スカルキラー邪鬼王

登録日:2011/02/23(水) 13:42:53
更新日:2025/05/31 Sat 20:18:14
所要時間:約 6 分で読めます





神か、悪魔か!?
巨大ロボット神話
今、蘇る!!


『スカルキラー邪鬼王(ジャキオー)』は石川賢の漫画。


あらすじ

日本の天才科学者、島本平八郎博士はS・O・C(セルフ・オーガナイズ・チップ)を開発し、自身の夢である「正義の為に働く、鉄人28号やジャイアントロボのようなロボット」を作ろうとしていた。

S・O・Cは他の漫画で言うナノマシンのような機能を持つ「生きた機械」であり、ひとつの物の構造をインプットしておけば生き物のように動き回り、分解し必要な原子を再生していく。しかもある一定の知能を備えており、エサ(材料)さえあれば一人で形になっていく超絶技術の塊である。

ある日、S・O・Cを狙った産業スパイにより研究所を強襲され、島本家の愛犬「ジャッキ」が巻き添えで殺されてしまう。産業スパイの正体は人間ではなく、太古の昔に栄えたムー帝国の刺客であることが発覚。それと同時にムー帝国は海上へ浮上し、もともとムー大陸の一部であった日本を明け渡すように要求し、侵略を開始していく。


【登場人物】

島本家

邪鬼王を家族の一員として温かく見守る家族。
一人ひとりのキャラがとても強烈であるが、家族の絆は深い。
平八郎の発明で得られる特許料により裕福な家庭であるが、生活水準は当時の平均的な中流家庭レベル。

  • 平八郎
破天荒な天才科学者。その外見も科学者とは言いがたい三島平八みたいなゴツイ親父。
「正義の為に働くロボットを作るのが夢」という子供のような一面も見られるが、死んだ愛犬が邪鬼王になったのを普通に受け入れたり、息子が戦っている最中に酒を飲んで観賞したり、「みごと死んでこい!」と言ってみせたりと、石川賢らしいキャラクター。

  • お母さん
何よりも家族を愛する古き良き日本の母。名前は無い。
おっとりした性格でかなりの天然。
研究所がムー帝国のロボットに破壊されても「近所迷惑だからやめなさい」と諭したり、ご近所さんには「壊した家は弁償します」とフォローを入れたりする。
肝っ玉も据わっており、平八郎が瞬に「死んでこい」と促した際は、平八郎を殴りつけ、瞬にも「戻ってきなさい」と怒鳴りつけた。

元気いっぱいの少年。相棒・邪鬼王と一緒に人類の平和を守る。
明言はされていないが、高校生ぐらいの年齢であろうと思われる。
性格は無鉄砲な熱血漢。愛犬のジャッキを弟のように可愛がっていた。
邪鬼王が戦う時には肩に乗って命令を出す。邪鬼王が激しく動き回っても振り落とされないあたり、身体能力もずば抜けて高いと思われる。
体育会系であるが故か勉強はからっきし。図書室の本の1ページを破って借りたりと両親に勝るとも劣らぬ天然っぷりである。

  • チィ子
おませな瞬の妹。年齢的には小学校低学年ぐらいと思われる。
グロテスクな外見の邪鬼王を怖がることなく、「ジャキちゃん」と呼び可愛がっている。
近所のオッサンが自分の闘犬で町のみんなを怖がらせた際は邪鬼王を連れてきてビビらせるなど、この子もまた強烈なキャラの持ち主。

  • ジャッキ
飼い主に忠実な名犬。瞬とチィ子にとっては弟のような存在。
気性は荒いが家族の言う事には従順で、飼い主の瞬に似て誰かれ構わず襲っていく。
ムー帝国扮する産業スパイに射殺されるが、最後の力を振り絞って敵に襲い掛かり、瞬の活路を切り開いた。

  • 邪鬼王
S・O・Cとジャッキの融合によって誕生したロボット。
当初は十数メートル程度の大きさであったが、物語後半では瞬が右目の操縦席に乗れるほどの巨大ロボットへ成長した。
見た目はインベーダーじみた機械の怪物であり、敵味方問わず「グロテスク」と言われるほど。
ところどころ尖った体や長い尻尾に爪牙、化け物のような叫び声など、どうみても悪者である。
実際にムー帝国のロボットと戦っていた際は、ご近所さんから悪者と勘違いされていた。

戦闘手段は主に両腕の手首から生える刃と鋭い牙、膂力を生かした格闘。
S・O・Cによる自己進化能力を備えており、周囲の機械を食べて吸収し、目で見た物から学習して成長する。
初陣では卵から引きずり出そうとした敵のロボットを強襲。顔面を食い千切って破壊するといった強烈なデビューを飾り、もう一機の敵もそのまま捕食して勝利を収める。

明言はされていないものの、平八郎と瞬の言動から未完成の邪鬼王に死んだジャッキを何らかの形で移植したのではないかと思われる。

見た目とは裏腹に精神は犬そのもので、飼い主の言う事は聞く。
普段は研究所の倉庫で寝ているが、敵が出てくれば瞬と共に出撃する。
食べ物は車や電気製品などの無機物であり、自動車解体工をやっている瞬の友達から廃車をもらったりしている。
時にはチィ子の計らいでご近所を散歩させてもらっている。
ちなみに空き缶の拾い食いは禁止されている。腹でも壊すのだろうか……?
おとなしい時は「キュィン」「キュゥン」「クォオン」などと犬らしい声を出してとても可愛い。

とても可愛いのである。かなり大事な事なので……。

悪魔の絵を瞬から見せられた際に異常なまでの反応を示して急激な進化を遂げ、この辺りから邪鬼王は何かとてつもないものへ進化する可能性があるのではないかと危険視されていた。

ムー帝国

ルイ・イオナ18世総統率いるムー大陸の住人。
醜いものを悪とし、美しいものしか認めないとても分かり易い悪役であり、ムー帝国の人間は皆、自分の美しい容姿に誇りを持っている。
瞬に取り押さえられた際は「この美しい顔だけは傷をつけないでくれ」と頼んだりするあたり強烈なナルシスト集団でもある。
文明は高水準に発達しており、邪鬼王よりもロボットアニメらしい戦闘ロボットや超振動装置、超重力発生装置などの技術も持ち合わせている。


余談

当時、石川先生にとってゲッターロボは過去の作品であり、自分の中でも火が消えかかっていたと文庫版『ゲッターロボ號』の巻末エッセイにて述べられている。
ところが『ゲッターロボ號』のアニメ企画が始動、石川先生もコミカライズのオファーに乗り気になった事で自動的に打ち切りとなってしまった。
しかし、その血脈はしっかりと真ゲッターロボへ受け継がれ、「全てを吸収して無限に進化するロボット」というテーマを確立させた。

そして邪鬼王自身も、文庫版『虚無戦記』のラストで邪鬼王爆烈こと爆烈王に呼び出され見事虚無戦記入りを果たしたのであった。




追記!! 修正!!  邪鬼王!!!!!!!


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最終更新:2025年05月31日 20:18