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ヘッドホン/イヤホン

登録日:2013/10/28 Mon 20:44:17
更新日:2026/08/14 Fri 23:10:42
所要時間:約 4 分で読めます




ヘッドホン/イヤホンは耳から音声を聴くことを目的にしている音響機器である。ヘッドフォン/イヤフォンとも。


🎧概要

元々は頭に乗せるオーバーヘッド型のみが作られていたが、1980年代以降に耳元だけ覆うインナーイヤーヘッドホンが登場。
これらは俗にイヤホンとして区別されるようになり、以降はヘッドホンと言うとオーバーヘッド型の意味合いが強くなった。

アニヲタ諸氏ならばアニメを見るため、アニソンを聞くため、ゲームをするため1台は所持しているだろう。
携帯電話やボイスチャットが普及してからは通話目的にマイク機能を備えた物も多い。
元々は有線式のみだったが、無線化技術の進歩に伴いBluetoothを使用したワイヤレス式も登場。

二次元なんかだと、目に見えてキャラの記号になるヘッドホンの方が好まれており、イラストなどに使われにくい。耳が隠れてるキャラだとケーブルが見えるだけだしね。
しかしイヤホンシェアという王道シチュも熱い。近年では現実世界でのワイヤレス式の普及に合わせて、現代が舞台ならばキャラがワイヤレスイヤホンをしている場面も見かけるようになってきている。


🎧有線/無線式の違い

どちらにも明確な長所と短所があるので、自分がイヤホンに何を求めるか、どういうスタンスでの利用を想定しているかを吟味した上で選ぶと良いだろう。

有線式

イヤホンもヘッドホンもここから始まった。皆さまご存じ、本体にプレーヤーからのアナログ信号を伝えるケーブルが伸びたアレである。
オーディオ用はもちろん、片耳分のみのテレビ・ラジオ・通話用なんかもある。
近年は無線化技術の進歩に伴い無線式の所謂『ワイヤレスイヤホン/ヘッドホン』が台頭(後述)。
高性能化が進んだ2020年代現在ではあちらが主流になりつつあり、スマホなんかでもイヤホンジャックが廃止されるなど一般的には影が薄くなりつつある。
が、それでも有線だからこその利点も決して少なくなく、オーディオマニアやゲーマーを中心に一定の需要は保たれている。

【長所】
  • プレーヤーからのアナログ信号をそのまま本体に送れる&イヤホン本体のスペース全てを音質に割ける為、2026年現在は音質を極限まで求める場合有線式の方が優れている
    • 同価格帯のイヤホンを比べた場合も有線式に軍配が上がる(無線式の場合、バッテリーやアンテナにもある程度筐体スペースを割かなければならない為、有線式に比べるとどうしても音質に全振りした設計には出来ない)。
  • 規格や環境に左右される無線式と違い音を一律かつ瞬時に本体に送れる為遅延が発生しない。動画やゲーム(特に音ゲー)をストレス無しで楽しみたい場合も有線式を選ぶのが確実。
  • イヤホン個別のバッテリー管理が求められる無線式と違い、プレーヤーが生きてる限りいくらでも音楽が聴けるので管理が楽。
  • プラグさえあれば、とりあえず挿すだけでも使用できる*1ので特別な知識を必要としない。
  • チューナー搭載端末だとアンテナ代わりになるのでFMラジオ等の聴取に使用できる。

【短所】
  • 取り回しを確保する為どうしてもケーブル自体が細く強度も弱めで、屋外で歩きながら聴いたりしているとケーブルへの負担が蓄積して断線のリスクが常に付きまとう。断線すると基本的にどんなにフラッグシップ機種であろうと価値が激減してしまう。
    • ケーブルが交換出来る(所謂『リケーブル』)形式のものが登場し、ある程度リスクは緩和されつつある。
  • 比較的短いケーブルなので、とにかく絡まりやすく線の細さゆえほどくのも一苦労でストレスが溜まる。
  • ケーブルが体に当たるなどして発生する『タッチノイズ』の影響を受けやすい。気になる人はこれだけで有線式に見向きもしたがらない程
  • 形式上音質はプレーヤーや楽曲のエンコード(上流)のクオリティに大きく依存する為、イヤホンだけ高いのを購入して適当なスマホやゲーム機に挿しても本領を発揮しない(下手すれば音量すらとれない)事が殆ど。高音質を求める場合相応のスペックのプレーヤーやアンプ、極力圧縮率を下げたり非圧縮(或いはロスレス)楽曲などもしっかり揃えなければならず、金と知識と何よりその行程そのものも愉しめる情熱が必要。
  • 近年のスマホにはイヤホンジャックが搭載されていない物が増えているため、別途USB変換アダプターが必要。

無線式(ワイヤレス式)

比較的新しく生まれた形式で、本体とプレーヤーをBluetoothで接続する事によりケーブルレスで音楽が聴ける手軽さが強み
特に本体の左右を繋ぐケーブルすらないイヤホンは「True Wireless Stereo」略して「TWS」タイプと呼ぶことがある。
ケーブルにまつわるあらゆる短所から解放されるため、今まではイヤホンを敬遠していた人もワイヤレスならと愛用しているパターンも多い。
発売当初は接続強度やバッテリー、音質面での制約の厳しさから敬遠されがちだったが、損失の少ない・接続強度の改善された新たなコーデックの普及やイヤホン自体の改良もあってどんどん敷居が下がっていき、低価格化も相まって市場では無線式の方が主流になりつつある。
音質面での制約も、音質を重視した接続規格*2や音質を突き詰めた高級志向のイヤホンも多く出ており、日常生活で使用する分には必要十分な音質を備えている。
ただしワイヤレス形式だからこその欠点もあり、これらを嫌いワイヤレスは邪道とみなす人も少なくない。

【長所】
  • ケーブルに絡むあらゆる問題から解放される事(TWSやヘッドホンの場合)。断線、絡み、プラグ云々のしがらみと無縁でいられるというのは精神衛生上非常に大きい。無線式を選ぶ最大のメリットと言っても過言ではない。
  • 音質はイヤホン本体と接続コーデックの2点で終始するので、『そこそこのレベル』を求めるなら無線式が圧倒的に便利かつ手軽。
    お持ちのスマホがLDACなどに対応していれば、有線式のようにかさばるプレーヤーやアンプを別個に持たずとも手軽にストリーミング楽曲を高音質に楽しめる。
  • 小型かつ軽量であり、持ち運びがしやすい。
  • 多くの機種がスマートフォンやパソコンなどに繋いで日常生活で使用することを前提にしているため、外音取り込みやノイズキャンセリングなど豊富な機能を備えている*3

【短所】
  • 本体を駆動させる為バッテリーが内蔵されているのだが、これが切れると何も出来なくなる為デバイスの充電管理の手間が増えてしまう。
    • 充電を忘れたまま出かけて途中でバッテリーが切れてテンションダダ下がり、な憂き目に遭った人も多いだろう。
    • 動作自体がバッテリーに依存している為バッテリーが劣化・破損すると長時間の使用ができなくなる、最悪起動しなくなるなどの問題も起こる。
    • 只、ヘッドホンの場合はAUX端子入力やUSBによる有線接続に対応している物もあるので、有線式として使うことも可能。
    • 廃棄する際にも注意が必要。現在の無線機器の大半で使用されているリチウムイオン電池はその性質上一般家庭ごみとして廃棄できない。
      燃えないゴミに出すなんてもってのほか。*4しかも経年劣化で発火のリスクがあるため長期保管も避けた方が良い。
  • TWS式でケーブルが繋がっていない物は万一落とすとそのまま失くしやすい。
  • 都会の人混みの中などでは、混線による音切れなどが発生しやすくストレスが溜まりがち。特に音質重視の接続をしていると顕著。
    • 送信側の筐体材質や構造、無線アンテナの品質によってはBluetooth通信の安定性に難がある場合もある。
  • 現時点では、楽曲データを一切の損失無しにヘッドホンに送る規格が存在しない為、『徹底的に』音質面を突き詰める際にボトルネックとなる可能性がある。
    ビット損失や量子化レートが通信規格に依存してしまうことが無線式の弱みとはいえ有線イヤホンではケーブルの長さや端子が音質低下の原因となりうること、そこそこ高級な無線式イヤホンでは混線がなければほぼほぼビット・パーフェクトになることを考えると、音質関係は非常に難しいのだが。
    規格のみならず必然的にイヤホン内蔵のアンプしか使えないため、プレーヤーのDACやアンプによる恩恵も受けられない。
    • それ以外にも、同じ値段帯では有線式と比較するとバッテリーやアンテナなどにもスペースを割かねばならない都合上どうしても音のランクが下がってしまう。
  • 近年では対策されつつあるが、有線式に比べると音に遅延が生じやすい。動画やゲーム目的の場合音ズレが発生して没入感が削がれる事も。規格や設定次第で対処療法的に解消するかもしれないが、恒久的な解決とは言い難い。
  • 終始快適に使いたいなら、単にプラグに挿せば安定して聴ける有線式と違いある程度無線規格についての知識が必要となる。
    • 無線接続に対応していないプレーヤーでは使用することができない*5
  • 後述もするが小型の品はたいへん落っことしやすい。右肩上がりの普及度と、耐久消費財としては消耗品イメージが強いことも相まって、近年では大型施設・公共交通などで傘と並ぶ落とし物ランキングの上位になっている。


🎧基本的な部品

ケーブル・プラグ(有線式)

ヘッドホン・イヤホンの要にして、ダメにする原因ぶっちぎりナンバーワンの部分。
誰もが一度は断線を味わった経験があるだろう。「イヤホンは消耗品だから高いのなんて買ってられるか」と敬遠させる最大の原因。
ちょっと奮発して購入した万越えの高いイヤホンが断線して呆気なくゴミになる絶望は筆舌にしがたいものがある。
しかし最近はケーブルを脱着でき、断線してもケーブルを交換するだけで再び使えるイヤホン(所謂「リケーブル」)*6もあり、対策が進んでいる。

左右で同じ長さのタイプ(Y型)と、片方だけが長いタイプ(U型)がある。
使用感については首に回す派か回さない派かでも変わるが一長一短。Y型は厳密に言うと左右で長さが変わることから音質が左右で変わるという事もあり、近年では殆どY型になっている。
ただヘッドホンに関しては今でもU型というかハウジングの片方にゲーブルを一度入れて、もう片方はヘッドバンドを通して配線という物が多い。

それとそもそもプラグについてはどうしてもほこりや抜き差しによるメッキ剥げによる接続不良などでダメになっていくため、
潤滑剤(接点復活剤)を塗布しながら拭き取ったり抜き差しすれば復活することも多い。
そこまで危険なものではないが換気に気を付ける、電源を止めた状態で作業する、材質によっては色落ちや劣化を招くので対象部分以外にはなるべく付けないなど、作業の際はそれなりに注意。
過度の抜き差しはプラグは勿論端子の寿命も縮めるので避けよう。

プラグにも規格により色々な大きさや種類があり、標準の3.5mmや6.3mm、主にバランス接続*7に使われる2.5mmや4.4mmがある。
通常は3極(プラグの線が3本)だが、リモコン用の信号をやりとりするために極を追加した4極や、R側とL側の音を完全に分離するバランス接続用の4~5極がある。

  • リケーブルについて
近年はGND分離やバランス接続の普及&質のいいケーブルの登場によりオーディオマニアの間ではブームになっている。
曲げや引っ張りに非常に強い編み込み形のケーブルや、一般的なケーブルより多くの線を使ったり材質に極めて高い純度の単結晶銅や純銀、果てはその純銀に金メッキやパラジウムメッキなどでコーティングしたりプラグ自体の品質にもこだわったりした豪華なものも各メーカーがこぞって出しており、3万円を越えて10万円以上のケーブルまでちらほら見かけるようになった。

ただ、実際の所を言うとケーブルの線材を変えたところで人間に聞き取れる程の違いは殆ど生まれない*8*9
よって余程に敏感な人以外はリケーブルに音質の変化を期待するのはやめた方がいい。音質向上の為にケーブルにお金を掛けるくらいならイヤーチップに投資した方が遥かに効果的である。
なので、リケーブルの意義としては耐久力の向上やマイク機能の追加、バランス接続への対応、自分好みのデザインへのカスタマイズ……といった利便性の向上や装飾性による所が大きいと言える。

それでもケーブルに高い金なんて出す気になれない、という人もご安心を。Amazonなら3000円も出せば質の良い中華ケーブルがごまんと売られている。2000円台のものも多くある。
通常のケーブルの他、通話でも使えるようマイク付き仕様の2種類用意している所もある。
いちいちケーブルを取り換えるのが面倒、という人はアンバランスをバランスプラグに変換できるコネクタもあるのでそれを活用しても良い。ただし実店舗だと安くて5000円以上、数万円を越える流石にボッタクリ市場なのでこちらはAmazonなどで買うのが吉。2000円前後のものが各種揃っている。
それでもコネクタのクセにお高い…と思うかもしれないがバランス接続の結線は普通のイヤホンの結線より複雑なのでコストが上がるのは仕方がない。とはいえ、こちらも大体編み込みケーブルなので断線しにくく長期間使用できるため案外元は取れる。
リケーブルとは少し違うが同じ要領で交換して接続するBluetoothレシーバーも存在しており、お気に入りの有線イヤホンを無線化させることも可能。電池が劣化しても交換すれば良いのでこちらも経済的には良いかもしれない…。

あと、ケーブルにもプラグとは別にイヤホンに接続するための端子があり、イヤホン本体側の端子に合わせたものを使う必要がある。
主な規格は以下の通り。

・MMCX
Shureをはじめとするヨーロッパ系のイヤホンに多い端子。
円筒形のためカチッとはめた後は回転させることができるが、端子がユルくなると勝手に回転したり接触が悪くなるという欠点も。
・2pin
元々はオーダーメイドのカスタムイヤホン(後述)に使われ、現在では中華系メーカーのイヤホンに多い。
ピンの太さや間隔、イヤホン側端子が出っ張っているか、平らか、へこんでいるかなどの微妙な仕様違いが多い端子でもある。
0.78径のCIEM2pinか、イヤホン側の端子が出っ張っているQDCタイプ、さらにそこから派生したKZTypeCが主流。
・Pentaconn Ear
ゼンハイザーの業務用機種に採用されている円筒形のコネクタ。MMCXに比べてこちらはちょっと太め。
しっかりと接合するので接触不良に強く、音跡切れなどの不良も起こりにくい。
しかし新しめの規格のため採用機種が少なく、業務用のほか高級機種くらいが主となるためマイナー。
・T2/IPX
Ultimate EarsやWestoneをはじめとする、米国のプロ向け機種メーカーが主に採用する円筒形コネクタ。
MMCXに比べてさらに細くて小さい上、接触不良にも強く耐水性能もあるという高性能規格。
しかしこちらもPentaconn Ear同様に新しい規格で業務用か高級機向けと、普及数は少ない。

なお、上述の中でも普及数の多いMMCXと2pinに関しては頻繁な抜き差しに弱いという欠点がある。
これはあくまで断線した時の交換用途として設計されたため、音質向上のためとっかえひっかえしたり、収納時にコネクタを抜いて保管したりというケースは考えられていなかったのである。
後発であるPentaconn EarやT2/IPXはその辺も考えて抜き差し時の耐久性を考えた作りになっているものの、イヤホン本体を長持ちさせたいのであればできるだけリケーブルやそれに伴う頻繁な抜き差しはしない方がよい、とされている。

  • 断線させないためには
上にも記したが、ケーブルは消耗品なので使っていればいずれ負担によって断線する運命からは逃れられない。
だが、使い方にさえ気を付ければ寿命を大幅に伸ばせる。以下のことに気を付けるだけでもかなり変わる。
  • プレーヤーにイヤホンを直接差さず、短い延長ケーブルを噛ませる(プラグの根本に一番負担がかかるため)。
  • しまう時はプレーヤーに巻き付けず、ちゃんと結ぶかケースにしまう(筐体の角に添って負担がかかるので)。
  • イヤホンをしたまま寝落ちしない(寝返りなどによりケーブルに多大な負担がかかる)。
  • 両耳への分岐部の根本を少しテープなどで固定する(こちらもかなり断線しやすい箇所である)。
万一断線してしまっても、オーディオ専門店であるe☆イヤホンなんかでは独自の修理サービスを展開している。
数千円レベルの安いイヤホンは素直に買い替えた方が得だが、万越えのイヤホンとなるとそれはためらわれる…という人は利用してみると良い。

Bluetoothコーデック(無線式のみ)

コーデックは日本語に訳すと「復号器」の意味。音響機器の場合は無線に変換した音を再生するための規格の意味で使う。
コーデックは複数の規格が存在する。基本的に接続する側とされる側の双方が同じ規格に対応していないとそのコーデックで接続はできない*10
なので購入する前に自分が使いたい機器とイヤホンの対応コーデックを必ず確認すべし*11

・SBC
Bluetooth式ヘッドホンの基本的かつグレードの低い規格で、音の劣化や遅延は最も起きやすい。実質全ての機器が対応しているが、ディスカウントショップで売られているような安物の場合殆どがこの規格しか使えない。

・AAC
主にiPhone等のApple製品で採用される上位規格で、劣化や遅延もSBCとは雲泥の差。寧ろiPhoneはこれとSBCしか対応しないので、無線で良い音を聞きたければこれ一択となる。
Androidも機種によってはこれに対応している他、Switch2も対応している。

・apt-X
アメリカの半導体企業、Qualcomm(クアルコム)が開発したコーデック。
iPhoneがAACとくれば、こちらはAndroidスマホでよく採用され、音質・遅延の程度もほぼ互角。
更に派生として、遅延より音質優先の「HD」、転送速度優先の「LL」、いいとこ取り(実質apt−Xの最上位規格)だが対応機種は最も少ない「Adaptive」という規格もある。
また対応機種がより限られるが「Adaptive」の拡張機能に「Lossless」もありCDと同等の音質である16bit/44.1khzをデータの損失なしで転送できるが通信環境に左右されやすく完全なCD音質をワイヤレスで聴くのは2026年現在では不可能である。
無線でゲームをしたい場合がこれが無難。

・LDAC
ウォークマンの生みの親であるSONYが開発した、とにかく音質に特化した規格。SBC並に遅延は目立つものの、音質は無線規格の中ではぶっちぎりで良く、ハイレゾ音源にも対応可能。
SONY製品は勿論、Androidもapt-Xの次位に対応する機種が多い。

ドライバー

イヤホンの音を出す部分。トランスデューサーとか呼んだりもする。
なお、ドライバーが1つの機種を「シングルドライバー」、複数搭載されている機種を「マルチドライバー」と呼ぶ場合が多い。

シングルドライバーのイヤホンはフルレンジと呼ばれる種類のドライバー1つで全ての音を鳴らす。
後述するマルチドライバーに比べると構造がシンプルだが、周波数帯域ごとの調整を聞かせることが難しく、ドライバーの特性が出やすい。
よって高音域がきれいに鳴る代わりに低音域に弱かったり、あるいはその逆だったりと機種ごとの長所と短所が明確な物が多い。
また、1つのドライバで鳴らしている分まとまりが良く、ごちゃごちゃとした印象を受ける音の機種が少ないのが利点。

一方マルチドライバーは高域用のツイーター、中域用のスコーカー、低域用のウーファーと、鳴らす帯域に合わせてドライバーを用意してそれぞれで音を鳴らす形式。
ただし複数のドライバーを積むと各ドライバーの音が重なる部分が生まれてしまい、音が濁りがちになる。そこで各ドライバーで鳴らしたい音だけをそれぞれフィルタリングする電子回路を組む事で音を調整するのがよくある構成*12。この帯域分割用のフィルタ回路を「クロスオーバーネットワーク」と呼んだりする。

ドライバーの数=音質、になるとは限らず、高級品だと単独ドライバーでも下手な多段ドライバーより良い音を出す製品もある。
なんならモニター用途のリファレンスとして長年君臨しているER4シリーズは初代から現行のER4SRまでBA型のシングルドライバー機である。
やたら値段が安いのにドライバーの数を売りにしている所謂「多ドラ中華イヤホン」などは要注意。フィルタ回路の設計がしっかりしていないとんでもない製品を掴まされたり、酷いものだとドライバーを積んでいるものの通電してないなんて事例も過去にはある。
一方で音質を細かく調整できる手段が多いのはマルチドライバーの方であり、中にはイヤホンに着いたつまみを調整してフィルタ回路の電気特性を変え、音の傾向を買った人の側で調整できる機種なんかもあったりする。


主なドライバーの型


  • ダイナミック型
スピーカーと同じ原理で音を出す形式。たまに「D型」または「DD型」と略される。
ノウハウもあり安く作れるので、長年ヘッドホン・イヤホンの基本として採用され続けている。
振動板に使用できる素材も他のドライバーと比較して圧倒的に多くアルミニウムやベリリウムなどの金属、カーボン、木材、果てはガラスも振動板にすることが可能である。
基本的にドライバーが大きければ大きいほど良い音が出せるので、同じ価格帯ならヘッドホンやスピーカーの方が音が良い傾向にある。
が、大きいと装着感が悪くなりがち。中にはドライバーを複数搭載した物もある。
相対的に音域が広く、低音も出せて迫力があるが、音の繊細さでは同価格のBA型に劣る傾向にある。例外はあるけど。
また、音抜けを良くするために空気の抜け穴が必要なので、音漏れが生じたり遮音性に難があったりすることも。

  • 平面駆動型・静電気(コンデンサー)型
ダイナミック型の派生で振動板全体を均一に反響させて鳴らす。振動板自体を真っ平らかつ軽く作れるため、音の歪みが少なくスッキリとした音になる傾向がある。
ダイナミック型で巻コイルだった導線を振動板にプリントして、強力な磁石で実現する平面駆動型と、振動板に高電圧をかけて帯電させてボイスコイルの代わりにする静電気(コンデンサー)型に分かれるが、どちらも他の駆動タイプより突出してお値段は高め。
平面駆動型ならインピーダンス8Ωクラスから存在するため並のポータブルプレーヤーでも鳴らすことはできるが、ダイナミック型より感度が低い、もしくは同感度でも振動量の関係で音量が出ないものが多く、スマートフォンのC-3.5mm変換端子やエントリークラスのDAPのイヤホン端子に直挿しでは本領を発揮しない物もある。
メーカーによってはご丁寧に『当製品は並のプレーヤーでは本領を発揮出来ませんよ』と注意書きを添えてるほど。
本格的なものになると据置きコンポやヘッドホンアンプと併用しなければ本領を発揮出来ないという代物も存在する*13
静電気型は振動板を帯電させるためのイニシャル電流が必要になる上、その駆動自体もヘッドホンアンプの出力云々という次元でないため*14、専用のアンプとセットでないと鳴らない。
総じて相応の初期投資や機器知識が求められるため、腰を据えた玄人向けな駆動形式である。

  • バランスド・アーマチュア型
補聴器に使われていた形式。「BA型」と略されることも。
サイズや遮音性といった利点からイヤホンに採用されており、ヘッドホンではそれらの利点が薄い上に音質面ではダイナミックドライバーの調整で事が足りるので存在しない。
登場初期は1万円以上のものがほとんどだったが、廉価なモデルも増えていったため、カナル型と共に2000年代以降人気を伸ばし定着した。
ドライバーがダイナミック型と比べて非常に小型。比較的繊細な音が出せるが、音域が狭く低音・迫力面もやや苦手。
なので高級モデルでは複数のドライバーを搭載して音域を広くしたりする。2000年代は多くて片側2~3ドライバー程度だったが、2010年代後半ごろからは2桁搭載のモデルも出てきている。
また、空気の抜け穴が特に必要無いので基本的に密閉構造で作られており、遮音性や音漏れ防止に優れる。
この方式のイヤホンはどこからかBAドライバーを仕入れてくれば自作も可能。ドライバーを選んだり、コンデンサ等で自作した周波数フィルターを組み合わせるなどして好みの音質を追求する愛好家もいる。ハウジングはレジンや3Dプリンターでどうぞ。

  • ハイブリット型
ダイナミック型とBA型のどちらのいい所どりを目指した物で、基本的には低音側をDD、中~高音をBAで鳴らすものが多い。中には2DD+BAや3DDといった変態構成もある。
BA型同様に基本はイヤホンのみ存在するが、大昔には映画やゲーム等の5ch音源をネイティブ再生するために6DDというヘッドホンもあった。
また、近年はセラミックツイーターや平面駆動型と組み合わせたものや、DD+BA+平面駆動等3種類以上のドライバーを兼ね備えたものまで出現している。
比較的新しいタイプゆえ数はそう多くなく、廉価なモデルだとどっちつかずの器用貧乏でしかない音であることも。だがハマればある程度の音場を維持しながらきらびやかな高音から迫力のある低音までそつなく鳴らす無敵の万能戦士である。

歴史的なドライバーの型

  • クリスタル型
ワインなどに含まれる酒石酸化合物の結晶(クリスタル)に電圧をかけて音を出す方式。
大きめの円盤に透明プラスチックの耳に入れる部分をねじ込んだ昭和のイヤホンの典型と言える外見。
この結晶は第二次世界大戦の日本ではソナーにも用いるためワイン造りを特別に奨励した代物で
電源なく電波の力のみでラジオが聴けるほど感度は高いがノイズに弱く、ノイズ低減のため線を撚り合わせているのも特徴。
結晶が湿気に弱く、現在は生産されていない。

  • セラミック型
開くと音の鳴るバースデイカードやクリスマスカードなどと同じ原理で音を出す形式。
クリスタル型の結晶と同じ性質を持つチタン酸バリウムなどの圧電セラミックを使用した方式。
現在「クリスタルイヤホン」として流通しているのはこちらで、外見もクリスタル型と同様。
構造上低音を出すのが難しいため、マルチドライバー機に搭載される場合はもっぱら高域担当のツイーターとして使われる。

  • マグネチック型
永久磁石を用いる方式。
ダイナミック型同様にコイルと磁石を使うが、
磁力を受けて振動するコイルに張ったフィルムを振動板とするダイナミック型に対し、
コイルによって変動する磁力によって振動する薄い鉄板を振動板とする。
音質はダイナミック型に劣るが微弱な信号でも音を捉えやすく、増幅率の低いラジオや業務用の無線機に使われている。

ハウジング

イヤホンのドライバーを収めている部分。
プラスチックだったり金属だったり木だったりと色々。高級イヤホンだとこういった所の外装にも拘っており結構豪華。
耳に直接触れる部分なので、装着感を大きく左右する。また素材や内部の構造で音に変化が生まれる。

  • 密閉型
ハウジングが閉じられている物。外部の音から遮断されるので音に集中しやすく低音域にも強い。
その反面、音はどうしてもこもってしまうので安物と高級機で音質の差が出やすい。
逆に言えば音漏れがしにくいため、音声の録音時に使う業務用も多く製造されている。
ほとんどのイヤホン・ヘッドホンはこっちに分類される。

  • 開放型
ハウジングが閉じられていない物。音がこもらないので伸びやかな音になる(特に高音域)。
ただ音がダダ漏れなので屋外・公共の場で使うのには適さない。
その性質上、無線式は(イヤホンには存在するものの)ヘッドホンではほぼ発売されておらず、自宅で使うことが前提になっている。
20年ほど前にはポーダブルタイプで開放型という何か間違ったジャンルのヘッドホンも一応あった*15
穴が少なめで低音により強くなった半開放型も存在する。

イヤーチップ・イヤーパッド

イヤーチップはイヤホンの先っちょについてる物、イヤーパッドはヘッドホンで直接耳に触れる部分。
素材としてはイヤーチップはシリコンやウレタン等、イヤーパッドは布や合皮が多い。
色んな形状やサイズがあるので、自分に合うものを探すのもよし。
これがフィットするとしないとでは遮音性と音質が天と地。
イヤホンの場合は影響が大きくイヤーチップによっては音も多少変化する(高音がチップに吸収されて抑えられるとか)。
なので、一度聴いて合わない!と思ってもあきらめずに他のサイズのイヤーチップを試してみたら一変する場合もある。


形状

  • オーバーヘッド型
ヘッドバンド型とも。ヘッドホンの元祖にして基本形。
携帯性重視で折り畳み機構を設けている物もある。
DJ用の場合ハウジングが縦か横に回転して片耳でのモニターがしやすくなっているものがほとんど。

  • クリップ型
耳たぶに挟む形で装着する。
ヘッドホンよりはコンパクトで、大きくできるので音質も良いが、形が合わないと耳から浮いたり外れやすいのが難点。少なくともメガネをかけてる人はお呼びではない。
遮音性も低めなのでどちらかと言えば家用向きか。

  • インナーイヤー型
元祖イヤホン。耳のくぼみに乗っける形の少し前まで主流だった形状。イントラコンカ型というややこしい名称を付けているメーカーもある。
有名どころだとApple純正イヤホンのEarPods/AirPodsはこれに該当する。
構造上、音が漏れやすい上に遮音性も低いが、音がこもらないので開放感があるのが利点。
基本的には遮音性・音漏れ防止に優れるカナル型の方が人気だが、カナル型の装着感が気に入らない層からは依然支持されている。

  • カナル型
耳の穴にイヤーチップを突っこむ形のイヤホン。所謂「耳栓型」で現在のイヤホンの主流。
インナーイヤーと比較して遮音性や音漏れ防止に優れ、耳の奥に差し込むため音質的にも良い感じ。ただしチップが耳の穴にフィットするので圧迫感を感じて嫌う人もいる。
また装着中にケーブルが何かにあたるとけっこうノイズ(タッチノイズ)がする。近年はケーブルも対策されつつあるがそれでも多少は聞こえてしまう。

  • 骨伝導型
近年採用されている形式で、従来のイヤホン、ヘッドホンは鼓膜を振動させて音を伝えるが、骨伝導イヤホンは鼓膜ではなく軟骨を振動させて音を伝えるため、耳の穴をふさがずに音を聞くことが出来る。
これによって従来の形式での『耳を塞ぐ事』によるあらゆるデメリットから解放されながら音楽に集中できるようになる他、鼓膜に影響をもたらさない為難聴のリスクも低い。
ただし耳に挿入しない関係上音漏れが相当激しいので、公共の場での利用はオススメしがたい欠点もある。
近年ではカナル型のスーパーウーファーとして搭載される例もある。

  • ヘッドセット(インカム)
本体やケーブルからはみ出る形で通常よりも大きなマイクロホンが付いた物。1台で完結し且つ場所を食わないのが強み。
主にコールセンターやWeb会議・航空業務者・軍人・DJの間で使われる業務用、ゲーム配信・ボイスチャット用途を謳ったゲーミング用がある。
特にゲーミング用に関しては配信映えを狙って見た目にも力を入れられている製品も多い。

  • カスタムイヤホン
耳の型をとってそれに合わせて作られる特注イヤホン。
基本的にプロがステージモニター用途で作るので、性能も良い。音楽番組でアーティストの耳元を注意して見るとよく付けている。
当然フィット感は良く遮音性も高い。しかし1人1人に合わせて作られるので当たり前だが高額であり、プロでも普通のモニターイヤホンで間に合わせる人もいる。
一部のイヤホンは中のドライバーを使ってカスタムに作り直すこともできたり、イヤーピースだけを作ることもできる。こちらは比較的安価。まあ、普通の感覚ならじゅうぶん高いのだが……。
本来のイヤホンの使い方ではないが、凄まじい騒音の中で無線を聞き取る必要があるレースドライバーが使うのも、耳型を取ってハウジングを制作するカスタムインカムである。

  • オープンイヤー
2020年代から登場した耳を塞がないイヤホン。ながら作業やランニングのお供にはちょうどいいが、音質や耐音漏れ性能はお察し。
その性質上有線のメリットがないので基本的には無線オンリー。

音の傾向

  • リスニング型
音を楽しむための娯楽用。
重低音強化や高音強化を施し個性を強めている。ファッションアイテムとして見た目を重視した製品も多い。

  • モニター型(音楽用)
音をモニタリングするための業務用。主に作編曲家・レコーディングエンジニア・PA・ミュージシャンなどが使用する。
反響音や歓声で喧しいステージ上で耳を保護しつつ正確に演奏を聴きとったり、スタジオで音のチェックをしたりするために使う。
アマチュアでもバンドやDTMなどをやる人は、極端に高価なものでなくても良いので一つくらい持っておくと良いだろう。
というかこのジャンルのデファクトスタンダードであるソニーのMDR-CD900STが2万ちょっとで買える。
それをもうちょっとリスニング用に寄せたMDR-7506も海外では人気。
イヤホンの場合は用途が用途なので遮音性に秀でるカナル型・BAドライバーの採用率が高い。In Ear Monitor略してIEMと呼ばれるが、癖強の中華イヤホンが勝手にIEMを名乗っている場合もあるので怪しかったらレビューを確認しよう。

もちろん、普通のリスニングにも使うことができ、「アーティストが伝えたい音が直接伝わる」「余計な味付けが無く原音に忠実」と評される事もある。
しかし実際のところ「自分の歌っている声の音程を確認する」「演奏している楽器の音程や表現を聞き取りやすくする」用途のためにあえて特定の種類の音を強調したり、逆に余分な種類の音をカットしたりするような機種も多い。
これは「ステージモニター」という歌手や演奏者がステージ上で着用するモデルに多いほか、上述したMDR-CD900STも同様の傾向を持つ。このため曲の全体的なバランスを調整するミックスやマスタリングの際にこれらのヘッドホンを使わず、基準機となるスタジオ用スピーカーを使って調整している人も多いんだとか。
一方でそんなスピーカーの音を再現した機種や、できる限り人間の聴覚特性にあわせた原音に忠実な機種も存在はする。しかしこちらも人によっては「面白みの無い音」という評価をされることもある。

  • モニター型(通信用)
こちらも音をモニタリングする為の業務用だが、トランシーバーや電話をはじめとした通信や放送局での中継用など、人の声をやり取りする現場で使われるもの。
通信士やオペレーターの人が付けている、マイクが付いているタイプの業務用ヘッドセットは大半がコレである。
人の声以外をほとんど鳴らさないような調整がされている機器が大半で、騒音の中でもはっきりと喋っている内容を聞き分けることができる。
一方でこれで音楽を聴くと凄まじく籠ったような奇妙な音になるため、音楽試聴には間違いなく向かない。


🎧ヘッドホンにまつわる言葉あれこれ


解像度・分解能

平たく言うと、音がどれくらいハッキリ聴き取りやすいかということ。
これが良いヘッドホンはサンホラなどの曲で、音とセリフが重なってごちゃごちゃになってる部分なんかでも1つ1つの音が判別しやすくなる。
一方で音源のアラもハッキリとわかるようになってしまい、容量重視でかなり音源を圧縮していたり*16情報が細かすぎて疲れるなんてことにも繋がる。

ノイズキャンセリング

元々は航空機操縦士の騒音対策で作られた技術。
現在主流のアクティヴノイズキャンセリング(ANC)は、重ね合わせの原理を利用して、マイクで拾った周囲の音と逆位相の音波を当てて音を中和することで作動している。
これを搭載した機器は当初は高価だったが市場競争の結果、低価格化が進み手を出しやすくなってきている。
通勤電車や町中の騒音から切り離されどこでも音楽に没入できるのはありがたい。
また応用技術として付けたままでも周囲の音が聞きやすくなる外音取り込み機能も存在する。
本来の音に加えて逆位相の音を出す必要があるため、アンプ機能が内蔵されている無線モデルへの搭載が多い。

スペック

パッケージやカタログの記載されているアレ。対応周波帯域やインピーダンス、ケーブルの長さなどなど。あんま意味は無い。
というのも、周波帯域なんかはメーカーごとに測定方法が異なる上に、実際にどんな音がするかなんてカタログスペック見てもわかるもんでもないからである。
インピーダンスもヘッドホンならともかく、イヤホンレベルなら音をとるうえで問題になることはまずない。
ただし一部の平面駆動やダイナミック、ハイブリッド型のイヤホンにはヘッドホン並にインピーダンスが非常に高いものがあり、こういうタイプはプレーヤー側のパワーが求められる。
高級イヤホンを買い求める際は一応ここに注意されたし。
どうしても音量が足りない場合はヘッドホンアンプの導入も検討すること。

製品が入っている箱、なぜかは分からないがMoondropなど萌絵(イメージキャラクター)が書いてある場合があったり、ONKYOやSONYがコラボ仕様の限定版を発売したりしている。
もちろん真面目なメーカーもあるし、萌絵が書いてあってもモノが適当というわけでもない。

🎧注意点

  • 購入の際
ヘッドホン・イヤホンの音は千差万別。個人の感性も視聴環境も千差万別なので他人のレビューの類はあてにならないと考えていい。精々音の傾向を知るくらいに留めておこう。
10万クラスのハイエンドイヤホンであっても絶賛する声もあれば、数千円のイヤホンの方がマシ!というレビューまであるのだから。
特に圧縮音源を使っている人はハイ側が劣化しやすいので、ハイ偏重のイヤホンを使うと聴きづらさを感じる事が多い。
なので、イヤホンを買うなら一度はお店で視聴してみると良い。特に装着感の確認は大事(それでも使ってるうちに不満が出ることもあるが)。
また、小さな家電量販店やドンキホーテではソニーやオーディオテクニカ、JVCあたりの国産1万円程度までのイヤホンしか置いてない場合が多く、
高いイヤホンを色々聞きたい場合はヨドバシカメラなどの大規模な家電量販店とかに行く必要がある。ビックでもないことはないけど、淀に比べるとコーナー自体が小さめで試聴可能な機種も限られる傾向がある*17
秋葉原や大阪日本橋といった地域では、e☆イヤホンなどのオーディオ専門店もあるのでそうした店舗で探すのが確実。
あと近年勢力を増している中華製品になるとAmazonかアリエクしか販路がないというところも多いので、そういった所は決め打ちで買う必要が出てくる。
中華系でも水月雨やFiiOのように日本法人を持っていたり、輸入代理店が存在するkiwi earsなんかはヨドバシで買えたりするけど。

ただし、高い物になると5万とか平気で飛んでいく。リケーブルなども考えるとそれ以上の出費になることも。
有名メーカーでもはAKGが18万、ゼンハイザーが29万などを筆頭にSTAXが63万*18。身近なSONYでさえ8万、オーディオテクニカも61万といった高級モデルを発売している。
これはイヤホンでも同様で、MDR-900STと並びイヤモニとして有名なER-4SRは5万、上を見ると片側14ドライバーの3種ハイブリッドイヤモニ等100万を超えるモデルまで存在する。

自分が求めている音の傾向も事前に知っておくことが大事。高音目当てなのにダイナミック型を探しても満足しないし、逆に低音目当てなのにBA型を探しても永遠に終わらないだろう*19
どんな音質を求めるのか、どんな用途・環境で使うのか、どんな音楽・音声を聴くのかといったことを、ある程度纏めておくと店員さんなどにオススメを聴く際にも具体的な提案を返して貰えるだろう。
試聴の際は出来れば普段使っているプレーヤーと聞き慣れている曲で行うことを推奨する。馴染みの環境に近づけることでより差異などがわかる。
一聴して合わない、と思ってもすぐ切り捨てず、プレーヤーのイコライザーやイヤーピースで調整することを薦める。調整次第で化けるイヤホンも少なくないからだ。

なお、試聴機のイヤーピースには他人の耳くそがついている場合もあるのでそこは注意してね。そうでなくとも皮脂がベッタリついてたり…。
大体近くにウェットティッシュが置いてあるので視聴前にイヤーピースや本体をよく拭いておくことを勧める。もちろん視聴した後はそのままにせず次の人の為にしっかり拭いておくのがマナーである。

試聴の際は頻繁に背後に気を配ろう。
いつまでも夢中になってると般若の如く面相で拳を震わせながら辛抱強く待つ人が背後に居るかもしれないからだ。


  • ヘッドホン難聴
長時間大音量で音楽を聴き続ける事による聴力への不可逆的な悪影響。
同じ音量でも、スピーカーより耳に密着させて音を叩きこむイヤホンやヘッドホンの方が遥かに耳への影響が大きく、音量によっては比較的短期間であっても難聴が進行してしまう。
一度落ちた聴力は現代の医学では今のところ二度と元に戻らず、徐々に日常生活にも支障をきたすようになってしまう。
WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、90dBで1週間当たり4時間以上聞き続けると、難聴の危険があるとしている。
好きな音楽に浸っていたい気持ちはこれを読む諸君なら誰もが痛いほど分かると思うが、大切な聴力を守る為音量にも意識を傾け、この音量では耳をつんざくと思ったらすかさず音量を下げたり、たまに休憩をはさんで耳を休ませてあげよう。
音楽に陶酔しているとかなりの大音量でもそうと感じにくくなってしまう為、猶更この心がけは肝要だ。


  • 周囲への注意力低下
使用時は事実上『耳を塞ぐ』状態になるので、外界からの情報が半分遮断された状態になる。
声掛けやクラクションすらも聴こえなくなるので、ある程度は周囲に気を配る重要性は有る。
歩きながらスマートフォンを操作しつつヘッドフォンで音楽を聞いたりなんかすると、他人や障害物に正面衝突したり、信号を認識出来ないリスクも有る。無防備な人間をターゲットにした強盗や当たり屋なども出てきているので尚更である。
座りながら等で程々にしよう。

前述したようにワイヤレス式は落っことしやすく、鉄道施設(駅やホームなど)ではイヤホンの落下が急増しておりある調査では3ヶ月で900件相当の落下案件が発生しているという。
ワイヤレス式は小さく見つかりにくいため、拾うのも至難の業。そのため終電後に捜索を行うなど、利用者の手元に戻るまで時間を要する場合もある。
勿論自分で降りて探すのは危険かつ運行の妨害(鉄道営業法による犯罪行為として裁かれる事も)になるので絶対にやらないこと。
このため鉄道各社はホーム上の移動や列車乗降の際にイヤホンを使わないなどの注意を呼び掛けている。


  • 音漏れ
本体同士の接続具合や音漏れにも注意しよう。
さもなくば周囲に爆音を鳴らして恥をかいたり、隣接する人に要らぬ迷惑をかけてしまう。
スマホとイヤホンが繋がっていないのに萌えソングを再生開始してしまい周囲の視線を釘付けにしてしまう失敗は誰しも一度は経験するだろう。



🎧主なメーカー

オーディオテクニカ(audio-techinica)
BOSE
SHURE
DENON(旧デンオン)
JVCケンウッド
ONKYO
SONY
Panasonic(Technics)
Philips
Final
Radius
ゼンハイザー(Sennheiser)
beyerdynamic
AKG
Fiio
HiFiMAN
Fostex
Edifier
STAX
Anker(Soundcore)
Apple
Beats
ETYMOTIC
KZ/CCA
TRN
水月雨 moondrop
kiwi Ears

※これ以外にもたくさんある。


追記・修正はケーブルの端子を間違えないようお願いします。

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最終更新:2026年08月14日 23:10

*1 PCなどでは出力先を変える必要があるかもしれないが。

*2 2025年現在主流のデータ方式ならば理論上、人間の耳で区別できるほどの音質低下は避けられるとされている。

*3 安価な機種や音質特化のハイエンド機などは必要最小限の機能しかない場合もある。

*4 リチウムイオン電池は本来極めて反応性の高いリチウムを材料にしており、ひとたび発火すると小型のものでも凄まじい火炎を放出し重篤な事故に直結する。ゆえに、自治体によりけりだが廃棄の手段がかなり限られている。

*5 イヤホンジャックに接続する事でプレーヤーからの音を無線で飛ばせる機器も発売されているが、標準内蔵されてるプレーヤーに比べると安定性や音質面で不安が残る。

*6 ただし接続部が接触不良を起こす場合もある。

*7 技術的な解説は省くが、普通のイヤホン接続(アンバランス接続)に比べるとノイズが少なく出力も高く、音も明瞭になる上位変換的な接続のこと。

*8 例えば物体の電気抵抗度は温度によっても無視出来ない程度に変化するが、夏と冬でイヤホンの音が変わって聞こえるなどと主張する人はまず見かけないだろう。

*9 かつて2000年代ごろのイヤホンに標準で付属するケーブルには、左右の音が混線するクロストーク現象を引き起こすような品質の酷い物も多々あったため、一応リケーブルにはそれなりの意義があった。

*10 外付けのBluetoothレシーバーを発信側に付けることで対応コーデックを増やすことは可能だが、多くの場合、携帯性が悪くなるので外出時に使うのには向かない。

*11 PCの場合はドライバーを入れることで対応コーデックを増やすことが可能。

*12 たまにそういった回路無しでそのままポン付けしているような機種もあるにはある

*13 平面駆動型の本格的なヘッドホンを単体で鳴らしきれるポータブルプレーヤーは、現状Fiio社のハイエンドモデル(USB急速充電と併用する事で上級ヘッドホンアンプ並の出力が可能)くらいしかないと言われている程。

*14 一応STAXのそれは「145kΩ」とされている。145Ωではなく145kΩ、ダイナミック式ヘッドホンのハイインピーダンスが600Ωクラスと考えると約250倍である。なおこの「600Ωヘッドホン」の時点でポータブルプレーヤーはおろかポータブルアンプ程度では門前払いを喰らうレベルである。

*15 当時はヘッドホンつけっぱなしで自転車に乗っても怒られなかった時代、故に「音楽が流れてそこそこ外の音も聞こえる耳当て」というニュアンスの開放型ポーダブルの存在意義もあったのである。

*16 圧縮技術が進歩している為多少圧縮した程度では分からないが、それでも流石にMP3の128kbps以下にするとブラインドテストでも音源の粗が顕著に現れだす。

*17 サンプルは横浜淀、新宿西口淀、新宿ビック、横浜ビック、藤沢ビック。

*18 しかもコンデンサータイプなので、使用するためには最低12万のアンプ必須。

*19 KZのAM16 Bass-Enhanced Editionのように0DD8BAでドンシャリする変態もいないわけではないけど。