白銀のスナイパー(遊戯王OCG)

登録日:2012/04/24 Tue 23:49:04
更新日:2025/01/14 Tue 20:42:32
所要時間:約 3 分で読めます





《白銀のスナイパー》とは、遊戯王OCGに存在するモンスターカードの1枚である。
初出は2012年4月14日発売の、遊戯王第8期第1弾を飾ったパック「RETURN OF THE DUELIST」。

何かしらのカテゴリに属しているわけではなく、レアリティもNormalなのだが、当時としてはかなり珍しい効果を有している。

【概要】

効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻撃力1500/守備力1300
このカードは魔法カード扱いとして手札から魔法&罠カードゾーンにセットできる。
魔法&罠カードゾーンにセットされたこのカードが相手の効果によって破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地から特殊召喚し、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

なんと魔法&罠カードゾーンにセットできる異色のモンスター。
当然これはちゃんとしたモンスター効果なので、

磯野「違反行為である!」
とはならない為安心しよう。

モンスターでありながら魔法&罠カードゾーンにセット出来るモンスターは、2006年6月号のVジャンプで登場した《トイ・マジシャン》以来で、これで2体目。
ちなみに、類似効果を持つ【アーティファクト】の登場は2014年2月15日発売の「PRIMAL ORIGIN」である。

そうしてセットした状態で相手の効果で破壊され、墓地へ送られた場合、そのターンのエンドフェイズに墓地から自身を特殊召喚し、相手フィールドのカードを破壊する。
登場以来再録がないため、上記のテキストからは読み取りづらいが、これは墓地に送られたターンのエンドフェイズに相手フィールドのカード1枚を対象に取って発動する誘発効果である。
効果は条件を満たせば強制的に発動され、相手フィールドががら空きで対象に取れるカードがなくとも、特殊召喚はできる。

相手が何も知らずに破壊してくれれば、相手に除去リソースを使わせたうえで更にカードを1枚破壊するという0:2交換が成り立つ。
また、エンドフェイズに特殊召喚と破壊の効果処理が待っているため、相手に対象耐性・効果破壊耐性のない妨害要員を残すことや、魔法・罠のセットを躊躇わせる副次的な効果も期待できる。

ステータスは高いとは言えないが、戦士族故にサポートが豊富。
《増援》で手札に加えた後に何かカードを伏せる事で、相手にこのカードを警戒させ、除去を躊躇わせる抑止力にもなる。
戦士族でレベル4な為、優秀なエクシーズの《H-C エクスカリバー》や《機甲忍者ブレード・ハート》の素材になれる上に《不死武士》の効果を妨害しない。
ちゃんと通常召喚も出来る為、腐る事もさほどない。

……しかし、当然ながら弱点も幾つかある。

まず破壊されて墓地に送られないといけない為、除外やバウンスなどには無力。
効果自体は優秀でも、相手依存なのはやや曲者。カードを複数枚セットしていた場合も、相手がこのカードを必ず破壊するとは限らない為、運も絡んで来る。

効果を処理するタイミングの遅さも気になるところ。
特殊召喚及び破壊効果はエンドフェイズになる為、壁となったりモンスターを破壊したりして攻撃を凌ぐことはできず、戻って来る頃にはプレイヤーが死んでいた…なんて事態も起こり得る。
帰ってこれたとしても、特殊召喚した後はフィールドで使える効果もない下級モンスターでしかないため、単体ではちょっとした地雷カード止まりである。

そして最大の難点は、上記の【アーティファクト】の存在である。
あちらは相手ターンに特殊召喚されなければ本領を発揮できないが、破壊されてもすぐに特殊召喚できる即効性と、相手だけでなく自分の効果で破壊されてもOKという柔軟性で勝る。
特に、デッキから「アーティファクト」モンスターを特殊召喚する《アーティファクトの神智》と、対象を取らない単体除去が可能な《アーティファクト-モラルタ》の出張セットは、このカードの存在意義を大きく脅かした。
このカードを活躍させるには、種族やレベルで差別化を図ることが必須だろう。

【関連カード】

  • 白昼のスナイパー
効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2300/守1500
(1):このカードは魔法カード扱いとして手札から魔法&罠ゾーンにセットできる。
(2):セットされているこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、
次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。このカードを特殊召喚する。
その後、このカードと同じ縦列の相手のカードを全て破壊する。

2022年1月15日発売の「DIMENSION FORCE」で登場した上級モンスター。レールガン風の大型銃など、どこか近未来的な装備を身に纏っている。
レベルが上がった分、ステータスや効果が一回り強力になっている。
「セット状態であればモンスターゾーンで破壊されてもよい」「特殊召喚効果の発動は任意」など相違点は色々あるが、最大の違いは、【アーティファクト】と同じく自分の効果で破壊してもよい点だろう。
バウンスや除外に弱いのは変わらず、即効性は寧ろ悪化しているとも取れるが、能動的に使いやすくなったことには変わりない。
カードをどの程度破壊できるかはやはり相手依存だが、言い換えれば複数枚の除去を狙えるポテンシャルがあるということで、対象耐性も無視できる。

【余談】

イラストにはティガレックスと戦ってそうなスナイパーが描かれている。
モチーフはほぼ間違いなく、現実世界で数多の伝説を残すフィンランドの天才狙撃手「シモ・ヘイヘ」であろう。
ソ連兵から『白い死神』と恐れられた彼の偉業は、もはやフィクションの領域に両足を突っ込んでいるので、時間が有れば一読をお勧めする。
予想だにしない場所に潜みつつ相手の知らぬ間に標的を射抜き、戦場に再び舞い戻る…。彼の伝説を見事に表現している効果である。


追記・修正はフルモンに《白銀のスナイパー》を3積みしてからお願いします。

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最終更新:2025年01月14日 20:42