マトリックス:レボリューションズ(映画)

登録日:2011/12/31 Sat 08:22:34
更新日:2025/02/09 Sun 22:13:33
所要時間:約 6 分で読めます







始まりの あるものには 全て 終わりがある


――その日、世界は同時に「答え」を知る。



マトリックス:レボリューションズは2003年に公開されたマトリックス3部作の最終作。
ネオとスミスの最期の闘いとマトリックスサーガの終焉が描かれる。

前作のリローデッドと同時に撮影が始まっていたため同年中に公開という、シリーズ作品としてはおそらく最短の公開であろう。
雨の中で行われたネオとスミスのラストバトルの14分間で第1作目の総制作費の3分の2、約70億円が費やされた。

ちなみに日本ではこの試写会に参加した有志による大勢のスミスたちによって劇場が埋め尽くされることになった。



[STORY]

偽りの救世主の旅は終わり、真の救世主の旅が始まろうとしていた…

マトリックスから生還したネオは内なる声に導かれてマシンシティを目指す。
そしてマシンシティの頂に立ったとき彼は世界を滅ぼさんとするスミスを倒すべく再びマトリックスへと舞い戻る、全てのものに平和をもたらさんがために…
人類とマトリックス、二つの世界の終りが迫る中、ネオとスミスという光と影はついにお互いの存在をかけて崩壊しつつあるマトリクスの街で激突することになる。
そして…

救世主の物語は終わりをつげ、世界は新たなる革命(レボリューション)を迎えることになる。


[登場人物]
※吹替については、「地上波版/ソフト版」と表記

◆ネオ
演:キアヌ・リーブス
吹替:森川智之小山力也
「自分で選択したからだ」

偽りにして真の救世主。
その力はマトリックスを超え現実世界に影響を与えるほど強大になった。
マトリックスと機械の世界の境界にある駅にとらわれた際、プログラムの家族と出会ったことが彼を真の救世主の道へと歩ませることになる。
機械は人類を滅ぼしたい悪魔なのではない、彼らもただ生きたいだけなのだ。
だからこそ機械を滅ぼすことは、人類を滅ぼすことにもつながる……

崩壊寸前のマトリックスで大勢のスミスに見守られながらスミスと最後の死闘を繰り広げる。

◆トリニティー
演:キャリー=アン・モス
吹替:戸田恵子/日野由利加
「綺麗…」

ネオの恋人。
ネオを信じ彼と共にマシンシティを目指す。
マシンシティへと続く旅路の最中、生きた人間として初めて「本物の」太陽を目にすることになる。

◆モーフィアス
演:ローレンス・フィッシュバーン
吹替:内海賢二玄田哲章
「ネオだ、ネオが戦っているんだ」

ネブカドネザル号船長……から降格し、ハンマー号副操縦士に。
マトリックスに囚われた彼を救うべくメロビンジアンのアジトにトリニティーと共に乗り込む。
既に救世主は信じていないが、ネオ自身を信じ彼に戦争の終結の希望を託す。

◆ミフネ隊長
演:ナサニエル・リーズ
吹替:小林修/佐々木勝彦
「もし、あのクソッタレどもに命を奪われるなら奴等にとことん思い知らせて死のう!!」

ザイオン防衛部隊指揮官、本作屈指の漢。
ザイオンに迫る無数のセンチネル部隊を相手に自らもAPUに乗り込み部隊の指揮を執る。
センチネルの濁流を前に一斉射撃を行う姿は屈指の名シーンである。

■APU
ザイオン防衛部隊の切り札。
大型二足歩行決戦兵器。両腕部に大型機関砲を2門装備する。
強力な武装とは裏腹にコックピットは剥き出しと防御は皆無に等しい
これは装甲で覆ってしまうとロボVSロボとなってしまうためである。
機械と人類の戦争時から同種の兵器が存在しており、当時は空を飛ぶこともできた。

■預言者
演:メアリー・アリス
吹替:沢田敏子/此島愛子
「始まりのあるものにはすべて終わりがある…終わりが見える、広がる闇が見える、死が見える…」

前作まで演じていた俳優が急逝してしまったため配役を変更。
大阪のおばちゃんからばあちゃんにジョブチェンジした。
ネオに来るべき最期を伝え、その後スミスに同化されるが…

アーキテクトを希望や選択を可能性として理解することができない「ただの論理プログラム」と断じている。

■メロビンジアン
演:ランバート・ウィルソン
吹替:江原正士/中村秀利
「恋をしている者と狂人の行動パターンは驚くほどよく似ている…」

エグザイル達のリーダー。
かつては「因果関係」から未来を予測する預言者の前身となるプログラムであったが、「人の心理」から未来を予知する現在の預言者の登場によってお役御免となっていた。
そのためネオを人質に未来を予知できる「預言者の目」を要求するも、トリニティーの愛のパワーに屈することになる。

■スミス
演:ヒューゴ・ウィーヴィング
吹替:大塚芳忠/中田和宏
「私の世界だ!私のものだ!!」

全てを同化したことで唯一絶対の存在となったプログラム。
その力はもはやネオを凌駕するものとなったが、既に目的を見失いマトリックスのみならず現実の世界をも滅ぼすウィルスとなり果てている。
相手に自分を上書きする際、相手のコードを吸収して力を増す能力があることが明かされており、
預言者を吸収したことでネオが倒れる姿を予知し勝利を確信するが、その予知には続きがあった…

大勢のスミスが集合したシーンはもはや不気味を通り越して壮観である。
劇中最強であるが、それでも最終決戦の豪雨に彼の髪は耐え切れずエキストラと同じカツラをかぶって撮影することになる。

■機械の神
演:ヘンリー・プラジンカム/ケビン・マイケル・リチャードソン(声)
吹替:斎藤志郎/中村秀利
「…何が望みだ?」
ネオがマシン・シティで謁見する、機械文明の長。
映像では分かりにくいが人間の赤子の顔を象った姿をしている。
ネオとの交渉の結果、取引に応じる。


▼救世主の力▼
救世主、マトリックスから発生したバグである「アノマリー」の統合体であり特異点。
その能力はマトリックスの構造を認識し理解した上で思うままに書き換えることが可能であった。

そして救世主の力はマトリックスを通じて現実世界の機械を制御するプログラムをも書き換えることすら可能となる。

ネオが現実世界においてセンチネルを破壊できたのは「無線接続」という形で自らの意識をマトリックスに侵入させ、そこから機械のプログラムを書き換えたためであった。
そして失明したネオが機械達を視ることができたのもまた、機械に流れるプログラムを脳が直接感じ取っていたためである。

一作目クライマックスでネオが発現させた能力こそがこれであった。
「スプーンなんてない」
そこにあるのは0と1で構成されたプログラムなのだ。
そしてそれはネオ自身も同じ。スプーンを曲げるには、世界を流れるプログラムに働きかければ良い。
預言者のもとにいた子どもたちが、そう言っていたように。

一方でスミスもネオに破壊され再構築された際にこの能力を上書きされ、それを「自らのコピーを作り出す能力」として発現させている。
これ自体はエージェント達が、マトリックス内の一般人を上書きして転移できる能力を保有しているため、それをさらに進化させたものと思われる。

しかし、他者の存在を感じ取り自らの能力を並列化させる「共存」という特性を持つネオに対し、他者に自らの特性を上書きする「支配」という特性を持つスミスはまさに対極に立つ存在。
いわば、光と影といえる存在であった。

最終的にネオをも支配したスミスであったが、「支配」と「共存」という対立する属性が一つのプログラムに併存したことでスミスのプログラムは論理矛盾を起こしそれを処理しきることができず自己崩壊する。
そしてその瞬間、ネオと接続して「共存」を選んでいたマトリックスが、ネオを通してスミスへ接触したことにより、スミスの存在は完全に消去された。
ネオがスミスとの最後の戦いに確信を持っていたのはこのためであり、つまり彼は最初から自身が勝つことは出来ないが負けることもないと予期していたのだ。



そしてネオの犠牲により全ては救われ、マトリックスは約束通りバージョンアップされた。
外に出ていきたいと望む者は外に、内へ留まりたいと思う者は留まり続ける世界に。
人とマシンは緩やかに共存していく――……



……戦いは終わり、救世主の物語は終わりを告げた。
しかし、マトリックスの歴史はこれからも続いていく。
そしてまた、救世主も現れるのかもしれない。
もしかすれば、あなたの元にもいつか使者が現れるかもしれない。
あなたが救世主であると告知するために、いつか…








…そう、いつか。


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