ミネルバ・マクゴナガル

登録日:2012/01/10 Tue 00:29:07
更新日:2024/02/11 Sun 14:33:04
所要時間:約 9 分で読めます




ハリー・ポッターシリーズ』に登場する魔女。

演:マギー・スミス
  フィオナ・グラスコット(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)
声:谷育子
  弥永和子(ゲーム版)
  渋谷はるか(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)

1935年10月4日生まれ。

ホグワーツ魔法魔術学校の副校長で、担当科目は「変身術」。
グリフィンドールの寮監も務めていて、彼女自身もグリフィンドール寮出身である。
一方で組分け帽子は彼女の組み分けの時にレイブンクローとの間で5分半悩んだという逸話があるなど聡明であり、
実際にレイブンクロー寮の合言葉代わりの謎掛けを一発で正答する場面が見られる。

母は魔女だが、父はマグル(牧師)の半純血。弟が2人いる。

厳格かつ公正な人物で、校則を破った生徒の寮はどこであれ容赦なく減点し、罰則も与えるなど徹底しているが、
その一方で情に篤く、生徒想いの先生でもあり、意外と涙もろい一面もある。

常に規則を重んじて行動している為か、不測の事態に弱く、
そういったことに直面したときは慌てふためき、最終的にアルバス・ダンブルドアを頼りにしてしまう。


魔法省公認の『動物もどき』でトラ猫に変身できる。
『動物もどき』は危険性が高く、習得するのも困難なことから、彼女の魔法使いとしての実力の高さが窺える。
さらにいえば、習得したのはホグワーツ在学中とのこと。
因みに、何か理由があって『動物もどき』になったわけではなく、変身術を幅広く研究している過程で習得したにすぎないらしい。
わかりやすくいうと英検感覚で司法試験に挑んで受かってる感じ。
魔法使いとしては作中でもトップクラスの実力者といえよう。


実は既婚者なのだが夫婦別姓だったので名字は変えていない。
ちなみに結婚したのは47歳辺りの頃。相手は魔法省勤務時代の上司エルフィンストーン・アーカート。
その夫とは50歳の時に死別しており(死因は有毒食虫蔓に噛まれたため)、それ以降は独身を貫いている。

なお、ホグワーツ卒業後に農家の息子ドゥーガル・マクレガー(マグル)と恋人同士になり、一旦はプロポーズを受け入れるも、
彼が農家を継ぐために結婚後は「マグルの村で魔法を隠して生活する」事になるため、それに悩んだ末に断った。
上司と結婚したのは、マクレガーが死喰い人に殺害された後。かつての婚約者に操を立てたらしい。


前述の通り、出身や寮がどこであれ、ホグワーツの全ての生徒を差別することなく平等に扱う彼女だが、
クィディッチのことになると人格が変わってしまい、グリフィンドールのチームを贔屓してしまう傾向にある。

実際、ハリー・ポッターの飛行の才能をたまたま目の当たりにした時には、
「1年生をチームに入れてはならない」という規則を無視してハリーをチームに加入させたうえ、
当時最高峰の箒である『ニンバス2000』を、自分が贈ったと知らせずに彼に買い与えている。

さらに、実況のリー・ジョーダン(グリフィンドール生)に「実況は公平に」と言っておきながら、
スリザリン生が卑劣なプレイを連続すると、怒りを爆発させ拳を突き上げて野次る等、冷静さを失ってしまう。

これは、彼女が熱狂的なクィディッチ好き+グリフィンドール寮に対する思い入れの深さだけが原因ではなく、
学生時代、クィディッチ選手として活躍していた彼女が最終学年時の決勝戦でスリザリンのチームと対戦した時に重傷を負っており、
この時の経験がきっかけで、クィディッチの時に限ってはスリザリンやそのチームに強い敵対心を抱くようになったからである。

また、彼女がグリフィンドールを贔屓するのは、ハーマイオニー・グレンジャーに逆転時計を与えたのを除けば、基本的にクィディッチ絡みの時だけであることも付け加えておく。
付け加えれば、作中で一番グリフィンドールの大減点を行ったのはマクゴナガルでもある。
さらに、クィディッチで彼女が激怒するのは概ねスリザリン生が悪質なファールを繰り返した時くらいであり*1
それこそ実況でありながら露骨にグリフィンドールを贔屓することがあるリーに注意したり、マイクを取り上げる一幕もあるなど、
例えスリザリンのチームが対戦相手であっても、相手側がルール違反等をしない限りは公平な態度に徹している。


ドローレス・アンブリッジとは犬猿の仲で、教育方針をめぐって何度も対立している。
彼女に対しては「ギルデロイ・ロックハートですらアンブリッジと比べれば有能」と最低の評価を下している。
まあアンブリッジは教師として赴任したのではないが

また、不確定な分野である占い学を軽視しているようで、シビル・トレローニーのことも胡散臭い目で見ている。
しかし、彼女がアンブリッジにホグワーツ城から追い出されそうになった時は駆けつけ庇っている。

同僚のなかでは、フィリウス・フリットウィックポモーナ・スプラウトと仲が良く、よく一緒にいる。


アーガス・フィルチに対しては異常に冷たい。




【生涯】
  • 本編以前
1925年10月4日、スコットランドのケイスネスに生まれる。
11歳でホグワーツ入学。レイブンクローに入れるかグリフィンドールに入れるかで、組分け帽子が五分以上悩んだ。
在籍中は優秀な成績を収めて卒業。ポモーナ・スプラウトは在学中の後輩で、二年間だけ共にいた。
卒業後は魔法省に就職し、魔法法執行部に勤務。その後はホグワーツ教師に転職した。
トム・リドルのホグワーツ在学中には、ダンブルドアから懸念を打ち明けられていたらしい。

1970年代の最初のヴォルデモート全盛期には、実は不死鳥の騎士団に在籍していない。
ただ、トラ猫への変身術を駆使して各所で情報収集を行っては、死喰い人の動向を騎士団に流していた。
特に、昔在籍していた縁から、魔法省の反ヴォルデモート勢力とつながりがあり、彼らのもたらす情報を回収・伝達していたのは非常に大きな功績であった。
すでに当時から魔法省には死喰い人のメンバーやスパイが入り込んでおり、そんな敵地に踏み込む彼女の危険と功績は騎士団正規メンバーにも引けを取らないだろう。
その意味では番外のメンバーだったといえる。

しかし、この戦争で兄が殺され、またかつての婚約者ドゥーガル・マクレガーが妻子もろとも惨殺されたことは、彼女の心に大きな傷を残した。

  • 1巻『賢者の石』
ハリーが来る前にダーズリー家をトラ猫になって視察。
息子ダドリーへの過剰な偏愛を目の当たりにし、「こんなところに預けてはダメですよ」と教育者の目で反対するが、ダンブルドアには聞き入れてはもらえなかった。
ハリーが箒の飛行術に天賦の才能があることを見抜き、感激とともに彼をクィディッチのチームに推薦・加入させる。
しかし一方で彼らが重篤な規則破りをした際には最も厳しい罰を下した。ただし、密告者気取りで動き回っていたドラコ・マルフォイにも「あなたも規則破りをしています」と容赦なく同罰に処している。
賢者の石の防衛のため巨大チェスを展開した。

  • 2巻『秘密の部屋』
ギルデロイ・ロックハートの暴走に対して自制心を総動員。
しかも「スリザリンの怪物」の暗躍に頭を悩ませ、おまけにダンブルドアがルシウス・マルフォイの陰謀によって失脚したため、彼女が臨時に校長職を代行する羽目に。
さらに生徒が秘密の部屋にさらわれたという報告も入り、とうとうホグワーツ閉鎖を覚悟したが、間一髪でハリーが「怪物」の討伐に成功、ダンブルドアも復帰して肩の荷を降した。
ちなみに、逃げ出すのを承知で秘密の部屋の問題をロックハートに投げつけた場面も。

  • 3巻『アズカバンの囚人』
クィディッチの寮対抗試合でグリフィンドールが優勝し大泣き。十年ぶりの悲願である。
占い学のシビル・トレローニー教授を嫌っていることが明らかになった(「毎年必ず、生徒の死を予言するけど、それいつもの流儀です」とのこと)。
その死の予言を受けたハリーに対して「私が見るところあなたは健康そのものです。だから宿題は免除しません」と怖い顔をしたと思えば「ただし死んでしまったら提出しなくて結構です」と意外なジョークを添えて、ハリーの心を軽くしている。
学業に邁進するハーマイオニーへの後押しとして、同じ時間に複数の授業を受講させるために特別に逆転時計を与えた人物。ある意味では本作のキーパーソンである。

  • 4巻『炎のゴブレット』
ハリーが三大魔法学校対抗試合に出場することに反対する。
クリスマス・ダンスパーティーではハリーに代表選手として"ダンスのパートナーを見つけて来い"という作中最難関の課題を課した。
その他にも第三の課題の対策のためにハリーに空き教室を解放し、ロンとハーマイオニーにはハリーをサポートするように指示している。

  • 5巻『不死鳥の騎士団』
ヴォルデモート卿の復活を受け活動を再開した不死鳥の騎士団に協力。今回は正規メンバーに名を連ねた。
魔法省からホグワーツへ送り込まれてきたドローレス・アンブリッジと激しく対立する。
のど飴は本当に良いのですかドローレス?
双子がダイナミック退学した後、アンブリッジにシャンデリアを落とそうとして右に回しているピーブスにたった一言助言した。
左に回せば外れます
下巻ではアンブリッジの指示でハグリッドを捕らえに来た闇祓い達の不意打ちにより聖マンゴ病院に入院するが、終盤には復帰し神秘部の戦いを生き抜いたハリーらグリフィンドール寮とルーナのいるレイブンクロー寮に特大得点を与えた。

  • 6巻『謎のプリンス』
ハリーの進路希望であった闇祓いになるための必須科目である魔法薬学を受講するように進言した。(ハリーは5年時の試験で「優」を取れなかったため受講を諦めていたが、担当がスラグホーン先生に代わったことにより良を取ったハリーも受講可能となった。)
セブルス・スネイプがダンブルドアを殺害したと知り、泣き崩れる。
彼女曰く「誰もがスネイプを疑っていたが、ダンブルドアが信じたので私達も信じた」。

  • 7巻『死の秘宝』
死喰い人のカロー兄妹を拘束し、闇の印の知らせで駆けつけたスネイプと激しく交戦するも逃げられる。
(映画版では大勢の生徒達の前でスネイプと一騎打ちをして撃退している)

ヴォルデモート陣営がホグワーツに進軍していることを知ったマクゴナガルは、
未成年の生徒(戦う意志のない生徒を含む)を早急に避難させ、ヴォルデモート陣営との徹底抗戦を決意。
それに難色を示したスラグホーンに対して「今こそスリザリン寮は旗幟を鮮明にすべき時だ!」と言い放つ。

その後、教員と生徒、卒業生や不死鳥の騎士団とともにホグワーツ防衛隊として最終決戦に参戦した。


物語終了後、セブルス・スネイプの死に伴い、正式に校長に就任した。



  • 8巻『呪いの子』
変わらずホグワーツの校長として在任。月日が経ち闇払いの長官になったハリー、魔法省大臣になったハーマイオニーをも叱責できる数少ない人物となっている。
一時は息子を取り巻く問題の解決のためにと強行手段に出るハリーに面食らうも、その後は教育者として平和の尊さについて説くなど年長者としての威厳を見せつけてくれる。
また自室の煙突はホグワーツに煙突飛行粉で来訪する客向けに解放されているようで、来客の度にカーペットが灰だらけになることには怪訝な顔を示している。
ついに私の部屋のカーペットを台無しにしてくれたようですね


死の秘宝 PART2のDVD特典として収録されている「ハリー・ポッターを彩る女性たち」で彼女が取り上げられた際作者は、
『戦争が勃発したとき、女性たちが脇に追いやられるのは好きではない。
事実、あの対決場面は初期の原稿では、スネイプの相手はハリーだった時が一時期あった。しかしそうなって欲しくはなかった。
原作でスネイプと対決したのはマクゴナガルであったのは、私にとってとても重要な意味を持っていた』と述べている。


余談だが、映画版『死の秘宝PART2』で「ピエルトータム ロコモーター」を唱えたときの先生の言動がめちゃくちゃ可愛い。
先生「この呪文、一度使ってみたかったんですよ!」
モリー「…(--;)」


『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
ハリー・ポッターシリーズのスピンオフ作品、ファンタスティック・ビーストシリーズの第2作では、まだ年若い教師の頃の彼女が登場。
ダンブルドア同様、年頃の違いから、演じる女優はスピンオフ元のマギー・スミス氏からフィオナ・グラスコット氏に変更されている。
ただ、舞台が1927年であるため、上記の生年月日設定(1925年10月4日生まれ)とは矛盾している。
1927年のマクゴナガルがハリー・ポッター本編のマクゴナガルと同一人物だとするなら、設定が変更されたものとみられる(最低でも1900年代生まれとなる)。

ただし欧米では先祖の名前を子孫が受け継ぐことはよくあるので、親族の別人ではないかとするファンもいる。
実際、本編のマクゴナガルの「ミネルバ」という名前は曾祖母ミネルバにあやかっているとのこと。
さすがに、1927年のマクゴナガルが孫や曾孫がいるような歳には見えないが……
また、名前を受け継ぐのが直系尊属とも限らないので、マクゴナガル一族に同時に二人のミネルバがいても何らおかしなことではない。
(例えばナポレオン一世には、息子に「ナポレオン二世」、甥に「ナポレオン三世」がいる。しかも、二世と三世は従兄弟同士だが、年齢はナポレオン三世のほうが三歳年上。つまりこの二人は同じ時期に生きていた)





  /\
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 ( ΦωΦ)

追記・修正をいい加減な態度でする生徒は教室から出ていってもらいますし2度とクラスには入れません。

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最終更新:2024年02月11日 14:33

*1 負けそうになったドラコがハリーの箒を掴んで妨害するなど。