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蒼沼キリハ

登録日:2011/10/07 Fri 20:36:55
更新日:2026/07/07 Tue 12:01:57
所要時間:約 7 分で読めます




悲しみは力でしか癒せない!



アニメ『デジモンクロスウォーズ』の登場人物。
CV:草尾毅


・キャラクター概要

青いクロスローダーを持つ金髪碧眼の冷徹な少年。グレイモン(XW)らを従え、ブルーフレアのジェネラル(指揮官)を務める。「力こそ全て」という考え方を持ち、戦闘スタイルは力任せで荒々しい。
指揮下のデジモン達に対しても「俺について来られないならそれまで」と割と突き放した態度で接しており、タイキたちに対しても何かと当たりが強い。
尤も、全く良心がないわけではなく、人質に取られたユウについて思い悩むネネを項目冒頭の言葉で叱咤したり、バグラ軍の圧倒的戦力の前にも折れずに戦おうとするドラコモンを「俺よりもずっと強い」と評したりと、時には彼なりの優しさを見せることもある。

タイキに対しては、当初クロスローダーを持つことと“様々な手で状況を打開する”頭脳を評価し、仲間に引き入れようと勧誘するが拒否され続ける。しばらくは「タイキを失うのは困る」とピンチに駆けつける助っ人になっていたが、中盤で勧誘を諦めライバル宣言。その後、タイキとは考え方の相違から完全な仲間にはならないものの、バグラ軍という強力の敵に共闘することも多かった。
お決まりのライバルポジションではあるが、タイキとの直接対決シーンはあまりなく、どちらかと言うと共通の敵と戦いながらコードクラウンを奪い合う「競争相手」という感じの、少し変わった立ち位置のキャラだった。

第二期に入ってからシステム上、進軍ルートが一本道ということもあってタイキたちと共に行動するようになったが、やはり簡単には反りが合わず別行動することもしばしば。
しかし、第13話(通算第43話)にて力の渇望の原因となった『いじめられていたキリハを「強くなれ」と叱った父親の言葉』や『両親を失ったあとに財産を父親の部下に奪われた=強さへの執着』を乗り越え、性格が丸くなって本格的に仲間となる。性格が丸くなってからはタイキを支えるポジションにつき、時に自らを囮にするなどチームの一員として最後まで戦い抜いた。

ちなみに、彼をDWに呼び寄せたのは彼の『力への渇望』に目をつけた敵ボス・バグラモンであるが、バグラモンがキリハを「タイキやユウ以下で、自分の行動の唯一の汚点」としたのに対し、彼は「仲間と共に強くなった」と言い返すほどに成長している。




・劇中の活躍


第1話から顔見せ登場。第3話のバグラ軍襲撃の際にタイキたちの前に姿を現し、「助けてやるから手下になれ」と要求するも拒否される。以降、しばらくはタイキが倒されないようにピンチの際に現れるお助けマンと化す。
この頃はライバルではないにしろ、“強いデジモンを従えたクールで冷酷な少年”であったが、役割は助っ人か、あるいは『コードクラウンを狙う→他に構ってる間にタイキがゲット→フッ、してやられたな』がデフォだった。
ただし、彼も物語の裏ではしっかり別ゾーンでコードクラウンを集めて回っており、第22話では11個のコードクラウンを入手済みであることも語られた。


途中トワイライトと手を組むが、二戦目でダークナイトモンことただの貴族がキリハを力ずくで従わせようと攻撃して解散。早っ。
この後、ネネを助ける&ただの貴族を倒すか迷うがタイキに「迷うなら動く方がいい」「やられっぱなしじゃないよな」と焚き付けられタイキと共闘。ここでネネを叱咤するなど活躍するが、「ネネのことは俺に任せろ!」とカッコ良くネネ達の後を追って向かった先でただの貴族に操られる体たらく。
また、ネネ救出戦ではデッカードラモンに「強き愛を持つ者」と認められたが、作中でキリハに愛がある描写は皆無。逆に、味方を攻撃するという嫌な冷徹さが目立つ。普通なら『相手が誰でも容赦しない』で冷徹さをアピールする所だが、クロウォでは誰も容赦しないため、描写が『味方を攻撃』に偏る結果的に……。

で、洗脳されたキリハはタイキのパンチで正気に戻り、第21話でようやくライバル宣言=いままでライバルじゃなかった。

こうしてようやくライバル対決が見られるかと思われたが……この作品がそんなに上手く話を運ぶわけがない。ライバル宣言以降、一期中の二人の対立は一度の口論だけ。

一期ラストではタイキがブラストモンを倒したため、自分はより格上のタクティモンを倒そうとするが、敵が強いのでネネに「そこでつまらない意地を張ってるほど頭の悪い人じゃないはずよ。あなたは」と諭され共闘を承諾。



そして、物語は二期へ。
一度人間界に戻り、再びDWにやってきたタイキの前に現れたが、髪型服装が一新され、ぶっちゃけ別人レベルで容姿が激変。

しかしタイキは遠目に見てすぐキリハと判別(というか容姿の変化をスルー)。
ここからは進行ルートが一本道という制約上、タイキやネネと一緒に行動することに。
しかし、協調性がないため頻繁に別行動をとる。でも最後は合流。
一応、戦闘では別動部隊的に役立っているのだが、そのために別行動しているわけではないため「一匹狼気取りで別行動するが最後は合流」という中途半端な動きに。

そしてキリハさん最大の伝説、、グラビモン戦。
前回まで共闘しておきながら、突然タイキより手柄を立てようと項を焦るキリハは、タイキ達を危険な囮にして自分がボスを倒す作戦を強行するが、読みが甘く敗北して捕まった。
そこでグラビに自分を呼んだのはバグラモンだが、現在の脅威はタイキのみで部下状態の負け犬は用ない、と言われる。この言葉で力に執着するキリハはタイキ倒そうと決意。
敵が目の前にいるのに。

どうやらこいつ、極端に人に乗せられやすいらしい。しかも、ネネに言われたのに“つまらない意地を張って失敗”している。

ストーリー的には『グラビモンがキリハを策略にはめ、言葉巧みに同士討ちに誘導した』と言いたいのだろうが、視聴者からは『キリハが勝手に突っ走ってずっこけ、打ち所が悪かったのかトチ狂ったことを言って襲ってきた』ようにしか見えない。

こうしてタイキとキリハが遂に全面対決。そして戦いを止めようとしたデッカードラモンを他デジモンでリンチ。キリハもアレだが、異論もなく仲間をリンチするデジモン達も相当アレである。メタルグレイモン(XW)も、二期で仲間の大切さを学んだはずだがノーコメント。致命傷を負うデッカードラモン。
デッカードラモンによりキリハの過去が明かされ、その中で彼は怪しい電波を受信したが如く急激に改心し、自分を導いたデッカーに対し、「(両親も死んだのに)お前まで俺を置いていくのか!!」と涙ながらに叫んだ。
致命傷を負わせた張本人が。

一応、これで綺麗なキリハになった後はタイキを支えるポジションになり、突っ走って自滅することがなくなった。
この一件で憑き物が落ちたのか、以降は頭を使った作戦も駆使するようになり、特にヘルズフィールドで指揮官を買って出た際は自身は囮に徹し、相棒であるメタルグレイモンをタイキに託すほどの成長を見せてクロスハートの勝利に貢献した。
過去の迷走を見ていた視聴者には「こいつが指揮をとって大丈夫か」とヒヤヒヤした者もいたと思われる

実質新番組となった三期では、ネネともどもレギュラーをリストラされゲスト化。
稀に顔を出す程度となる。
三期初登場回では調子が悪かった頃の迷走ぶりが嘘のような巧みな作戦でヴォルクドラモンを倒した。
なおこの回では、かつてタイキと共にバグラ軍を倒し世界を救った人物として、リョウマから「伝説の男」と呼ばれたが、視聴者の間ではレギュラー時代の破天荒ぶりから「まさに伝説の男だった」という声が上がったりもした

最終話直前にもネネと援軍に現れている。




・総評

包み隠さずに言ってしまうと放送当時は滅茶苦茶嫌われ、叩かれていたキャラ

そもそもタイキを『頭を使って戦うから』と勧誘する時点で指揮官として相当アレである。
『力任せで荒々しい』と表現すれば聞こえは良いが、要は頭を使わない力押し。
加えて『何度も心の闇を利用され敵に回る』『何度も人の言葉に流れる』『他人の力押しを否定』『力押しが利かない相手に再度力押し』という姿が「無能」「学習能力がない」と不評を買ってしまった。
「競争相手」というライバル像も当時の視聴者から理解を得られたとは言い難く、「ライバルとして機能していない」「さっさとタイキと戦え」という声も多かった。

また上記の他人の力押しの否定や、自分が殺したデッカードラモンへの物言いなど「お前が言うな」という場面も目立つ。

一応、タイキ達やドラコモンとの関わりで成長し、『ネネを叱咤』『自分を囮にしたデジモン入れ替え作戦』など時に活躍して男を上げているのだが、調子がいい時と悪い時のギャップが大き過ぎて『脳筋キャラ』で定着。
特に際立ってダメな回は、あまりのカオス&駆け足展開ゆえにカッコイイ時よりインパクトがでかい。
特に米村正二氏が脚本を担当した回でこの傾向が目立ち、平成仮面ライダーシリーズで何かと氏への不評の声が上がり*1、「米村が相手なら何を言っても許される」という風潮のあった当時のネットでは氏への誹謗中傷の材料に使われることも多かった。

一方、後年の視聴者の間では次第に、その調子がいい時と悪い時の落差や、良くも悪くもインパクトが強くシリアスな笑いを誘う言動などから、次第にデジモンシリーズ屈指のネタキャラとして斜め上の人気を獲得。
なんだかんだで(変な方向ではあるが)愛されキャラにもなりつつある。




追記・修正は不死身の吸血鬼をゴリ押しで殺してからお願いします

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最終更新:2026年07月07日 12:01

*1 ただしこちらも度を越した過密スケジュールや土壇場での路線変更せいでシナリオを練り込む余裕がなかったことが近年になって判明して以来ため、現在では「米村氏だけの責任ではない」と冷静に分析する声も増えていることは補足しておく