ローカルルール

登録日:2011/02/23(水) 20:46:11
更新日:2024/08/13 Tue 14:12:51
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「ローカルルール」には大きく2種類ある。

まず、地方独自の「条例」や習慣、しきたりのようなもの。
次に、ゲームなどで用いる独自のルール。

前者においては法律や通常のモラルをブッちぎったようなものもあり、
問題になることも多い。

有名な例としては山梨県独自の交通における暗黙のルールなどがある。
山梨の一部では、「右折する車が優先される」という暗黙のルールがあり、
これが事故を産む、と問題になっている。
(山梨では右折専用のレーンが少ないという噂が原因になっている)

このように、法律で認められていない行為まで「暗黙」の名のもとに慣例化されているケースも少なくない。

法治国家である日本では優先されるべきはやはり「法」であり、「暗黙」ではないのだ。




●ゲームなどにおけるローカルルール

そのほとんどが公式で用いない、地方や団体、仲間内同士で決めたルールをローカルルールと言う。

生まれるきっかけも様々であるが、たいていの場合が「より面白くするための工夫」か「公平化」を図るために作られる。

麻雀や、トランプゲームの「大富豪」、UNO、缶蹴り、ジャンケンなどにとりわけ多くみられ、
まだ情報源の少なかった時代には、
ローカルルールしか知らずに他地方に渡り、実際のルールを知り驚くと言うケースもよく見られた。

複数の地域で見られるローカルルールもあるが、
仲間内単位、特にこども達の間で用いられるローカルルールには、
いじめに繋がる、またはそのルールそのものがいじめであるケースも多く、問題になっている。

こども独自のローカルルールはたいて言い出した者が有利に仕上がっていることが多い。


※あくまでローカルルールであるために見識に差がある場合があります


大富豪でよく見られるローカルルール

おそらくローカルルールと聞いて大半の人が思い浮かべるであろうカードゲーム。
驚くべき事に
あなたが目にするルールのほとんどがローカルルールである。

詳しくは個別項目にて。


◇缶蹴りでよく見られるローカルルール

  • 掛け声
鬼が缶を踏む際に特定の掛け声が必要な場合がある。
通常は「○○見っけ!」くらいだが、その後に「ポコペン」「123(複数回踏む)」等。
数年前にブームが再燃(昭和ブーム)した際はなぜか掛け声が「ペコポン」に微妙な変化を起こしていた。

  • 使用する缶
通常はジュースなどのスチール缶を使用するが、
場合によってはポリ容器や一斗缶を用いる。
なお、一斗缶は蹴ると非常にやかましい。


◇その他、奇天烈なローカルルール(追記推奨)

どんな些細なじゃんけんであっても(例えばおやつの残り1コのとりあい等)、負けた方がグーパンチを食らうと言う理不尽極まりないルール。
おそらく「あっち向いてホイ」感覚。
「しっぺ」「でこピン」等も。

  • みそっかすルール
ドッジボールなど敗退=退場の要素を含むゲームによく見られるルール。
例えばドッジボールなら弾をヒットされても退場扱いにならない。
一番弱い者に適用される救済ルールに見えるが、
正確に言えば「無敵になれる」と言うより弱すぎて無害であるから「みそっかすを許される」のである。
ゲームに参加しているようで、実質いない扱いと同義となる。
その反面「ルールを理解できない可能性があるほど年齢の低い子、例えば正規ルールで遊ぶメンバーの弟・妹を曲がりなりにも参加できるようにしたものではないか」「現代で言う知的障害や重度発達障害の子への対応として発生したものではないか」と考察されることもあり、こちらならばむしろ子供なりに全員が楽しめるように作られたものということになる。


  • 麻雀『写し満貫』『鏡満貫』
流局の際、捨て牌が最初から最後まで親とまったく同じだったらマンガン扱いと言う奇天烈なルール。
そんなバカな…と言いたいが、ネット麻雀・麻雀ソフトで有無が選べたりすることがあるなど、ローカル役としては比較的広まっている部類。

  • 鬼ごっこ、缶蹴り『帰る』
ルールと言うより、よくあるいじめ。
対象者が鬼のとき、探している間に皆で帰る
ちなみに『世にも奇妙な物語』には、缶蹴り中に置いて行かれ亡くなった子供が怨霊となり数年後に復讐する話がある。

トラベリングとはボールを持って3歩を超えた歩くこと。
この制限を無くしたルール。
体育の時間に「みそっかす」的な扱いの者に与えられたりする。
ボールの保持歩行が完全に解禁されると半ばラグビー式になりかねないので、「少しは見逃すけれど歩きすぎたら笛を吹く」などの匙加減が採用されやすい。
バスケ自体、瞬間の行動を厳密にレフェリングするのが部活動・ストバスを多少経験した程度では難しい競技なので、
児童/生徒や、そんなに詳しくない教師が務める審判側のハードルを下げる配慮を兼ねたケースも少なくない。

  • 野球拳『脱ぐ』
そもそも本来の野球拳は脱いだりしないもの。
酒の席などで野球拳と称して脱ぐことを強制するのは違法である。同性であっても。

  • 挟み将棋『角』
挟み将棋なのにまさかの角が登場。
ハンデとしてはいいかも知れないが、強力すぎる気も。

  • 高級料亭、芸妓『一見さんお断り』
いわゆる紹介制。トラブル…というかクレーマー気質の客回避とする説もあるがこれも不詳で、ミシュランガイド京都版初版のようにこのシステム自体が揉め事の発端となってしまったケースも存在する。
♪いつの日かいつの日か…

  • TCG『みなし裁定・独自裁定』
かつての遊戯王OCGのように「裁定そのものがわかりにくい・公式の裁定をほぼ確認できない」場合、子供たちのコミュニティ、果ては対戦スペースがあるカードショップの内で事実上「わからないので便宜上こう裁定する」が決まっているケースはある。先行第1ターンにドローを認めるかどうかもある意味これか*1
《ポールポジション》のように、事実上こういったみなし裁定での扱いで実用性がゼロになりうる*2デッキが考案されたケースも存在する。

  • エロ関係(成年誌、エロゲ・エロアニメなど)
「~したら脱ぐ」など明らかなものが多い。部活物だと凌辱色が強くなる。

  • 地域伝統の祭事、地域活動
地域によっては祭やイベントごとに強制参加を強いる場合がある。
地域ごとにそれぞれ特有のルールがあることは珍しくないが、人間にはそれぞれの生活があり、
祭やイベントは勿論、地域の清掃や会合に至るまで「所属」や「参加」を強制することはできないのが基本。
しかし田舎には「この町に住んでいるからには参加して当然」と言う意識が根付いていることがあり、それが「強制参加」にまでなることがあるのだ。
それを断るなどすると、最悪の場合「村八分」状態にまで追い込まれることも珍しくない。
一部の「地域活動」については条例などで義務付けられている場合があるが、だいたいの場合は「出来うる限り」が原則である。

ルールどころかゲームの呼称すらローカルな例。
項目参照。


◇番外:公式⇔ローカル?(追記推奨)

  • 黒ひげ危機一発『飛ばした者が勝ち/負け』
タカラトミーの長寿シリーズ玩具。
1975年の発売当時は「飛ばした者が勝ち」と商品に明記されていた。(これにもトミー開発部内での紆余曲折が伝わっている。)
「敵に捕まってしまった仲間を助けるゲーム」というコンセプトを謳っていたためである。
ところがTV番組等で採用された際、「飛ばした者に罰則」というローカルルールで運用され、そのイメージが巷で定着してしまった。
この事態に公式側も「勝敗は自由に決めてほしい」という姿勢に変わったが、世の大勢は「飛ばした者が負け」に偏っていき、90年代にはそちらを公式化するに至った。
ゲーム(スポーツ)のルールも商品の一部であり、市井・市場により変化するものとして捉えられる事例と言える。



追記・修正のローカルルール:追記修正は全裸で行わなければならない

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最終更新:2024年08月13日 14:12

*1 現在の遊戯王OCG公式ルールやデュエル・マスターズ公式ルールでは不可だが、こういった内輪デュエルだと「ドローフェイズおよびドローを行う」としているケースがある

*2 ただしこれに関しては当時の事務局も明確な「どっちが正しい」という裁定を出していなかった事情はある。都市伝説だが「同じ大会の別デュエルで裁定が食い違ってしまい、ジャッジ同士が会議を始めたことで中断してしまった」という笑い話まで…。