魔剣(SUMMON NIGHT3)

登録日:2012/10/15(月) 14:08:41
更新日:2022/05/20 Fri 07:29:11
所要時間:約 6 分で読めます




魔剣とはSUMMON NIGHT3に登場する主人公がつかみ取った『碧の賢帝(シャルトス)』と、序盤に行方不明になった『紅の暴君(キルスレス)』の事を指す。

【ゲーム的性能/特性について】

主人公が剣を入手以降に『抜剣覚醒』という特殊スキルを使えるようになる。
発動条件はスキル欄選択か、HP0になった時の自動発動。
発動時にHP/MPが全快するので、瀕死の時のリカバリーとしても使う事が出来る。

キャラ性能も大幅上昇。
武器性能とレベルに依存したHP・MP・LUCを除く全能力に補正がかかり、パラメータ的な意味で劇的な変化を起こす。
そしてスキルに「状態異常・憑依召喚無効」が付く為、敵陣に特攻しても問題なくなる。(ただし強化憑依も無効なので注意。)

暴走召喚が使用可能になり、サモナイト石に負担を掛ける事で、普段よりも破壊力の増した召喚術を放てるが、反動でサモナイト石が壊れる事も。
PSP版では専用スキルが「覚醒剣・賢帝解放」に変化。演出と攻撃力が強化される。

ただし『抜剣覚醒』はカルマ値を上昇させるので、乱発厳禁。特にHP0からの自動発動は大幅に上昇するので注意。






※以下ネタバレが含まれます。
SUMMON NIGHT3を攻略中
または、プレイしたいと思っている方はブラウザバック推奨。



【魔剣誕生の経緯】

この魔剣は、過去ある組織が、伝説のエルゴの王が使っていたとされる「至源の剣」を模して作り上げた“封印の剣”である。
とある実験場の島で起きた反乱の際、反乱の中心人物の精神と彼が振るった島の装置の力を封印するために用いられた。

その人物は島で実験していた世界の存在全てに繋がる魔力の流れ「共界線(クリプス)」を操る「核識」の唯一の適格者だった為、
その力を封じた剣は強大な魔力を有し、さらに「共界線」からも自在に魔力を引き出せるため、この魔剣を持つ者はまさに比類なき力を振るうことが出来る。

しかし一方で、「核識」であった反乱者の精神も力と共に封じられたことで、未だ魔剣の中に在る彼の意思と同調できる意思の強さと魂の輝き、精神の波長を持つ「適格者」でなければ、
この魔剣の力を真に引き出す『抜剣覚醒』を行うことは出来なくなった(召喚術の触媒等として、その力の全てではなく一端を用いることは「適格者」以外にも可能)。
さらに、かつての「核識」であった人物の精神は島の施設(遺跡)と魔剣に分断されたことで、憎しみや狂気が強調された精神が主導権を握っており、
復活して世界に復讐するべく、遺跡の力を用いて「共界線」から魔力を引き出す都合上、力を使う度に遺跡の封印を弱める『抜剣覚醒』を使うように度々所有者(適格者)を唆すと共に、
「核識」がおらず、本来の力を発揮できない遺跡を完全復活させようと、所有者(適格者)の精神を乗っ取り、新たな「核識」としようとしている。
+ 共界線と核識について詳しい説明。かなり長くなるので折り畳み
共界線は、世界のありとあらゆるものに繋がっている情報ラインである。
それこそ人や召喚獣のみならず、もの言わぬ草木や路傍の石ころでも共界線とは結ばれている。
そして、そのモノが今どのような状態にあるか、どのような想いを抱いているか、どのような経歴を経てきたか……
そういった情報が魔力と共に共界線を辿って集合的無意識に横たわる「界の意志(エルゴ)」に到達するのである。

このため、共界線を自在に操ることによって「世界そのものを自在に操る」ことが理論上可能なのである。
この概念をして作中用語では「核識」と呼んでいるが我々の概念で言えば「神」といった方がニュアンス的にはわかりやすいかもしれない。
「U:X」で登場したある召喚師はこの技術と理論を「世界の意志に成り代わる技」と定義している。

ゲーム中では共界線から魔力を引き出すことをメインとしているようであるが
シナリオ中では核識として振舞うための補助施設である遺跡との連動で天変地異や大規模送還などを起こしている。

【魔剣の紹介】

◆「碧の賢帝(シャルトス)
主人公が海に投げ出された生徒を救う為につかみ取った剣。
色は光り輝く緑色で、天使の羽のような装飾がついている両刃剣。
主人公が力を欲して剣を出現させる(抜剣する)と、髪の毛が白髪になり、肌の色は碧みがかった白に変色。
剣を持つ右手はほとんど剣と同化しており、バトルユニットは腕から刃が伸びる異質な姿に変化する。
背中にはトゲトゲの飾りを背負っていて、なかなかかっこいい。

レックスの場合はマントが物理法則もあったもんじゃねえなと言わんばかりにうねり、アティの場合は何故か髪の毛が獣耳みたいになる。
これにより、アティ先生の属性が更に増え、ファンが急増した。ケモナーまで仲間にするなんて、恐ろしい子!

なお、剣の精神と意識がシンクロすると剣を持つ腕に翠のラインが走り、更に強力な魔力を放てるようになるが、
反動で倒れ込むほどの負担がかかるため、劇中では主人公が激昂した時以外はこの状態になることはない。
封印された「核識」にとっても仇敵である無色の派閥との戦いでは、魔剣の“声”が主人公の声と重なるほどシンクロしたこともある。

◆「紅の暴君(キルスレス)
『無色の派閥』の同志イスラ・レヴィノスが所有するもう一振りの封印の剣。
初登場は13話の戦闘中。イスラのHPが0になった時に「抜剣覚醒」が発動し、戦闘が続行する。
この時、PS2版だとスキル欄に抜剣覚醒の文字があるミスがある。

赤色を基調とした両刃剣であり、碧の賢帝に比べたら装飾は少ない。が、その剣を握った瞬間、イスラの外見が白髪化し髪の毛が翼の様に横に広がり、肌は白く、瞳は真っ赤に染まる。
更に背面と腕周りに五徳のようなトゲトゲわっかが付き、かなり凶悪な印象に。
右腕は主人公達と同じく、剣と同化。首回りと腰につけていたわっかが浮かび上がり、背部に浮いている。

ユニット的な変化は必殺技が「覚醒剣・暴君蹂躙」に変化する事。背中のわっかをビットの様に飛ばす。
更に暴走召喚と状態異常・憑依無効を持つ上、深紅の鼓動により毎ターンHPとMPを回復するので、ボスとしての性能はかなり高い。
暴走召喚でパラ・ダリオを撃たれたら、瀕死な上に状態異常になることも…。

◆「果てしなき蒼(ウィスタリアス)
砕け散った碧の賢帝の破片を魔剣鍛冶師ウィゼルが復元した主人公の新しい剣。登場は15話。
外見は碧の賢帝と同じだが、色合いが透明な緑色から青色に変化。それに合わせ、主人公の目の色も青色に変わっている。
「抜剣覚醒」が「抜剣覚醒・改」に変化し、スキルに関しては特に変更はないが、カルマ値の増加が無くなった事で遠慮なく発動が出来る。
この理由は、遺跡の力ではなく、主人公の意志の力によって振るわれる剣だかららしい。精神的にも安心。

PSP版のみ、必殺技に「覚醒剣・蒼穹無限」が追加。基本は賢帝解放と同じだが、最後のビームの出力がけた違い。
また、傀儡召喚でプレイ中の主人公と違う性別の主人公を召喚した場合、最初から「抜剣覚醒・改」を持っている。

◆「不滅の炎(フォイアルディア)
3の番外編にて大人になった生徒が所有する魔剣。一説では砕けた紅の暴君の欠片を使って作られた剣とも言われている。
しかし柄や刃の形はまんま紅の暴君だが、模様の意匠が少し異なる。
剣の色は紅の暴君が真紅だったのに対し、これは橙色。

髪の毛の色が白。瞳は明るい赤色というのが共通。他の魔剣と違い、肌の色合いはそのままである。理由に関しては不明。

◆ナップ:レックスに似た着衣が彼の覚醒時と同じように変化。短髪のまま。前髪が一部分伸びる。
◆ウィル:前髪が一部分伸び、マフラーがレックスと同じようにバサバサになる。
◆アリーゼ:前髪が(略)アティの様な獣耳髪の毛化。
◆ベルフラウ:アティと似た着衣が彼女の覚醒時同様に変化し、髪が猫耳っぽくなるのも同じ。前髪は略。…ただし、胸はあまり成長していないのでアティとの差が際立つ羽目に*1

戦闘で発動されることもなく、立ち絵変化のみ。PSPでのユニット化も期待されたが実装されなかった。
後にサモンナイト3の小説「受け継がれし炎」にて紅の暴君を生徒が継承し生まれ変わったことが確定した。

◆「翠遠の息吹(ヴェルディグリオン)
元々はサモンナイト5において名前が出ただけの剣。
小説サモンナイトU:X4巻「理想郷の殉難者たち」において
忘れられた島に攻めてきた敵と戦うためイスラが、サモンナイト3の小説「受け継がれし炎」で
登場した魔剣「紫紺の蛇刀(バルバーリア)」を手にしたことで誕生した剣。
色は翠色。特徴としては味方を癒す風を発生させたり蔦で相手を拘束したりと補助系の能力を持つ。

◆「揺るぎなき曙光(ブランリュゼール)
サモンナイト5において登場した剣。大校長が使用した。
小説「U:X」最終巻ではこの剣の誕生した場面が描かれている。
上記の果てしなき蒼、不滅の炎、翠遠の息吹を真剣覚醒させることによって登場した。
形状は柄の部分が3つの剣が合体したようになっている。
大量の冥土を一気に消滅させるほどの強力なバリアを作り出す、世界の意志と文字通り切った張ったをするなど
世界の理から逸脱した力を持つ。


【番外】
◆「サモナイトソード
『3』の20年後の話である『1』にて、ウィゼルから受け取ることが出来る剣。彼曰く「最高傑作」。
普段は無色透明の刀身だが、力を解放することで
男主人公なら「剣」で女主人公だと「短剣」なのだが、なぜか短剣の方がATが高い。

本編でも最高性能を持つ剣であるが関係性は不明。ただ明言はされていないが、
  • ウィゼルが「果てしなき蒼」を鍛冶する際に構造を知る事が出来た事
  • 高純度サモナイト鉱石製
  • 魔剣を欲したオルドレイクの依頼で作り上げた物
等といった理由から、ウィゼルが『3』の魔剣の構造も参考に、自力で作り上げた魔剣の一種なのだろう。
小説「U:X」ではこの件に関しては明言され、ウィゼルの最期の作品である。

設定面では、共界線核識うんぬんの能力ではなく「サモナイト石を媒介に意志を力として発現させる」能力をベースとしている。
テーマ的な話になるが「世界に対して直接干渉を行う」かわりに「界の意志からの干渉や影響を受ける」のが碧の賢帝と紅の暴君に対して
あくまで個人の意志を力として働きかけるのが、このサモナイトソードであり果てしなき蒼なのだろう。

◆「紫紺の蛇刀(バルバリーア)
サモンナイト3の小説「受け継がれし炎」で登場した剣。
ウィゼルが作り上げた剣の一つ。使用者はサラトガ。見た目は曲刀。
使用者および相手の魔力を奪う性質を持ち、力のないものが使うと剣に食われてしまう。
また終盤同じ魔剣である「果てしなき蒼」と対峙した影響か、使用者が「抜剣覚醒」に似た状態へと変身していた。
最終的に「果てしなき蒼」、「不滅の炎」の2本の魔剣によって破壊されてしまった。
その後剣にたまった邪気を払うため100年くらい封印する予定だったが、
小説サモンナイトU:X4巻「理想郷の殉難者たち」にてイスラの手で封印が解かれ、「翠遠の息吹(ヴェルディグリオン)」に生まれ変わった。

◆「覇王の剣
小説サモンナイトU:Xに登場する剣。使用者はオルドレイク→再誕の制錬者レイ。
ウィゼルが作り上げた最高傑作。初出は実はである。
その力はまさにチートレベルであり、作中最強クラスのサモナイトソードを持った誓約者をも退ける強さを誇る。
ただし、サモナイトソード以上に使用者の素質を問う面があり、オルドレイクではこの力を引き出せなかった。
事実、1に登場するオルドレイクはこの剣を装備しているが、普通の強い剣程度でしかない。

◆「至源の剣
初代エルゴの王の佩剣にして、聖王家に代々伝わる魔剣。
先述した通り、碧の賢帝と紅の暴君はこの剣を参考にして作られた。いわば上記の数々の魔剣たちの祖と言える存在。
あらゆる剣を影として召喚し使役する能力を持つ
ただし自己投影はできず、同格の魔剣=上記の覇王の剣の投影も不可能。*2
これについて持ち主の聖王は「さんざん誇ってきた聖王家の威光にケチがついたな」とボヤいた。

【ネタバレを含む余談】

サモンナイトシリーズの世界観の根幹に関わるネタバレのため、折り畳んで解説。
+ 魔剣本来の用途
3のラストボスである狂える島の意志「ディエルゴ」であるが、これを封印するために碧の賢帝と紅の暴君の二振りが用いられたのは
そもそもそれこそが魔剣が生み出された本来の用途であったからである。

と、言っても想定していたのは一個の島の意志などという小さなものではなく、リィンバウムを取り巻く四つの世界の意志たる「エルゴ」
それが淀みに淀み、浄化しきれなくなった負の感情によって暴走状態となったディエルゴを抑制、封印させるために作られた。
いわば「エルゴ殺し」、本シリーズの用語がわからない冥殿たちのためにもう少し噛み砕いて表現するなら
世界の意志、創世神の分身を御す為の魔剣である。

元々これを作ったのはエルゴの王の側近であるゼノビスであり、四界の意志と戦う覚悟を決めた王のための剣だったらしい。
しかし未完成状態のうちに四界のエルゴとの戦いはリィンバウムを囲う強固な結界を張ることによって停戦。
エルゴの王もゼノビスも没し、後にゼノビスが興した無色の派閥が島の抗争における切り札として転用したという次第である。

結果的に、二振りの魔剣は本来の能力よりも、封印の事故として付随した能力面がより強く出るようになってしまった。
参考。*3

追記・修正は剣で耳生やしてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • サモンナイト
  • サモンナイト3
  • 魔剣
  • 碧の賢帝
  • 紅の暴君
  • チート
  • 封印

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年05月20日 07:29

*1 本人も気にしているらしく、PSP版に追加された戦闘前会話では、アズリアと「アティの胸は反則」と言い合うものがある。

*2 のみならずたぶんここに載せた魔剣全部投影不可能だろう。

*3 https://twitter.com/z_miyako/status/1363314316284284934