草津線

登録日:2013/06/09 Sun 14:03:25
更新日:2025/10/06 Mon 11:23:16
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画像出典:ひょん君の懐かしの鉄道風景(裏辺研究所) https://www.uraken.net/hyon/449/01.html
閲覧日:2025/10/06

草津線(くさつせん)とは、三重県柘植(つげ)駅から滋賀県の草津駅までを結ぶ、JR西日本の鉄道路線(幹線)である。
ラインカラーは黄緑で、路線記号は C 


目次


概要

かつて東海道新幹線の開業前は東海道本線関西本線を結び、輸送力が限界を迎えていた東海道線のバイパス的役割も担っていたため、多くの貨物列車が走っていた。そのため幹線扱いとなっている。
しかし、あっという間に東海道線の高速・輸送力増加が完了し、東海道新幹線の繁栄と反比例する様に関西本線の地位が低下すると、草津線の物流輸送路線としての役割は終焉を迎える。

だが、同じ元関西鉄道の路線の中で桜井線同様に輸送改善等の改良の手が全く加えられておらず、(電化済みとはいえ)全線単線のままである。
それにもかかわらず、乗客は減ることなく一定の数を保ち続けている。理由としては、
  1. 終着駅が東海道新幹線停車駅の米原、県庁所在地の大津、観光名所の彦根等を抑えて滋賀県で最も乗客数が多い草津駅だから。
    • そのおかげもあって、全区間が「大阪近郊区間」に含まれ、「ICOCA」の使用も可能*1になっている。
  2. 他にも貴生川以北が湖南市等の南近江地方の人口の多い都市を通り、貴生川以南も柘植付近以外は一定の人口を保っているから。
  3. 何と言っても京阪神及び奈良地方と違い、並行して走る強力なライバル路線が存在しないから。
    • 一応、信楽高原鐵道と近江鉄道があるが、規模としてはとてもJRに及ばない。

草津駅から名古屋駅までの距離は、実は米原より草津線から四日市経由の方が短い。しかし、時間的には新快速が走っている東海道線に敵わず、米原駅経由の方が四日市駅経由より40分程早い。けど運賃面では300円程安い。
ついでに言うと、東海道本線よりも東海道に沿って走っている。

元々関西鉄道の本線として敷設された経緯があり、130年を超える長い歴史のある路線である。
国鉄時代には大阪や京都から伊勢志摩や名古屋へ向かう列車も運転され、中には快速や急行もあった。しかしそうした速達列車は分割民営化を待たずに全廃され、今となっては普通列車(各駅停車)のみとなっている。


使用車両

現行


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大阪方面への直通列車で使用されていたが、2007年にいったん撤退。2013年3月から6年振りに運用復帰し、現在は全線で使用。

当初は深夜の上り最終列車と、翌朝の大阪駅直通の1往復だけだったが、2017年3月から夕方の京都駅直通にも導入され、そして2024年3月から阪和線・JR京都・神戸線・JR宝塚線から転属した編成(223-2500・6000番台)が運用を開始。

過去


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1980年、草津線の電化完成と同時に投入。700・2700番台(後の高速化改造で5700・7700番台に改番)が使われた。
元々は湘南色をまとっていたが、後年の車体更新で緑一色となった。
また、草津線沿線が忍者ゆかりの地であることから、2017~2021年にはL6編成が「SHINOBI-TRAIN」としてラッピングを受けていた。
223系の転属に先立ち、2023年4月をもって引退。

  • 117系

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新快速のお下がり。2005年運用開始。
こちらも113系同様、2023年4月をもって引退。

  • 気動車
その他、電化前はキハ40系やキハ58系などの気動車が使われていた。


駅一覧

全駅とも駅番号は設定されていない。

  •   柘植(つげ)
関西本線乗り換え。
三重県内にある駅としては唯一、JR西日本の「電車」がやって来る駅でもある。また三重県最古の鉄道駅。
レトロな雰囲気で、特にランプ小屋やホーム上屋は明治時代の開業当時のものが残る。駅舎も建設年こそ不明ながら、風格ある木造のもの。
かつての機関支区跡を転用した留置線があり、草津線車輌の夜間滞泊で使用される。
元々草津線が本線だった名残りから、関西本線名古屋方と草津線がほぼ直線で結ばれ、関西本線・JR難波方が大きくカーブして分岐している。

  •   油日
口に加えた巻物のようなオブジェが目立つ駅舎。レンタサイクルあり。

  •   甲賀
甲賀市の住宅街で乗客も多いが、人数自体は甲南駅に負けている上に中心からは離れており別に代表駅でも何でもない。
忍者をモチーフにしたトリックアートが描かれている。甲賀の里忍術村へアクセス可能。

  •   寺庄
県立甲南高校の最寄駅。

  •   甲南
甲賀市甲南地区の中心駅。甲賀流忍術屋敷はここから2kmほど。

  •   貴生川(きぶかわ)
信楽高原鐵道信楽線、近江鉄道本線乗り換え。
信楽線は元国鉄の路線で草津線ともレールが繋がっており、第三セクター転換後も直通列車が設定されていたが、正面衝突事故をきっかけに直通運転がなくなったため、線路は繋がっていても信号は直通に対応しなくなっている。
ところで貴生川という川は存在しない。これは貴生川という地名が合成地名のため。
甲賀市で一番大きな駅で、最大の市街地、水口への玄関口にあたる。
ここから先、乗客数は4ケタ台を越える。

  •   三雲
湖南市最南端の駅。
再開発が行われ、2017年には橋上駅舎が、2019年には南北両側で駅前広場が完成した。

  •   甲西
地元民の要望により建てられた請願駅。湖南市の代表駅で乗降客数も多い。
1面1線なのに橋上駅舎という非常に珍しい駅。

  •   石部
旧東海道石部宿の最寄駅。

  •   手原
とてもローカル線のものとは思えない立派な駅舎。
草津線の単独駅では最大の乗降客数。栗東市役所最寄駅で、東海道本線栗東駅よりも市街地に近い。

  •   草津
琵琶湖線乗り換え。
本当に良かったね、この駅が終着駅で。


追記・修正は複線化を望みながらお願いします。

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最終更新:2025年10月06日 11:23

*1 2018年春ダイヤ改正までは貴生川~草津間のみだった。