磯野(遊戯王)

登録日:2024/10/11 Fri 16:15:56
更新日:2025/04/11 Fri 21:50:41
所要時間:約 6 分で読めます




決闘(デュエル)開始の宣言をしろ!! 磯野ぉ!

ドキィ☆
(ハ…ハイ 海馬サマ!!)

決闘(デュエル)開始ィィィ
\ドドドドドド/


磯野とは、高橋和希原作の漫画遊☆戯☆王』に登場する人物である。
CV:岩崎征実


【概要】

海馬瀬人の経営する海馬コーポレーションの社員の一人。
社長兄弟の側近である「黒服」の一人で、彼らと同じく黒いスーツと黒いサングラスという出で立ち。
更に磯野は口ひげを生やしており、見た目はヤーさんのようなイカついもので悪役らしくも見える。
だがその内面は海馬瀬人海馬モクバ兄弟に忠誠を誓う腹心の部下である。
その少年漫画らしからぬ苦労人のサラリーマンっぷりが一部読者やデュエリストに好評で、地味に人気のあるナイスミドルなおじさんと言えよう。

サザエさんの主役一家とは無関係…だが(後述)

【詳細】

バトルシティ編から登場。
それまでに登場した黒服は猿渡を始め卑劣な輩ばかりであり「海馬コーポレーションの社員教育どうなってんだ」と言われるような状態であったが、そんな中登場した磯野はようやっとあの会社のまともな社員であった。
社長と副社長を務める海馬兄弟に対しては彼らが年下だとしても礼儀正しく接し、丁重に扱っている。

その忠誠心もさることながら、彼らの側近を務めているだけあり普通に有能な男である。
例えばバトルシティ決勝戦に置いては進行と審判を務めたのだが、彼の説明は非常にわかりやすく、また審判としては自分の社長である瀬人でも他の選手と同じく「海馬瀬人」と呼び捨てで通している他、明らかに眼の前でおかしいことが起きても全く動じず柔軟な裁定を下す、公私を混合しない公平なジャッジを行っていた。
性格も穏やかであり、声を荒げたり怒りを露わにするシーンは皆無。
非常に高圧的ながら嫌味を感じさせないのはその人柄ゆえだろうか。

職務に忠実ながらも、社長たちのパワハラ無茶ぶりにも難なく対応するなど杓子定規なだけの男ではない。まぁそういう場合は大体冷や汗をかいてるけど。
むしろ瀬人らも磯野なら出来ると一見無茶な要件をよこしているようにも見える。
しかし彼も遊戯王の登場人物だけであってネタ成分も豊富であり、特に「決闘(デュエル)開始ィィィィ!!!」と叫ぶシーンは何故かネタにされている。
「アルティメットビンゴマシーン」という瀬人以外は恥ずかしい名称も躊躇なく叫んでくれる彼は社会人の鑑と言えよう。

またアニメ版では地割れに落ちかけて足を開き手を「パンッ!!」と叩いたり、ドーマ編でソリッドビジョンが暴走した際の記者会見を汗を拭きながら対応したり、モクバに飛行船の操縦方法を聞かれ部下に丸投げしたり等と言ったギャグシーンも増えた。
それでも混迷するKCの中で同僚の河豚田と共に海馬兄弟への忠誠を改めて宣言するかっこいいシーンもある。

だが彼の立場は終始「海馬兄弟に仕える側近」以上ではなく、遊戯たちとの絡みはほぼ無かった。
また下の名前含めプロフィールは全く不明な上に、バトルシティに登場する前はどこで何をしていたかはわからない。
外見もなにげに素顔が不明で、なかなか謎めいた存在とも言える。
しかしある意味ではデュエルキングダム編以前の刹那的な危うさを持った瀬人ではなく、弟と共に夢に向かって全速前進する瀬人を表す人物と言えよう。

アニメ世界では未来である遊戯王デュエルモンスターズGXでも台詞はないが瀬人の側近として健在であった。
原作世界でも遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONSに登場しており、相変わらずの苦労人として頑張っていた。


【名台詞】

決闘(デュエル)開始ィィィ」
イシズの言動に怪訝にしてた際に瀬人に「デュエル開始の宣言をしろ!磯野ぉ!」と言われ「(ドキィ☆)」「ハ、ハイ…」と一瞬戸惑うも直後に決闘開始を宣言した台詞。
片手を高く掲げた上でもう片方の手は胸元の少し下辺りで上向きに伸ばし、背中を若干のけぞらせる……というよく見ると変なポーズも加えて磯野の代表的なシーンとなっている。


武藤遊戯!カードを確認せずリバースすることは違反行為である。そのカードがモンスターであった場合、ルール上…」
闇遊戯ドローしたカードを見ずにそのまま魔法罠ゾーンにセットした際の台詞だったが、
途中で海馬に「磯野、そのまま続行させろ」という言葉で止められてしまい、原作ではまたしても(ドキィ☆)という効果音で驚いていた。
磯野も審判である以上デュエルのルールは熟知している事を表す台詞だが、せっかく真面目に仕事してたのに社長に遮られてしまった彼の苦労人っぷりがうかがえる。


「爆発します!!」
バトルシティ決勝戦の舞台であると同時に海馬の負の財産とも言える「アルカトラズ」を爆破するときの台詞。
なんてことない台詞なのだがMAD動画のオチに便利すぎるので良く使われている。


「幾数多の屍を超えて今ここに最強のデュエリスト二人が選ばれた!」
アニメDM194話、KCグランプリ編の決勝戦にて。
このときの磯野は妙にテンションが高く半ばキャラ崩壊していた。
彼も闇のゲームとか神のカードとかいうしがらみのない試合が開けることを喜んでいたのだろうか。


「いいえ瀬人様! 我々は海馬コーポレーションが復活する時まで瀬人様についてゆきます!!」
アニメDM168話にて。
もはや海馬コーポレーションは乗っ取られ、眼の前にいるのは単なる高校生と小学生だと言うのに、彼は迷いなくそう宣言した。
それを受けたモクバは感動し、瀬人も意気消沈しながらも2人の言葉を受け取った。


遊戯王DM8での磯野



ゲームバランスなどが色々おかしいことで有名な遊戯王DM8 破滅の大邪神では
海馬コーポレーション近くに海馬ランドがあり、そこで行われるカイバーマンショーと呼ばれるヒーローショーにて
なんと磯野が正義の味方 カイバーマンを演じている。しかもめちゃくちゃノリノリで。
実はカイバーマンの初登場はこの作品。たまに磯野がカイバーマンと呼ばれるのはこれが理由。

ちなみにショーの怪人役は海馬コーポレーションをクビになったもののモクバに懇願した結果、再度雇われたBIG5が担当。
5人のおっさん達はともかく、磯野のそれは側近のやる仕事じゃないだろう…


本作の彼は社長こと瀬人がいる時や仕事中はビシッとしているが、そんな社長がいない時であれば割とノリが良いおじさん。
どのくらいノリが良いかというと上記のイベント前の期間限定かつ一限だけではあるものの、デュエルを行ってくれるほどである。

彼のデッキにはカイバーマンイベントの伏線として高攻撃力を誇る神魔族モンスター
《カオス・ソルジャー》《青眼の究極竜》《マスター・オブ・ドラゴンナイト》がデッキに投入されているが、
これらは生け贄2体以上を要する上級モンスターで重いため、よほど事故らない限りは召喚されない。
何なら《未熟な密偵》などであえてピーピングしない限り、デッキに投入されていることにすら気付かないかもしれない。
《ドローン》の起動効果を使って生け贄を確保しようとしてくるのと、《カオス・ソルジャー》は生け贄2体で召喚してくる点に注意すれば良い。

…ただ、最大の問題は上記に挙げた神魔族モンスター3種が本作では制限カードへ設定されているのにも関わらず、デッキに3枚積みしている事である。
制限ルールに違反したデッキを組んだ敵デュエリストは磯野に限った事ではないが、
バトルシティで厳正な審判役をやっていた彼が自ら違反行為を犯してしまうとは、いったいどういう事なのか…


【余談】

実は原作では本格的に登場したのがバトルシティ決勝トーナメントからであり、バトルシティ終了後は海馬本人の出番がなかったため登場しないと非常に登場時期が短かったりする。
それでも妙な知名度があるのはその決勝トーナメント自体が割と長かったことにもあるが、やはりアニメで出番が大幅に増えたことと各種MAD動画のお陰だろうか。
またデュエルリンクスにもお知らせ要員として登場してたりする。

上述したセリフのように原作では瀬人のことは「海馬様」「海馬サマ」と呼んでいるが、海馬という登場人物が4人いるためかアニメでは「瀬人様」と呼んでいる。
これは原作軸の「THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」でも同じであり、他のKC社員が「海馬様」と発言*2する中で「瀬人様」と呼ぶ彼が見られる。

アニメオリジナルキャラクターに同僚の「河豚田」(CV:竹本英史吉川寛司)がいる。
磯野と同じく海馬兄弟に忠誠を誓う黒服であるが、彼はどちらかというと裏方での活躍が多い。
だがKCグランプリ編ではとあるキャラクターの正体を調べ上げる等、こちらも有能と言えるだろう。
名前の元ネタはおそらくサザエさん。ちなみに遊戯王ARC-Vにも中島という黒服が登場するが意図した名前と言えよう。
磯野~デュエルしようぜ~!

磯野、河豚田以外の黒服にろくなヤツがいないのも事実。
磯野以前にいた猿渡は登場直後から裏切っており、また「THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」でも突如現れた藍神に乱暴に銃を突きつけるヤツもいた。
急激にデカくなったKCゆえに、こういう荒事を解決する存在は必要なのだろうか…。

ちなみにKCを乗っ取ろうとしたペガサス・J・クロフォードにもMr.クロケッツという執事がいる。
主人に忠実、大会の進行を務める、グラサン。そしてひどい目に会いがちというのが磯野と被る。
海馬はもしかして彼を見て、自分にも忠実に動いてくれる執事のような部下が必要と考えたのかもしれない。

唯一『フォルスバウンドキングダム』ではKCを去ってSICという企業に転職している。冒頭で黒幕に招かれた遊戯一行or海馬兄弟を案内する役回りなのだが、磯野自身も罠に加担していたのか彼も騙されていたのかは特に語られない。

声を演じた岩崎征実氏はこの後も遊戯王シリーズに度々登場している。
DMでも梶木の父やラフェールの父を演じている他、
GXでは鮫島校長、5D'sではロットン、ARC-Vでも権現坂の父の声を宛てている。父親役多すぎない?

GXに登場するミスターTが闇落ちした磯野っぽいから「闇磯野」と呼ばれることがある。グラサンくらいしか共通点無いけど。



瀬人「追記・修正の宣言をしろ!! 磯野ぉ!」
磯野「ハ…ハイ!! 編集開始ィィィ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王
  • 側近
  • 黒服
  • 苦労人
  • 遊戯王登場人物項目
  • 岩崎征実
  • 磯野
  • カイバーマン
  • 海馬コーポレーション
  • KC
  • 有能
  • 有能な働き者
  • 哀愁
  • 謎の人気
  • 名脇役
  • ナイスミドル
最終更新:2025年04月11日 21:50

*1 アニメでの攻撃名は「ギャラクシー・クラッシャー」だったが、DM8では「ギャラクシークラッシュ」となっている。

*2 一部キャラクターはDM版では「瀬人様」と呼んでいた。