人喰いパチンコ 沼

登録日:2011/12/28 Wed 16:20:41
更新日:2025/11/19 Wed 15:36:23NEW!
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換金一玉4000円‥!
ざわ‥
ざわ‥ざわ‥


「沼」とは、『カイジ』シリーズ第3章である「欲望の沼」に登場するパチンコ台の名称である。
暗い青色と赤色を基調としたサイケデリックな色合いと、四ツ目の鬼が口を開けているかのような悪趣味気味なデザインが特徴。


【概要】

帝愛グループ所属一条が仕切る裏カジノの名物‥24時間営業の裏パチンコっ‥!
表のパチンコが1玉4円なのに対し‥この店のパチンコは1玉40円もしくは400円‥!
通常の10~100倍のギャンブル性を持つパチンコ台‥!
すなわち、大当たり一回で+7~8万、+70~80万といったところ‥!

だがこれらは全て、レートが違うだけで台そのものは表と同じデジパチ‥。

しかし‥!
この「沼」はそこらのパチンコ台とは何もかもが違う‥!!

まず挑戦するためには、
300万円(750発)
500万円(1,250発)
1,000万円(2,500発)
のいずれかのパッキーカード*1を購入する事が条件!*2
裏カジノのパチンコとしても高額だが、その分見返りは大きい‥!!

【ジャックポット‥!】

沼の1玉は4000円‥!表の1000倍っ‥!
さらに通常、パチンコにおいて外れた球は回収されて終わりなのに対し‥
沼はハズレ穴に入った玉が、座席の下に設置された箱にすべて蓄積されていく‥。

ルールは昔ながらの「一発台」っ‥!
数々の仕掛けを潜り抜けた先にあるたった一つだけの当たり穴‥!
そこに一発でも入れば‥即刻ジャックポット達成っ‥!

ジャックポットを達成すれば、その時点でストックされている玉すべてを獲得‥!
だが、ジャックポット以外に当り穴はなく、すべてアウト‥!
ジャックポットを引き当てた挑戦者1人のみが、蓄積したアウト玉を総取り出来る‥!

仮にストックが100億あるならば、ジャックポット達成者が100億全てを獲得っ‥!
ストックが無い場合は特例として最低75,000発‥しめて3億円分をカジノ側が保証するっ‥!

ざわ‥
ざわ‥ざわ‥

沼の周囲に貯められたパチンコ玉は、金の亡者がもがき溺れていった屍の山っ‥!
愚か者共の屍を踏み越えて臨んだものをも引きずりこむっ‥!
挑戦者を嘲笑い、喰い続けるその台は正に‥人喰い沼っ‥!

【沼の構造‥!】

挑戦者達の前には、3つ存在する関門が立ち塞がる‥

  • 釘の森
第一関門にして「森」と称される程の膨大に配置された無数の釘‥!
釘の設定は基本的に以下の確率でチューリップの手前に届くように設定されている‥。

設定A:月1回・1/30
設定B:月5回・1/60
設定C:通常設定・1/100
設定Y:接待限定・9/10

いずれにせよ、この時点で大半の玉は無駄打ちに終わる‥!

ざわ‥
ざわ‥ざわ‥


  • スルー
第二関門はチューリップの手前の開閉するバーである「スルー」。
コンピュータ制御によるランダムな動きを予想するのは困難であり、多くの玉をキャッチする悪魔の門番‥。
この鉄壁のガードにより、釘の森を抜けた玉は、多い時でも1/3ほどしかチューリップに到達しない‥。なお接待時は素通りする模様


  • 三段クルーン
『沼』の本丸にして最後の関門であり最大の鬼門っ…!
3段からなる円形の皿に穴が3つ・4つ・5つ存在し、その中の1つが当たり穴…実に
「3分の1→4分の1→5分の1」
の三段構え…確率にして実に60分の1の当たりを引き当てなければならないっ…!
その上、設計した一条が「自信作」と会長に豪語しただけあってクルーンの傾斜は綿密に計算されており、玉は入りそうで全く入らない状況を作り出すっ‥!

正に難攻不落の要塞‥それが「沼」っ‥!
しかしジャックポットに至る確率は0ではない‥筈だったのだが‥。



【人喰いと呼ばれる理由‥!】

圧倒的に不利な打ち手

先ほど述べたが、ジャックポットを達成できる可能性は0ではない‥!

では何故人喰いと呼ばれるのか?
様々な場所に鉄壁の防御が敷かれ、極めて困難とはいえ、決して攻略は不可能ではない筈‥。

この時、アニヲタ民に電流が走る!アニヲタ民の思考はこうだ!

ゴトをやれば‥!

そもそもジャックポットに入れば問題ないのだが、大半は無駄打ち‥!割に合わない‥!
だが金の魔力に魅せられた亡者は止まらない‥!

デジパチではないため比較的容易にゴトを仕掛けることが出来る!磁石でバレない程度で玉を引き寄せれば‥!

がっ‥!駄目っ‥!

ゴト対策として店員の立会いや磁石に反応しない真鍮製の玉を不定期に使用しているので欺けない‥!

ならば大金を注ぎ込めばっ‥!

理論上、大金を注ぎ込めば出る‥確率は上がる!そう考えている時点ですでに沼に浸かっているのだ‥!
よく考えてほしい。
帝愛グループ所属カジノが、そんな億単位の大金を易々と渡すはずがないっ‥!
そう、本来なら気付かなければならなかったのだ‥!この時点で‥!

しかし、事実知らず金に目が眩んだ人間に理性は働くはずもなく、すでに嵌っていた!泥中‥!首まで‥!


そもそもよく考えると、帝愛はどうやってこの台で荒稼ぎをしているのか?

前述の通り、ここで負けた玉は帝愛の懐には入らず、いつか出る筈のジャックポットを当てた挑戦者が総取りっ‥!
加えて最低保証以下の時に当たってしまえば、足りない分、最大3億を帝愛が出さねばならず大損っ‥!
かといって「絶対にジャックポットが出ない設定」にしても、台の維持費や電気代を考えればやはり損っ‥!

さらに通常ギャンブルでのチップやメダルは「購入時価格>換金時価格」なので、店は何もしなくてもこの差額が儲けとなるが、
「沼」はこれまた現実世界では絶滅寸前の「完全等価交換」、つまりはっきり「購入も換金も1玉4000円」と言い切っている以上、玉をいくら売っても換金されれば全てがパー‥!

かと言ってこっそりストック玉を抜いて回収したりすれば、それは大前提の反故っ‥!詐欺っ‥!
客に付け込まれる隙を与えてしまうっ‥!

では何故帝愛側、一条は余裕綽々の態度なのだろうか?
何故、それでも人喰い沼に人が群がるのだろうか?


帝愛の

現在、「沼」に勝った挑戦者は二人 ‥!
ざわ‥
ざわ‥ざわ‥

申し訳程度に目線は隠されているが‥その顔はどこからどう見ても帝愛のトップと、その隣で妙に引き攣った笑みを浮かべた大幹部っ‥!
利益を上げているからくりとは、帝愛側の人間を招き挑戦に見せかけた名ばかりの接待を行う事で積み立てられたストックを全回収するというもの。
そのため帝愛の損害は0‥!完全なる出来レースっ‥!

このからくりは同時に、表向きには「確率は限りなく低いが、ジャックポットは当たる」とアピールする事によって、挑戦者が後を絶たない状況を作り出し、当たるはずもない「沼」が店の象徴として君臨する状況を生み出しているのだ‥!
「公平である必要はないが……少なくとも……公平感は客に与えねばならんのだ……!」という思想が現れた恐るべき集金マシン…!

この他、
  • 起動すると玉をスルー手前のセンサーで感知してスルーが玉を100%弾くようになる裏仕様「ブロック」
  • 偶然玉がジャックポットに入賞する可能性を潰すための、最終クルーンのジャックポット穴の後ろ側に設けられた「透明かつ小さな出っ張り」*3
  • 台周辺のフロアの床・パチンコ台そのもの・クルーンの3つを自在に前後に傾けられる舞台ギミック
といった十重二十重の防衛策でジャックポット穴を防衛。
更に三段目のジャックポット穴周辺には「露骨すぎる」という理由で通常は止められているが、円状に配置された小さな空気の噴出口を内蔵させ、風の壁を生み出すことで確実に玉を穴から弾き飛ばす仕組みまで設けてある‥!

まさしく攻略不可能な「人食い沼」と呼ぶに相応しい数多の卑劣な罠の数々‥!

そもそも、帝愛が利益0どころか持ち出しさえありうる台を客寄せパンダのような目的で設置するはずがないのだ‥!

ざわ‥
ざわ‥ざわ‥


今後も沼は金を喰い、人を食い続けるであろう‥!

あの男が来るまでは‥!

ざわ‥
ざわ‥ざわ‥


【遊ぶ】

オンラインゲーム『777town.net』内の帝愛カジノでは
漫画内で行われたギャンブル「チンチロリン」「Eカード」「17歩」そしてもちろん「沼」も遊ぶことができる。
ただし他のギャンブルと違い、沼だけは特別な挑戦権が必要。
誰でも直ぐに遊ぶということはできないっ‥!

その条件はカジノを遊んで得られる称号が、沼野郎(レベル43)以上であること‥。
勿論玉代も原作同様に光の速さで消費されていくので、ビギナーはそもそも門前払いであるっ‥!
尚遊べなくても観戦機能があるので、興味のある方は777town内のエスポワール号へどうぞ。
もし観戦中に大当たりが出た場合、原作よろしくご祝儀も出る。

大当たりの確率は超低確率ではあるが原作のように妨害はないはずなので、1ヶ月~3ヶ月に1回くらい出ている。


そして、2018年12月に原作を忠実に再現したパチンコ版「沼」が稼働開始。
メーカーは勿論「高尾」
釘からクルーンに至るまでその再現っぷりには恐れ入る。
クルーン二段目まではガチ抽選で、三段目はただの演出。
唯一原作版と違うのはジャックポット穴の仕掛けであり、原作版では上述の様にジャックポット阻止の為の空気噴出機能があるが、高尾版ではクルーンのニ段目の穴にセンサーが仕込まれており(いわばヘソ入賞*4)、玉が通ると感知して判定を開始。
ハズレと判定されたらジャックポット穴から風の壁を模したプラスチックの壁が生えて玉が入るのを防ぐ。*5
原作版より悪辣じゃね?というのは禁句
立木文彦さんのナレーション演出で緊張感が高ぶるが、大抵は悪魔ぁーーーーー!!!を聞くことが多い。もちろんハズレ。
一方で当たりとなった場合は原作さながらに三段目クルーンが玉で埋め尽くされるという演出が発生する。
もう一つの大当たりルートは「沼攻略チャンス」
筐体の4ヶ所にあるゲートを通過すると、右側に「限定ジャンケン」が始まり、それに勝つと、電チューが7回開放される。
そこに玉を入れ筐体左下のランプが付いたら演出開始。
「クルーン」「球数」「玉色」「傾斜」によって信頼度が変わる。

…ぶっちゃけ忠実に再現し過ぎて難易度が滅茶苦茶高く、パチンコ愛好家からは厳しい評価をされる事に。
カイジシリーズが好きで勝ち負け関係なく楽しみたい方向けと言えるだろう。


【映画】

実写映画第2作『カイジ2 人生奪回ゲーム』で登場。
制作にパチンコ版カイジシリーズを出してるパチンコメーカー「高尾」が制作協力している。
しかし、映画に登場した沼には、クルーン前の関門「ブロックシステム」が搭載されていなかった。尺の都合だろうか
また、勝利した際に得た金額も約13億円と、原作の倍ほどになっている。

本作では利根川も沼攻略に参加している*6関係で、沼に勝った二人は兵藤と黒崎に変更されている。

【余談】

時は流れて、悪魔的スピンオフ中間管理録トネガワ」にて、謎に包まれていた「賞金回収を兼ねた沼接待」の様子が実際に描かれた。
カジノを訪れた利根川に、「これは接待だが、だからこそ手は抜かない。優秀な利根川であればそれでも問題無い筈」とまさかの挑発を繰り出す一条。
こういう挑戦には燃えてしまうタイプの利根川。嬉しそうにハンドルを握るが‥


まだまだ、良記事になる可能性は残されている‥‥。
どうぞ、存分に追記・修正をし続けてください‥‥!
我々は‥その姿を心から‥‥応援するものです‥‥!


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最終更新:2025年11月19日 15:36

*1 主に90年代に使用されていたパチンコ専用のプリペイドカード。偽造被害が多かったため2000年頃には廃れている。実写映画版は現代設定になっているはずだが、何故かパッキーだけそのままである。

*2 実写版では、400万円・750万円のパッキーカードもある。

*3 なおクルーンがあるゾーン自体が意図的にやや薄暗くなるよう設計されているため、プレイヤーが初見かつ目視で出っ張りに気づくことはほぼ不可能に等しい

*4 複数の玉が入った場合は三段目には突入するものの、保留としてストックされる。演出が終わると改めてクルーンに玉が送られる

*5 普通にやれば不可能ではあるがこの壁が出ている間に不正に入れるとエラー演出が鳴るという二重の罠が仕掛けられている。当然と言えば当然だが夢のない話である

*6 自身の残った負債の約4000万円を返済するため、地下から一時的に外出したカイジに裏カジノの情報を伝え、沼に挑戦するよう導いている。