雀部長次郎

登録日:2012/04/05 Thu 13:37:12
更新日:2025/02/12 Wed 13:18:35
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ですからこの先生涯を賭け

この卍解がノ字斎殿のお役に立つよう磨き上げて参る所存です!


雀部 長次郎 忠息   
ささきべ ちょうじろう ただおき

[職業]死神
[肩書]一番隊副隊長

 [身長/体重]179cm/66kg
 [誕生日]11月4日
 [斬魄刀]厳霊丸(ごんりょうまる)
  〔解号〕穿(うが)て「厳霊丸」
 [卍解]]黄煌厳霊離宮(こうこうごんりょうりきゅう)
 [CV]山口太郎/鈴木崚汰(青年期)

雀部長次郎とは、『BLEACH』の登場人物の一人。


●目次


 概要



BLEACH』の登場人物、護廷十三隊副隊長の一人。
総隊長である山本元柳斎重國の片腕と言っても過言ではない古参の死神。そんな肩書きに反して出番は少ないため印象が薄くなりがちで、主人公補正全開真っ只中の黒崎一護に一瞬であしらわれたりと、原作や千年血戦篇以前のアニメでは不遇な面が目立った。

銀(白)髪オールバックに黒目のない瞳(アニメでは黒目もあり瞳孔の色は金)、髭がチャームポイントな死神界きってのナイスミドル。
地上で見たジェントルマンに感銘を受け、それを意識した羽織を自作して身につけたり紅茶を育てようとするが失敗したりとその影響をもろに受け、
和を好む総隊長とは嗜好がことごとく真反対で洋を好む。フェンシングも得意。
しかし嗜好こそ正反対だが、二千年以上も元柳斎との付き合いがあり、尸魂界篇では直接の命令なしに一護の迎撃にあたるなど信頼関係が強い事が窺える。また今でこそ老紳士然とした見た目だが、二千年前は元柳斎ともども若い容姿だった。
ちなみに銭湯で遭遇した更木剣八にトリートメントを貸した経緯から、彼からは嫌われている。

原作で名前が判明するまでアニメでは一番隊副隊長と表記され、一部ファンからピエールの愛称で親しまれている。某有名掲示板で個スレが絶賛進行中。
アニメではそこそこ台詞を与えられているものの原作では殆ど喋らない、寡黙な男である。


 斬魄刀




柳の影に

誓いは残る

雷鳴の

遠く果てるとも

(BLEACH千年血戦篇 WRATH AS A LIGHTNING)


◇─ 厳霊丸(ごんりょうまる)

解号は「穿(うが)て~」。
レイピア状に変化する。
本人が始解の能力を使う事は一度もなかったため原作では能力が不明だったが、斬魄刀異聞篇で実体化した「厳霊丸」が使用した事により判明。
その能力は刀身から雷撃を放つというもの。
斬魄刀異聞編では雨雲を呼び出して雷撃の威力を強化するなど氷輪丸に似たタイプの能力だと言える。


斬魄刀異聞篇

修験者風の衣装を纏った長髪糸目の男性の姿に実体化した。
工藤Pの話によれば雀部の和風なんだか洋風なんだか分からないイメージから、イギリスのカテドラル(大聖堂)っぽい箱(屋根は瓦仕様)を背負わせ避雷針のような武器を持たせたとの事。
厳霊丸が雷系の斬魄刀である事はその打ち合わせの段階で初めて明かされたらしい。久保ェ…
とは言え、厳霊=雷であるため、描写の機会がなかっただけで設定自体は初期から決まっていたと思われる。

雀部に反旗を翻した理由は『地味で目立たない主に嫌気がさした』と言うもの。
だが、彼自身もその事について熱弁を奮ったにもかかわらず砕蜂に誰の刀か理解して貰えず、挙げ句の果てには本当に隊長格の斬魄刀かと罵られていた。

しかし狛村の天譴とは仲が良いようで、手持ち無沙汰となった時、もう一度埋め直して貰うよう頼んだり無口な天譴の代弁役を買って出ていた。基本的にアホの子。


◇─ 卍解黄煌厳霊離宮(こうこうごんりょうりきゅう)

後述するエピソードにて、元柳斎の額に現在まで残る傷を刻んだ卍解。
能力解放時「天相従臨」*1が発動。上空に向けて厳霊丸から雷を放ち、上部にアンテナのように一条、下部に十一条の雷の帯が伸びた楕円に近い形の霊子を上空に形成し、手掌に合わせて任意の対象に落雷を繰り出す事ができる。
大紅蓮氷輪丸のように気象操作を行える稀少な卍解の一つである。

もっともこの落雷攻撃はあくまで能力の基本形であり、序の口に過ぎない。
画集にて初公開されアニメ版千年血戦篇5話の回想シーンで描写されたように、雷を刀身に巻き付けるように纏わせてからがこの卍解の本領である。
収束した電撃による恩恵は単純な火力強化のみならず電気による肉体活性の効果もあるのか、稲光が奔るかのような超高速の突進による鋭い一撃を繰り出すのがこの卍解の真髄である。
他の漫画でざっくり例えるならば、原理はギガブレイク雷切のそれに近いと思われる。

ちなみに卍解習得に1ヶ月しかかけていない*2上に、習得から間もないのにもかかわらずこの性能である。
しかも、元柳斎がこの技を初めて見た際には彼をもってして「素晴らしい卍解であった」と内心ではこれ以上ない程の評価をしていた。しかし、元柳斎は敢えて「大したことがない」と言い放つ。
生真面目な長次郎はこの言葉を重く受け止め、自身の卍解が元柳斎の力になるよう、長い年月の中で更に研鑽を積んでいく事となる。その過程で実力者として名を轟かせていた時期もあるようだ。




 活躍



朽木ルキアを救出すべくやって来た黒崎一護の前に、双極の丘にて副隊長三人がかりで立ちはだかり始解を試みるも一瞬でやられてしまう。
一護は空手が強く、卍解習得後は副隊長相手には余力を温存すべく素手で手早く処理する事に努めていた。
主人公補正乙なシーンではあるが、これは一護が終始殺しを躊躇っていたという事も大きい。
(やむを得ない時や月島さんの執拗且つ巧妙で陰湿極まる嫌がらせにブチ切れた時は別だが、たとえ敵であっても本気で殺そうとする場面はほとんどない)
また、フォローの1つとして、彼自身も実際は内心では傍目にも不可解な点が多いルキアの処刑を止めるべく奔走する一護を迎撃する事に対しての迷いがあったがために本来の実力を発揮する前にあしらわれてしまったのではというものもある。

空座町での闘いでは結界の外での見張り役を務め、仮面の軍勢を中へ手引きして危機を救う一助となった。

アニメでは鏡花水月で憧れの英国紳士御用達ショップの幻影を見せられトリップしていた。※藍染様の優しさです。

アニメオリジナル斬魄刀異聞篇で心臓が止まりかけ、進軍篇では偽物が用意されていなかった。

死神図鑑で大前田・射場と談合中、現場を目撃したやちるに『副隊長地味っこトリオ』呼ばわりされる。
またフリルのエプロンを着用し、紅茶を沸かそうとコンロに火を点けようとしたその時に最悪のタイミングで隊舎が爆発したため、あらぬ疑いをかけられてしまっていた。

同じく死神図鑑で目立たない事に悩み、恋次と屋台で呑んでいたら、横にいた檜佐木(酔っ払い)に「雀部副隊長いたんスか」とトドメを刺されてしまう。
その後、恋次が雨竜に雀部に似合うかっこいい衣装の製作を依頼したところ、ミシンと紳士が意気投合。
華麗な衣装をこさえて貰い「マントの人」として刀獣を退治した。(※ここまで三週連続)


なお、OP『Velonica』と『少女S』(背景洗濯物)のカットは中々にカッコいい。
ED『ほうき星』1番隊verでは等身カットと元柳斎の灼熱風呂に付き合わされている映像も見る事ができる。
『STAY BEAUTIFUL』では卯ノ花の執事役だが、英国紳士的な風貌から全く違和感がない程に似合いまくっていた。






以下、ネタバレ注意。














一番隊隊舎に攻め入って来たを前についに卍解して戦うも敗北し、元柳斎に言伝を残してそのまま息絶えてしまう。
この事は、技術開発局の阿近により一大事として全死神に伝達された。
原作では卍解の詳細な描写がなかったが、アニメでは空が一瞬だけ光るシーンがあり、卍解発動から掠奪までの様子が簡易的に描かれている。


葬儀の場で白哉が語った所によると、本来は隊長になってもおかしくない(というよりなるべき)死神であったらしい。
具体的には、京楽浮竹が生まれる以前より卍解を会得していた事。元柳斎への苛烈なまでの忠誠心により一番隊副隊長であり続けた事(その点においては一角と気が合うかも知れない)。
そのため、少なくとも護挺十三隊設立後は、卍解を披露する事なく隊長枠への推薦も頑なに拒み続けた。
それ故に無知な隊士からは一番隊副隊長の器ではないと侮蔑される事さえもあった模様(当初は副隊長クラスで単に卍解が使えるというだけだった恋次や一角と違って雀部は当初からガチで文句なしに隊長クラスの実力者だった。とはいえ恋次や一角についても、そもそも卍解が使える時点で十分に上澄みレベルの実力者なのだが。そこと並べてもなお一線を画する程の、という事である)。
前述もしたように、あの総隊長の若い頃のその額に傷を刻んだ程の男であり、確かな実力が備わっていた事は疑いようもない。


それでも生涯をかけて山本元柳斎重國の傍らにいる事を選んだ忠義の男、雀部長次郎忠息の生き様に敬意を。





彼の真の実力や過去の活躍について後付けではないかと疑う一部の読者もいるが(そもそも整合性の取れている後付けの何がそんなに悪いのかという話ではあるが)、原作者も事前にある程度のキャラクター設定は考えているのだから、どこまでが初期設定でどこからが後から設定が追加されたのかは原作者以外に知る由もない。
斬魄刀の名前からして能力が最初から雷に由来したものという設定だった事は明白だし、一番隊の副隊長という肩書きに相応しい設定もある程度は考えられていたと考えるのが妥当であり、その点を邪推するのはナンセンスである。


ちなみに死の直前に敵が卍解に何らかの対策をとっている旨を伝えようとしていたが、半ばで力尽きてしまって詳細を伝えきれなかったため、残された十三隊の面々は奪取ではなく封印程度の事だと捉えてしまった。
その後は相手側の手口を見切ったり封印される前に倒そうとしたが、事前に十分な打ち合わせが出来ていなかったために隊長の卍解4つを同時に奪われるという結果に繋がる結果となった。


そして作中のシーンにおける厳霊丸の卍解の能力の初披露は彼の死後、卍解を奪った「見えざる帝国」の星十字騎士団の手によって行なわれる事になってしまい、対峙した元柳斎に激しい雷撃が襲い掛かる。
しかし元柳斎は、かつて雀部を挑発して彼が修得したばかりの卍解「黄煌厳霊離宮」をその身に受けた時の事を思い出していた。

+ ノ字斎
2000年以上前の「元流」開祖/「元字塾」総師範だった山本重國のもとに、塾生ではなかった長次郎は右腕になりたいと幾度も訪れ頼み込んでいた。
当時の「ノ字斎(えいのじさい)」と通り名を呼ばれるのを嫌っていた山本から何度も怒鳴られるも、「本名を呼ぶという大それた事はできません」と言い、「右腕になりたければ元字塾の門下に入って師範までのぼりつめろ」という言葉も「それではノ字斎殿の真似事にすぎず、"右腕"とは手の回らないところを補う意味です」と固辞する。
山本から屁理屈だと言われるも、一か月ほど前に言われた「卍解を習得しろ」という難題に対し本当に卍解を習得してきたと伝え、"流魂街東37区流厳"の荒野で卍解『黄煌厳霊離宮』を披露。
自分に額に消えない傷を刻み込んだ程の研ぎ澄まされた一撃を繰り出しても尚、長次郎は慢心せずに血を吐く程の錬磨の歳月を重ねてこの卍解を更に磨き続けた。

その修練の果てに自身の右腕であり続けた長次郎が殺害されたばかりか、奪ったその力をまるで使いこなせずにただ雷を垂れ流す事しか出来ない未熟者の分際で我が物顔で得意げに彼の卍解を扱っている。


…さぞ悔しかろう…長次郎……
儂にはよう分かる……
お主の…お主の磨き上げた卍解は…


この程度では断じて無い!!!!


長次郎に対する侮辱でしかない敵の振る舞いに怒りを爆発させた元柳斎は、散々浴びせられた雷撃を歯牙にもかけず、ただの一撃で相手を骨ごと灰に帰すのであった。




アニメ版千年血戦篇


1000年前の初代護廷十三隊vsユーハバッハ率いる光の帝国の戦いの様子がアニオリで補完された結果、それに伴い活躍が追加。
山積みになった死神と滅却師の死体の山に隠れて息を潜め、ユーハバッハが隙を見せた一瞬を突いて背後から背中を始解状態の厳霊丸で刺し貫き、元柳斎が残火の太刀の爆炎を見舞う隙を作り出すという剣士の誇りとも紳士の心得ともかけ離れた冷徹かつ的確な奇襲で戦いの勝敗を左右する程の貢献をする様子が追加された。

あのユーハバッハの警戒を抜けて奇襲を成功させる辺り、彼も間違いなく「殺伐とした殺し屋の集団」に数えられる1人であったことが窺える。
また、この苦い経験がユーハバッハにあったからこそ、1000年後にあたる本編では入念な準備の上で真っ先に標的とされて殺害された理由にも説得力が増す結果となった。

いの一番に処理しようとする程にユーハバッハにとってはトラウマに近い経験だったのだろうと考えると、1000年前のMVP級の活躍という以上に、一護たちでも成し得なかった無二の功績とも言えるかもしれない。一方でなぜこれほどの実力者が一護にワンパンで敗れたかについては、斬月のおっさんがこの時のトラウマで思わず本気を出してしまったからという説が有力視されるように…




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  • 鈴木崚汰
  • 11月生まれ
  • 11月4日生まれ
  • さそり座
最終更新:2025年02月12日 13:18

*1 天候を支配する能力

*2 一護や浦原は3日足らずだが、転身体という超短期習得用の特殊な器具を使っているため比較は難しい