三科栄吉

登録日:2014/04/24 (木) 22:06:00
更新日:2024/08/13 Tue 12:40:01
所要時間:約 5 分で読めます






「ミッシェル様に話してみな!」



三科栄吉とは、ペルソナ2 罪及び直接の続編であるペルソナ2 罰のキャラクター。
『罪』ではパーティーメンバー、『罰』ではサブキャラクターの1人として登場する。

誕生日:11月15日
星座:蠍座
身長:185cm
体重:65kg
血液型:O型
CV:鳥海浩輔





概要

物語の舞台となる珠閒瑠市にある春日山高校(通称カス高)に通う高校2年生。
ビジュアル系のロックミュージシャンの如き厚化粧と、深海を思わせる蒼穹色に髪を染めた長身痩躯の男子で、「カス高の死神番長」として周囲に名を轟かせている。
「死神番長」の由来は彼自身のペルソナ。
本編開始以前からペルソナ能力に目覚めており、『罪』本編の序盤で「ペルソナ」という名称を知るまでは「死神」と呼んでいた
カス高生からも基本的には慕われているのだが、喧嘩で負かした相手のパンツを下ろす悪癖があり、「パンツ番長」というありがたくない別名も頂戴している。もしもスケバンと抗争になったらどうなっていたのだろうか?
また、子分らとロックバンド「ガスチェンバー」を結成し、ヴォーカルとしても活動している。
通称の「ミッシェル」はいわば芸名で、本人は音楽活動以外でもよく自称するものの、殆どの人物は本名である「栄吉」と呼んでいる。*1

性格は超がつくほどのナルシストで、自分に酔っている時はとことん自己完結している。
世間一般とはややズレた美的感覚と自意識過剰は、時に仲間からも呆れられたりドン引きされるほど。
しかし、それらは周囲に好かれ認められたいという願望を叶えるため、苦心の末に手に入れた彼なりの「仮面(ペルソナ)」でもある。定着し過ぎて半ば以上地になってるけど

一方、素の性格はお人好しの熱血漢。
彼の男気や人柄の良さは随所で発揮されており、まさに古き良き日本男児を地でいっている。ファンからは素の方が絶対モテるともっぱらの評判
ただ、寿司屋を営む父親に対してだけは、終始ビビって本来の調子を出す事ができない。
幼少期の躾のための脅しが効き過ぎた結果、今でも閻魔大王か何かのように父を恐れている。
バンド活動のことも秘密にしており、メイクは早起きして駅のトイレで行っているほど。

趣味は歌。実際なかなかに上手いが、悦に浸ってマイクを放さなくなることも。
特技は似顔絵を描くこと*2と、寿司を握ること。
またとある理由から美容や健康食品に詳しく、食事も菜食主義を貫いている。


戦闘では映画『デスペラード』のようなギターケース(マシンガン内蔵)を使用。
因みに、PS版『罰』に付属していたディスクに収録されているアニメ版嘘CMではギターケース側面にフォアグリップが付いていた。
適性アルカナは『死神』。自称ミッシェル(ミカエルのフランス語読み)なのに……。
初期専用ペルソナはギリシャ神話における冥府の三判官の一人「ラダマンティス」
後期専用ペルソナは「ラダマンティス・改」及びギリシャ神話の冥府の支配者「ハーデス」
力・体が上がりやすい代わりに速・技が上がりにくい典型的な前衛タイプ。*3
速が伸びないので、合体魔法の際は彼に足並みを揃えるために敵の先手を許してしまうことも多い。
『死神』アルカナのペルソナは弱点の少なさと即死系魔法が便利な反面、物理攻撃スキルに乏しい。
栄吉自身のステータスと噛み合わないため総合的な火力が低くなりがちなので、速や技が伸びやすい他のペルソナを付けるなどして短所を補強する必要がある。

悪魔とのコンタクト方法は「自分に酔う」、「場を仕切る」、「人生を語る」、「歌い殺す」。
基本的にうるさいものばかりだが、意外と興味を持ってくれる悪魔は多い。
特に「人生を語る」は、賢い悪魔と契約を結びたい場合の鉄板である。












以下、ネタバレを含む本編での活躍




















ペルソナ2 罪

子分達が達哉を「ガスチェンバー」に引き入れるために、独断でセブンスの新聞部長「ハナヂー」こと華小路雅を拉致した*4ことから、その落とし前をつけるために成り行きから彼と対峙。
(栄吉自身は潔く謝ったのだが、番長として子分の思いを無下にすることもできなかった)
その最中に達哉(と同行してきたリサ)が自分と同じペルソナ能力を有していることを知り、彼らと共にフィレモンと(再び)邂逅。珠閒瑠市に「噂が現実になる」異変が起きていると知らされる。
フィレモンの言の真偽を確認するため、「理想を何でも叶えてくれる」という噂のジョーカー様を呼び出すことになるが、現れたジョーカーは何故か自分達に敵意を向け、子分達を影人間に変えて去っていく。*5

子分達を元に戻すため達哉らに同行し、セブンスの学章騒ぎを解決するが、その直後に自分に恨みを持つ杉本浩樹がかつての憧れの人である華小路雅を人質に取って自身に挑戦してくる。
長身痩躯のナルシストな今の姿からは想像もできないが、生まれつき太りやすい体質*6で、小学校時代の栄吉は肥満体で気の小さい内向的な少年であった。
そんな自分を唯一、庇ってくれた雅に嫌われたくない一心で過酷なダイエットを行い、今のスリムな体を手に入れたのである。
その雅がいじめっ子にからかわれた際に栄吉へ心ない言葉をぶつけてしまった後悔から逆に無理して太っていたことを知らない栄吉は、それでも「憧れの華小路さん」だけでなく目の前の「ハナヂー」をも助け出そうと無抵抗なまま杉本に殴られることを選択。

杉本の口から「ハナヂー」と「華小路さん」が同一人物という真実が暴露された際には流石に動揺したが、杉本が自分に勝つために流した噂とジョーカーへ願った理想の裏をかいて逆転し、雅を助け出すことに成功する。
その後、杉本が自分に反逆した理由が、かつて横暴を働いていて成敗された際にカノジョの面前でパンツを脱がされた事が原因で振られたからだと知り、(原因を辿れば杉本の逆恨みではあるが)「正義の番長という美名に酔っていた自分の所業も杉本と変わらない」と反省を滲ませ、二度と悪さを働かない事を条件に既にボコボコになった杉本を放免して正式に番長を引退した。*7

その後、雅は行方知れずとなっていたが、終盤のダンジョンである天蠍宮の神殿にてジョーカーの力でスリムな体を手に入れた彼女と再会。
噂によって生まれた自身のシャドウから雅を追い詰めたのはお前だと嘲られ、自分と別れた後の彼女がどれだけ苦しんでいたのかを知った栄吉は、「痩せた雅はcute」「あいつ(栄吉)は、かつての心ない言葉と今の裏切りを許せないと思っている」と嘯くシャドウとの死闘を制した後、雅に自身の想いを告げてめでたく恋人同士となる。
そして、10年前の過ちから始まった一連の事件に決着を付け、愛する人と街を守るために最終ダンジョンへ臨むのだが……。






ペルソナ2 罰 -ETERNAL PUNISHMENT.-

10年前の出会いをなかったことにしたため、「向こう側」の仲間とは交流がないまま過ごしていた。ペルソナ能力も発現していない。
「向こう側」と同じくカス高の番長であり、子分達とバンド練習に励んでいる。
また「向こう側」と違い、「パンツ番長」とは呼ばれておらず太っていない雅が恋人として最初から側にいる。
逆恨みで自分を呪った杉本がJOKER化して新世塾にさらわれたため、救出しようと単身で理学研究所に乗り込むなど相変わらずの男気を見せている。
研究所に同じく侵入してきた舞耶や達哉とも顔を合わせ、特に達哉とは初対面にもかかわらず自然に話し合っていることに違和感を覚えていた。
終盤、「こちら側」を破滅に導くためにニャルラトホテプによって人質にされ、展開次第では「向こう側」の記憶を取り戻す。
エンディングでは「向こう側」の仲間であるリサ、淳と再会し、ただ一人で「向こう側」へと戻っていった達哉に対して思いを馳せる姿が描かれている(思い出せなくても何か悲しい事があったという認識だけはある)。












余談

ペルソナ3において、「青い髪と化粧とギターケースでかっ歩していた二十代の男性」という彼らしい人物がテレビのインタビューを受けているシーンがある。


あまり長身というイメージを持たれないが、185cmという彼の身長は巽完二(183㎝)や喜多川祐介(181㎝)を抑えてペルソナシリーズ歴代パーティメンバー中での最高値を記録している。


彼は自分の父親が空手や柔道の段位を合わせて18段も有している武道の達人だと思い込んでおり、そんな父親を怒らせることを極端に恐れている。
しかし、これは栄吉の父が彼を躾けるためについた嘘であり、本人曰く算盤3級の資格しか持っていないとの事。
店で喧嘩が起きた際も奥で震えて仲裁もロクにできない臆病な性格なのだが、栄吉はそれを認められず最後まで父親が武道の達人であると信じ込んでおり、最終ダンジョンで自らのイメージが生み出した父の虚像「メタル・ダディ」を倒すまで苦手意識を克服することができなかった。
なお、店をラストバタリオンの一団が襲撃した際も店の奥で震えていたようで、食べていたエンガワを台無しにされたトロが怒り狂ってペルソナ能力を使いその一団を撃破したのだとか。


最初は達哉の事を1学年上にもかかわらず(幼い日の記憶を夢だと思い込んでいた事もあり)、「周防」と呼び捨てにしていたが、記憶を取り戻してからは達哉の事を「タッちゃん」と呼び出すようになる。*8


『罪』の主人公パーティのメンバーと仮面党四幹部は、同じ星座の者同士が対応するように共通点と因縁を持たされているが、栄吉と同じ蠍座を背負う幹部レイディ・スコルピオンこと吉栄杏奈は黛ゆきのの方と関わりが強いのもあり、栄吉との共通点は殆どない。
挙げるとすると、「栄吉(えいきち)」をひっくり返すと「吉栄(よしざか)」になるという点ぐらいか。















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最終更新:2024年08月13日 12:40

*1 仲間内では淳のみ「ミッシェル」と呼ぶ。他に子分たちも「ミッシェルさん」と呼んでおり、栄吉に好意的なカス高生の間では「ミッシェル」で定着しているようである。

*2 子供の頃は漫画家になるのが夢だったという裏設定がある。

*3 使用武器がマシンガンなので攻撃力上昇に力のステータスが関係するのがピンと来づらいが、ペルソナの威力補正は本人の肉体のみとは限らないので特に矛盾はない。また、あの大きさのマシンガンなら重量も反動も相当なので、乱戦なら腕力がないとマトモに照準を付けて撃つことも出来ない。

*4 正確には、ハナヂーがカス高の番長を取材しようとやって来たので、そのまま引き留めておいて脅迫状を出した。なお、当のハナヂーは引き留めるために用意された食料を片っ端から平らげて子分を唖然とさせていた。

*5 ジョーカー様には「呼び出した者が願い(理想)を言えなかった場合、彼らから夢見る心を奪って影人間に変えてしまう」という噂もあったため。

*6 今の体型を維持する為にかなり我慢しているのか、飲食店で食事を摂ってから空腹になるまでの歩数が最も多い

*7 もっとも、引退後もカス高生たちからは兄貴分として何かと頼りにされている。

*8 ただし、二人コンタクトでイケメン対決をする際は、よきライバルとしての面を重視してか「周防」と呼び続けている。