登録日:2011/07/10 Sun 15:02:55
更新日:2024/12/04 Wed 20:36:06
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『
Big Rigs: Over the Road Racing』とは、2003年に販売された
PC向け
カーゲーム。
断じてレースゲームではない
販売元は
Call of Dutyなどの名作を世に送り出したアクティビジョン。
日本では発売されていない。
目次
概要
トラックを操作して、
ライバルのトラックや追ってくるパトカーを振り切って目的地まで荷物を運ぶのが目的。
…と、これだけ聞けばやや変則的な普通のレースゲームだが、実はこのゲームは海外では
伝説のクソゲーとして名を馳せている。
以下に理由を述べていく。
設定の破綻
ゲームの目的は概要の通り、チェイスをしながらの荷物運搬なのだが、まずライバルのトラックが一切動かない。いつまでたってもスタート地点で静かに佇んでいるだけである。
更にはパトカーが出てこない。なんならデータすらも用意されていない。
というかそもそも、選んだトラックによってはトラックヘッドのみで走り、運ぶべき荷物が存在しない。
つまりやれることは、動かないライバルを尻目にプレイヤーが孤独にコースを走るだけ。
操作性が悪い
Windows向けのゲームだが、コントローラーなどの外部入力機器が一切使えない。
つまり操作はキーボードのみ。しかもキーコンフィグもできない。
明らかなプログラムミス
- タイトルロゴが右肩下がりに傾いている。
- Tabキーを押すと、例の動かない敵車に操作が切り替わる。デバッグ用の機能を消し忘れたのだろうか?
- ちなみに、その状態でもう一度Tabキーを押すとゲームがクラッシュする。
- 重力や摩擦がおかしく、どんな急坂でも垂直な崖でも地形に沿って平然と突っ走る。なんなら登り坂で加速する。
- そのため、マップ端の崖を乗り越えてマップ外の何もない空間を突っ走ることもできる。
- コース内には建物などのオブジェクトが存在するが、その全てに当たり判定がない。
- 建物はすり抜け、橋からも落ちる。でも何故か墜落したヘリにはちょっとだけ引っかかる(見た目のみ)。
- ライバルトラックにも判定がない。なのでその気になればライバルトラックに完全に重なることも可能。
- オブジェクトの縮尺もおかしい。民家のドアの幅が大型トラックの幅と同じくらいある。
- 橋の支柱が地面から浮いている。
- バックに速度制限がないらしく、バックし続けるとあっという間に音速をも突破する。しまいには光速すらも平然と突破。
- ただしブレーキを押した瞬間にピタッと止まる。プログラマーは慣性の法則を知らなかったのか?
- フリー対戦モードでステージを選ぶ際にステージの画像が表示されないことがある。
- 特定のステージを選ぶとゲームがクラッシュ。ちなみにそのステージはテクスチャすらも用意されていない。
- 1個目の修正パッチで修正(実際には他のコースをコピペしただけ)……されたかと思いきや、今度は別のステージでクラッシュが発生するように。
- フリーズも頻発する。
- ハイスコアの項目があるが、スコアが記録されないので全く意味がない。
- 荷物を運ぶことが目的なのに、周回(スタート地点とゴール地点が同じ)のコースしかない。
- これが原因で2レース目以降、スタートした瞬間ゴールする。
- レース中、画面左上のUIから文字が当たり前のようにはみ出している。
音が鳴らない
BGMはおろかSEもない。無音の中をひたすら走る。
初歩的な文法ミス
- 英語では車(car)の中にトラックは含まれないのに、車両選択画面で「SELECT CAR」と出てくる
- 勝った時の表記が「YOU'RE WINNER!」。
- 英語に慣れていないとつい見過ごしがちだが、正しくは「YOU'RE THE WINNER!」。日本語でこのニュアンスを表現するなら、「あんた勝者!」のような「明らかに何か抜けてる」感じになる、と例えればわかりやすいか。本国では本作を象徴する迷言としてひたすらネタにされている。
…などなど、挙げればキリがないほどに問題点が多い。
こんな出来なのにロードは長く、メモリもやたら食う。しかもゲームを止めてもしばらく止まらない。
ゲーム終了後に、なんか挙動がおかしいと思ったら裏でメモリとCPUを食っていたなんてこともザラ。
評価
このような出来のため様々なレビューサイトで余裕の最低点を叩き出し、あるサイトではレビュアーが呆れのあまりプレイ後建物の外に出て地面に大の字になって寝転がり、あるサイトでは「0点を付けるのも嫌だ」として採点を放棄する事態に。
一部では「最早ゲームとして成立していない以上、クソゲーと呼ぶべきではない」という評価まである始末。
一方、そのあまりに低い完成度からネタ方面での知名度は高く、RTA大会なんかが開催されたこともある。
元々の流通量も少なかったのか、現在では後述する定価の安さとは裏腹なプレミア価格で取引されており、おいそれと手に入る代物ではない。出来の悪さを思うとボッタクリなんてレベルじゃない
日本未発売だが、あまりの酷さから日本でもネット上ではかなり知られており、動画サイトには日本人による実況プレイ動画なんかが存在する。
気になった方は見てみるのもいいだろう。
修正パッチ
- BGMが鳴るようになる。
- SEが鳴るようになる。
- スコアが記録されるようになる。
- ライバルトラックが動くようになる。
- 「YOU'RE WINNER!」が「YOU WIN!」になる
……というほぼ無意味な内容。
ライバルが動くのでレースにはなったが、相手がゴール直前で動かなくなるなど意味不明な状況が頻発して結局意味なし。
パトカーに至ってはまだ出てこない。しかも有志がソフトを解析したところ、没になったと思われるスポーツカーのデータはあるのにパトカーはデータすらないことまで判明した。
ここまで来ると、開発途中のプログラムが何かの間違いで市場に出てしまったと言われた方が納得できる。
会社の発売意図?
こんな出来なので当然、会社にはクレームが殺到し、返金騒動にまで発展したそうな。
とはいえ最初から10~20ドル前後の低価格帯シリーズ作品の1つとして発売しているので、金銭的なダメージはそこまで重くはない(あくまで出た当時の話だが)。
だが、低価格なら苦情も少ないだろうという魂胆のもと、最初から騙す気満々で販売していると邪推した説もある。それが本当なら立派な詐欺罪だが、真偽は不明。
ちなみに、販売はアクティビジョンだが、開発元は「Stellar Stone」という会社である。
この会社、共同オーナーであり本ゲームのプロデューサーであるセルゲイ・ティトフ共々問題ありの会社で、2006年に解散している。
AVGN
また、あの
AVGNでも紹介されたことがある。
基本的にレトロゲームを紹介することの多いAVGNで、2003年発売の、しかもPCのこのゲームが紹介されることは異例である。どうやら多くのリクエストが届いていた模様。
品質管理の存在する21世紀のゲームということで甘く見ていたようだが、プレイするやあまりのひどさに怒りを通り越し呆れ果て、終始苦笑いでプレイ。
総括は「『ジーキル博士の逢魔ヶ刻(AVGNが嫌いだと公言して憚らないゲーム)』ほどのイライラ感は無いが、ゲームとして成立しているかという点でこれに劣るゲームは無い」。
更に、「このゲームをTVCMで宣伝するとしたらこういう風になる」を表現した自主製作のCMまでも制作した。
追記・修正はこのゲームを楽しめた方にお願いします。
- ゲームとして成り立ってないからクソゲーにもなれないただのクソ -- 名無しさん (2013-10-07 23:29:35)
- 名無しさん同感(笑) -- アルテック (2014-01-05 08:56:52)
- 見るだけなら笑えるが、実際にプレイすると苦痛になるのは予想がついた。 -- 名無しさん (2014-04-21 23:38:10)
- 商品未満だな -- 名無しさん (2014-07-13 02:10:43)
- レースゲームなのにレースじゃないとはいった…うごごごご… -- 名無しさん (2014-10-28 22:02:10)
- クソゲーじゃねぇ。だってゲームでないもん。つーかこれ商品なの?やらせたいことはわかるがなんでやれないの? -- 名無しさん (2015-04-03 19:20:38)
- もう何度も何度も惨劇を体験しているはずなのにこんな魔物が出て来ちゃうってとこがゲーム業界の不思議な所。 -- 名無しさん (2015-04-03 19:31:37)
- レースゲームと銘打ってるのにレースでもゲームでもないと -- 名無しさん (2016-01-27 21:11:24)
- 物理法則無視して軽快に山を登るトラックの図は見てるだけなら面白い -- 名無しさん (2016-09-17 00:50:06)
- どうあがいても、クソ -- 名無しさん (2018-03-16 20:18:34)
- バックで速度が累積され異常に上がる…ケツワープかよw -- 名無しさん (2018-03-16 23:53:16)
- もはや素人が作った無料同人レースゲームのほうがおもしろいという事実 -- 名無しさん (2018-09-01 17:14:25)
- 金取るの?これ。 -- 名無しさん (2018-09-05 21:43:01)
- 「ゲーム終了後に、なんか挙動がおかしいと思ったら裏でメモリとCPUを食っていたなんてこともザラ」 ←これ、そんじょそこらのウィルス並にタチ悪いじゃないか(呆)。 -- 名無しさん (2019-02-10 15:05:14)
- ビィィィィィッグマザファッキンリィィィィィッグス! -- 名無しさん (2019-03-03 20:55:01)
- RTAが競技として成立してるあたり、辛うじてゲームとして救済されたと言えるのだろう……か?CRAZYBUSはRTAもスコアアタックもチャリティイベントも行われる気配がないし -- 名無しさん (2019-03-03 22:14:47)
- 制作中のプログラムが何かの間違いで流通しちゃったんじゃないのこれ -- 名無しさん (2021-05-23 23:03:25)
最終更新:2024年12月04日 20:36