キムチ

登録日:2009/11/22 Sun 09:42:15
更新日:2025/09/09 Tue 07:16:44
所要時間:約 6 分で読めます





キムチとは主に朝鮮半島で食べられている漬け物である。



概要

野菜(白菜など)と唐辛子などを混ぜて作る。
キムチの酸味は乳酸に由来する。
そのため時間経過で発酵が進み、食べずに放置しておくとどんどん酸味が増す。
保存環境の温度の影響も大きく、夏と冬で発酵の進み具合にかなり差がある。
特に夏場はすぐに酸っぱくなる。

そのため、旨味と酸味のバランスがほどよくなる「食べごろ」がパッケージに書かれている商品も存在する。
酸っぱくなり過ぎたキムチは、ただでさえ強いクセがさらに強まり食べづらくなるが、旨味成分は増加している。
発酵がめちゃくちゃ進んだ状態のキムチを好む人もいる。
通常はそのまま食べるのではなくスープや炒め物、鍋の具材として使うと吉。

一方、スーパーなどで安く売られているキムチ風浅漬けや、いわゆる"キムチの素"で和えただけのものは、厳密には「キムチもどき」で一切発酵が進まない。
当然ながら味だけでなく栄養価も劣る。
両者はまったく別の品だと考えて差し支えないだろう。


主なキムチ

水キムチ(ムルキムチ)

冬の寒い時期に作る日本で言う「浅漬け」のようなもので、辛くないし赤くない。
元々はこれがキムチだったが、今では後述の唐辛子キムチが主流となった。
冷麺のスープとしても使う。

ちなみに、現在でも北朝鮮ではこちらがキムチとして認識されている。
唐辛子が取れないために唐辛子キムチを作ることが困難なのがその理由。

白キムチ(ペッキムチ)

糸唐辛子は入れるが、粉唐辛子を使わないので辛くない赤くないキムチ。

唐辛子キムチ

唐辛子や塩辛が使われ、独特の辛味と赤い色が特徴的なキムチ。
日本のみならず、国際的に『キムチ』としてまず連想されるのはこちらである。

一般的に酸っぱ辛い食べ物と認識されており、好みが分かれる。
上述の通り韓国では各家庭で作られており、味も家ごとに異なってくるらしい。
会社でキムチ作りのためのボーナスが支給されることもある。

白菜キムチ(ペチュキムチ)

主流。
シャキシャキとした歯ごたえが一番の特徴である。
キムチと聞くとこの白菜キムチを思い浮かべる人も多いだろう。

大根キムチ(カクテキ)

白菜と共にキムチの具材として使われることが多いが、どちらかといえばこちらの方がマイナー。
辛くはなく甘酸っぱい味。
冷麺の上に乗せる具としても使われる。

オイキムチ

美味しいキムチの略だからオイキムチではない。
キムチさんへの呼びかけでもない。
キムチをキュウリに挟んだもの。
白菜とは異なるポキッとした食感を好む人も多い。
これを韓国に買いに行く為だけにボーゾックは強奪した戦隊ロボを発進させた。

ポッサムキムチ

白菜の葉の一枚一枚に魚介類や野菜果物をぎっしりと詰めたもの。辛みは控え目で上品な味わい。
「キムチの王様」「宮廷キムチ」とも呼ばれるキムチで、実際王族や貴族も食べていた。現在も祝い事の席で食べられる。
「ポッサム」とは韓国語で「包む」という意味。

イカフェ

イカをキムチにしたもの。

チャンジャ

タラの胃をキムチにしたもの。
ファミリーマートなどで売っており、ご飯によくあう。
あと、クリームチーズとも相性抜群。


最近ではトマト長芋長ネギのキムチも登場した。


日本の主なキムチ

牛角キムチ

いわずとしれた牛角で使ってるキムチ。

叙々苑キムチ

おなじく叙々苑で使ってるキムチ。
高級店のためお値段は高め。

こく旨

酸味と辛さが強く味が濃い。

エバラおいしいキムチ

♪エ・バ・ラおいしいキムチ。

本格キムチ(中川食品)

ダウンタウンの浜田がオススメしている。
世田谷区のメーカー。
マイルドなキムチ。

ロッテキムチ

あの世界に誇る企業・ロッテのキムチ。
辛め。

CGC 韓国キムチ

スーパーで売ってるCGCブランドの韓国直輸入のキムチ。
自然発酵した塩辛類を使用してコク深い味に仕上がっており、酸味が控えめでバランスが良い。

好好(ハオハオ)キムチ

日中韓のコラボとでも言いたげなネーミングの和風キムチ。
米黒酢が隠し味として使用されており、手間と時間をかけて歯ごたえ良く白菜を塩漬けしている。

大魔王キムチ

国産のハバネロを使用した激辛キムチ。

ジョロキア鬼辛きむち

ハバネロよりも辛い唐辛子であるブート・ジョロキアを使用した超激辛キムチ。
ちなみに世界一辛い唐辛子はドラゴンズ・ブレス・チリであるが、今のところキムチには使われていない。


キムチを使った料理

豚キムチ

豚肉とキムチなどを炒めたもの。
仕上げにチーズをのせて蒸し焼きにしても美味しい。

キムチチャーハン

ご飯とキムチを炒めたもの。他の具材には豚肉、(炒り卵を混ぜる、もしくは目玉焼きを乗せる)、ネギなど。

キムチ鍋

冬の定番料理。
用に味を調節したキムチ鍋の素なども売られている。
〆のキムチチャーハンやキムチ雑炊もお楽しみ。

キムチチヂミ

小麦粉、水、卵にキムチを混ぜて薄く焼いたもの。他の具材にはニラ、イカ、チーズなど。

サムギョプサル

豚バラ肉とキムチを焼いてタレと一緒にサンチュで巻いて食べる韓国料理。

ポッサム

茹でてスライスした豚バラ肉をキムチと共にサンチュで巻いて食べる韓国料理。名前の由来が同じだけでポッサムキムチと一緒に食べるわけではない。
茹でて脂を落としているのでサムギョプサルよりヘルシー。

キムチ豆腐

冷奴の上にキムチを乗せたもの。お好みで納豆やちぎった韓国海苔をのせても。
韓国では茹でた豆腐に炒めたキムチ(キムチ単体でも具材と混ぜても可)を添える。マッコリの定番お供。

サバのキムチ煮

済州島の郷土料理。日本が味噌煮なら韓国はキムチ煮である。
サバをキムチで煮たもの。酸っぱくなったキムチを使うのがコツ。

キムチうどん

キムチ味のスープで頂く温うどん、キムチ煮込みうどん、釜揚げうどん、冷やしうどん、焼きうどん、餡掛けうどんなどお好みで。

キムチ和え

キムチをお好みの具材と和えたもの。
もう一品欲しい時にサッとできる。


余談

ちなみに、日本で販売されているキムチと韓国のキムチは「作り方」「」「辛さ」が異なり、見ただけで割と違いがわかる。
日本のものは赤というよりはオレンジだが、韓国のものは鮮やかな赤色である。

材料の唐辛子に関しても日本と大陸のものでは辛さが違い(一般に日本で栽培された唐辛子は同じ量でも辛さが強いとされる)、海外のレシピをそのまま作ったりするとえらい目に遭う。

味も異なり、日本のキムチは日本人の舌に合うように、魚介だしや昆布だしを更に効かせて辛さを抑えてマイルドにしたものが多い。
それ故に日本のキムチを「甘い」と敬遠する韓国人も多いが、特に若い世代の韓国人には「あまり辛くない日本のキムチの方が好き」という人もちらほら。

日本人は韓国人の言うところの『甘い』キムチに慣れているため、韓国人が経営する焼肉店などで韓国の製法によるキムチを食べ、その辛さに驚く人が多いらしい。
日本のものしか食べたことがない人は、そういう店で頼む場合は心の準備はしておこう。

定番の白菜以外にも様々なバリエーションがあり、本場韓国では各家庭によって味付けまで異なるという。

独特の臭いがあり、この臭いが嫌で食べないという人も特に韓国以外の国の人には多い。
『朝鮮の物は食べない』というような嗜好で食べない人もいるが、それは個人の好みなので気にしない方がいい。





知ってるバリエーションや調理法があれば追記・修正宜しくです。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年09月09日 07:16