限定ジャンケン

登録日:2010/10/15 Fri 18:49:35
更新日:2025/10/05 Sun 01:02:31
所要時間:約 4 分で読めます




こんばんは 私…今日皆様のギャンブルのお手伝い、このホールのホールマスターをおおせ付かっております利根川といいます

ではさっそくですが…これから皆様の行うギャンブルを説明しましょう。

説明は一度のみ 、繰り返しません。
後に質問されてもお答えしかねますのでどうか皆様、集中力を持ってお聞きください。





では…まず皆様が入場の際手渡された「A」の袋を開封してください……!




それが今夜皆様の運命を握るギャンブルの種目でございます

我々は考えました……
何を扱えば皆様全ての方に平等、公平なギャンブルになるだろうか……と

それです。その図形を見てよもやその意味するところを知らぬ者はこの中に一人もいないでしょう
皆その遊戯は熟知してらっしゃる。これほど公平な種目はない
今夜は皆様各一人一人の運命をそのカードによって決していただく

ただし通常のやり方のようにグーチョキパーを無制限には出せない。それぞれ4回ずつとカードによってその機転を限らせていただいた

つまり…
最初にグーを連続4回出したらもうグーを出せないということです。
残るカードはパーとチョキしかないのだから……お分かりかな?
今夜するギャンブルは通常の自由無制限ではなく、ややその可能性をしぼられている。言うなら…
限定ジャンケン……!

ざわ...
 ざわ...

さて…では「B」の袋を開封してください
★★★

星が三つ出てきたはずです。ではこの三つの星を左胸に付けてください。

以上です……
これで今宵するギャンブルの準備は全て終わりました。
要するにカードでジャンケンをしていただき、皆様が胸につけた星を奪い合っていただく
ただそれだけです。


さて…では肝心のカードジャンケン…そのやり方ですが、まずボックスの前に一対一で対峙していただく
そして互いに闘う意志を確認したらチェックと発声し、互いにこれから出すカードを自分の顔の斜め前に持っていき確認していただく。
続いてセット こう発声後、カード裏側を上に伏せていただき…
最後にオープン……!
こう発声のもと表側を開く……!
これだけです。
開いた結果、あいこならば星の移動はない。
しかし勝ち負けが出た場合は勝った者が負けた者の胸から星を一つ受け取り自分の胸へ。
それをこのアニヲタWikiにいる全員で自由に相手を決め、ただただ繰り返していただく。
なお、一度使用したカードはボックスの真ん中にある投入口に入れていただく。
つまり一度使用したカードは二度と使用できないということです。


それではいよいよこのギャンブルにおける「勝ち」とは何か…についてお話しします。
とにかく『最終的に星を三つ確保して時間内にカードを全て使い切る』という事だけです。


ではこのギャンブルによる「負け」は三つ。
一つは星を四つ五つ持っていようと時間内にカードを使い切れなかった場合
二つめは時間終了時にカードを使い切っても星が二つ以下な場合
三つめは星を全部なくした場合…この三つです。

まあ……言うなら今回のギャンブル…
星は寿命
カードは機会
こう考えていただければ大筋間違いではこざいません。


これで私の説明の全てを終わらせていただきます


え? それで終わり? 

軍資金の使い道は? 負けた後の処遇はどうなるの?

Fuck You…! ブチ殺すぞ…ゴミめら…!


※以下、ネタバレ注意

ゲーム開始前に軍資金が主催者から100万単位で貸し付けられることになる。
上限は1000万だが若者救済のクルーズのため、30歳以上になるとハンデとして500万までが上限。
この軍資金には金利が設定されており、利率1.5%の10分複利となっていて、ゲームの時間は4時間であるため最大で24回の利息がかかる計算になり、約4割を上乗せして返さなければならない。
ただし、早めに上がってしまうことができればその分、金利を抑えることは可能。

使い道については自由で、利根川は「自分の判断で使うように」と言っている。
他の参加者との交渉やカードや星の売買などで利用することができる。

また、このクルーズに過去に参加した経験のあるものがリピーターとして参加することも可能だが、ハンデとして生き残るには星が4つ必要となる。

‐『賭博黙示録カイジ』希望の船編の主な登場人物‐


物語の主人公。
かつて働いていたアルバイトで知り合った古畑の連帯保証人になった事から、多額の借金を背負ってしまいやむを得ず乗船した。
かなりお人良しで無条件で人を信じてしまう隙の多さから窮地に陥りまくる。
だがここぞという時には頭脳プレイを可能とする。

  • 古畑
カイジを連帯保証人にした後に行方を晦ませ借金を背負わせた元凶。
その負い目からかカイジの指示には基本的に従う子分役だが、意思が弱く他人の主張に折れまくる。

デブにして屑。カイジに誘われる形で徒党を組むが、初っ端から勝手に勝負を挑みジリ貧に陥るダメデブ。
目の前の利に迷いなく食いつく貪欲デブで、裏切りにも躊躇の無いクソデブ。
あまりの醜態の数々に、巻数を重ねたシリーズにおいても屈指のクソキャラとして多くのファンから認知されているデブ。

関西人。自称『過去数回エスポワールに乗りこんだ』人間。
初心者のカイジを煽てて星2つをだまし取り、最大で星9個も奪いまくった。
しかし後に残存プレイヤーを集めて行ったインチキ行為をカイジに暴露され、孤立無援のまま利益を捨てる事になる。

バランス理論の男。
星が少ない人間を狙うやらしい奴。
後にカイジの策にはまる。
舞台版では「杉田」という苗字が設定されている。

  • 北見
頭はいいがピンチに弱いタイプ。臆病。
カードの買い占めを行う作戦を思い付き、場の状況を支配しようと画策する。

主催者側に果敢に噛みつく弱者代表のようなおっさん。
リピーターの甘い言葉に騙され一瞬で別室送りになり、先駆として使い捨ての駒にされた。
その後はカイジの温情で脱出に成功する。

  • 岡林
真っ裸ルームで知り合った金を背負いイカサマ行為を実行した出っ歯。
何も得が無いカイジや石田を侮辱しながら仲間に助けられる間抜けな奴。

今回のホールマスターにして名演説を行ったダンディなおじさん。
この時は作画の影響で血相が悪いが、後発の外伝作品で語られたゲーム制作の話を省みるにやむを得ない……かも。 

ヤクザ。カイジがエスポワールに乗り込むきっかけになった人物。劇場版では女になった。



PS版について

一部のルールが異なっており、
  • 軍資金の利率は10分複利の3%。ゲーム終了時でほぼ倍になる。1.5%は充分リーズナブルだった
  • リピーターは星3つでも上がれる
  • 主催者側が星を買い取ってくれない
  • 暴力で星を奪ってもOK
  • 本ゲームとは別の賭博場がある
といった違いがある。*1

PS版の主な登場人物‐

最大の特徴として、他の福本作品からデザインをそのまま借りている人物が多く、特に銀と金からの出典がほとんど。
ヤクザの組長やら外国人、浮浪者と非常にバリエーションに溢れている。
中には原作のモブキャラもいるので気になる人は探してみよう。


  • 山根善治
眼鏡をかけた秀才っぽい男。司法試験のために借金を作ってしまった様子。
記憶力が良く、参加者の使ったカードや所持するカードを覚えて狙い撃ちにしようとする作戦を取ろうとする。
かつての学友だった津川大という自衛官の男も参加しており、主人公と一時的に手を組むこともできる。

  • 天中佐津夫
易者のじいさん。外見はアカギの市川に似ている。
自称、超能力者で対戦相手の心を読んで出すカードを見切るというトンデモない戦い方をしている。
しかもトリックがある訳ではなく本物らしい。

  • 品川猛史
金髪。何人かの参加者とグループを組んでカードの買い占めや参加者の情報を操作したり、
別室行きスレスレの反則行為もしでかすなど色々な策を打ってくる。
実質、主人公とライバルになる相手。

  • 二階堂学
ダンディな中年男性。外見は銀と金に出てくる日本旭の役員に似ている。
主人公に対しても丁寧な物腰で接してくるが、中々の実力者。

  • 新田充男
  • 鈴木拓郎
後半で主人公とカードシャッフルを提案してくる二人組。
前者の見た目はどう見ても銀と金の西条だが性格はフレンドリー。通称・ミッチー。

  • 猪木多加男
常に焦り顔の男。後半、パー1枚と星2個という危機的状況でオロオロしており、主人公にわざと負けてほしいと提案してくる。
なお、本当に負けてあげるとお礼として600万円を譲ってくれるため、見返りはかなり大きい。

  • 桑島涼子
キャラデザが圧倒的にかけ離れた美少女。
アイドルで、外国のお金持ちに売られるかエスポワールに乗るかでこちらを選んだ模様。
主人公に協力を要請してくるが、従って彼女を助けてもエンディングは正直利益が無い。かといって裏切っても後味が悪いが……。
ただし、特定の条件下で星が足りなくなった際にゲームオーバーだけは回避できるようになる。

  • 三上麗
もう一人の女性参加者。↑と違ってこちらは普通に美人。
男に騙されて体を売らされるか、エスポワールに乗るかでこちらを選ぶ。
買い占めが行われている状況を利用して星を稼ぐべく主人公と手を組もうとする。

  • 大前田英二
有名な経済評論家。何億もの借金を抱えているようで、軍資金もハンデとして一億も抱えている。
山根もこの男と手を組むのだが……。

中間管理録トネガワによって判明した小ネタ

スピンオフ作品では後付け設定となるが色々な小ネタが判明した。
これによりいかにして利根川と周りの黒服たちが苦労していたのか、よく分かる様になっている。
  • 発案者は利根川の部下の黒服の1人である佐衛門。ルール以外にもカードデザイン等、殆どが佐衛門のプレゼンによって決定した。
  • 企画書提出期限前に兵藤がハワイに行ってしまったため、利根川は企画書を出すためだけにハワイに行く羽目となった。
  • 参加者の残りカード数がボードに表示される様になっているが、実はボックス1つ1つに黒服が入っており手動で集計している。尚中身はネットカフェの様になっており5時間いても平気との事。動物と一緒にいる者もいる。
  • 上のような事態になったのは、道具発注時に何の仕掛けもしていないただのカードと箱を注文してしまったため。流石に利根川は激怒したが、集計の為に黒服が箱の中に入った事には素直に感心していた。(ただし、中身を見てもやもや状態に陥ったが)
  • 上記の利根川の『Fuck You…!』以降の下りの台詞は実は非難を浴びる事を想定し、事前に考えておいた台詞である。
  • 兵藤の気まぐれにより2回目の開催は1回目の3日後に行われる事に。経緯は不明だが参加者は無事集まった模様。
  • また2回目の開催では利根川が潮風で喉をやられてしまい、代理として山崎(黒服の1人)が演説を行ったが、噛みまくりで上手くいかず、最終的にはクイズ番組の様なノリで参加者たちを盛り上げてしまう事になってしまった。

‐『カイジ 人生逆転ゲーム』での限定ジャンケン‐

実写映画版でも行われたが、以下の点が異なる。
  • 掛け声が「チェック セット オープン」ではなく「じゃん けん ぽん」。
  • 制限時間が4時間→30分に短縮。手持ちのカード枚数は12枚で据え置き。
  • 参加者の残りカード数の集計は無し。
  • 軍資金の貸し出しはなく、参加者は星三つを強制的に300万で買わされる。この費用については1分当たり1%の複利がつく。その代わり、ゲームクリアできれば帝愛が星一つにつき100万で買い戻してくれる。
  • 敗者は地下労働施設に送られる。原作で生還したカイジ・石田・船井だが、本作では敗北し地下送りとなった*2

‐『絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス』にて‐

大晦日の恒例となった絶対に笑ってはいけないシリーズだが、2020年は5人がラスベガスでギャンブルをするというものだった。
笑いのトラップをなんとか凌いでいく5人だったが、やがてお馴染みの引き出しネタがやって来る。
浜田の机には謎の封筒とDVDが入っており、その封筒にはカードが入っていた。
そしてそのカードの絵柄は、我々が知る限定ジャンケンの絵柄だった。
方正や遠藤も「これカイジのやつですよ」と呟く。
DVDを再生してみると、画面には利根川幸雄本人が登場した。

「芸能界のクズ中のクズ、世田谷の底辺!浜田雅功!
 年を追い夢も希望も失い死人のように生きるお前に千載一遇のチャンスをやろう!」

利根川は語った。
これから浜田には帝愛グループが考案した限定ジャンケンに挑戦してもらう。
勝ち、もしくはあいこなら豪華賞品が貰えるという。
だがもし負ければ、強烈なタイキックの餌食となる。
対戦相手は帝愛グループが用意した「タイジ」という人物。
両社がテーブルに着き、勝負が始まろうとしたその時。
利根川の脳裏にある葛藤がよぎった。
もし浜田が負けたらタイキックを食らわせることになるのだが、浜田は半グレとの繋がりが噂される半グレ芸人。
そんな奴にタイキックなどしていいのか?帝愛グループと半グレとの全面戦争になるのではないか?と。
結局、あまりにもリスクが高いと判断し、浜田へのタイキックは断念。
ならば例年通り田中にするか、と考えるが、大げさなリアクションしかしない、善人面した小悪党の茶番は冷めるだけだ、として田中も却下。
では遠藤はどうか?
だがマンネリ、華なし、テレビ的効果ゼロの無用の長物では絵にならない、と考え、やはり却下。
では方正でいくか?
だが落語を始めて文化人を気取りだしたただの厄介者ではイマイチ。
となると、最後の一人の松本人志に決めようとする。
確かに松本なら他の雑魚4人より期待値が高い。
番組プロデューサーが怒られる可能性がある点が問題だが、そこは土下座をさせれば問題ないとして松本に決めかける。
しかし、もしプロデューサーが土下座を週刊誌に告発したら番組の終わり、それはまずい。
結局、例年通りの田中を対戦相手に指名した。
両社がテーブルにつき、双方がカードを出してあとは開くだけとなった、その時。
突然部屋の電気が消え、暗闇に包まれた。
何も見えない部屋の中で、何やらゴソゴソと音がする。
やがて電気が復旧したのだが、そこには暗視ゴーグルを付けたタイジがいた。
納得できない田中は抗議するのだが結局聞き入れられず、恒例のタイキックを食らったのだった。

  • タイジ
限定ジャンケンの対戦相手に用意された人物。
帝愛に多額の借金をしているのだが、そんな状況にもかかわらずパチンコ、競馬、競艇、裏カジノ、ありとあらゆるギャンブルに手を染め、働きもせずタイビールを飲んだくれ、トムヤムクンの食い逃げも辞さないクズ中のクズ。
カイジが正々堂々と勝負する人物なのに対し、タイジは停電している間に暗視ゴーグルを使ってカードを入れ替えるイカサマを行い、田中に勝利した。



 ざわ...
   ざわ...

項目の追記、修正…!
やってみせるっ……!

画像出典
『賭博黙示録カイジ』
作者:福本伸行
出版社:講談社
刊行年:1996

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最終更新:2025年10月05日 01:02
添付ファイル

*1 ただし、ゲーム中では参加者との会話で主催者が買い取ってくれることを教えてくれるので矛盾している。

*2 正確には、船井はカードを使い切ったものの星が2個しかなかった。カイジ自身は勝利条件を満たしていたものの、コンビを組んだ石田がカードを1枚残して別室送りになったのを見捨てられず、連帯責任として自ら落ちた。