登録日:2011/06/17(金) 01:05:29
更新日:2025/03/14 Fri 13:30:26
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『電波少年的懸賞生活』は、かつて日テレで放送されていたバラエティー番組『電波少年』にて行われた
非人道的な企画。
人権無視も厭わない過激さが売りだった同番組を代表する企画の一つで、
ゲーム化もされた。
企画の内容
オーディションとして集められた場でくじ引きをさせられた参加者の中から、見事当たりを引いたお笑いタレント(当時。本業は後述)のなすびが、「人は懸賞だけで生きていけるか?」をテーマに挑戦。
コンセプトは
ヒッチハイクなど旅系統の企画に対する「内なる旅」。
1998年1月25日~1999年4月18日まで続いた第1弾の終了後、今度は
舞台をソウルに変えた『電波少年的懸賞生活 in Korea』も企画され、その時はソウルから
東京都までの飛行機代を稼ぐことを目標に再びなすびが懸賞生活に臨んだ。
ルール
- すっぽんぽんになり、アパートの一室にてラジオや雑誌を通して懸賞に応募、当選を待つ。
- 当選したら必ず儀式として「当選の舞」を披露する。
- 総額100万円達成したら終了。
本人が気付かないようテレビが届いても見れないなど隔離された生活を送り、しまいには24時間その生活をネット配信されたりして、プライバシーもへったくれもない。
大きなポイントとして、企画開始当初はなすび当人にテレビで放送することを黙っていた。
それどころか、プロデューサーT氏の指示でスタッフとの交流すら徹底的に途絶させ、追い詰めていた。
なお番組には流れなかったが最低限の食料として乾パンなどが支給されており、当座はそれでしのいでいたと『懸賞日記』などから読み取れる。
なんとしてでも当選したいがために本名の文字を一文字変えて応募したこともあった(応募先にバレるのを防ぐため、企画中は本名は公表していない)。
日本での懸賞生活で当てた品(一部)
記念すべき当選第1号。
念願の主食だが、炊く手段がなかったため、そのままかじったりお湯につけたりといった試行錯誤の果て、水と一緒にファイバーゼリーの容器に入れてガス台の
火のそばに置き、その熱で調理することで食せるようになった。
その後空き缶を鍋にすることでお粥が作れるようになり、食料として完成する。
アシカのぬいぐるみ。イントネーションは「びーなす」(なすびをズージャ語っぽく言った、と言えば伝わるだろうか)。
アンテナもケーブルも無いため映らなかった。
その後、別の役目で真価を発揮する。(後述)
食っちゃった。しかもおいしかったらしい。
これについていた網を使って、肉などを焼いて食べた。
これが当たる前は、ボールペンを箸代わりにして食事していた。
広末ファンだったなすびの心の支えに。
ライターの火に食料品の当選を願う。翌日に水茄子の漬物をゲット。
あまりの美味さに大切な儀式を忘れてしまう。
それからというもの、懸賞の神に見放されたか、全く役に立たない紙物ばかりが当たってしまう日々が続いた。
英会話教室の案内や
自動車学校のパンフレット、はたまた
映画の割引券。
「招待券ならまだしも割引券……」
流石のなすびも遂にブチギレ、運気を上げるために引っ越しを敢行する。
引っ越し後の当選第1号。
第2号。その後、毛ガニ2匹、野菜ジュース30缶と食料品が次々に当選。
「牛は牛でも牛の革……」
懸賞の応募も忘れ、3日間やりっぱなしだった。
結果「禁プレステ」と貼り紙をして封印。
ポテチの袋を皿代わりにし、ビバルディの「春」を流しながら優雅なディナー。
ブリ!ブリ!ブリ!ぷぅ~。
テレビ史上初、人間の脱糞シーンをお披露目…するはずが不発に。
ソウルでの懸賞生活で当てた品(一部)
お約束。
これで色んな物が焼けるよ!やったね!
「キムチを乗せて、キムチキビの完成」
「頭の中でヨーデルの調べが」
焼き網を面に「メ~ン、メ~ン!!」
勿論焼き網の上で美味しく焼き上げました。
キツネの襟巻。名前は「カルビ」の逆読み。
当選物だが、なすび自身も応募した記憶がなかった。
実はいつも全裸のなすびへの、番組司会の松本明子からのプレゼント。
首を傾げながら履いてみるも「ちくちくして痛い」ということで早々になすびは全裸に戻ってしまう。
その後
『電波少年』の企画の例に漏れず、現在の倫理的に見て非常にアウトな企画であり、『世界まる見え!テレビ特捜部』で外国人にこの企画のVTRを視聴させたところ「人道に反する」という批判が多く上がったほか、後述のドキュメンタリー映画が上映された際は観客からも「搾取だ」「訴訟ものでは」という意見が相次いだ。
なすび自身も「企画を放棄して近くの交番に逃げ込もう」と考えるほどに憔悴していたといい、企画終了後のインタビューでも、「また似たような企画があったらやってみたいか?」という質問に対し「もう金輪際やりたくありません!」ときっぱり答えている。
その反面、この企画をきっかけに懸賞付きクロスワード雑誌やピクロス雑誌が創刊され、懸賞ブームが社会現象となった。
後年の2009年に懸賞生活が復活した(小島よしおが挑戦)際には、実際に体験した当事者としてTプロデューサーから出演を打診されるも「あなたに会う気にはなれない」と拒否。その後もとある番組で件のプロデューサーと再会した際に大きく怯えるなど、心の傷の深さが痛いほどわかる一面をたびたび見せている。
また、元々喜劇俳優志望だったなすびは、この番組で根付いた自分のイメージと元々自分がやりたかった事とのギャップが悩みの種となってしまったらしく、そういう意味でも暗い影を落とす企画だったという。
なお現在のなすびは喜劇俳優として、舞台を中心に活動中。『
仮面ライダーW』での活躍を記憶している方も多いのでは?
さらに2016年には
エベレスト登頂を果たし、2020年のコロナ禍では自身のTwitterにこの番組の体験を絡めたツイートをしてそれぞれ話題となった。
2023年には
イギリスで自らの半生を題材にしたドキュメンタリー映画『ザ・コンテスタント』が制作され、トロント国際映画祭でプレミア公開、ワールドプレミア上映が2回ともソールドアウトするなど反響を得ている。
追記・修正の舞🍆
- これ滅茶苦茶好きやった~。 -- 名無しさん (2014-01-23 15:21:06)
- 今だと絶対に出来ないわなww -- 名無しさん (2014-02-15 15:18:09)
- テレビがつまらなくなったんじゃなく、周りがつまらなくしたんだよな… -- 名無しさん (2014-02-15 15:40:26)
- なすびも今はエベレスト登ったりで厚着が増えた -- 名無しさん (2018-08-11 13:23:01)
- 某水曜日番組で元号当てとかラッキーアイテムなど似た企画やってるね。 -- 名無しさん (2021-04-23 22:07:34)
- ソウルのときは頭もついた狐の毛皮のマフラー引き当ててびーかると名付けてびーなすの相方みたいな扱い方してた記憶が -- 名無しさん (2023-07-12 07:41:58)
- インタビューあるたびに本人としてはこの企画があったから今があるとかじゃなくトラウマになっているのが何とも…。 -- 名無しさん (2023-07-13 00:33:26)
- 娯楽がなかったんだからそりゃ3日間ぶっつづけでプレイステーションやっちゃうよね… -- 名無しさん (2023-09-20 19:55:21)
- 英会話教室の案内って「懸賞」なのだろうか?広義の応募者全員大サービスと考えれば懸賞なんだろうが -- 名無しさん (2025-02-07 18:25:18)
- ↑↑↑感謝してはないけど、じゃあ恨み言や告発したり訴訟する気もないという、ある意味生々しい感じよね。 -- 名無しさん (2025-02-07 18:29:20)
- 『428』で演じた、雑誌のスクラッチくじを巡ってひと悶着おこす場面でこの件が頭をよぎったりしたんだろうか -- 名無しさん (2025-02-07 18:48:43)
- ↑3 アンケートでなんかもらえる的なやつやったら当選はせず、代わりにパンフレットとか送られてきたって感じかな -- 名無しさん (2025-02-09 18:02:05)
- 笑って見てた自分も含めて当時は倫理観狂ってたと思う -- 名無しさん (2025-02-09 19:44:44)
- かかってきた電話に「はい、なすびです」って出て、後で自ら日記で突っ込んでたのには笑った -- 名無しさん (2025-03-12 22:28:36)
- なんでもありなYouTubeで似たことしてる人いそう -- 名無しさん (2025-03-13 00:30:07)
- はっきりいって当時も許されてた訳ではないからな。ただあの頃は今のようにSNSがあった訳でもなく、自宅にインターネット環境が普通にある時代でもなかったから流せてしまっただけ。 -- 名無しさん (2025-03-14 13:30:26)
最終更新:2025年03月14日 13:30