イスカンダル(宇宙戦艦ヤマト)

登録日:2022/08/28 Sun 12:15:00
更新日:2024/04/15 Mon 15:29:56
所要時間:約 15 分で読めます







私はイスカンダルのスターシャ


私の妹サーシャが無事地球にたどり着き、このメッセージがあなた方の手に渡ったら、イスカンダルに来るのです


●概要


イスカンダルとは、宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場する天体及び国家。
主題歌でも歌われているなど、ヤマトという作品を象徴する星である。でもイスカンダルに行かない『2』以降も歌詞は変わらない。

女王スターシャによって治められているが、既にイスカンダル人は彼女とその妹サーシャ以外には存在しない。

作品シリーズごとに設定や展開に違いが見られるので、本項目では「原作版」「原作ベースのPS・PS2ゲーム版」「リメイク版」の3つに分けて解説していく。

※スターシャの表記と発音は当初はスターシア(スターシァ)だったのだが、後にスターシャに変更された。
ただしPSゲームシリーズ等の松本零士系作品ではスターシアの名称が使われている。

名の由来は、「アレクサンドロス大王」。アラビア語読み(した上でぎなた読み)するとこの発音になる。




●原作シリーズ


【第一作】

西暦2199年。
星間国家文明ガミラス帝国の侵略によって汚染され滅亡の危機に瀕していた地球に対し、放射能除去装置コスモクリーナーDを取りに来るようメッセージを送った。
その際一緒に恒星間航行用のエンジンの設計図も同梱されており、地球人はその設計図を元に新型の宇宙船を開発。
コスモクリーナー受領のため、イスカンダルへと飛び立たせた。
その宇宙船こそが我らが宇宙戦艦ヤマトである。

イスカンダルは地球から遥か14万8000光年の彼方、マゼラン星雲に位置するザンザー太陽系の第8惑星で、恒星サンザーから3億kmの地点を公転している。
地球と比べると太陽からの距離が遠く(地球は1億5000万km)、第8惑星とあるようにかなり外周の星なので、サンザーは太陽よりも遥かに巨大な恒星なのかもしれない。


実は(というか御存知の通り)ガミラスとイスカンダルは双子星であり、デスラー総統とも旧知の仲。
つまりヤマトは目的地であるイスカンダルへ向かうと同時に、敵の本拠地であるガミラス本星へも呼び寄せられていたことになる。
自力で太陽圏を出ることすらできない原始的文明の船を巨大星間帝国の総本山に導くスターシャ様マジ鬼畜。
コスモクリーナーを渡すためには不可避の事態とはいえ、ヤマトでなければ無理ゲーである。

ガミラスとは度々ツーショットで描かれる。
お互いの星のサイズは明らかにガミラスの方が巨大に描かれているが、設定上の大きさは同じ。

星間戦争を繰り返すガミラス帝国と、それを良しとしないイスカンダルの関係は冷え切っており、
スターシャ女王とデスラー総統のホットラインも長年使用されていないほどであった。

終盤、デスラーに抗議の通信を送る際のスターシャはシリーズ通しても中々無いレベルでキレており、
飄々と軽口を叩くデスラーに対してスターシャは表情と口調こそ冷静なものの、明確な怒りと嫌味をぶつけていた。
これまでの女神然としたヤマトへの態度とのギャップにやられる紳士は多いかもしれない。

大気の組成は地球とほぼ同じで、地球と比べると海の面積が広い美しき海洋惑星。

既にガミラス星共々星としての寿命は尽きつつあり、豊かな大海原も天変地異により大陸が消滅したことによるものらしい。
スターシャの住むのは、中央に宮殿を備えた大都市「マザータウン」。
後の地球のメガロポリスをもしのぐ大都会であり、ヤマトのクルーいわく「科学の作り上げた一種の理想郷」とも呼ばれるほど発展した姿を見せている。
しかし前述のとおり、住民はすでに死に絶え、マザータウンは完全なゴーストタウンと化していた。
郊外には見渡す限りの墓地が存在し、スターシャ以前のイスカンダル人たちが眠っている。
少し離れた場所には全体がダイヤモンドでできた美しい島があった。しかしイスカンダルではダイヤモンドはまったく価値がなく、ただの石ころ扱いでしかない。
反乱を起こした藪機関士たちが森雪を人質に立てこもったが、ダイヤモンド島は地殻が不安定になっており、古代からの退去勧告を信じなかった藪たちはその夜に地殻変動による島の水没に巻き込まれて全滅し、雪だけがかろうじて救命ヘリに救助された。

滅びを受け入れているイスカンダルに対して、隣国ガミラスは生き延びるために移住先を探して侵略を繰り返している。
地球もその一つである。

終盤、ガミラス本土決戦によってガミラス星が壊滅した後はヤマトにコスモクリーナーDを与え、地球は救われることとなった。


実はイスカンダルには彼女の他にもう一人、滞在者が存在した。
古代守である。
スターシャは、ガミラスの捕虜として捕らえられるも護送船が事故を起こし死の淵に瀕していた彼を救助し、イスカンダル星にて匿っていたのだ。

その期間の交流を経て守に対して愛情を深い抱いていたものの、立場上表には出せなかった。
雪にその想いを看破され『運命を受け入れるだけでは愛は実りません』と諭されたことで心変わりし、守に対し別れ際に愛を伝えたことで彼はイスカンダルに残ることを決意。
スターシャは飛び立つヤマトを守と共に見守り、第一作における彼女とイスカンダルの出番は終了した。


【新たなる旅立ち】

続いての登場は初代、さらば(2)に続く第三作目、新たなる旅立ち。
スターシャは古代守との間に娘のサーシャを授かっている(なんで妹と同じ名前つけたんですかね…)。

暗黒星団帝国によるガミラス星の希少資源ガミラシウムの無断採掘に激怒したデスラーが、艦隊を率いて攻撃。
その戦闘の最中、流れ弾による余波でガミラス星が爆発してしまう。
イスカンダルは片割れの双子星を失った事により公転軌道を外れて暴走を開始、サンザー星系を離れ猛スピードで回遊した結果何故かワープしてしまう。

なんとか追いついたデスラーと駆けつけたヤマトから脱出を呼びかけられるもスターシャ達はこれを拒否。星と運命を共にする道を選ぶ。

その後はガミラシウムの代替としてイスカンダリウムを求める暗黒星団帝国と、ヤマト・ガミラス艦隊による戦闘に突入。
敵の自動惑星ゴルバに追い詰められたデスラーがゴルバに突撃し、
ヤマトがデスラー艦ごと波動砲で打とうとした姿を見たスターシャは双方に停戦を呼びかけイスカンダリウム採掘を許可する。

しかしスターシャは守とサーシャだけを脱出させ、自らはゴルバを倒すためにイスカンダルごと自爆し死亡。
夫と娘をヤマトに託して生まれ故郷と運命を共にした。
しかし次作のヤマトよ永遠にでスターシャだけでなく守とサーシャも死亡したため、イスカンダルの血は完全に絶えることになってしまった。


●PS&PS2ゲームシリーズ


【遙かなる星イスカンダル】

第一作をベースにした『遙かなる星イスカンダル』では概ね原作通りの役どころだが、原作には無かったヤマトへの支援物資などの要素が盛り込まれている。
ゲーム版ではガミラス人が放射性物質を含んだ大気でしか生きられない設定が復活していたこともあって、ガミラス人がイスカンダルに降り立ったことは一度もないらしい。
ちなみに本作ではイスカンダル姉妹はスターシア、サーシア表記となっている。

暗黒星団帝国編

『イスカンダルへの追憶』
原作の「新たなる旅立ち」にあたる作品。
仕掛けもなく惑星がワープする展開はさすがにおかしいということなのか、ガミラス星消滅後はサンザーへ引き込まれていく形にストーリーが変更された。
ちなみにPS版ゲームでサンザ―の惑星はイスカンダルを含めて2つしかなかったのだが、本作では第7惑星という設定になっている。
恒星に引き込まれることによる重力変化や高熱化、さらには第5惑星アスタルとの衝突危機もあったが、ガミラスがかつて遊星爆弾に利用していたマイクロブラックホール技術を用いた重力制御により牽引され軌道を安定させた。

軌道を元の位置に戻すことに成功したが暗黒星団帝国の執拗な攻撃は続く。
ガミラス星から続けてイスカンダルを狙っていたデーダー艦隊はヤマトを始めとする地球艦隊の救援によりようやく撃破したものの、今度は原作通りに強力なゴルバが来襲。
地球・ガミラス連合艦隊が追い詰められたことでスターシアは自爆を決断するも、本作はデスラー決死の攻撃に加えて真田志郎が血路を見出したことでゴルバを撃破。
その後ゲームオリジナルキャラのトチローによって鉱石もエネルギー資源としての性質を取り除かれ、イスカンダルが狙われる心配もなくなった。
しかし双子星の一方が消滅した重力バランスの不安定な星である状況は変わらず、スターシアは守とサーシアを地球に送り出し、どんな激しい災害が起きるか分からない星に一人残る決断をする。


『暗黒星団帝国の逆襲』『二重銀河の崩壊』
「ヤマトよ永遠に」にあたる作品。
成長したサーシアが登場。
サーシア曰く、イスカンダル王家は伝統的にスターシアとサーシアの名前をつける習わしがあるとのこと。
またイスカンダルの人々は透視望遠能力を持っていることが語られ、レーダーの効かない状況でサーシアがこの能力を使うことでヤマトや友軍の危機を何度か救っている。
ただし体力を消耗するため常用はできない模様。サーシアは外見こそ少女だが実年齢はまだ1歳なのでなおさら。
体質もいくらか違うようで、サーシアは地球人類用に作られた催眠ガスへの耐性も見せている。

原作アニメでは「新たなる旅立ち」でイスカンダルの自爆でスターシアが死亡している上に「ヤマトよ永遠に」で守とサーシアも命を落とす一家全滅エンドであるが、
本作は終盤で暗黒星団帝国本星に取り残されたサーシアを脱出させられるかどうかでルート分岐が発生する。

条件を満たせなかった場合、デザリアム諸共波動砲の犠牲になりサーシアは命を落とす。
しかも古代進が発射をためらい、姪として育ててきた真田が進に代わって引き金に手をかけるもやはり撃てず、最終的に実の父である守が娘を手にかける悲しい展開となる。
守は生き残り、スターシアのいるイスカンダルへ帰ることを選ぶ。

しかし条件を満たせた場合はサーシアが脱出に成功し、守とサーシアの父娘でイスカンダルで向かい親子3人で暮らすことになるハッピーエンドがある。
なおビターエンドでもハッピーエンドでもイスカンダル復興に協力するとしてもう一人ついて行く者がいる。家族の邪魔はしないとは言うが…?


●リメイクシリーズ


宇宙戦艦ヤマト2199

リメイクとなる宇宙戦艦ヤマト2199シリーズにおいては概ね旧作の設定を踏襲しながらも、過去の設定が明確になっていたりと様々な点で大きく異なる。

大マゼラン銀河、サレザー恒星系の第4惑星。
現実の観測技術の発達によって正確な距離が判明したため、地球からの距離は16万8000光年に変更されている。

旧作と異なり、スターシャ、サーシャの他に第三の末妹であるユリーシャが登場しており、既に物語開始時点の一年前に極秘裏に波動エンジンの設計図を持って地球へと訪れていた。
サーシャについても波動エンジンの中核部品である波動コアを追って届けに来たという設定に変更された。

ユリーシャの行方は中盤まで不明であったが、地球での事故(テロの疑いあり)で昏睡状態に陥って居た為仮死状態でヤマトの自動航法装置に組み込まれていた。
コスモクリーナーDも惑星再生装置「コスモリバースシステム」に変更。
コスモリバースを直接地球に送れなかったのは、イスカンダル星にて『星のエレメント』なる物質に、かつての地球の情報を保存する工程が必要だったためとされている。
この星のエレメントについては謎が多く、なんとなくロマンチックな印象も受けるが、続編にてとんでもない設定が明らかとなる…。

旧作通りガミラスとの双子星だが、旧作と異なりガミラスはイスカンダルを上位の存在として崇拝しており、対等な関係ではない。
とはいえ、スターシャはガミラスの拡大政策に連日抗議の通信を送っているもののガミラス側からは聞き入られずにいる。
上位の存在であるとはいえ種族の命運がかかった大軍拡を止めることはできないなど、その権力は絶対的なものではない
(もしくは何らかの理由でスターシャが強権を振るっていない様子が窺える。)

スターシャはガミラス人からは猊下と呼ばれており、アベルト・デスラー総統とは旧知の仲。
…しかしデスラーが子供の頃から大人の女性の姿をしており…


本作では地球のみならず、以前から絶滅の危機に貧した文明に救いのメッセージと設計図、及び波動コアを送っていたようで、ビーメラ星等にその名残がある。

原作とほぼ同じ経緯で古代守を保護し、重症を負った彼を治療するうちに愛を育む。
しかし原作と違い守はヤマト到着までに間に合わず他界してしまった。

ただしスターシャのお腹の中には子供が宿っていたことが仄めかされているため、腹上死させたのではないかという説が囁かれたりも…
というか重症患者に何してんですかね…

旧作とは異なり、ヤマトの波動砲に関してはかなりの拒否感を示しており、コスモリバースを渡して良いものか躊躇う一面もあった。


宇宙戦艦ヤマト2202

2202では時間断層の一件や波動砲艦隊構想など彼女とイスカンダルに関わる重大な案件が続出したものの出番はほぼ無し。
その辺りの決着は次回作に持ち越しとなった。(が結局その辺の反応は語られなかった。前者は薄っすら仄めかされる程度、後者は生き残るための緊急措置として事後承諾した可能性がある。)


宇宙戦艦ヤマト2205

旧作通りデザリアム*1の襲撃を受け、ガミラス星が消滅。
イスカンダルは軌道を外れて何処へかとワープしてしまう。
ちなみに流石にスピードが上がった結果ワープなどという訳の分からない描写ではなく、ガミラス星崩壊時のエネルギーを利用したゴルバによる人為的なワープと設定されている。

旧作とは違い本作ではデザリアムは最初からイスカンダルのみを狙っており、「忌むべき星」と称した。
双子星のガミラスを滅ぼしたのはイスカンダルを運ぶ際のエネルギーを得るのに丁度良い場所にあったので爆発させたというのが理由。

またデザリアムの目的はイスカンダリウムではなく、2199で語られた『星のエレメント』となっている。


なぜデザリアムが星のエレメントを欲するのかについてだが、これはエレメントに隠された秘密、ひいてはイスカンダルの歴史自体が深く関わってくる。


~イスカンダルの起源~

  • 遍く生命の救済
遥か昔、超古代文明【アケーリアス】から伝播した最初の文明の一つであるイスカンダルは、永い時を経て発展し栄華を極めていた。
同じく第1世代の文明であるテレザートが進歩の果てに高次元の存在へと進化したのと対照的に、イスカンダル人はこの現世へ留まり全ての遍く生命を救済する道を選んだ。
この宇宙に存在する全ての星々や生命の情報を"儀式"によって記憶装置『星のエレメント』に記録させ、保管・保護するのだ。
エレメントはイスカンダル本星の広大な地下保管庫『サンクテル』に集められ、未来永劫保存される。

そしてエレメントに記憶させるための"儀式"とは、波動エネルギーの力を用いて記録対象を抹消すること。
要は滅ぼすということである。2199にて示された波動砲を何発も叩き込んで惑星を真っ二つに破壊した様はこれである*2
イスカンダルは、周辺の星々や文明を尽く滅ぼしサンクテルに保管するという所業を繰り返し続けた。
保管された文明はエレメントの中で永遠に生き永らえることになる。

2199でスターシャの語ったイスカンダルの愚行とはこの行為のことである。
保管された生命達は自分達にとって心地の良い、快適で理想的な人生を半永久的に謳歌できるとはいえ…
ちなみにエレメントに記録された情報は出力装置を用いれば現実世界に顕現させることも可能。

その出力装置の一つが、コスモリバースシステムである。
(地球は荒廃前の記憶を古代守及び沖田十三をエレメント化することで記録し、復元に成功している。
ただし理由は不明だが何かが不完全だった*3らしく、時間断層というバグが発生してしまったようだが。)
なお、これにより腹上死などとネタにされていた古代守も本当はすぐに死ぬような容体ではなかったが、まさかエレメントになるために犠牲になるなどとは言えなかったのだろうという推測が成り立つ。

エレメントの中には古代文明の超兵器や超技術の情報が一切の劣化無く保存され、コスモリバースの力を使えばいつでもどこでも実体化可能。
例えるなら超大規模な四次元ポケットとも言えるシロモノで、デザリアムでなくても喉から手が出るほど欲しくなるのは当然といえるだろう。
滅びの方舟も真っ青である。

  • 使命の放棄
そして大小マゼランの"救済"が大方終わり、いよいよ他の銀河にも救済の魔の手を伸ばし始める…かと思いきや、
やがてイスカンダル人は自らもサンクテル内部に入り浸り始める。
彼らは自分にとって幸せな夢を送ることに夢中になり、外の世界に興味を失ってしまった。
要は使命に飽きたのだ。どんだけ自分勝手やねん

とはいえアニヲタ的に言えば、超クオリティのバーチャル空間に体ごと入り込んで、理想の人生を好き放題送り続けている状態。なんとも羨ましい
実際に地球(特にHENTAI国家である日本)で流行ったら、精神が摩耗する現代社会の現実よりも幸福なVR空間に癒やしを求めて人口の殆どが引きこもって出てこなくなることだろう。
イスカンダル人もきっとそんな気持ちだったのかもしれない。

まぁ彼らが飽きてくれたおかげで、被害が銀河一つという小規模な範囲に収まってくれたのは不幸中の幸いかもしれない…

  • 番犬の制作
イスカンダル人はその幸せな状態を確実に永遠の物とする為、サンクテル及びイスカンダル星を守護する存在が必要となった。
従順で戦闘力があり、同時にイスカンダルから離れることができない脆弱さを併せ持つ、都合の良い便利な"番犬"を欲したイスカンダルは、その条件を満たす文明を見つけた。

それはすぐ隣の、天の川銀河に位置する惑星『ガルマン』。
そこに住まうガルマン人は健康な肉体と高い知能を持ちながら、母星の特殊な環境以外に入植すると長く生きられない特性を持っていた。

イスカンダル人はガルマン人を拉致し、イスカンダルを崇拝するよう遺伝子操作を行い、更に不毛の惑星であったイスカンダルの月をコスモリバースを用いてガルマン星そっくりに改造し住まわせた。
(その際ガルマン星の記憶を取得するために、ガルマン人を相当数殺害した可能性がある)
この際の経緯も、イスカンダルに都合の良いように事実を捻じ曲げ神話としてガミラスに伝わっている。

月に入植したガルマンの民には、古代イスカンダル語で「ガルマンの人猿」を意味するガミラスという蔑称を授けた。
イスカンダル人はガミラス人に偽りの忠誠と誇りを植え付け自分達を守護らせたのだ。
どこまでも傲慢な連中と言える。
その際無理なガルマンフォーミングによる副作用で、ガミラス星の寿命は極端に短く削られてしまった。



以上が、2199世界におけるイスカンダル及びガミラス帝国の起源である。
古代イスカンダル人は波動エネルギーをこれでもかと悪用して好き勝手に暴れまわっていたのである。
スターシャがヤマトの波動砲に半ば感情論染みた拒絶反応を見せたのはおそらくこれが念頭にあると考えられる。


───そして時は経ち、現在のイスカンダルは管理者としての責務を負わされた王族の末裔であるスターシャ・イスカンダルだけが一人、現実世界で暮らしている。
そのスターシャも既に本来の肉体は失っており、その姿はサンクテルのデータバンクから出力されたエネルギー体に過ぎない。
それでも子供を作れたりと人間の生体機能を有しているなど恐ろしく高性能なシロモノなご様子。

ちなみにユリーシャが当初子供のような言動を取っていたのは、急遽サンクテルから実体化させたため精神の発達が不十分だった為らしい。


そしてお隣のガミラス星はというと、エーリク・ヴァム・デスラー大公が統治するガミラス大公国の時代になっていよいよ星の崩壊が間近に迫り、その甥アベルトにより帝政に移行すると新たなる入植先を求めて武力による大拡張に打って出た*4
要はガミラスが地球を侵略したのは、元はと言えば古代イスカンダルが原因だったのだ。

ガミラスへの負い目とイスカンダル王家の使命もあってかあまり強く出られなかったスターシャだが、
混迷を極める宇宙情勢と滅びに瀕したガミラス人を慮ったのか、彼らの移住先となる本当の母星『ガルマン』の座標を匿名でリークしている。


この事実がスターシャの口から古代とデスラーに明かされた後、イスカンダルから救出された彼女はゴルバを倒すためにイスカンダルを自爆させたため、サンクテルにいるイスカンダル人は全て消滅し、完全に滅亡した*5

しかし、依り代たるサンクテルを失ったことは、スターシャ自身の消滅を意味していた
全てを覚悟の上でゴルバを討ったスターシャは、最期に再会したデスラー総統の腕に抱かれながら光となって消えていった。


そして一緒にいたユリーシャもまた消滅し、そこには古代守とスターシャの娘であるサーシャだけが残っていた…
彼女の命運は次回作『ヤマトよ永遠に REVEL3199』に持ち越しとなる。


外部出演


銀河鉄道999をベースに様々な松本零士作品がクロスオーバーするPSゲーム作品「松本零士999 〜Story of Galaxy Express 999〜」ではイスカンダル星が登場。
人々が死に絶えた荒れた星となっており、残されていたマザーコンピューターがスターシアのホログラムを映して機械帝国とネオガミラスを名乗る宇宙の脅威を語る。

スーパーロボット大戦Vにて2199が参戦した為ガミラス共々登場。
概ね原作通りの扱いだが、過去に本作のラスボスである超文明ガーディムとマゼラン銀河の覇を巡って争っていたことが語られている。
凄まじい技術力で繁栄した大文明も流石に古代イスカンダルの前では分が悪く、内乱が発生したこともありあっさりと滅亡させられてしまった。
アールフォルツ率いる第8艦隊だけが突如消息を絶っており、それが現代に再びガーディム再建を掲げ主人公達の前に立ちふさがる。
2205の設定を適用すると、第8艦隊以外のガーディムの皆さんはかなりの数が救済()されサンクテル送りになっている可能性が高い。




追記・修正は遍く宇宙の星々に救済をもたらしてからお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 女神
  • 超文明
  • イスカンダル
  • 双子星
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 宇宙戦艦ヤマト2199
  • 惑星
  • スターシャ
  • SF
  • 文明
  • 愚行
  • 何故かなかなか立たなかった項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月15日 15:29

*1 本シリーズにおける暗黒星団帝国の正式名称

*2 2199では単に従わない種族を滅ぼして回っていたかのように語っていた。まぁサンクテルのことなど明かせるはずもなかっただろうが。

*3 考えられるのは沖田が波動エネルギーで抹消されたわけではないことなどだろうか

*4 ただし、この事実は大公と一族の限られた者にしか知らされていなかった。2199においてアベルトが母星に関心がないかのような言動・行動を取っていたのはこのためで、秘密を抱えたまま単独で寿命問題に向き合っていたのである。寿命の件が明かされたのはガトランティス戦役の後であった。なお、コスモリバースシステムで星が改造されていたことまでは気づいていなかったため、大公の側近たちの中にはコスモリバースを強奪して解決しようとした者もいた。総統府…というかデウスーラコアシップの正体はこの時過激派が造った兵器である。

*5 当然ながらサンクテルに収められていた文明たちも道連れである