デス(ロマサガ)

登録日:2011/07/04 Mon 01:58:07
更新日:2024/12/28 Sat 15:19:30
所要時間:約 10 分で読めます





只では譲れんぞ!!貴様の仲間の命を貰おう!!



はい、どうぞ!!



デスとはスクウェアのRPG『ロマンシング サ・ガ』及びそのリメイク『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』に登場するマルディアスの神々の内の一柱である。




◆概要

神話の時代、マルディアスの神々に戦いを挑んだ女神サイヴァは自らが生んだエロールに滅ぼされ、その肉体は四散した。
サイヴァの遺体の骨からデス、心臓からサルーイン、髪からシェラハという三体の邪神こと三柱神が生まれる。
デスはこの三柱神の長兄にあたる。


◆来歴

三柱神はかつてのサイヴァのように善なる神々に戦いを挑んだ。
母から死を司る特性を受け継いだデスは死者を解き放ち地上を覆うが、エリスとアムトの光の力によって追い払われ降伏、冥府に追い落とされた。
一方シェラハも紆余曲折を経て表舞台から消され*1、弟サルーインも人間の勇者ミルザに討たれる。

これが一般に伝わっている伝説なのだが、実際はデスはあっさりと諦めたらしい。
冥府に閉じ込められた後は魂の循環の管理を行っている。

設定から邪神のイメージが強いデスだが、なんと冥府で勤勉実直な責任感溢れる王としての誇りを持って職務を生き甲斐とした生活を送っている
特に初出であるSFC版ロマサガ1では、持ち掛けてくる取引の内容などから邪悪な印象を抱くプレイヤーも多かったが、プレイヤーが挑まなければ戦闘にはならないし、取引は忠実に守るし、拒否してもペナルティはない等、その片鱗は窺える。
続作やリメイクを経るとより設定が進み、より明確に良識と理解のある善神として扱われるようになっており、死者であるならば、かつて争ったエロールにも口出しさせない、分隔て無く慈悲深く心優しい一面さえも持つ。
死の神であるが故に平等で、破壊と殺戮を望んでいるわけではないということか。

ただし良識ある善神と言っても希代の悪人相手にも普通に取引に応じたり、
魂を取引の対価にしたり、拒否すると何もしないものの応じると物品の対価として魂を持っていく有言実行っぷりである。
そもそも悪行値が溜まりすぎて神々も巨人からも協力を望めない状況で、詩人がデスなら大丈夫かもと情報提供することから*2
デスもまた、人間とは価値観が異なることを忘れてはいけないだろう。

このような性格から、神々の戦争でもあっさりと戦いから身を引いたというのが真相のようで、邪神として弟サルーインに与したものの無益な戦いは好んでいないらしい。
元は敵ながら非の打ちようがない仕事ぶりや立ち居振る舞いから、エロールからも死を司る重要な神と讃えられているほど。

人間関係……もとい神々関係としては、善神であるエロールもまたサイヴァの小指から生まれた存在であり、いわば兄弟神にあたる。
弟サルーインに対しては『例え兄弟であろうとも死者の魂を冒涜する事は二柱神*3として絶対に許す事は出来ない』と言う厳しい一面を持つ。
一方、妹シェラハに対してだけは過保護気味で、エロールが彼女に施した封印は受け入れつつも何かあれば即職権乱用して妹を助ける程度には愛している。


◆容姿

SFC版では東方正教会の司祭のような服装をした骸骨。大鎌ではなく、先端が渦を巻いたアカザの杖を携える。
ミンサガでは骸骨の上半身と馬の様な下半身を持つ、巨大なケンタウロスのような姿をしている。
もっとも、この形態はいわば本気の戦闘形態と呼ぶべきものであって通常時は神官然とした姿を崩す事は滅多にない。


◆冥府におけるデス

ガラハドを殺すなどで三邪神の信仰心を高くした場合、最終ルートの1つとして冥府が解禁。その奥底でプレイヤーを待っている。
仲間の命を捧げることを条件に強力な装備を与えてくれる他、仲間1人のLPを条件にロスト(戦闘でLP0になったり、アイスソードイベントで死亡したガラハド等)した仲間を甦らせてくれる。
仲間の命を捧げる際の主人公の「はい、どうぞ!!」などというシュールな言い回しは物凄く有名。
仲間の命を何だと思ってるんだ……。まあサガシリーズらしいけど。

ちなみにこの生け贄は何人でも捧げられて、バグ利用して連れ歩いた赤魔導士(サルーインの手下)も平然と捧げられる。
貰えるのは生け贄1人につき死の剣と死の鎧のセット1つ。
ミンサガではナイトハルト殿下を捧げても何事もなかったかのように復活するバグがあり、殿下のネタ性を高めている。
ただし貰える武具はケチになり、1人につき、どちらか片方になった。

ミンサガでは冥府の王としての威厳や仕事ぶりを伝えるイベントや設定が増えており、ミンサガからのオリジナルキャラクターであるダーク(アルドラ)の物語に於ける発端にして、その結末をもたらす存在である。

ミンサガにおいては、かつてサルーインが力をつけるために魂を食らう魔物・ソウルドレインを生み出した際には激怒し、自ら人間たちにソウルドレインの封印方法を伝授して封印させたという逸話もある。
アルベルトたちの時代にソウルドレインは復活するが、封印するための方法を教えてくれるのはデスの神官。その見た目はSFC版のデスを基にしている(デス本人説もあったが、アルティマニアで否定されている)。
このため、リガウ島ではデスが信仰されているほか、上記のソウルドレイン封印方法を伝授されたウソではデスに対する感謝のための踊りが催されるようになりいつのまにか収穫祭に変遷している*4等、サルーインとは違い市井の人々にも信仰される要素がある神となっている。


◆死の武具

仲間を犠牲に得られる武具の性能だが、死の鎧は圧倒的な防御力でなんと42
次点のガーラルアーマーの防御力は22なので、ダブルスコアに近い。
というか、普通の店で売っている最強の防具をセットで装備しても越えられない数値である。
どこぞの宵闇のローブのような数値詐欺ではないので紛れもない最強防具。
ただし回避に大幅なマイナスが付くデメリットもある。

ロマサガの死の剣はまあ……観賞用。
確かに通常攻撃の威力は高いが、使い込んで武器レベルを上げて覚られる技が一つしかなく、しかも弱い。
おまけに属性が属性なので、ラスボスのサルーインには通常攻撃・特殊技ともにダメージが通らない。
死の鎧の抱き合わせだと言われたら納得できそうだが……

ミンサガでは威力42の最高威力の大剣。禍々しい見た目で格好良い。
他の最強レベルの武器同様にLP消費型で、技も全武器共通になったので使い勝手は増した。

……一方で、装備すれば体力-50 愛-50 状態異常防御-100……の能力値修正がある。

それでも貴方は仲間の命を捧げますか?

生贄をささげる、もしくは仲間を復活させた場合、バルハラントの氷の城に強い武器(正体は邪のデステニィストーンオブシダンソード)があると教えてくれる。
また最終ルートに冥府が選ばれた場合、サルーインの居場所も教えてくれる。別に弟が嫌いというわけではないようだが……。


◆てめえゆるさん!戦う

プレイヤーが望めばデスと闘うこともできる。
しかし、SFCロマサガ1では普通に最大HPを超えるダメージの攻撃を繰り出してくるため、かなり強い。
攻撃は死の剣やデスハンド、アニメートなど。
死の剣は通常攻撃扱いだが、超ダメージ。剣で攻撃するがグラフィックで持っているのは杖。仕込み杖なのだろうか。
デスハンドも単体攻撃で、スタンも付加するが超ダメージのインパクトが勝る。
アニメートは戦闘から離脱した仲間を操る攻撃。彼以外に使えるのはワイルとサルーインしかいない。

ミンサガでは生命の刈り取り、開門などを使用。攻撃自体も激しいが、とにかくLPを削ってくるのでLPの低いシルバーなどは対策必須。
妹もそうだが明らかに弟(※デスティニーストーンを捧げていない状態)よりも強いので、挑むには相当な準備が必要。

SFCでは倒すと死の剣と死の鎧が手に入り、デスも一旦マップから消えるがマップを切り替えると復活する。
曲がりなりにも死の神なので、人間が滅ぼしきれるような存在ではないらしい。
これを利用して死の剣と鎧を人数分確保することも可能。
因みに死神と云うキャラクターの癖に弟(腕力自体は弱いが)を凌いで腕力最強である。
ちなみに没データには彼とシェラハらしきキャラの味方データが存在する。

ミンサガでは倒しても特に特典はない。やりこみ要素の一つ程度と思うべきだろう。
リマスターではさらに強化された通称「真デス」と戦えるようになり、倒すと強力な武器が手に入る。


◆その他の活躍

ミンサガではミニオンにサルーインへの協力を要請されるが一度は拒否(理由は弟の勝手な戦いに巻き込まれたくないため)。しかし「冥府の王が弟への義を欠かすのか?」と仮にも現主神の一柱にして二柱神のデスを軽んじたばかりかタメ口で煽られたのもあり、協力することを承知。
ある罪から煉獄に1000年間とらえられた強力な魂を放つことを約束した。

しかしその魂とは、かつてのミルザの従者にして、死後も彼への想いを捨てきれず輪廻転生の理を乱す存在として裁かれていた女魔導師アルドラ。
なぜ彼女の魂を解放したかというと無論、嫌がらせのため。デスなりの彼女への優しさも含んでいた。
(アルティマニアによるとミニオンの失礼な態度が気に食わず、一応は弟に協力してやった体でこのような意趣返しをしたとのこと)

またアルドラの魂が宿ったのはアサシンギルドの最終試練で仮死状態だったダークの体であり、結果ミニオンが用意した世界を混乱させる為の計画の一つを潰している。
プレイヤーの育て方によってアルドラかダークどちらの記憶が蘇るかは委ねられるが、アルドラの記憶が完全に戻った場合EDで追加シーンが見られる。

ちなみにダークは男性だが、アルドラは女性である。しかしアルドラは出自から言葉遣いが悪いオレっ娘なのでどちらの記憶が蘇っているのかわからなくなっている。


ロマンシング サ・ガ3

小林智美氏の絵コンテではエロールと共に宿命の子と生誕と成長を見守る役目を負う。
世界が変わり神格もエロールと共にさらに上がったようで衣装も一新、4本の角と黒い翼も生やすようになる。
なおエロールも衣装を一新していると共に光の翼も生やしている。ラストバトルにおける光の翼はエロールの仕業のようだ。


エンペラーズ サガ

悪落ちした最終皇帝男に倒されて力を吸収される。


インペリアル サガ

複数ライターの作品であり、最初は本作世界の邪神ヴァダガラから力を授かってこの世界の人類を滅ぼしてやるー!という原作ファンにとって衝撃的な姿で登場する。
その後ヴァダガラの瘴気で狂わされていたと説明される。後発ライターの涙ぐましいフォロー
エロールに自分の神の力を払うからアルドラを解放してくれないかと頼まれて肉体を付けて復活させる気前の良さを見せたり、ヴァダガラ戦にボス戦曲を流して駆けつけてくるなど後発シナリオではカッコいい描写たっぷり。


インペリアル サガ エクリプス

主人公が創造神の力を借りて創り出した本作世界にて、冥府が無かったので創っておいたと超越者の先輩としてフォローしてくれる。
また世界を守るために1000年ほど封印の人柱になっていた人々が死亡した際に、先例を鑑みて罪のない者に過剰な刑罰が与えられたとして蘇生させる温情判定を下す。相変わらず優しい。
しかしそれは自分の神の力を削ってまでの行為で、そこまでしたのは人間シェリルに姿を変えたシェラハが生きるこの世界を守るためでもあった。厳格さと優しさとシスコンが同居している。


LORD of VERMILION

不死のコスト80として登場。
覚醒すると防御力が上がる「死の盾」、超覚醒をすると攻撃力が上がる「死の剣」が追加され、破格のスペックとなる。
だがアビリティ発動にはやはり生贄が必要であり、最低コストかつデスの一番近くにいる味方ユニットが1体犠牲となる。
とはいえ単なる死滅扱いなので時間が経てば復活させることは出来るし、最低コストなので気をつければ戦術に大きな影響はないだろう。
だが戦場にいる最低コストが自分の場合デス本人が死滅する
一見ネタのようだがこれをやらかした場合は勝利どころではないので、デスを使う際は慎重なプレイが求められた。



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最終更新:2024年12月28日 15:19

*1 真相はエロールと取引によって記憶を封印したらしい。

*2 いわゆる三地点制覇では発言がころころ変わるが、ゲームシステム上の都合なので仕方ない

*3 エロールと自分

*4 まぁ、デスが植物も含めた生き物も正しく転生させることで農作物を管理しておりソウルドレインはそれを乱す存在として封じたと解釈するならそう的外れではないかもしれない