ホラス・スラグホーン

登録日:2018/04/17 Tue 22:04:26
更新日:2025/05/21 Wed 20:03:26
所要時間:約 4 分で読めます





ホラス・スラグホーンとは、『ハリー・ポッターシリーズ』に登場する魔法使い。
フルネームは「ホラス・ユージーン・フラックス・スラグホーン(Horace Eugene Flaccus Slughorn)」。

演:ジム・ブロードベント
声:森功至


概要

第6巻から登場し、同巻からホグワーツ魔法魔術学校の「魔法薬学」の教授に就任。スリザリン寮の寮監も務める。
自身もスリザリン寮出身で、また純血の家系。
退職して隠居していたが、元同僚のアルバス・ダンブルドアからとある事情により復職を請われて復帰した。

魔法の才能や、有名な親族を持つ生徒を見抜くことに長けており、お気に入りの者だけを招いて「スラグ・クラブ」を主宰している。
気に入った生徒は贔屓して褒め称えるも、セブルス・スネイプのように他の生徒に意地悪というわけではない。しかし、お気に入りの生徒以外には無関心であることが多い。例えばロン・ウィーズリーについては、名前を「ラルフ」や「ルパート」と間違って覚えていた。*1

上述したような出自だが、スリザリンに多い純血主義者と違い、特にマグル生まれの生徒を軽蔑することはなく、現にマグル生まれであるハリーの母・リリーのことは大のお気に入りだったという。
加えて、ほとんどがスリザリン出身の死喰い人のような連中を嫌っており、そういった者たちとは連絡を取らず、また本人でなく縁者にそういう人がいればいかに逸材であっても目を掛けることはしない。
作中では悪いように描かれがちなスリザリンではあるが、けして悪人養成所ではないことが判る。

また、後のヴォルデモート卿ことトム・リドルもスラグホーンの教え子であった。
トムが教え子だった時代に、彼との間で何か隠しておきたいと思うような出来事があったらしく、それをダンブルドアに感づかれたことこそが、スラグホーンがヴォルデモート失踪後に辞職した原因で、ダンブルドアに復職を迫られた理由である。
ダンブルドアに記憶の提供を迫られてそれに応じたものの、その記憶にはごまかしを入れてあり、最後まで見られないようになっていた。




各巻での行動

  • 6巻『謎のプリンス』
ヴォルデモートの復活以降、マグルの家などを転々として逃げ回っていたが、ハリーを連れたダンブルドアに見つかってしまい、ホグワーツへの復職を頼まれる。
最初は難色を示していたが、ホグワーツの安全性およびリリーの息子であるハリーの存在のおかげで、(不死鳥の騎士団への加入は断ったが)復職を承諾した。

ホグワーツ特急ではハリーやネビル・ロングボトムたちを昼食に招待。何気にネビルの才能も一発で見出している模様。
一方、ドラコ・マルフォイに関してはその後もこれといった反応を見せなかった。
これは彼の父親ルシウス・マルフォイが死喰い人の大幹部であることも関係している。

「プリンスの教科書」のおかげで「魔法薬学」で好成績を収めるようになったハリーを気に入るようになり、飲むと1日中幸運がもたらされる薬「フェリックス・フェリシス(幸運の液体)」をハリーに与えた。
クリスマス・パーティーではお気に入りの卒業生を招待していた。

ハリーが偽の記憶を見た際に出てきた「ホークラックス」のことを聞きに来ると、問答無用で追い返していたが、彼が「フェリックス・フェリシス」を飲んだことで、ルビウス・ハグリッドの飼っていたアラゴグの葬式で酔っ払ったスラグホーンは、ハリーの説得を受ける内にリリーの優しさを思い出して涙しつつハリーに本物の記憶を渡した。


終盤では教え子のスネイプがダンブルドアを殺害したと聞きショックを受けていた。


  • 7巻『死の秘宝』
最後まで立ち位置をはっきりさせていなかったが、死喰い人に陥落させられたホグワーツから逃げる事はせず、最終的にホグワーツ陣営として彼らとの戦いに参戦。
一度は脱出組の引率のためかホグワーツを離れたが、ロンの兄の一人であるチャーリー・ウィーズリーと共に、ホグワーツ生の家族や友人およびホグズミードの魔法使い*4を率いて戻り、最後にはミネルバ・マクゴナガルキングズリー・シャックルボルトと共にヴォルデモートと戦った。

ちなみに原作の時点で「スラグホーンは幸運の液体を服用していたのでは?」という疑惑が囁かれていたが、映画版にてマクゴガル先生と生徒が橋を破壊する会話をするシーンの後ろで、幸運の液体をガブ飲みしているスラグホーンの姿が描写されている。
ヴォルデモートと直接対決して五体満足で生還したあたり、ちゃんと効果は出たらしい。



余談

裏話などが掲載されている「ポッターモア」及び、それを書籍化した「エッセイ集 ホグワーツ権力と政治と悪戯好きのポルターガイスト」によれば、スラグホーンは後に退職したようだが、レギュラス・ブラックと並んでスリザリン寮の名誉回復に貢献し、談話室に彼ら二人の肖像画が飾られているとのこと。

また、スラグホーンはロンの名前を覚えられず「友人」(friend)、「ラルフ」、「ルパート」と呼ぶ。映画では「ウォレンビー」、「ウェンビー」と呼んでいた。
映画版でロンを演じた俳優の名前はルパート・グリントで、ちょっとした遊び心を感じさせる。



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最終更新:2025年05月21日 20:03

*1 ロンの兄の一人であるパーシーにも、自分が心酔する上司(クラウチSr.)から名前を覚えてもらえないというエピソードがある。

*2 闇の魔術の一種。魔法界で最も邪悪な発明とされ、存在自体について口にしたり本などで述べたりすることさえ忌避されている。

*3 大切な教え子の一人だったリリーもヴォルデモート卿の犠牲になり、そのせいで彼女の息子であるハリーまで生涯孤独になってしまったとなれば、それに負い目を感じるのも無理はない。

*4 なおこの中にはスラグホーンを慕うスリザリン生も混ざっていた様子。