BGM

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BGM - (2020/05/15 (金) 20:35:36) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/12/29 (月) 21:24:12
更新日:2023/01/24 Tue 23:12:09
所要時間:約 11 分で読めます




【概要】

BGM(英:background music)とは、映像作品や舞台、ゲーム等で流れる音楽である。
OP・EDと同じく、作品の方向性や雰囲気において重要な役割を果たしている。

商業作品のBGMは、殆どがプロの作曲家やミュージシャンによって制作されており、映像作品やゲーム音楽の作編曲をメインに活動する作曲家も多い。

音楽ジャンルとして扱われることもあるが、何かしらのBGMであれば、どんなジャンルの曲でも良く、
大編成のオーケストラ曲からジャズ、テクノ、ロック、ヘヴィメタル、ポップス等、様々なジャンルの曲が存在している。
また、BGMとして作られる音楽はインストの曲が多いが、ボーカル曲も存在する。

視聴したアニメや映画、ドラマ、プレイしたゲームを思い出してみてほしい。
話の細部は覚えていないかもしれないが、BGMは思い出せるということはないだろうか。
あるいは、作品自体は知らなくてもこのBGMは知っているということもないだろうか。
BGMは作品を印象付ける重要なファクターなのである。

続編や劇場版等にBGMが流用されることも多く、旧作キャラの登場時に旧作のBGMを用いれば非常に盛り上がる。
権利の都合等でアレンジ版が使われる場合もあるが、その場合でもメロディーラインを聴いて「あの曲だ!」と思い出しテンションが上がることだろう。


【映像作品において】

アニメなどの映像作品では、作品の雰囲気を盛り上げたり、キャラクターの心情を表現する為にBGMが流される。
戦闘シーンなどでは激しいBGMが流れ、切ないシーンでは悲しげなBGMが流れ、日常BGMではコミカルなBGMたりと各場面でのドラマに磨きをかける役割を果たしている。
どうしてもメインテーマや戦闘シーンのBGMが注目されがちであるが、
コッペパンのテーマ旧ドラえもんのスネ夫が自慢するときのテーマなど中毒性が高い曲も存在し、その作品や人物のテーマとして広く知られている。

バラエティ番組やニュース番組では、専用のBGMが製作される事は少なく、既存の音楽*1を流用する事が多い。
これらの二次使用は著作権管理団体等から許諾を得て使用するのが基本であるのだが、
DVDやBD等を発売する際はテレビ放送とは条件が違う為、許諾を得られない事もある。
その為、馴染んでいたBGMが別な曲に差し替えられたりするケースもある(『水曜どうでしょう』等)。


【ゲームにおいて】

ゲームのBGMも作品を盛り上げるという点では映像作品のBGMと同様の役割を持つ。
しかし、ゲームでは起動する際のタイトル画面やRPGの戦闘シーンのBGMなどは、
繰り返しプレイする(=長時間同じ曲を聴くことになる)ことを念頭に作られていることが多い*2
また、ゲームという性質上、曲がループできるように処理されていることが多い。
近年ではインタラクティブ性を重視し、プレイヤーの遊び方でBGMが変化するようになっている作品もある。

こちらにも有名な楽曲は多く、スーパーマリオブラザーズの地上面のテーマやドラゴンクエストシリーズの序曲、FFのテーマなどはメロディが思い起こされる人も多いのではないだろうか。
また、音ゲーのように音楽が主体として取り入れられることもある。

エロゲーでは意外にもBGMの評価が高いものが多い。
特に泣きゲーや燃えゲーなど、シナリオに力を入れている作品はBGMも美しいものや熱くなれるものがそろっている。



【演出方法】

ここではBGMを使った演出方法を紹介する。

●映像と音楽を同期させる
アニメや映画などの映像作品の他、STG等のゲームにも多い。
具体的な例を挙げるとトムとジェリー日常などの作品ではキャラの動きとBGMが連動し、
テンポよく進めるとともに面白さ・シュールさに拍車をかけている。この場合のBGMは音の強弱、無音の間の効果が最大限に発揮されているため、
セリフなしでも視聴者に心情や展開を分かりやすく伝えることができる。

ゲームにおいては、STG等に多い強制スクロールの作品との相性が特に良く、最初のステージからエンディングまで続く壮大なBGMを使っている作品もある。
また強制スクロールでなくても、ゲーム画面とサウンドがシンクロするように作られている作品が多い。

●あえてミスマッチなBGMを流す
戦闘シーンで落ち着いたBGMを流す、切ないシーンでコミカルな曲を流すといった事で、
映像では表現していない心情を表したり、視聴者へのインパクトを強めることができる。
また、ギャグアニメではギャグの一環として行われる事もある。
しかし、意味も無くやたらとミスマッチなBGMを使用するのは、逆に違和感を与えてしまう事もある。


●あえてBGMを流さない。
そうすることでキャラクターの心の機微を表したり、臨場感を出したりすることができ、視聴者はより感情移入をすることが可能になる。
具体的な例を挙げると、ワンダと巨像ではボス戦を除きフィールド内でのBGMが一切排され、川の流れる音やワンダの息づかいをあてることで、
広大な自然や孤独感をより一層高めることに成功している*3
一方で、無意味な無音シーンが多いと作品全体が地味な印象になってしまう事がある。

●既存の音楽を流す。
特にクラシック音楽や民謡は著作権が切れている曲が多く、多くの作品で利用されている。
著作権が切れていない曲でも、著作者や著作権管理団体からの許諾が得られれば使用される事もある。
たまに勘違いしている人もいるが、このような流用は盗作や無断使用とは全く異なる*4

こういった曲を採用する場合は、何かしら演出上の意図があって採用され、
作曲者の境遇や時代背景、楽曲のメッセージ性等と作品のストーリーを重ね合わせたりしている事が多い。
例えば、Kanonではパッヘルベルのカノンを採用し、変わらないようで少しずつ変わっていく日常を示唆させている。


【様々な用語】

♪劇伴
主に映像作品や舞台で使われる音楽を指す。
使い方が異なるゲーム音楽を含むかどうかは意見が別れる。

♪アニメ音楽
アニメの音楽を指すときに使われる。
アニソンと比べて範囲が広い。


♪映画音楽
映画の音楽を指すときに使われる。


♪映像音楽
映像に付ける音楽。
上記2つと同じような意味で使われる。


♪ゲーム音楽
「ゲームミュージック」「ゲームBGM」「VGM(Video Game Music)」等とも呼ばれる。
ゲームの音楽を指す時に使われる。


♪フリー音源
条件を満たせば著作者の許諾無しで使用できる音楽や効果音。
テレビ番組に限らず、ゲーム、CM、アダルトビデオに至るまであらゆるメディアで使用されている。


♪オリジナルサウンドトラック
「サントラ」、「OST」等とも呼ばれる。
現在では「映像作品やゲーム等のBGMを収録したアルバム」という意味で使われる。
BGMだけでなく、主題歌や挿入歌、効果音、ボイス等も収録されることがある。

クオリティが高い作品であれば作品を知らない人が観賞目的で購入したりする場合もある。
また、思い出を振り返るファンアイテムとしての需要は高く、サントラの発売を要望する声は結構多かったりする。
一方で、諸事情*5から未収録曲があったり、BD、DVD特典だったりすると批判されがち。

たまにマスタリングの際に音が再調整されたり、音源やテンポが微妙に異なっていたり、
サウンドトラックという名称なのにアレンジ版のみが収録されていたりなんてこともある。
その時は「サントラで化けた」「サントラで劣化した」と賛否両論になったりする。

また、古いアーケードゲームはゲームに使用される基板とレコーディング用の基板が異なっており、
ゲームとサントラで音源が違う作品が多かった。

視聴環境の影響で音のバランスが変わる事もあり、作中で聴いた時と異なる印象を受けることも。


♪アレンジアルバム
劇伴やゲーム音楽のアレンジバージョンを収録したアルバム。
サウンドトラックと混同されることもあるが、別物である。
ゲーム音楽に多く、特に生音やリアルな音源を使うことが困難だった時代の作品に多い。

アレンジの方向性も様々であり、
原曲で打ち込みだったパートを生音にした物やオーケストラアレンジ、ロックアレンジ、ジャズアレンジ、クラブリミックス、オルゴールアレンジ等がある。

原曲とは違った魅力を持つが、賛否が別れやすい側面もある。


処刑用BGM
特定のキャラクターが相手を一方的に倒す際に流れたり、逆に死亡フラグになるBGMを指す。
印象に残りやすく、作品の顔になることも少なくない。
詳しくは項目へ。


♪セルフBGM
作中でキャラクター自身が音楽を演奏すること。
キャラクターがピアノやハーモニカ、ギター等の楽器を演奏する場面も描かれる場合が多い。
シナリオとの親和性も高く、盛り上がる展開につなげやすい。


♪店内BGM
コンビニ、デパート、喫茶店、レストラン等で流されているBGM。
オリジナル曲だけなく、J-POPやアニソン、クラシック音楽、ジャズ等の既存の曲を使ってることも多い。
スピーカーから流すだけでなく、演奏者によってピアノ等が生演奏されている場合もある。


♪脳内BGM
自分の脳内で流すBGM。
実際にBGMが流れるわけではなく、気分や雰囲気を表現する時に使われる。

???「やべぇ!早くしないと学校に遅刻する!」
脳内BGM
RUNNER(爆風スランプ)
♪ 走る 走る 俺たち♪

???「今日は取引先と重要な会議だ。ここで結果出さないとな。」
脳内BGM
地上の星(中島みゆき)
♪ 風の中の すばる 砂の中の 銀河 ♪

様々な状況下で我々の生活を演出してくれる。
それが脳内BGMである。

中には印象に残った曲が頭の中で鳴り続けてしまう「イヤーワーム」という現象もあったりする。



追記・修正は好きなBGMを聴きながらお願いします。

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