まじい業火を放っていた始解から一変、刀身が焼け焦げた打ち刀の状態となる。
全ての炎をこの刀身に封じ込めた状態になっており、この卍解が発動しているだけで周囲の水分が蒸発し、空気が乾燥していく。
そして発動している時間が長引くと尸魂界全体が滅びかねないほどの影響をもたらし、やがて自分諸共燃やし尽くすとされているほどの力を有する。

千年前にあったといわれるユーハバッハとの戦いでもこの卍解を披露したようだが、この時はいわば通常技の「攻撃と共に爆炎を放ち相手を焼き尽くす」能力しか出さなかった*4という。
実際には、通常技以外に東西南北の方位に因んだ四つの特殊能力も有している。

その強大さゆえ、滅却師側もユーハバッハ以外奪っても手に負えず、偽物戦では奪われなかった(間接的に奪われない措置となった)。
常軌を逸した熱量から、事実上ほぼすべての攻撃が防御不可能な攻撃と化している。

京楽への発言からどうやら卍解に関してかなり苦い思い出があるらしく*5、中々使おうとはしない。


“東”「旭日刃(きょくじつじん)

残火の太刀が持つ全熱量を刀の切っ先に集中させ、そこに触れた箇所一切を跡形もなく一瞬で蒸発させ消滅させる。
例えばこの状態で切っ先が地面に触れた場合、一瞬にして底が見えない程に焼き切ってしまう。
なお、偽ユーハバッハのマントを切った時にマントの切り口から発火する様子がなかった事や、焼き切った地面の淵が溶岩のように溶け落ちる様子がなかった事から、使用者である元柳斎が熱の影響が及ぶ効果範囲をある程度限定できると推測される。
※そうでない場合、地面よりも燃えやすいマントが旭日刃に触れた瞬間に燃え出すと思われる。

この破壊力の前には、滅却師の「静血装(ブルート・ヴェーネ)」も意味をなさないため防御不可能。
西や南や北の描写を見るに、卍解している間は常時発動状態と思われる。


“西”「残日獄衣(ざんじつごくい)

1500万℃の超高熱を鎧のように全身に纏い、あらゆる攻撃を瞬時に蒸発させることができる。
山本曰く「太陽を身に纏っている」状態。
攻防一体の能力にして事実上最強の鎧であり、敵は接近すらままならない。

「静血装」などの対策が無ければ、その熱量によって近くにいるだけで灰になってしまうとされる。
偽ユーハバッハの剣が一瞬で蒸発したにも関わらず足元の地面が溶け出さなかった事から、旭日刃と同様に元柳斎本人の意志で熱の影響が及ぶ効果範囲をある程度は限定できると推測される。*6

卍解している自分は太陽を纏っているというセリフや、東や南や北の描写を見るに、卍解している間は常時発動状態と思われる。

なお、1500万℃は太陽の中心核の温度とほぼ同レベルという規格外の高熱。8200km圏内だと鉄が蒸発し、2万4000km圏内では鉄が熔けるレベルとなる。


“南”「火火十万億死大葬陣(かかじゅうまんおくしだいそうじん)


尸共 我が炎に散った亡者の灰よ 手を貸せ しばし戦の愉悦をくれてやる

と呼びかけることでこれまで切った者たちの灰から骸を呼び起こし、旭日刃に込めた剣の熱により命を吹き込む。
命を吹き込まれた骸たちは標的が塵と化すまで延々と追い詰め続ける。
かなり異色な技だが、呼び起こすのに場所を選ばない汎用性があるらしく、一度の使用で無数の骸を呼び出していた。
他の技と違い攻撃力こそ低いものの、呼び出した骸を突撃させる・包囲させる・盾にする・罠を踏ませる・取り押さえるなど応用が効く。
また、相手の仲間の骸を呼び出すことで「かつての仲間に攻撃させる/される」という精神攻撃も行える。


“北”「天地灰尽(てんちかいじん)

一閃と共に、その延長線上にある全てのものを一瞬で焼き切るシンプルな技。
原作ではこれだけ説明がされていないが、要するに斬撃に合わせて刀身に込めた全ての熱を放出している熱エネルギー版月牙天衝的な技だと思われる。
強力な中~遠距離攻撃であり、やはり「静血装」も意味を成さない。
旭日刃同様、この斬撃に触れた箇所一切を蒸発させ消し去る。


  • 松明(たいまつ)
一振りすることで目の前にあるものを焼き尽くす。

  • 城郭炎上(じょうかくえんじょう)
炎の壁を発生させ、標的を閉じ込める。

  • 鬼火(おにび)
杖に封印した状態で使用。
炎の玉を飛ばす技。副隊長クラスが傷一つ付けられなかった相手に風穴をあけるほど。

  • 撫斬(なでぎり)
流刃若火、一ツ目の技。
炎を刀に纏わせ、一刀両断する。

  • 焱熱地獄(えんねつじごく)
時限式の技で、時間をかけて「流刃若火」の炎の柱を囲むように発生・増幅させ、自ら諸共周辺の一切全てを焼き尽くす。
劇中では不発に終わったが、「BLEACH Brave Souls」ではやがて周囲の火柱が狭まって範囲内の対象を焼き尽くすという演出となっている。
藍染の台詞からしても、これを受けたら藍染(進化前)ですらただでは済まなかったと思われる。
上述のものは町一つ囲むほどの大規模な技であるが、数人を巻き込む程度の小規模なものも出来るなど、ある程度の規模を調整できる模様。

  • 威眠(いねむり)
手をかざすことで相手の意識を失わせる。

  • 一骨(いっこつ)双骨(そうこつ)
拳骨による強烈な一撃。片手では「一骨」、両手では「双骨」。

  • 一刀火葬(いっとうかそう)
破道の九十六番。「犠牲破道」と呼ばれる禁術。
焼け焦がした自身の体の一部を触媒にし、刀身の如き巨大な火柱を発生させて相手を焼き尽くす。
そのセリフは「黒棺」と並んでコピペ化し有名である。
藍染には大してダメージを与えられなかったが、躊躇なくこれを発動したことでそんな彼を怯ませることと火柱による目くらましに成功しており、
一護もチャンスを伺っていたこともあってかなり惜しいところまでいった(藍染自身も認めている)。
「黒棺」と違って原作で詠唱はされていないが、主に「マヂ無理」のコピペとつなげて使用されることが多い。


 活躍



尸魂界篇では他の隊長たちと共に隊舎集会で登場。
双極による朽木ルキアの処刑を妨害された際、それに加担した京楽と浮竹の前に降り立つ。
京楽を助けようとした七緒を威圧感だけで無力化した後、互いに斬魄刀を解放し戦闘態勢に入るが、真相を知った後は彼らと共に藍染のもとへ向かう。


破面篇では空座町を襲撃した藍染らと破面たちに対し、護廷十三隊の隊長格総出で立ち向かわせる。
自身は長らく傍観状態にあったが、合成獣「アヨン」が召喚された際はこれを一瞬にして焼き払い、さらにティア・ハリベル従属官3人を一撃で葬り去っている。
その後の藍染との戦いでは完全催眠対策として、恐らくわざと鏡花水月に刺されることで霊圧を判別。
(他の武器が刺さっていたという可能性もあるが)後に明らかになった鏡花水月の弱点を(本人の意図とは違う形だが)突いている。

その後、藍染に攻撃する前にワンダーワイスに邪魔され、交戦状態に入り「双骨」でこれを粉砕するが、
ワンダーワイスが取り込んでいた「流刃若火」の炎から空座町を守るため、自らの身体を犠牲にしてこれを抑え込む。
さらにその後藍染の意表を突く形で、左腕を犠牲にして「一刀火葬」を発動して藍染に少なからずダメージを与えた。

なお、井上織姫の能力を使えば腕は完全に再生可能であったが、織姫をこれ以上巻き込みたくないと言う理由から失った腕は放置していた。
また、砕蜂のように技術開発局の力を借りた再生なども行った形跡はない。
総隊長を務められる実力者であるため、並大抵の相手なら隻腕でも倒せるという自負もあってのことだと思われるが、
それでも両腕がある状態よりも力が劣るのは事実であり、最終的にこのことが巡り巡って自らの首を絞めることになった。

死神代行消失篇では一護に力を分け与えるように全隊長格に命令し、一護を復活させた。
それどころか銀城の遺体の持ち帰りも許可した。随分丸くなったものである。

千年血戦篇では「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」の侵攻に対し自らも出陣。
雀部の仇敵であったドリスコールを瞬殺し、さらにユーハバッハに対して自身の卍解を全てお披露目した上で彼を殺害した。
…しかしこのユーハバッハは彼に変身したロイド・ロイドであり、直後に現れた本物のユーハバッハに卍解を奪われた挙句、その能力で肩から真っ二つに斬り下ろされて死亡。
遺体は跡形もなく粉砕されてしまった。




全アニヲタに命ず
これより追記・修正の準備にかかれ

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