天野舞耶

登録日:2014/05/05 (月) 23:40:00
更新日:2024/03/19 Tue 08:55:16
所要時間:約 6 分で読めます




「チョメチョメターイム!」



天野舞耶

CV:矢島晶子

ペルソナ2 罪の登場人物。
続編であるペルソナ2 罰ではペルソナシリーズ初となる女性主人公にして大人主人公*1に抜擢された。






概要

キスメット出版という出版社が発刊している若者向け雑誌「クーレスト」の編集記者。
『罪』『罰』どちらの作品においても取材の過程でジョーカー(JOKER)にまつわる事件に巻き込まれたことで戦いに身を投じていく。

明るくて前向きな性格であり、パーティにおけるムードメーカー。
行き詰まった際に発せられる「レッツ・ポジティブ・シンキング!」という口癖が彼女のパーソナリティを実によく表している。
特に『罪』では最終的に唯一の成人メンバーになることもあって、悩める子どもたちを時には励まし時にはその優しさで包み込み、沈んだ空気を吹き飛ばすために率先して行動するなど、年上のお姉さんとしての面が強く出ている。
そんな女性らしい優しさや包容力と大胆な行動力、ある種の母性的な魅力から登場人物の大半から好かれている。
その一方で私生活ではだらしなくガサツな面もあり、私室は100年の恋も冷めるほど荒れ放題。
その様子に栄吉は青ざめ、リサはため息を吐き、克哉は空き巣の被害を疑い、パオフゥは盗聴器を探し、南条は目を疑い、エリーが頭を抱え、達哉が「こちら側でもか…」と諦めの境地に達したほど。
そしてキスメット出版の彼女のデスクも散らかっており、ついでに運転免許はあるが途轍もなく下手であると公式で明言されている。
若者向けの雑誌記者でありながらファッションにも無頓着で私服は全て、ルームメイトである芹沢うららがコーディネートしたものを着ている。
また冒頭の戦闘開始時の掛け声を始め、「チョメチョメ完了!」や「ケツまくって逃げるわよ!」といった独特なボキャブラリーセンスを持つ。
ただ、服装と言語センスの独特さでかすみがちだが、考え方自体は極めてまとも。
憤りや焦りに任せて感情的かつ攻撃的になりがちな子どもたちに対し、人の心の弱さや傷に寄り添った発言で全体のバランスを取る役割も担う。
一方、彼女単体で見ると時に優しさとまともさが行き過ぎて甘さや消極性が滲んで見えるのも否めないこともある。

戦場カメラマンだった父、天野将隆を強く慕っており、彼が10年前に戦場で亡くなってからは、彼の形見である「ウサギのお守り」を常に持ち歩いている。
しかし、過去を思い返す際に「自分は父に捨てられた」と思ったり、錯乱した際は父に助けを求めるなど、どちらかというと依存と呼ぶ方がしっくりくる。


趣味はドライブ(ただし運転は下手)。
好物はラーメンとカニ缶。
また火に対して強いトラウマを持っている。


戦闘では二丁拳銃を使用。ペルソナのおかげか、特に苦もなく使いこなしている。
適正アルカナは「月」。初期ペルソナは「マイア」専用ペルソナは「マイア・改」、「アルテミス」。
栄吉とは逆に技・運の値が優先的に成長していく後衛タイプ。
アルカナの固有ボーナスもあって速も伸びやすく、攻撃役としても回復・補助役としても優秀。
ただし力・体は戦闘メンバーの中では最低であり、非常に打たれ弱い。
SPが尽きれば足が速いだけの的と化すので、不安ならば苦手分野が伸びやすいペルソナを降魔させておくと良い。
主人公である『罰』ならば自由にポイントを振り分ける事ができるため、やろうと思えば脳筋な舞耶姉を作ることも可能(おすすめはできないが)。
月アルカナのペルソナは強力な攻撃魔法や回復魔法を有しているが、一部のペルソナは非常に極端な耐性を持つので敵の攻撃傾向には注意が必要。

『罪』でのコンタクト方法は「インタビュー」、「相談にのる」、「親子を語る」、「叱る」。
持ち前の明るさや年上の女性という面が押し出された交渉だが、親子関係の話題だけはかなりシリアスな雰囲気。
仲間には打ち明けられないセンシティブな内容を初対面の悪魔には相談できているのは、周回プレイするととても意味深に見える。
他方、『罰』ではシステムの変更により単独コマンドは「インタビュー」のみとなっている。
複数交渉ではペルソナ主人公の常として喋らない*2ため大人しく見えるが、その実は悪乗っかりしたり煽ったりとむしろ『罪』よりはっちゃけている。



以下、ネタバレを含む本編での活躍






















ペルソナ2 罪

相棒である黛ゆきのと共に雑誌の取材のために七姉妹学園(通称セブンス)を訪れた際、同じくして校内を徘徊するようになった悪魔に襲われる。
しかし、既に覚醒していたペルソナ能力で苦もなく撃退し、その場の全員の度肝を抜いた。
そして、ジョーカーの足跡を追うために周防達哉達と共に街を奔走する。

その後も達哉達と共にジョーカーの謎を追い、彼が率いる仮面党の幹部キング・レオの爆破テロを次々に食い止めていく。
しかし、舞耶の事を「魔女」と呼び、強い憎しみをぶつけてくるキング・レオは見学に来ていた子ども達を巻き込んで「空の科学館」を爆破。
更に舞耶達が爆破を阻止してきた建物にも予め仕掛けておいた爆破装置の予備を用いて目的を達成し、その全ての責任を「魔女」である舞耶へと転嫁し襲いかかってくる。
炎に対するトラウマとキング・レオの憎しみ。そして、ジョーカーからの「10年前の夏の日を思い出せ」という伝言。
悩み苦しみながらも恐怖を乗り越え、キング・レオを退けた一行は子ども達の噂で本物の飛行船となった科学館のオブジェクトで脱出することに成功。
また、程なくして10年前に自分が達哉達と既に出会っていた事、ペルソナ能力発現のためのきっかけであるペルソナ様遊びを彼らに教えたのが自分であること、引っ越しの前日に別れを嫌がる彼らに神社へ閉じ込められ、放火魔(キング・レオ)に焼き殺されそうになった事を思い出し、ジョーカーの正体が10年前に仮面党ごっこをして遊んだ最後の1人である黒須淳であることに気づく。
そして、自分のふりをして達哉達に接近したシャドウを倒し、彼らに真実を告げた舞耶はニャルラトホテプによって達哉らが舞耶を殺したと思い込まされ暴走する淳を何とか助け出す事に成功するが、既に街の異変は取り返しがつかない状態にまで陥っており、珠閒瑠市は古代遺跡シバルバーとして宇宙へと飛び立ってしまう。
離脱したゆきのに代わってニャルラトホテプの呪縛から脱け出した淳を仲間に加え、舞耶達は10年前に端を発する因縁に決着を着けるために古代遺跡シバルバーの最奥を目指すが……。







以下、罪のエンディングのネタバレにつき注意























数々の障害を乗り越え、ニャルラトホテプと対峙した舞耶達。
5人の力を合わせてそれを退ける事に成功するも、物陰から飛び出してきたある人物により舞耶は傷つき倒れてしまう。
舞耶を貫いたのはかつてイエスを処刑した伝説の聖槍。
人類が二千年もの間、語り継いできた噂の力が本物となり、成す術もなく舞耶は衰弱していく。
嘲笑い、虚空へと消えていくニャルラトホテプ。
自分が助からない事を悟った舞耶は、子どもたちが再び過去に縛らぬよう「自分の事は忘れてそれぞれの夢に向かって生きて欲しい」と告げ、息絶える。

しかし、大切な「お姉ちゃん」の死を受け入れられなかった達哉達はフィレモンの助言を受け、10年前の出会いをなかった事にすることで全てをやり直そうとする。
そして、新たに生み出された「こちら側」の世界で分岐した生を歩む舞耶は、駅前の交差点でどこか懐かしさを覚える少年と再会する……。










以下、更なるネタバレを含む続編の活躍























ペルソナ2 罰 -ETERNAL PUNISHMENT.-

前作のラストで達哉と出会ってしまったことで、知っていないはずの「向こう側」の出来事をデジャ・ヴュとして体験するようになる。
彼を「デジャ・ヴュの少年」と呼んで思いを募らせながらも日々の仕事をこなす中、殺したい相手を代わりに殺してくれるJOKER呪いの噂を取材するために訪れた七姉妹学園で本物のJOKERに遭遇。
「向こう側を思い出せ」と詰め寄るJOKERに追い詰められるも、ペルソナ能力の覚醒や独自にJOKERを追っていた達哉が
駆け付けた事で無事に生還する。
達哉から「これ以上関わるな」と釘を刺され、一度は元の生活に戻ることを考えるも、
事件とデジャ・ヴュの真相を追う事を決め、親友である芹沢うらら、達哉の兄周防克哉、盗聴バスターのパオフゥらと共にJOKERの正体である須藤竜也(向こう側のキング・レオ)の足取りを追う事となる。

やがて、事件の裏で大物政治家である須藤竜蔵(須藤竜也の父親)が率いる新世塾という団体が暗躍している事を知り、
同じく新世塾を追っていた南条圭桐島英理子の協力を得て調査を続けるも、「向こう側」と同じく「こちら側」もまた、噂によって少しずつ現実が侵食されていき、「向こう側」の歴史をなぞるかのように異変は加速していく。
達哉から事件の真相、黒幕の正体を知った舞耶は、尚も1人で戦おうとする彼を説得して仲間に引き入れ、
ニャルラトホテプが仕掛けた最後のゲームも乗り越えて彼奴と対峙。
「向こう側」と同じく運命を嘲笑うニャルラトホテプに対し、達哉を除く4人は「運命など後出しの予言と何も変わらない」と断じ、
打ち倒すことで普遍的無意識へと押し返すことに成功する。
その後、「デジャ・ヴュの少年」との永遠の別れを経て日常に帰還。
仲間達がそれぞれの道を歩む中、いつものように取材に出た街中で偶然にも周防達哉の姿を目にするが、
そのまま声をかけることなく通り過ぎ、走り去る彼の背中を見つめるのだった。







余談

明るく前向きなキャラクターからは想像しにくいが、実はかなり繊細で傷つきやすい面を持っている。
普段の明朗快活な態度は他人に好かれ必要とされるための仮面(ペルソナ)であり、内心では人から忘れられること、必要とされなくなることを恐れるという、達哉とよく似たパーソナリティを有している。
これは彼女自身が自分は父親に必要とされず捨てられたと思い込んでいるからであり、無意識に父親から与えてもらえなかった父性の愛情を他人に求めているからである。
そんな彼女が「お姉ちゃん」として聖母のように慕われながらもその存在を忘れ去られてしまったことは何とも皮肉であると言える。

また、攻略本によれば『罪』では仲間が全員年下で年長者として周りを引っ張っていったの対し、『罰』では周りが殆ど年上か同年代であるためお姉さんである必要が無く、無理にお姉さんであろうとしない分、ちょっと柔らかい印象だという。

「向こう側」の記憶を持つ達哉が『罰』のエンディングで「こちら側」の消失を防ぐために「向こう側」へと戻っていったのに対して、同じく「向こう側」の記憶を取り戻した舞耶が「こちら側」に残れたのは、彼女が「こちら側」で生まれた人間であり、「向こう側」で達哉と共に戦った舞耶とは厳密には別人だからである。
罰の終盤では一般人達も「向こう側」の記憶をデジャ・ヴュとして思い出しており、達哉だけが特異点と呼ばれているのは彼が「こちら側」の創造を拒絶したにもかかわらず「こちら側」に存在していたからである。

シリーズ初にして現状では唯一の大人主人公のためか、ペルソナ20周年記念イラストだとあの服装で歴代学生主人公達に紛れるという中々シュールな光景となっていた。






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最終更新:2024年03月19日 08:55

*1 女神転生系列作品全体だと、先行事例として「真・女神転生if…」に女性主人公、「デビルサマナー」に大人主人公がいる。ただし、いずれも選択次第で選べるものなので、固定された設定としてはどちらも舞耶が初と言える。

*2 舞耶に関しては、実は選択肢以外の台詞がプレイヤーに分からないようになっているだけで作中では普通に喋っている設定であり、身振り手振りのモーションでそれが表現されている。