暗黒星団帝国

登録日:2013/07/30 Sun 18:42:00
更新日:2025/04/13 Sun 22:42:27
所要時間:約 10 分で読めます





暗黒星団帝国とは宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場する星間国家。
名前からして恐らくは白色彗星帝国と対のような、新たな敵として設定された勢力である。



概要


シリーズ三作目、「新たなる旅立ち」及び四作目、「ヤマトよ永遠に」で敵勢力として登場。

地球から遥か40万光年彼方、二重銀河に本星を構える巨大星間国家。
度重なる戦役で弱体化していたとはいえガミラス艦隊及び地球艦隊を一蹴。
更に対生物重核子爆弾と揚陸兵器を用いて一夜にして地球を制圧した。

機械文明がシリーズ中もっとも進歩しているが、逆に生物としては衰退しきっており、生身の人間は殆どいない。
一見人型に見えるそれも全身がサイボーグ化され、頭部以外はほぼすべて機械化している。
種として絶滅寸前な事もあって、「肉体が欲しい」というのも地球に攻め込んだ理由の一つであるそうな。
自分たちの戦争目的の遂行のためであれば、一切躊躇わずにガミラスやイスカンダルの地下資源を盗掘し、地球に重核子爆弾を送りこむ外道国家で、2205では遂にシリーズ初のデザリアムハンマーを用いた惑星破壊を敢行するなどその悪辣さはガトランティスすら凌ぐほど。
一方では同胞意識はとても強く、報連相が理解できてない地球内外の軍人たちの中で自分に都合が悪くてもキチンと報告を繰り返すデーダーや2205でデーダーが戦死して気落ちするメルダーズに精神的な助言をする聖総統すら従える謎の女、ノイズが嫌いなのにノイズがアジと考えるデータと音楽の談議で意気投合するメルダーズなど意外に身内にはフレンドリーらしい。
上述の通り、自分たちがサイボーグ化してるためか地球の文化遺産や芸術に異様な関心を示しており、自分の星を寸分たがわずに地球そっくりに改造した聖総統や2205で地球の音楽談義に興じるマゼラン方面軍司令部、デザリアム最大のターゲットであるヤマトクルーの雪を確保したにもかかわらず傍に置いて酒を嗜むアルフォン等、科学の力では作れないものへの憧憬は他の勢力とは比較にもならず、リメイク版では感情を否定する言動を繰り返す反面、それらを取り込むことで完全になれると信じられている。


正式な国号は不明だが、「ウラリア」という説があるが、
首都惑星の名前はデザリアムなので、もしかしたら正式名称はそっちかもしれない。
リメイク版では双方ともに暗黒星団帝国の国名らしい。

モチーフとなった国家は諸説あるが帝政ロシア、即ちロシア帝国という説があり、
そのためかリメイク版ではボラー連邦からはとても恐れられている。


戦力


強大な軍事力を誇り、劇中の勢力以外とも星間戦争を繰り広げている事が言及されている。
主戦力として、ヤマトの主砲をも弾く装甲を持つプレアデス級戦艦を多数保有する他、
自動惑星ゴルバなどの波動砲すら防ぐ化け物のような要塞も大量に存在している。

ただし、彼等は波動エネルギーに弱く、ひとたび攻撃を貫通されればそのまま誘爆して壊滅してしまう。
そのため劇中では執拗にヤマトを狙うが、そもそも波動エンジンは地球艦隊全ての標準装備である。
設定上ヤマト並に強力な戦艦もいるはずだが・・・

新たなる旅立ちでゴルバを撃破されたのがよほど腹に据えかねていたのだろうか?



戦略


暗黒星団帝国を語る上でよく出てくる(ネタにされる)のが、その壮大な作戦である。
母星に向け進撃してくるヤマトを迎え撃つわけだが、その作戦と言うのが以下詳細↓

①ヤマトが母星に向かってくる

②母星を地球そっくりにカモフラージュ。

③ここは200年後の地球だと嘘をつき、未来人のふりをして出迎える*1

④この地球はかつて暗黒星団帝国に敗れ支配されたよ。と言う。

⑤あらかじめ作っておいた、ヤマトが撃沈される映像を見せる。

⑥お前らが頑張っても歴史は変わらないよ。だから諦めて仲間になろう。と言う。
↓  ↓
↓  ⑦ヤマト、諦めて仲間になってくれる。
↓  ↓
↓  ⑧やったぜ。


⑦(分岐)ヤマト、諦めないので仲間になってくれない

⑧じゃあ沈めるね


・・・・・・というもの。
どっかの虚弱宇宙人並に回りくどい珍作戦である。

とは言え効果は絶大で士気がくじけそうになったヤマトはデザリアム艦隊に苦戦を強いられることとなる。

主な人物


  • スカルダート(グレートエンペラー)
CV(スカルダート):大平透(アニメ版)、小林清志(ラジオドラマ版)、銀河万丈(PSゲーム版)
CV(グレートエンペラー):木村幌
暗黒星団帝国聖総統。
地球人のふりをして古代達を騙そうとするお茶目な外道。
ちなみにサーシャがデザリアム中枢に侵入した際はどういうわけか自ら銃を持って追いかけ回す。よほど人手不足なのだろうか…
その際ヤマトのメインスクリーン越しに彼が映されるのだが、何故か通信用のはずのカメラのカットがまるで映画のようにドラマチックに切り替わるシュールな演出がある。
シリーズ唯一の地球占領に成功した悪の独裁者だが、ヤマトを騙す為とはいえガミラス戦役で遊星爆弾の攻撃により破壊されたピラミッドなどの遺産を地球人から見ても100%再現して、サーシャのように上手く騙されてくれたと思われたクルーを(肉体のスペアにするためもあるだろうが)
監禁もせずに厚遇するなどデザリアム人の指導者だけありかなりの地球推しである。
実際に同行した徳川が聖総統府内で展示されていたロダンの考える人の手の位置が逆だとして贋作と見抜かなければクルー全員が騙されており、デザリアム艦隊の攻撃を受けた際にはヤマトは戦意が喪失した状態で戦わされているほどで裏を返せば細部まで模写できなかったものの地球人の感性すら欺く相当な芸術家センスの持ち主である。

おそらくわざわざ脳だけを破壊する重核子爆弾を送りこんだのも、地球人の肉体だけでなく文化も無傷で欲しかった為と思われる。
着ている法服から察するに芸術家志望だったのだろうか?

  • デーダー
CV:富田耕生
マゼラン方面軍第一艦隊司令官。
屈強な体格の男で、性格も見た目どおりに荒っぽい。
戦法も力押しが目立つが見敵必殺の精神を持つ猛将とすれば無能というわけではなく、デスラー艦隊は奇襲で反撃もできずに全滅状態にさせられている。
また、どういうわけかヤマトの名前や波動砲を持つことを知っていた(コスモタイガー隊の無線が傍受された?)。
このおかげでイスカンダルを背にしてヤマトの波動砲を封じる作戦に出るあたり単なる猪というわけでもない。
ヤマトは波動砲を撃てずに大苦戦を余儀なくされ、ギリギリでインカンダルが暴走を始めなければヤマトに勝っていた可能性もじゅうぶんにある。

  • メルダーズ
CV:中田浩二
マゼラン方面軍総司令。
デーダーとは対照的に細身な男で落ち着いた印象を受ける。
帝国にとっても切り札というべき自動惑星ゴルバをまかされるほどの歴戦の将である。
デスラー艦隊との交戦では攻撃時に開く発射口を狙われることを予期して攻撃後にすぐさま砲口を格納し、軽くデスラー砲をはじいてみせた。
ヤマトやデスラーをあからさまに見下す姿勢をとるが、小説版ではデーダーの敵討ちを誓うなど意外に部下思いな一面も見せている。
自軍の先遣隊を壊滅させたヤマト・デスラー艦隊に対しても、ゴルバの力で殲滅可能だったにもかかわらず「資源採掘したいだけなので、これ以上邪魔せず帰ればもう許してやる」と勧告するなど、オリジナルヤマトシリーズの敵キャラクターとしては珍しく話のわかる男。
(事実イスカンダルが降伏した際は騙し討ちなどはせずちゃんと戦闘を終了させている)
2205に至っては、スターシャからの提案に乗り、イスカンダルを明け渡す際にガミラス移民船団を約束通り避難させたにもかかわらず、スターシャはイスカンダルを自爆させる気だわ、デウスーラ三世に突貫されるわで字面だけ見るとかわいそうな目に遭っている。
PS2版ではメルダースという名前になっていた。
なお2205だと考え人のポーズを取りながら考え事をしている…聖総統からモデルでもやらされたのだろうか?

  • カザン
CV:寺田誠、渡部猛(ラジオドラマ版)
地球侵攻艦隊司令官。
暗黒星団の人物ではとにかく声のエコーが強く、何を言っているのか分かりづらい時も。
重核子爆弾の説明やヤマトの引渡しを要求するシーン以外は印象が薄い。
明らかにヤマトの所在を知っている長官を尋問もなしに処刑させるなど短気なようである。
明確な死亡描写はないが、制作メモによればゴルバの誘爆に巻き込まれて死んだらしい。
まあ仮に生存していたとしてもグロータスと共に大失態の連続であり、もはや居場所はなかっただろうが。

  • アルフォン
CV:野沢那智
情報将校。階級は少尉
地球占領軍の幹部の一人で、雪との昼ドラを演じる。

  • グロータス
CV:田中崇(アニメ版・ゲーム版)、大山豊(ラジオドラマ版)
ゴルバ型要塞軍司令。カールの髪が特徴。
必要とあれば味方の犠牲もためらわないが、メルダースと違って砲口を開けっ放しにしていたのが命取りになった。

  • サーダ
CV:中谷ゆみ(アニメ版・ゲーム版)、佐々木由美子(ラジオドラマ版)
聖総統の側近の女性。外見上は地球人とまったく変わらない。
しかしパーティで相原に手渡したグラスに指紋がないことから地球人ではないと見抜かれた。
のだが、後のシーンでは彼女はきっちり手袋をつけている。なぜ外した?


主な兵器


艦艇や航空機は主に円盤型の艦体に艦橋や砲塔がそびえるタイプとイモムシ型をしたものに分けられる。


  • プレアデス級
巨大円盤型戦艦で艦隊旗艦級。同型艦にガリアデスと名称不明の艦がいる。
ガミラス艦を一撃で粉砕する火力と多数の艦載機を保有する空母能力。さらにヤマトの主砲をはじく防御力まで備えたとんでもない戦艦である。
円盤正面下部に発進口があり、その上に三連の主砲が2門、艦橋と続く。
また劇中の様子から円盤の外縁部にも機銃のような小型砲が装備されている様子。
ヤマトが単艦相手に波動砲を使用した数少ない相手であり、暗黒星団帝国の技術力を見せつけた。

「ヤマトよ永遠に」でもガリアデスの名前で1隻、母星道中で名称不明艦が1隻それぞれ出演している。これらは明確な撃破描写はない。
ガリアデスは制作のメモによればゴルバの誘爆に巻き込まれて壊滅したらしい。

もっともプレアデス級が猛威を振るえるのは「新たなる旅立ち」まで。
名称不明艦がヤマトと交戦後尻尾撒いて逃げた所をみると、この頃のヤマトにはもはやプレアデスすら相手にならないようだ。
まあ弱点である波動エネルギーの前にはどうしようもなかっただろうが…。


  • 巨大宙母
『永遠に』から登場した宇宙空母。
480mというプレアデスやグロデーズをも上回る巨大艦で、船体中央のカタパルトを格納庫で挟み込む白色彗星帝国の空母に近いスタイル。
見た目はプレアデス級にそっくり、作画でも護衛艦などと見分けにくかったので気を付けないと存在にすら気づけない程印象が薄かった。

劇中では中間補給基地へ停泊中に攻撃を受けたために何ら機能を発揮することなく全滅。
大型艦の防御力はあくまで駆動中のシールドによるものらしく、停泊中に隙間から侵入したコスモタイガー隊によってザコ敵のように蹴散らされてしまった。
なおこれはヤマトが母星へ向かっている事を知りながらヤマトの奇襲を受けた結果である。
臨戦態勢も取っておらず、この戦闘は特に暗黒星団帝国の戦下手が窺える。


  • 護衛艦
暗黒星団帝国艦隊の主力を務める小型の円盤型艦艇。全長は約100m。
形状はプレアデス級と同じく円盤の中央に艦橋が立っている、暗黒星団帝国らしいスタイル。
高機動力を武器に敵に肉薄して攻撃する一撃離脱戦法をとる。
しかし機動力が高い分装甲は極めて薄く、劇中ではボロクソにやられるシーンが目立つ。
ヤマトどころかコスモタイガーの30mmパルスレーザーにも軽々貫通されるほど。

『新たなる旅立ち』では奇襲によってデスラー艦隊を追い詰めたが、同艦隊の奮戦により徐々に数を減らし、
最終的にはヤマトの教科書通りの戦法にまんまとやられて全滅する。

ちなみに自軍のガミラシウム採掘装置へリング状のビームを誤射したのもこいつ。


  • 巡洋艦
『永遠に』からの登場。護衛艦よりも火力が増強された。
しかし僅か4カットしか登場していない上に小さくしか映らず、暗い背景なのに船体も黒いというトリプルパンチによって存在は皆無。
初見ではいたことにすら気付かれないであろう驚異のステルス性能を持つ。視聴者から隠れてどうすんだ。


  • 巨大輸送艦
黒色艦隊所属の輸送艦。
戦闘爆撃機や戦車・兵士などの地上戦力を敵地にバラ撒く上陸作戦の中心的存在。
サイズは550mと1650mの二説あるが、比較図や60mの戦闘爆撃機や54mの掃討三脚戦車を多数積んでいた点から後者の方が妥当なサイズと思われる。
……え?プレアデスはともかくゴルバよりデカいの?


  • 黒色戦艦グロデーズ
巨大イモムシ型戦艦。太田「へ、ヘビー級です!」
ヘビー級と呼んだ通りの大型戦艦で全長は380m。新型兵器無限β砲を備える。
…ただプレアデス級は円盤型で360mなので、大きさだけで言えば大袈裟に驚くものでもない気がする。
無論それが5隻同時に襲ってくるのだから脅威ではあるが。
とはいえ奮戦はしたもののシチュエーション自体はゴルバ型とさほど変わらず、
ヤマトを追い詰めていたようでも波動砲によってまとめて全滅させられてしまう。


  • イモムシ型戦闘機、新イモムシ型戦闘機、円盤型戦闘機、新円盤型戦闘機
イモムシ型戦闘機は強力な魚雷を搭載し、ガミラスの戦闘艦や三段空母を撃沈するなど大活躍。
だがそれは「魚雷が刺さりさえすれば勝ち」という特攻ありきの物量作戦頼みであり、
動きが鈍重で空戦能力はズタボロなためコスモタイガーにはまるで歯が立たず、ヤマトや戦闘空母の対空砲火にバタバタ落とされた。
その一発が刺さらなければ意味がないのである…。


  • 戦闘攻撃機
大型円盤型攻撃機。
触手型のビーム砲を持ち、また60mという巨体にも関わらない高機動力でビル街を暴れまわってメガロポリスを壊滅に追いやった。


  • 掃討三脚戦車
全高54mの巨体を誇る歩行戦車。
三本の長い足で市街地、山岳地帯、海中まで移動可能。はては短時間なら飛行もできるという怪物戦車。
地球防衛軍戦車の砲撃が通用しない防御力と、一撃で地球戦車を粉砕する大型ビーム砲を備え、劇中冒頭だけ無敵を誇った。

物語終盤になるとレジスタンスの小さなロケランでザコのように蹴散らされている有り様だが、
おそらくは巨大宙母と同じように待機中でシールドを稼働していなかったのだろう。
なんせ司令官のカザンは(聖総統の命令ではあるが)せっかく地球を制圧したのに主力を率いてヤマトを追ってしまったので、
現地にはろくな将兵が残っていなかったと予想できる。


  • パトロール戦車
巨大なタイヤを持つ高機動車両。


  • 回転銃身式ハンドガン
地球制圧部隊の降下兵が装備していた銃。
赤色のビームを連射するもので、上面装甲からとはいえ地球戦車を一発で破壊するほどの威力を持つ。
闇夜に乗じて列車やマンションを銃撃する姿は、殺された市民の悲鳴も相まって嫌な生々しさを感じさせた。


  • ウラリア式自動惑星ゴルバ
暗黒星団帝国といえばコイツ。蓑虫みたいな形をした大型要塞で、全高720mというトンでもない巨体。
デスラー砲すら弾き飛ばす防御性能で終始ガミラスとヤマトを圧倒したが、イスカンダルの自爆により轟沈する。
ゲーム版だと大出力のエネルギー砲を連発してくる危険な奴。
その名を冠した専用のテーマ曲を持っており、その名はまんま「自動惑星ゴルバ」
他の場面でも使われているため視聴者からも暗黒星団帝国の象徴的兵器として扱われている。


  • ゴルバ型浮遊要塞
「ヤマトよ永遠に」にて登場。
ゴルバの悪夢再びどころか同じ外見で全高1080mとさらに巨大になっており、劇中では7基同時に出現
その圧倒的な性能は健在で、ヤマトを徹底的に追い詰めたが…
そもそもゴルバと同じく武装が上部と腰回りにしかついていない上、ゴルバと違い艦載機がおらず、*2
あったとしても出撃させないグロータスの迷采配により、ヤマトに要塞下部の死角へ逃げ込まれてしまう。
そして初のお披露目となる波動カートリッジ弾によって、哀れゴルバ型浮遊要塞は溶けるように潰滅してしまうのであった。



作中での活躍


  • 新たなる旅立ち
西暦2201年、星間戦争のための資源採掘として無人だったガミラス星を勝手に掘りまくる。
が、母星へ最後の別れを告げるため戻って来たデスラー総統率いるガミラス残存艦隊とハチ合わせになり、採掘船団は猛攻を受けて大混乱。
必死に応戦する中、ガミラス艦隊を狙った攻撃が外れて自分たちの大型採掘船とその装置を直撃、誘爆により採掘船団はおろか既に寿命でボロボロになっていたガミラス星にもとどめを刺してしまう。
そこで代わりに兄弟星であるイスカンダルの資源を狙い、ガミラス残存艦隊を追い詰め包囲するが、デスラーは既にこの世で最も喧嘩を売ってはいけない連中に救援要請を発していた。
主にヤマト、そしてガミラス艦隊の合同作戦で主力艦隊はおろか虎の子のゴルバが撃破されイスカンダルも消失、盗掘作戦は完全失敗に終わったが、標的を地球に変更。

  • ヤマトと永遠に
奇襲により地球をまたたく間に地球を占領した帝国だったが、小惑星イカロスに秘匿されていたヤマトの進軍を許してしまい、上記の偽装作戦で懐柔しようとするもあっさり見破られる。(当たり前である)

その後主力艦隊を用いてヤマトとの一大決戦を繰り広げるが、まともに戦ってあの悪魔の舟に勝てるはずもなく、母星を叩かれ壊滅。
同時進行で地球を制圧していた侵攻部隊もレジスタンスに襲撃され、切り札である重核子爆弾の起動装置も解体されてしまう。
波動融合反応により二重銀河そのものが崩壊し、滅亡した。

そもそも波動エネルギーが弱点なのに波動エンジンが普及してる地球にちょっかい出す時点でどうかしているとしか言いようがない。




リメイクアニメ版


リメイクアニメシリーズ第3期目となる『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』及び『ヤマトよ永遠にRebel3199』では「デザリアム」の名で登場。今作での主敵としてヤマト、そしてデスラーの前に立ち塞がる。
今作は宮川彬良氏のアレンジにより、ゴルバのテーマに鐘の音が追加されている。
旧作と比べると得体の知れなさが大幅に強化されており、2205時点ではその正体も目的も一切不明。
通常の戦闘艦は地球、ガミラス艦隊で十分に対応可能だが、ゴルバのサイズと戦力は旧作よりかなり上方修正されている。
ただし相変わらず波動エネルギーには弱い。

ヤマトを知らないにもかかわらずノイズ雑じりの地球のクラシックを聞いていたり*3、イスカンダルを曳航しての帰路が天の川銀河方面へ向かっていたり、未だに製造されていない型番のアンドロメダ級の残骸を所持していたりと謎は尽きない。
旧作で未来人ドッキリ劇団帝国だった設定から膨らませたのか、このように今回のデザリアムは未来人であることが強く仄めかされている。

実はガトランティスすら凌ぐ悪名高い極悪非道国家らしくボラー連邦軍すらその特有の重核子の光を見ただけで「魔女の吐息」
と恐れおののくほどだが、情報通のガミラスも最初はわからなかった。これに関しては毎回デザリアムハンマーで星ごと破壊させる為に目撃者がほとんどいないためと思われる。


ヤマト3199においては、各防衛線を突破し一夜にして地球を占拠する等の展開は旧作通りだが、今回は事前に地球内部に離反工作を仕掛け無血開城へと仕向けている。
目的は不明だが、軍の施設のみを攻撃し市街地には基本的に手を出していない。

また、聖総統スカルダートの登場がかなり前倒しになっており、早い段階で地球を訪れている。
その際どういうわけか地球の童謡である故郷(ふるさと)の歌声が響き、デザリアムの国旗が国連のマークへと変わっていく等、前作同様地球との関わりを強く感じさせる演出が成されている。


主な兵器(リメイク版)


  • プレアデス改級攻勢型戦艦 グレート・プレアデス
艦隊旗艦を務める大型戦艦。
通常のプレアデス級に比べて艦橋部にアンテナ類が追加された他、舷側に積層型姿勢制御ユニットという翼のようなパーツが追加されている。
オリジナルが見せた超防御力は「位相変換装甲」という特殊装甲によるものと設定されたが、ショックカノンの一点集中で突破可能であるなど割と有情な防御力に落ち着いた。
劇中ではデーダーの座乗艦としてイスカンダルに不時着したガミラス移民船団や地球・ガミラス艦隊殲滅の指揮を執る。

本来はリメイクアニメにおけるプレアデスそのものとしてデザインされたものだが、旧作版のプレアデスも登場させることになったので改良型という設定になったことが語られている。


  • プレアデス級攻勢型戦艦
艦隊の中核を成す量産型戦艦。
ややアレンジされつつも旧シリーズのプレアデスほぼそのまんまなデザイン。
量産化に伴い、旧シリーズの堅牢な装甲は見る影もなく弱体化。
側面装甲はガミラス艦の砲撃で普通に火を噴く程度であり、後部装甲は銀河のショックカノンの一撃で沈むあたり無いに等しく、かといって一番固いはずの正面装甲も波動防壁を展開した銀河の突撃に耐え切れず沈むなど、全方位に渡って特筆すべき点がない。
紙装甲で有名だった同国の護衛艦がリメイクでビルドアップしたり、同じく戦艦にしては紙だった彗星帝国の大戦艦がリメイクで過剰すぎるほどガチガチになったのとは対照的。
リメイクでここまでナーフされた艦も珍しい。


  • ヒアデス級護衛艦
旧作の護衛艦。
デザリアム艦隊の大多数を占めているのは相変わらずだが、本作では210mとオリジナルの2倍以上に巨大化した。
こいつも位相変換装甲を持つので流石に航空機銃で死ぬようなことはなくミサイルにもある程度は耐えられるようになったが、やはり艦砲クラスの攻撃には無力だった。


  • 襲撃戦闘機カタピラス
旧作のイモ虫型戦闘機に相当。
名前に反して攻撃機として描写されていたオリジナルに比べて戦闘機の名に恥じない非常に優れた運動性を持つ機体となっており、サイボーグで構成されたデザリアム兵でなければとても無理な予想だにしない挙動で敵機を翻弄する。

『3199』では触覚状のビーム砲を増設した「惑星制圧仕様」が登場。空軍のコスモタイガーⅡを殲滅する活躍を見せた。


  • デザリアム・ハンマー
全高約600mもの巨大なエネルギー転送システム。
槍のような形態で目標の惑星に飛来して地上に固定されるとハンマーの要領で未知のエネルギーを大地に叩き込み、やがては中心核までも破壊して惑星そのものを崩壊させつつそのエネルギーをゴルバに転送する悪魔のような装置である。
ワープ機能を備えているので迎撃も難しい上に位相変換装甲も備えるのでガミラス艦の武装では破壊出来ない、非常に厄介な代物。
バーガーとフラーケンは足下への攻撃で転倒させられることを見抜いて幾つか対処することに成功したが、何百という数が飛来してくるのでもはや焼石に水でしかなかった。


  • 自動惑星ゴルバ
メルダースが指揮を執る移動要塞。
大まかなデザインは同じだが旧作の720mから全長10kmへと超大幅拡大され、その威容はまさしく「自動惑星」。

下部を展開して重量を操作する機能を持ち、周辺の宙域に重力傾斜を発生させて惑星をも牽引することが出来る以外にも大型重力場収束式ベータ砲として重力傾斜を加速装置としたエネルギー弾の発射装置にもなる。
重力制御能力以外にも豊富な武装や艦載機、更には「キャプチャーフィールド」という対次元潜航兵器の捕獲装置まで備えており、取り込んだ次元潜航艦を無数の殲滅多脚戦車でなぶり殺しにするえげつなさを見せた。
位相変換装甲はゴルバの生み出す莫大な出力によって波動砲をも防ぐ防御力だけでなく電磁波を吸収して完全なステルス状態となることも可能。
旧作同様量産されており、3199では複数のゴルバが登場する。


  • グランド・リバース
旧作における重核子爆弾。
旧シリーズと違って単なる爆弾だけではなく、司令部機能を持った移動要塞のようなものらしい。
また、重核子を崩壊させることで発生させる赤い光には機械を機能停止させる効力があり、進路上にいたボラー連邦と地球の艦隊を行動不能に追い込んでいる。

詳細は不明だが太陽系に襲来し全ての防衛戦を容易く突破し、地球へと着陸した。
ゴルバ同様波動砲を受け付けず、物理干渉も波動防壁弾も全く通用しなかった。
スカルダート曰く「コスモリバースの複製」、「荒廃した未来の地球を復興するためのもの」とのことだが…



  • グロデーズ級殲滅型戦艦
『3199』から登場。
元デザインに比べてスマートに、かつ大胆にアレンジされた。
本作ではそれまでのメカとデザインが大きく異なることに対して「ヤマト・ガミラス連合軍と戦った戦訓を採り入れた新造戦艦」と位置付けられた。

さて肝心の性能であるが、一言で言えば「ミニゴルバ」である。
ようやく威力を発揮した無限ベータ砲の高火力に加え、位相変換装甲による拡散波動砲すら通じない防御力と物理的にも電子的にも完全に透明化してしまうステルス性、更に機動力もプレアデス改以上、オマケにキャプチャーフィールドまで備えているなどまるで隙がない。
実際、これまでゴルバが担っていた艦隊旗艦としての役割を受け継ぐ艦であるという。

オリジナル版では終盤に登場してあっさり全滅したが、リメイクシリーズでは第3話の序盤から登場。
驚くべきことにヤマトのライバルポジションとして行く手に立ち塞がる。


  • 掃討三脚戦車ガバリア
旧作の掃討三脚戦車。
やはり戦車の攻撃をものともしないが、長い足を破壊されると弱い。


  • 殲滅多脚戦車ガーム・ビゥ
四脚で移動する小型戦車。
『2205』から登場していたが、『3199』で名前が判明。
こちらは対人用だが小型なだけに数が多く、ゴルバ内部に捕らえたUX-02を集中攻撃でジワジワと嬲り殺しにしたりゴルバに突き刺さったデウスーラⅢ世に無数に取り付いたりと数の暴力で戦う。





追記修正は重核子爆弾を解体してからお願いします。



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最終更新:2025年04月13日 22:42

*1 なぜか遊星爆弾で消滅したはずの地球の風景がちゃんと残っている

*2 漫画版ではちゃんと搭載していたが…

*3 一応これに関してはボイジャーに搭載されたゴールデンレコードなるものを回収した可能性はある。