登録日:2012/03/06 Mon 06:40:51
更新日:2025/01/09 Thu 14:35:51
所要時間:約 5 分で読めます
●目次
【概要】
米村正二とは、日本の脚本家である。福岡県出身。
アニヲタ的には
平成ライダーシリーズと
プリキュアシリーズの印象が強いが、それ以前からアニメ方面でちょくちょく活動している。
というか、長年
アンパンマンの本編含め映画も多数手掛けていたり、アニメのポケモンの初代編から途中参加であるがずっと脚本を担当していたりなどかなり長く活動している人である。一時期の特撮の印象こそ強いが、関わっている作品を考えればむしろアニメの脚本の方が本業ともいえる。
一部納期の厳しさで知られる作品を含め数多くの仕事をこなしており、業界から重宝されている様子。
実は関わっている作品を見ると20年以上「子供向けの長期作品」の多くで脚本を提供し続けている何気にとんでもない経歴の持ち主だったりする。
現在に至るまで、
アンパンマンのアニメが子供の頃にある世代であればほぼ確実に幼少期は見ていたと言えるだろう。
【脚本に携わった主な作品】
シリーズ構成
等。
【作風】
キャラクターの「個性」ともいうべき部分を強調するスタイル。
及び極端な特徴を持つキャラクターを使った良くも悪くも視聴者に印象を深く残す作風を好む。
『無人惑星サヴァイヴ』のメモリアルブックでは、話を進めるよりはキャラのかけあいを描く方が好きなことを語っている。
そうしたこともあってか長期的ではなく一話完結の要素・キャラクターが強いポケモンでは評判はまずまず(時々狂気のギャグ回を手掛けたこともあるが)。
その一方で、『
仮面ライダーカブト』『
スマイルプリキュア!』のシリーズ構成など、
キャラを特徴的に・場合によっては面白おかしく描く一方で、
長期作品の場合は、終盤の尻すぼみ・まとめ方があまり上手では無かったりする。
それに加えての独特な言い回しや、
説明台詞を多用するため、なかなか人を選ぶ。
それらのフリーダムさからアンチは多く、脚本が米村というだけでその作品の出来を危ぶむ人までいる程。
無論その弾けた作風を好むものも多い。
そのような方面が注目されることが多いが、関係者や本人へのインタビューによると、
「会議の要望には柔軟に対応し、出た案はできるだけ多く取り込もうとするタイプ」であるらしい。
また、『響鬼』以降から組むことが多かった
白倉Pによれば、業界内では(親しみを込めて)「ポエマー」と呼ばれているらしい。
『無人惑星サヴァイヴ』のメモリアルブックでは、
最終回脚本のラストの一部が監督の絵コンテで結構変えられたことをあっけらかんと明かしたりしているなど監督他スタッフの意志は尊重する模様。
『仮面ライダー響鬼』の後半のゲストライターとして初参加した後、『
仮面ライダーカブト』でメインライターを任された……が、まとめ方に関してあまり評判は良くない。
『カブト』の小説ではDVD特典小説からの再録&1話のダイジェスト→いきなり最終局面のダイジェストになるなど電波っぷりが果てしない。
後のシリーズ作品でも、『
仮面ライダーキバ』ではライバルが、
ボタンへの執着を強調しすぎて妖怪みたいになったり(元からある意味妖怪みたいな人ではあった)、
『
仮面ライダーディケイド』では、メインライター
會川昇が抜けてしまい、突然の途中起用・白倉Pの要望があった様子とはいえ、
ライバルキャラをホモ化(既にそういう傾向はあったが…)などキャラの個性を強調し過ぎてしまったり、
最終回をぶん投げて映画に続くラストを迎えるもその映画も最終回と繋がってるとは言い難かったり……といった感じである。
『ディケイド』以降は春のオールライダー映画を手がけることが多いが、その評判はだいたい微妙なことが多い。
ただし、これは制作スケジュールが非常にキツく、脚本を練り込む時間がなかった(特に春映画)事も関係している。
- 「『カブト』は『響鬼』からの制作体制の立て直しが急務で余裕がなかった」「マスクドフォームの必要性の設定も練る時間がなかった」ことを白倉Pが書籍『「仮面ライダー」超解析』にて語っている。
- 『ディケイド』ではメインライターの會川氏の急遽降板(理由は不明)で、その後処理を急遽担当。
- 映画の製作スケジュールはテレビ版以上に厳しく、後の『MOVIE大戦CORE』『超MOVIE大戦ジェネシス』でキャラの性格がテレビ本編と違ったりなどもあったように、設定がフワフワした状態で作ったり、脚本を作らされる期間もかなり短めだったりすることばかり。
『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の際には、脚本の3回ほどの修正案をそれぞれわずか3日でまとめたという。
それゆえ一概に米村氏だけの責任という訳でもなく、むしろそんなスケジュールを強行・常態化してきた東映の制作体制に問題もある(
三条陸氏は、『
仮面ライダーゼロワン』の際にはプロデューサーに他の脚本家が映画やスピンオフで手が空いていないため、もう半ギレ状態で仕事を頼まれたと振り返っている)。
『オーズ』を最後にTVシリーズには参加してない一方で春映画ばかり担当していたのも、他の脚本家なら投げ出すような仕事を引き受けているところもあるのだろう。
アニメのポケモンを見ている方々には「
メイドカフェのミルタンク!」や「
史上最悪のトゲピー!」、
その他にはカミツレデントといったポケアニのカオス回などがとても印象的であろうか。
(いずれも腹筋をもれなく崩壊させてくるので視聴の際にはご注意を)
ポケモンのカオス回といえばこの人である。
ただし初登板回の『イワークでビバーク』は屈指の感動回であったり、アニメのポケモンのバトル回もかなりの熱さを誇る。
有名な名バトルと言えばBF編のジンダイ戦シリーズや
ケニヤンとのリーグ戦だろうか。
『XY』で気弱な異世界サトシが登場する「うつしみの洞窟!鏡の国のサトシとサトシ!?」を手掛けたのもこの人。ポケモンのファンからは安定と信頼のカオス回の執筆者としてよく知られているといえる。
20周年記念超大作
いつも言ってるな、無印のリメイク・リブートと思われる映画『
キミにきめた!』の脚本を担当。
サトシが主人公を続けて早20年、右肩下がりの成績のポケモン映画の逆転が期待され、その期待に相応しい高評価を得る事に成功した。
その後、2019年版アニメ『
ポケットモンスター』のシリーズ構成に抜擢。
シリーズ構成就任後のアニポケにおける米村担当回では、主にもう1人の主人公の
ゴウのメインエピソードを執筆しており以前に比べてカオスさが控え、基本的に真面目な内容になっていた。
だが、米村氏がカオス回を書かなくても他の脚本家がカオス回を書いているので、2019年版
ポケットモンスターでは定期的にカオス回が放送されている。
プリキュア
レモンノカオリハシナイケドネ!
『
ハートキャッチプリキュア!』にてプリキュアシリーズに初参加。
平成ライダーシリーズ(特に『カブト』と『ディケイド』)でのことから
アンチには前評判は最悪だったが、要所要所で
燃えたり萌えたりと良回を連発。
終わってみれば平成ライダーとは180度異なるナイスサブな役割を果たしてくれた。
平成ライダーとは違い、米村氏とプリキュアの出会いは幸福な結果をもたらしたといえるだろう。
2012年放送の『
スマイルプリキュア!』ではシリーズ構成に抜擢されたものの、それまで本筋そっちのけでギャグばっかりやってきたせいか、
最終局面が尻すぼみになっていたりと残念ながら『カブト』の二の舞を踏んでしまったかのような展開となってしまった。
(両方とも万全な状態ではなかったという共通点があり、『スマプリ』では準備期間が
東日本大震災などの影響で例年より短くなる、『カブト』では役者のスケジュールの都合の理由もある)
フォローしておくと、ちゃんと良回も多く、またギャグ回も色々な意味で視聴者の記憶に残るものばかりだったため、プラスマイナスが激しすぎたと言えるかもしれない。
ちなみに小説版は米村ではなく、サブライターの小林雄次が執筆している。
追記・修正は
最終回で唐突に銃を突きつけてからお願いします。
- コメントと愚痴が多くなったのでリセットしました。愚痴が多いとコメント欄撤去の恐れもありますので自重しましょう -- 名無しさん (2016-09-11 13:42:39)
- そもそもそれ以前から勇気の花が開くときとか、大体のアンパンマン映画を手がけてることはあんまり触れられていないようだね -- 名無しさん (2017-04-29 13:41:34)
- 遊戯王VRAINSの脚本の一人だと確定。……ヴレインズの作風に合うのか?この記事を見るとブルーエンジェルのギャグ回なら期待できそうだけど…… -- ブルル (2017-05-10 11:43:50)
- ↑どっちかっていうとギャグ・カオス回が好きだけど、アンパンマン路線も結構好きなんだよなぁw -- 名無しさん (2017-05-10 11:52:35)
- ↑↑武上、冨岡、十川、面出に続くポケモンと遊戯王両方担当脚本が出たか -- 名無しさん (2017-05-10 12:31:41)
- 鬼塚回の担当になったけど、この人の急展開さとカオスさは遊戯王になじんでいたと思った -- ブルル (2017-10-20 14:07:05)
- 手綱とる人がいたり全体の一部を担当するといいのかな -- 名無しさん (2018-03-01 10:11:17)
- なんていうかトップに立つと暴走するイメージ。ちゃんとこの人をコントロールできる人が付けば良い物を仕上げると思う -- 名無しさん (2018-04-24 04:34:37)
- ↑何かそう聞くと荒川さんと同じタイプみたいな人だな -- 名無しさん (2018-07-14 15:29:25)
- ポケモン映画を見ると本当にいい話を書けてるんだよね… -- 名無しさん (2018-07-14 15:44:38)
- カントー回やネクロズマ編やキミにきめたとかポケモンだと最近は物凄く良い仕事してる -- 名無しさん (2018-10-01 00:40:41)
- サブにいれば良いアクセントとして光るが、メインを張ると途端に爆死するイメージ。とりあえず、仮面ライダーにはもうあまり関わって欲しくない -- 名無しさん (2019-03-11 17:55:57)
- ↑一番上のコメントを読んでくれないとホントコメント欄撤去になるからね。 -- 名無しさん (2019-03-11 18:56:55)
- 荒らしコメントを削除しました -- 名無しさん (2019-03-13 22:01:39)
- 速報 アニポケ新作シリーズ構成米村正二に決定 -- 名無しさん (2019-09-29 18:58:20)
- ワルサーP38は名作 -- 名無しさん (2020-10-27 00:15:56)
- 賛否別れていますが私は好きです。カブト(本編、劇場版両方)、電王トリノジーEPISODE YELLOWも面白かったですし響鬼、電王、キバ、オーズの米村さんが担当した回も登場人物の個性がいつもより強くなっていますが内容自体はとても素晴らしいです。 -- 名無しさん (2021-02-04 19:31:06)
- この人がどうこうとは言わないけど、賛否両論ありつつもこの人を使わなきゃ回せない界隈に問題があるのかなぁと思ってる…実際イニングイーターではあると思ってるし -- 名無しさん (2022-06-30 05:26:22)
- 20年以上のアニポケローテ、2013年以降のアニメワンピース、一時期のプリキュア、そしてアンパンマンにライダーと、今の20代から30代が子供の頃に見てたようなコンテンツのほぼ全てを支えてる実は結構というかかなり凄い人なんだけどなにぶんカオス回やらの印象が強すぎるともいう -- 名無しさん (2023-09-15 21:40:23)
- ごめん、ライバルキャラが同性愛にはしるって何があった -- 名無しさん (2023-09-15 21:51:55)
- 記事の内容を見るとニチアサ関係では現場の都合に悩まされていたんだな -- 名無しさん (2024-11-04 21:13:40)
- ヒーロー大戦系はさすがに脚本だけのせいではないだろうし…(特撮系は上からの指示とかもある) -- 名無しさん (2025-01-03 19:07:53)
- というか春映画はあの白倉Pの頼みを井上さんが拒否した(2人の関係性から有名だけどまず白倉Pの頼みを井上さんは断らないぐらいには無茶にも付き合う)っていう異常事態だからな… -- 名無しさん (2025-01-04 16:14:19)
最終更新:2025年01月09日 14:35