BigRigs: Over the Road Racing

登録日:2011/07/10(日) 15:02:55
更新日:2020/05/04 Mon 03:11:01
所要時間:約 4 分で読めます




BigRigs: Over the Road Racing(通称はBigRigs)は2003年に販売されたPC向けカーゲーム。断じてレースゲームではない。
販売元はCall of Dutyなどの名作を世に送り出したアクティビジョン。
日本では発売されていない。


■概要

トラックを操作して、ライバルのトラックや追ってくるパトカーを振り切って目的地まで荷物を運ぶのが目的。


…と、これだけ聞けばやや変則的な普通のレースゲームだが、実はこのゲームは海外では伝説のクソゲーとして名を馳せている。
以下に理由を述べていく。


●設定の破綻

ゲームの目的は概要の通り、チェイスをしながらの荷物運搬なのだが、まずライバルのトラックが動かない。いつまでたってもスタート地点で静かに佇んでいるだけである。
更にはパトカーが出てこない。というかそもそも、選んだトラックによってはトラックヘッドのみで走り、運ぶべき荷物が存在しない。

つまりやることは動かないライバルを尻目にプレイヤーが一人でコースを走るだけ。

●操作性が悪い

Windows向けのゲームだが、外部入力機器が一切使えない。
つまり操作はキーボードのみ。しかもキーコンフィグもできない。


●明らかなプログラムミス

  • 重力や摩擦がおかしく、 どんな急坂でも垂直な崖でも地形に沿って平然と突っ走る
    そのため、マップ端の崖を乗り越えてマップ外の何もない空間を突っ走ることもできる。

  • コース内には建物などのオブジェクトが存在するが、その全てに当たり判定がない。建物はすり抜け、橋からは落ちる。でも何故か墜落したヘリにはちょっとだけ引っかかる。

  • ライバルトラックにも判定がない。

  • オブジェクトの縮尺もおかしい。民家のドアの幅が大型トラックの幅と同じくらいある。

  • 橋の支柱が地面から浮いている。

  • バックに速度制限がないらしく、バックし続けるとあっという間に音速も突破する。しまいには光速すらも平然と突破。ただしブレーキを押した瞬間にピタッと止まる。

  • フリー対戦モードでステージを選ぶ際にステージの画像が表示されないことがある。
    果ては選んだステージと違うステージになってることがある。

  • 特定のステージを選ぶとゲームがクラッシュ。

  • フリーズバグも頻発する。

  • ハイスコアの項目があるが、スコアが記録されないので全く意味がない。

  • 荷物を運ぶことが目的なのに周回(スタート地点とゴール地点が同じ)のコースがある。

  • これが原因でスタートした瞬間ゴールする。

●音がない

BGMはおろかSEもない。無音の中をひたすら走る。


●初歩的な文法ミス

  • 英語では車(car)の中にトラックは含まれないのに車両選択画面で「SELECT CAR」と出てくる

  • 勝った時の表記が「YOU'RE WINNER!」。英語に慣れていないとつい見過ごしがちだが、正しくは「YOU'RE  THE  WINNER!」。このまま和訳すると、「あなた勝者」という「あなたが勝者」とは若干異なる意味になってしまうらしい。本国では本作を象徴する迷言としてひたすらネタにされている。


…などなど、挙げればキリがないほどに問題点が多い。
こんな出来なのにロードは長く、メモリもやたら食う。
ゲーム終了後に、なんか挙動がおかしいと思ったら裏でメモリとCPUを食っていたなんてこともザラ。

このような出来のため様々なレビューサイトで余裕の最低点を叩き出し、あるサイトではレビュアーが呆れのあまりプレイ後建物の外に出て地面に大の字になって寝転がり、あるサイトでは「0点を付けるのも嫌だ」として採点を放棄する事態に。


後にパッチが配布されたが、その内容が
  • BGMが鳴るようになる。
  • SEが鳴るようになる。
  • スコアが記録されるようになる。
  • ライバルトラックが動くようになる。
  • 「YOU`RE WINNER!」が「YOU WIN!」になる

というほぼ無意味な内容。
ライバルが動くのでレースにはなったが、相手より後にゴールしたのに勝ったことになるなど意味不明な状況が頻繁して結局意味なし。
パトカーに至ってはまだ出てこない。しかも有志がソフトを解析したところ、没になったと思われるスポーツカーのデータはあるのにパトカーはデータすらないことまで判明した。

当然会社にはクレームが殺到、返金騒動にまで発展したそうな。

ちなみに、販売はアクティビジョンだが、開発元は「Stellar Stone」という会社である。


日本未発売だが、動画サイトには実況プレイ動画が存在する。
日本語での実況もあるので気になった方は見てみるのもいいだろう。


また、AVGNでも紹介されたことがある。
基本ゲーム機のレトロゲームを紹介することの多いAVGNで2003年発売の、しかもPCのこのゲームが紹介されることは異例である。どうやら多くのリクエストが届いていた模様。
品質管理の存在する21世紀のゲームということで甘く見ていたようだが、プレイするやあまりのひどさに怒りを通り越し呆れ果て、終始苦笑いでプレイ。
総括は「『ジーキル博士の逢魔ヶ刻(AVGNが嫌いだと公言して憚らないゲーム)』ほどのイライラ感は無いが、ゲームとして成立しているかという点でこれに劣るゲームは無い」。
更に、「このゲームをTVCMで宣伝するとしたらこういう風になる」を表現した自主製作のCMまでも制作した。




追記・修正はこのゲームを楽しめた方にお願いします。

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