グラトノス(メタルマックス3)

登録日:2011/10/13 Thu 16:08:24
更新日:2025/06/07 Sat 15:37:17
所要時間:約 7 分で読めます







ああ!どうしてこう、人間て生き物は愚かなのだ?

脳の中に吹き溜まった、記憶というゴミくずに……

縛られ、呪われて死んでいく……





※この項目には本作のネタバレが含まれています。













【概要】

グラトノスとはメタルマックス3の登場人物。
本作におけるラスボスで、武装集団「クラン・コールドブラッド」の創設者。
自らを人を超えた「超人」と称する。

前シリーズ2作のラスボスとは異なり、かなり早い段階から賞金首のAH666バズズに乗り各地に姿を見せる。
作中では自らの部下であるクラン・ナンバーズよりよっぽど行動的で、プレイヤーの選択にもよるが最大で5回戦うことになる。
ラスボスの常として賞金首ではないが、彼は実動部隊に任せて秘密基地で鎮座する他のラスボスと異なり、素顔のままそこら中を飛び回る。
※もっとも、他のラスボス(サーガ除く)は自由に動き回れないので仕方がないのだが

その顔は構成員クラスのチンピラも知っており、一般人の目の前に降り立つ事すらある。もちろん、その上で制裁も加える。
顔が知られている幹部同様に賞金が懸かっていてもおかしくはないのだが、ハンター協会に認知されていないのか賞金が掛かっていない。

【外見】

風貌はエメラルドグリーン色の長髪……に見える触手を生やした細身の青年。
上裸に白衣を袖を通さず羽織るという個性的な服装をしている。
体にはいくつかの赤いラインが入っているが、これはドラムカン同様V-ジーン計画のメタモーフ細胞を埋め込んだ為。
メタモーフ細胞を埋め込まれた者は人間状態時、この特徴的なラインが体のどこかに浮き出るようになる。

【経歴】

実は「大破壊」以前の人物。
本作は「大破壊」から少なくとも50年は経過しているので、実年齢はそれ以上。

かつてはグレイと言う名*1であり、シエルタの建設者にしてコーラの祖父でもあるキング・ギンスキーの下で働く科学者だった。
彼は当時、ノアに改造人間で対抗する「V-ジーン計画」に従事しており、その成果こそが他の生物の特徴を人間にもたらす「メタモーフ細胞」である。

しかし、キングの娘・アリーゼと恋仲になったことでキングの怒りを買い、駆け落ちするもアリーゼ共々キングの部下に襲われる。
その結果アリーゼは死亡、グレイも瀕死の重傷を負い、苦しみを与えるためそのまま放置される。
両手足を撃ち抜かれ動けないまま、目の前でアリーゼの遺体が腐っていくのを眺め続けさせられた。

絶望の中で彼は自らにメタモーフ細胞を使い、「超人」グラトノスとして復活、復讐を誓う。
これが全ての始まりである。

その後は冷血党を結成。科学者らしくその構成員は彼の実験体とも言うべき改造人間たちで占められている。

主人公=ブレードトゥースもその一人。
そのため、グラトノスは主人公を「実験体1313号」と呼ぶ。


彼の復讐とは「キングの家族を皆殺しにすること。
しかし、この発言の時点で当のキングはすでにシエルタにてこの世を去っている
よって当初はキングへの復讐だったが死なれたので、仕方なく対象が家族全員に変わった可能性もある。

復讐の為にキング一族が住むシエルタ破壊を目指して、ジャガンナートの再起動を図った。
オズマの両親はその起動に必要な「双子の蓮」を所持しており、結果としてグラトノスに殺されている。

また、死んだ恋人であるアリーゼに瓜二つのコーラについては「アリーゼの生まれ変わり」と信じ特別な感情を抱いている。
コーラを「アリーゼ」と呼び、嫁いでいく彼女をドミンゲスに襲撃させたり部下に捕えるように命じていた。
捕えた後は髪の毛で触手プレイを楽しんだり、クローンを大量に作ったり、実験材料にしたりと愛情(?)を注いでいる。

主人公に対しては、自らに仇なす裏切り者というよりは興味深い実験材料(メタモーフ細胞無しで変身を行えるため)という認識。
もっとも、コーラを奪いにクルマでカチコミした挙句反抗的な発言をセレクトされるうちに、ただの怨敵と化す。

【戦闘】

1.グラトノス(人間形態)
大体はこのグラトノスと戦うことになる。
攻撃パターンは全体攻撃が多く、メタモーフ細胞の影響か、人間離れした攻撃をする。
髪を触手のように操って攻撃(拘束も可能)したり、竜巻を起こしたり高熱を投げつけてきたり、3戦目には体からクモの脚やハサミが生えたりとかなり気色悪い。

2.破壊神座
ジャガンナート内部の制御ルームで戦う際の、コクピットに乗ったグラトノス。
オプションの希望砲、絶望砲と共に砲撃を行ってくる。
なんでコクピットに攻撃装置がついているかは永遠の謎だが、多分自衛用なんだろう。
生身で戦う相手なので思ったよりダメージはないがビームではないので、携帯バリア等も欲しい。

破壊すると再び人間形態とのバトルとなり、さらにダメージを与えると……


なんと!
グラトノスは頭だけになった!


3.グラトノス(頭)
文字通り頭だけ。
どうやら足どころか体も飾りだったらしい。
しかもいつの間にやら頭の両サイドにブースターがついている。
一度目は1ターンで逃げ出す。

ジャガン&ナート戦後にも頭だけで登場、再びバトルとなる。
この形態、HPは30程度とかなり低いのだが、防御・回避がかなり高く、基本的には1しかダメージを与えられない。
しかも、突撃でいきなり事故級の大ダメージを与えてくる。ここで生身キャラを殺られないように。
1ダメージずつだと面倒かつ危険だが、会心の一撃で瞬殺できる。てっこう弾系やマグナムガデスなら狙いやすい。
これを退けるといよいよ最終決戦となる。


4.グラトノサウルス
グラトノスの最終形態。
3つの頭を持つ首長竜。
竜退治はもう飽きた」って言ってたじゃないですかァーッ!
…とファンなら思わず誰しも総ツッコミするであろう、キャッチフレーズを逆手にとったラスボスである。

本体は真ん中の首であり、それを倒せばクリアとなる。
しかし、右側の首は砲弾の迎撃と電撃によるパーツ破壊、左側の首は冷気ブレスと回復と厄介な行動をとる上に、単純に首の数だけ攻撃の数も増えるので、一つずつ左右から、特に右の首から倒していくのも有効。
弱点はバラバラな上にビーム反射持ちの首が邪魔くさいので、ガス属性攻撃をお見舞いするチャンス。
あるいは迎撃が無いので思う存分砲撃して各個撃破してやるのがよい。

ラスボスなだけあって、三位一体攻撃や津波などエフェクトも非常に派手なのだが、その弊害かこのグラトノサウルス戦は本作屈指のフリーズ多発地帯として評判。

以上の形態があり、戦う流れを整理すると、

1戦目:人間形態(崖っぷち海岸にて。全体攻撃のみ使用。強制敗北イベント戦。戦闘回避可能)

2戦目:人間形態(ネツィブ・メラハ最上階にて。全体攻撃+髪による単体攻撃使用)

3戦目:破壊神座→人間形態→頭(ジャガンナート内部にて。人間形態時部分変身使用)

4戦目:頭(ジャガン&ナート戦後、ジャガンナート内部にて)

5戦目:グラトノサウルス(ジャガンナート甲板にて)

という流れとなる。

特にジャガン&ナート戦→4戦目→5戦目の間は街には戻れないので、アイテムの準備や牽引車両に予備の武器を積むなどの対策が必要。


【性格】

本作の項目でも述べられていることだが、グラトノスは他のラスボスと比較してどうにも小物と言われてしまうことが多い。

その理由としては、

  1. 超人を自称し、やたら人間を超えたとアピールする割には行動原理が「復讐」と何とも人間臭い
  2. 中二病染みた痛い台詞をよくしゃべる癖に、やってる事は単なる弱い者いじめとストーカー。
  3. ラスボスであるグラトノサウルスよりもその前に戦うジャガン&ナートの方が手強い。
  4. 5回も戦う関係上、主人公たちに倒されて3回も逃げる(内2回は頭だけで)
  5. 「ジャガンナートなどなくともシエルタを破壊できる」と豪語しておきながら、いざジャガンナートを破壊されるとマジギレ(頭だけで)
  6. 「だんじて許さーん!」と頭だけで逃げ、最終決戦でもキレたままなので、当初感じられた威厳も何もない。
  7. ジャガンナートにて、シエルタに向けて行った砲撃はアラモ・ジャックに防がれたため、結局復讐は達成できないまま終わった
  8. 周回プレイヤーによっては経験値稼ぎで延々と倒され続け相対的に強敵という印象が薄れ、最大の敵はフリーズなどと言われている。
  9. 最後の台詞が「これほどの怒りを覚えたのはひさしぶりだぁぁぁ!愚かな人間どもぉぉぉぉ!生かしては返さぬぞぉぉぉぉ!」
  10. 公式設定資料集によると冷血党を結成直後、その勢いで調子に乗ってシエルタを襲撃したがアラモ・ジャックにフルボッコにされた。
以上のような理由がある。

散々な書き方をしてしまったが、3の理由は2のラスボスにも当てはまっている。
何より彼もまた悲しい過去を背負っていることを忘れてはいけない。

戦闘BGMは人間形態戦、グラトノサウルス戦の2曲用意されており、どちらもラスボスにふさわしく格好良い曲になっている。


【名(迷?)台詞】

「彼女は生まれ変わりだ。かつて私が愛し、そして失ったアリーゼという女のね…」
「今の私はもう愛などという人間的感情は超越している」
コーラに執着する理由を聞かれた際に。実際、後にコーラにしている事から考えると『愛』とは到底違うだろう。

「超人になったはずのこの私が…久しぶりに怒りを感じている……くくく。なつかしい感覚だ……。」
コーラを捕まえたと聞いてウキウキ気分でやってきたのに、逃げられたと聞いて部下を殺しながら。

「生きることだ、老人よ。生きてさえいれば、いつか私に復讐できるかもしれないよ」
追い詰められたオズマに対して。自身の過去の経験と重ね合わせているのかもしれない。

「ああ!どうしてこう、人間て生き物は愚かなのだ?」
「脳の中に吹き溜まった、記憶というゴミくずに……」
「縛られ、呪われて死んでいく……」
何度となく行く手に立ちはだかる主人公に対して。
自分自身が思いっきり過去に囚われているのを分かった上での発言なのだろうか?
一応、「復讐を果たして初めて人間という枠を超えられる」とも言っているので、自分を含めた人間の愚かさを説いているのだとすればなかなか深いセリフなのだが……。

「はははは!私は負けない。誰も私を倒すことは出来ない!」
頭だけになった後に。
正直頭だけで言われても全く説得力がない

「許さん!許さんぞ!だんじて、許さんっ!」
ジャガンナートを破壊されて。
ラスボスならもうちょっと落ち着いて下さい。

【余談】

次回作『METAL MAX4 月光のディーヴァ』の敵組織「モーターレギオン」お抱えの科学者は「グレイ」という名前で、改造人間を生み出していたこともグラトノスと共通している。
ただし外見・性格はだいぶ異なり(研究にしか興味がない典型的なマッドサイエンティスト)、少なくとも同一人物ではないことが同作での顛末から分かる。
メタルマックスシリーズによくあるスターシステムだろう。


「生きることだ、Wiki篭りよ。
生きてさえいれば、いつか私の項目を追記・修正できるかもしれないよ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年06月07日 15:37

*1 MM2のエバ・グレイもそうだが、このシリーズはどうもキーキャラクターとなる科学者に「グレイ」という名を付けがち。加えて名ではなく姓の可能性もある。