ドラコ・マルフォイ

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ドラコ・マルフォイ - (2022/11/05 (土) 12:22:14) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/07/14 Tue 23:49:27
更新日:2024/02/17 Sat 22:52:31
所要時間:約 9 分で読めます





Draco Malfoy


ハリー・ポッターシリーズの登場人物。1980年6月5日生まれ。

ホグワーツ魔法魔術学校に通う魔法使い。
スリザリン寮生であり、主人公であるハリー・ポッターのライバル的存在…だがかませ犬みたいな役柄になる事も多い。
まあ海外学園物によくいる嫌味なお金持ち的ポジションと思って良い。
後述の権力のおかげでやりたい放題言いたい放題だが、それに実力が追い付いていない為、軽くあしらわれる事もしばしば。
外見はガッチガチに固めた金髪のオールバック(実写映画)が特徴のイケメン。
原作小説では髪の色はプラチナブロンドであることが表記されている他、肌が青白く顎は尖っているらしい。

原作での身長は、5巻『不死鳥の騎士団』ではアンジェリーナからチビ呼ばわりされていたものの、
6巻『謎のプリンス』では「図体の大きな2人*1なのにその間で威張り散らしている背の高い青白い顔のマルフォイがいないと奇妙にしょんぼりしているように見える(要約)」という風に地の文で綴られていたので急激に伸びたのかもしれない。
7巻『死の秘宝』においてもマルフォイ邸の中でハリーと相対した際に、更に背が伸びたという旨の記述がある。
ちなみに映画で演じるトム・フェルトン氏の身長は現在175cmである。

性格を一言で言えば嫌なヤツ。ことあるごとにハリー達につっかかり、ハーマイオニー・グレンジャーに対しては「穢れた血」と呼び捨てる程。
ただし、やたらと当たりが強くて突っかかるのは初対面時のすれ違いと、利害関係でどうとでも変容してしまう上流貴族の柵の中での情の薄い繋がりしか持てずにいた自分と主人公達仲良し三人組を比べて、嫉妬していたのも理由だった節がある。
身内には意外と寛容で本当に親しい人間に対する侮辱は許さない気質はハリーとも似通っている辺りから、ハリーがもしスリザリンに組分けられたら、ハリーとマルフォイはマブダチになって、ウィーズリ―やハーマイオニーともそこまで険悪にはならなかったんじゃないか、とファンの間ではしばしば語られている。
純血魔法族の中でも屈指の名門マルフォイ家の一人息子。そのことを鼻に掛けており、スリザリンの中でもリーダー格である。

名門の出ではあるが、魔法の腕は凡庸な模様。少なくとも、まともに決闘すればハリーにフルボッコにされると思われる。
授業態度も基本的に不真面目。
教室のシーンでは大抵やる気無さそうにしていたり、教師の警告・忠告を丸無視する場面も目立つ。

ただ、意外と才能はあるらしく、セブルス・スネイプでも突破できない閉心術を駆使し、作者からも公式で「閉心術の才能がある」と明言された。
魔法薬学に長けることを示唆する描写もある。
魔法道具のプロであるボージン&バークスの店長ボージンですら修理困難、不可能の可能性ありと判定*2していた「姿をくらます飾り棚」も約一年かかったとはいえ独力で無事に修復した。


ペットは雌のパグ犬。名前はパンジー・パーキンソン。
同じ寮の同級生の女子である。彼女も作中で絡むことこそあまり無いもののハーマイオニーとは犬猿の仲。

2巻から、ハリーに対抗してクィディッチのシーカーを務めている。
愛箒は『ニンバス2001』…しかし、旧型『ニンバス2000』を駆るハリーに敗北する始末。
一応マルフォイが(必要の部屋に籠るために)試合を欠場した時には、ロンはそれを勝機と見ていた程なのでそれなりに実力はあるのだろうが。


登場当初こそライバルとしての活躍が期待されていたが、巻が進むごとにヘタレ&小物化が酷くなっていった。
ただ能力自体は結構な物があり、監督生にも選ばれている。良くも悪くも吹っきれることができなかっただけと思われる。

以下、ネタバレ








父ルシウスは死喰い人の中でもリーダー格の存在。クラッブとゴイルがマルフォイに頭が上がらないのもその為。
更に母ナルシッサはブラック家出身であり、これが最終巻エピローグでの意外な伏線となる。

両親から惜しみない愛情を注がれており、それもあってか彼の方も両親に対する愛情が非常に強い(具体的に言うと両親を侮辱した相手にキレるほど)。
この点はヴォルデモート卿バーテミウス・クラウチ・ジュニアあたりと異なる、ある意味彼の特徴の一つ。


5巻で父が信用を失ってからは、マルフォイ自身がヴォルデモートの命を受けて行動している。言うなれば、死喰い人“見習い”。だが実際は全く期待されておらず、ルシウスに対しての懲罰である面が強い。
本人も当初はヴォルデモートに期待されていると調子に乗っていたが、後に自分の現状を思い知り失敗すれば殺されるだけでなく家族も命も保証できないことを知り、強い恐怖に苛まされる。
本人も両親の愛を受けて育ったせいか、他の死喰い人と違って平気で人を殺せるような残忍さは持ち合わせてない。
またホグワーツへの愛着もあるようで、ホグワーツに侵入した死喰い人に校舎を蹂躙される様に悲痛な表情を見せていた。
なお、父の失脚によりクラッブから甘く見られるようになり、最終巻では命令無視され、三人とも命の危機に陥るハメになった。
しかしグラップとゴイルのことは彼なりに大事にしていたらしく、命の危機に陥った際に自分の身の安全を度外視してまでも2人の身を救おうとした。



以下、各巻での活躍(ネタバレ注意)











  • 1巻『賢者の石』
原作での初登場は入学準備のための、制服の仕立ての場面。
実はハリーが初めて出会った同年代の魔法使い。ロンよりも速い。

この時点では目の前の相手があのハリー・ポッターであるとは知らなかったのだが、寮やクィディッチといった話題で気さくに話しかけていた。
もっとも話の内容は、両親がマグルで今まで魔法界のことなど知らなかった者達を入学させるのはおかしいという旨*3やハグリッドを悪く言う物で、また言動の端々に高慢さと傲慢さをこれでもかとばかりに匂わせていたため、
一方的に聞かされる羽目になったハリーは、口にこそ出さなかったが内心で「なんて嫌な奴だ」と悪印象を抱くに至った。

その後、ホグワーツ行きの途中で再会。
この時にはハリーが例の「生き残った男の子」と知っており、そのうえでハリーがロンと一緒にいる事について「友達は選んだ方が良い」とハリーを仲間に誘う。
しかし、先の交流でドラコの高慢さに嫌気が差していた(「友達は選べ」という発言からもそれが伺える)ハリーはすげなく拒絶。
これが原因となって長きに渡る対立が始まる。
なお映画版ではここで初登場&初対面。ドラコの側から友人に誘うが、しっかり偉そうな態度を見せたことと、ロンからの嘲笑に対してそのまま喧嘩を返したりしたため、やはりハリーからは拒まれた。

箒による飛行の授業では暴走事故を起こしたネビルが落とした思い出し玉をくすね、
フーチ先生が「勝手に箒を飛ばした者は即退学」との警告を無視して箒に乗って思い出し玉をどこかに隠そうとする嫌がらせを仕掛ける。
それを見咎めたハリーが追跡し、更にそれがミネルバ・マクゴナガル教授の目に留まった事でハリーがクィディッチ最年少シーカーに選ばれる結果となったため、
間接的にハリーの箒の才能を開花させたと言える(実際ハリーもそう言ってのけた)。
マクゴナガルに連れて行かれるハリーを見て、どんな懲罰を受けさせられるのだろうと思ってかニヤニヤしながら見送っていたが、
結果ハリーにホグワーツ史に残る栄誉を与える事となったのは皮肉であろう。
なおマルフォイが許可なく箒を飛ばした件で如何な処遇を受けたかは不明。

3人組が夜中に寮を抜け出していた際はマクゴナガル教授にチクるが、自分も抜け出していた為一緒に罰則を受けるハメになる。
「禁じられた森」での罰則の最中、謎の人物がユニコーンの血を啜っている所を目撃し、尻尾を巻いて逃げ出した。



  • 2巻『秘密の部屋』
ハリーに対抗してクィディッチのシーカーに就任し、財力にものを言わせてチーム全員に『ニンバス2001』を寄付。
しかし、最初の試合でグリフィンドールにフルボッコにされる。
代々スリザリンの家系であったことから3人組に真っ先に『スリザリンの継承者』として疑われるが、全然そんなことはなかった。
と言うかホグワーツにはスリザリンの家系の生徒や教師なんか一杯いるのにピンポイントで決めつけるなんてとんだ言いがかりである。
……まあそれだけドラコの言動がひどかったということでもあるが。
生徒やゴーストが石化して皆が恐怖に怯えているのに、一人だけウキウキしたり思わせぶりな態度でドヤ顔していれば「こいつ何か知ってるんじゃないか」ぐらい思われても不思議はない。
実際父親などには手紙を出して独自に情報収集しており、
少なくとも「前回秘密の部屋が開かれたのはルシウスよりも前の時代で、そのときには女生徒が一人死んだ」という情報は手に入れていた。
その上で「今度死ぬのは誰だ、グレンジャーが死なないかな」とニヤニヤしながら闊歩していたため、不審な態度が怪しまれたという次第。
また、配下のクラッブとゴイルからも「実際は秘密の正体を知ってるんじゃないか?」と何度も聞かれてたらしい。

そして『秘密の部屋』を開放した元凶はその父親ルシウスである*4ため、実の所ロンたちの予想もそれほど的を外していたわけではない。
ただルシウスがその真実を息子への手紙に書かなかっただけである。

ちなみに、その父ルシウスが初登場したのは本巻からなのだが、やっと父上と一緒に現れたと思いきや、公衆の面前で成績の悪さを罵倒されるという厳しい教育を食らっている。


  • 3巻『アズカバンの囚人』
魔法生物飼育学の授業中にヒッポグリフのバックビークを怒らせ、切り裂かれる。
それを利用してバックビークを処刑させるよう仕向け、ハグリッドを退職に追い込もうとする。
危険な生物を用いた授業をするのだから、ハグリッドも安全に気を配るべきだった……のだが、
ハグリッドは「決して敬意を忘れてはならず、間違ってもナメた態度を取ってはならない」と注意喚起しており、
ドラコもドラコで教師の注意や説明を聞かず、安全をまるで軽視していたため、半分以上はドラコの自業自得と言える*5
中盤ではクラッブ達と共に『吸魂鬼(ディメンター)』に扮してクィディッチの試合に乱入。ハリーをビビらせようとするが、逆にハリーの放った守護霊にビビって転倒。
他にもホグズミートで透明マントに隠れたハリーにフルボッコにされる、
ハーマイオニーを挑発したらマジギレされてぶん殴られる、そもそも自分自身も吸魂鬼にはビビっていた…etc.と小物感全開。


  • 4巻『炎のゴブレット』
背後からハリーに呪いをかけようとするが、ムーディ(クラウチjr.)に罰としてイタチに変身させられた。
前巻でハグリッドの授業をぶち壊したような真似を繰り返したのだろうが、今度は教師にその慢心を徹底的に矯正される羽目になった。
件の変身を解除された時は「父上が黙ってないぞ!」と怯えながら言い放つが、ムーディに「それは脅しか!!」と逆に激昂され慌てて逃げだす事になる。

それでも懲りないのが我らがマルフォイなのだが。


  • 5巻『不死鳥の騎士団』
監督生に就任。他にドローレス・アンブリッジに気に入られ、『尋問官親衛隊』等の役職に就任して横暴を働く。
帰りのホグワーツ特急の中で『ダンブルドア軍団』のメンバーから大量に呪いをかけられ、キングズクロスに着く頃にはクラッブとゴイル共々巨大なナメクジになっていた。


  • 6巻『謎のプリンス』
ホラス・スラグホーン教授に目をかけてもらおうとするが、悉く無視される。ロンと同じく「輝くような才能はない」と見做された模様。先祖の威光も通じなかった。
ヴォルデモートの命を受けてダンブルドアを殺そうとするがどれも上手くいかず。
精神的に追い詰められる中マートルに惚れられたり、ハリーが放った「セクタムセンプラ」で体をぶった斬られたりするが、1年かけて『必要の部屋』で「姿をくらます飾り棚」を修理。
これによって大量の死喰い人をホグワーツへと招き入れた。
その後ダンブルドアを武装解除するも罪悪感に苛まれて殺せなかった為スネイプに殺してもらい、死喰い人達共に姿を消した。
この時意図せずして『ニワトコの杖』の所有者となった。

余談だが、今回修理した「姿をくらます飾り棚」の初出は2巻である。
これほど前からこんなところに伏線を張っていたとは……J.K.ローリング恐るべし。


  • 7巻『死の秘宝』
実家がヴォルデモートのアジトにされてしまい、ビクビクしながら暮らすハメになる。後に家に連れてこられたハリーに杖を奪われる。
最終決戦では『レイブンクローの髪飾り』を手に入れようとするハリー達の前に立ち塞がる*6が、
暴走したクラッブの『悪霊の火』に殺されかけ、彼らに命を救われることになる。
その後祝勝会では、自分たちが場違いだということを自覚していたため、親子三人で自分たちがここにいてもいいのか縮こまっていた。
実は常にビビってるのは単に死にたくないから。また、最後までハリーを撃つのを躊躇っている。




後年、同級生ダフネ・グリーングラスの妹アステリアと結婚した。
そっくりな外見なのに中身は正反対で実家の家風を嫌う息子『スコーピウス・ヒュペリオン』を授かる。
ちなみに息子の名前は星座とギリシャ神話の登場人物に由来しており、この時点でブラック家の命名のお約束がマルフォイ家に受け継がれていることが分かる。
ハリー達に向かって目礼する等、ある程度関係は改善された模様。

…実はハリーとの初対面時は「彼なりに」友好的に接していたり*7、ゲーム版では蛙チョコのハリー・ポッターの偉人カードを持っていたりする等、元からそこまでハリーを敵視してはいなかったんじゃないかと思われている。
まあその「初対面」が高慢だわ図々しいわ押しつけがましいわで、ドラコの「友好的」がかなり酷いものではあったのだが。
両者が本当に相互理解して和解するには、どのみち長い時間は要したのだろう。



  • 続編『呪いの子』

映画ではトム・フェルトンが一作目から演じている。吹き替えは三枝享祐。ゲーム版は木内レイコ。

トムは最近ラッパーデビューを決意した。ぜひホグワーツの制服でラップを踊っていただきたいものである。
また、KHシリーズのキャラクター、ロクサスのコスプレをしたこともある。


見知らぬ子供から石を投げられたり、いきなり蹴られたり、世界中の子供達の悪意を『マルフォイ』として受けて思春期を過ごしたが辛い境遇にも折れずに、東日本大震災の被災地に温泉卵を2000個寄付したり、映画の上映待ちで待機してる人たちにピザをプレゼントしたり、「今後(マルフォイ役として)イメージが固定されて悪役しか仕事がなかったとしても役者として本望」と述べ、子供達からどんなに酷い目に遭わされようと「自分が『本当はいい人』なんて言ってしまえば、それは子どもたちにサンタの存在を否定しているのと同じ事だ」とこのまま一生嫌われ続けても構わないと非常に前向き且つ寛大なコメントをしたりと演じている本人はとてもいい人だったりする。

勿論普通の人気も(地域や年齢層の差はあれど)あったのだが、本人がそれを実感したのは初めてお鉢が回ってきた『謎のプリンス』の日本でのプロモーションの時とのこと。成田で詰めかけたファンを見て「マジか」と思ったとか。

2016年にもルシウス役のジェイソン・アイザックス氏と共に"親子"で来日してサイン会やチャリティーグッズの販売を行い、グッズの売り上げを熊本の震災の復興支援に寄付した。
また彼の父親は漁師として働いてるらしくマルフォイ役としてデビューした間もない頃にインタビューに答えた将来の夢として父の跡を継いで漁師になりたかったそうだ。

ちなみ公式サイトで行われている組分けの儀式に挑戦してみたところ、「グリフィンドール」というある意味誰もが納得の結果になった。
(本人はその結果にいたくご不満で、「なんてこったい!」「一生スリザリン!」とコメント)



以下最後のネタバレ






ハーマイオニーの中の人の初恋の相手。ちなみに本人は好意を持たれていたのは嬉しいと認めつつも、自身は意識していなかったと語っている。
















余談



実はマルフォイというファミリーネームは英国圏内ではかなり独特で、作中で最初に名乗った際にロンに思いっきり笑われた事がある。
(もともとはフランス出身の家系らしい)
そんなわけで作中の残念な活躍ぶりと独特な名字からファンにネタにされまくって、日本では2ch(現5ch)等でやたらフォイフォイうるさいキャラにされてる程。
何か冗談めかしたレスやコメントに対して「黙るフォイ!」と返すやり取りは、ネット界隈においては定番と言っても過言ではない。
そのせいかこの項目でも語尾という語尾に「フォイ」がつけられていたことがある
公式も悪ふざけでこのネタに便乗したらしく、ワーナー ブラザースが発売したLINEスタンプの実写シリーズでキザな表情で「君の瞳にフォイしてる」にドヤ顔で「フォフォイフォイさ」、険しい表情とバックの炎からの「テンション高まるフォイと言ってるスタンプがマジで存在している
この実写シリーズはキャラ崩壊が激しいと評判だが、その中でもマルフォイの存在感がぶっちぎりで一番。




追記・修正よろしくお願いします。

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