誘宵美九(デート・ア・ライブ)

登録日:2014/06/17(火) 1:35:03
更新日:2025/06/30 Mon 00:54:25
所要時間:約 10 分で読めますー。





あーもう可愛いですぅー!
たまりませんねぇ!たまりませんねぇ!


概要

誘宵美九(いざよい みく)とは、『デート・ア・ライブ』の登場人物。これまでの精霊と違い、最初に現界して以降半年間現界していなかった。
原作では6巻『美九リリィ』より登場。
アニメでは第二期5話『ディーヴァ』で初登場。担当声優は茅原実里


<ラタトスク>などの対精霊組織ですら一度現界して以降の足取りが掴めなかった幻の精霊。識別名は『ディーヴァ』。

人間界では『誘宵美九』という芸名で芸能活動をしており、男性のみならず、自身が在籍する竜胆女学院の女生徒からも人気の女子高生アイドル。
ルックスも歌もトップクラスのアイドルとして天宮市でも人気だったが、男性を寄せ付けないアイドルとしても知られていた。

年格好は十香たちと同年代。
紫紺のロングヘアーに整った容姿、極めつけに十香をも凌駕するプロポーションを誇る美少女。
アイドルとして活動しているために肌の手入れなどは欠かしておらず、プロ並とは言わないものの、エステを他人にできるほどに美肌法について詳しい。

霊装は『神威霊装・九番(シャダイ・エル・カイ)』。いかにもアイドルが着ていそうな淡い黄色を基調としたドレス。
一見するとステージ衣装のようだが、よく見ると光の帯やフリルがあり、ただの衣装ではないことがわかる。

のんびりした口調が特徴的で、『~ですぅ』『ですよー』などの舌っ足らずな口調か伸びた語尾で話すのがデフォルト。
素直な感情表現が多いが、厳しい芸能界で生きてきたことで世間慣れしているためか、シビアな発言や現実的な発言も多い。

そして美九の一番特徴的なところといえば『超が付くほどの男性嫌い』である。
初めて会った時は士道が話しかけるだけで好感度が『黒いアイツ』以下に下落するというとんでもない事態に陥り、<ラタトスク>は頭を抱えることとなった。
これには美九のとある過去が関係しているのだが、とにもかくにも話すだけで好感度が下落されては打つ手がない。悩んだ末の結論がアレだった。

『男性嫌い』の反面女性は大好きであり、特に可愛い女の子が大好き。
どれくらい好きかというとはっきり言って百合を通り越してレズの領域に両足突っ込んでいるレベルであり、可愛い女の子に囲まれている時が一番幸せ。
ただ、過去のトラウマから人間不信な部分もあるため、『可愛い女の子であれば誰でもいい』『誰か欠けても代わりはいる』という歪んだ倫理観を持っている。*1

○本編での活躍(ネタバレあり)


年に一度の合同文化祭『天央祭』の実行委員となり、忙しい日々を送っていた士道。
そんな中、空間震警報で精霊の現界を知った士道は現場――天宮スクエアに向かう。

そこにいたのはステージ衣装で歌うアイドル『誘宵美九』。
精霊の力を暴走させるでもない美九に話しかける士道だったが、美九はニコリともせずに自分の能力である『声』で士道もろともステージを破壊する。
かろうじてガレキに掴まり、九死に一生を得た士道を美九はゴミでも見るような目で見下ろし、

『息をしないで下さい!あなたがいるだけで周囲の空気が汚れるんです!』

等と士道に対し侮蔑の言葉をぶつけ、それ以上士道に目もくれず、その場から立ち去るのだった。

その時のやり取りを見ていた<フラクシナス>クルーは、好感度の著しい低下から『美九がとんでもない男性嫌い』であることを察する。
話しかけるだけで好感度が下がるという難敵に頭を悩ませた<フラクシナス>クルーたちは、『士道を女装させて美九を攻略する』という荒業に出る。

元々士道が中性的な顔をしていたことから女装は『美少女レベル』というものに仕上がり、士道は『五河士織』として美九に接触。
<フラクシナス>の読み通り、美九は士織に対し好意的に接し、『竜胆に転校してほしい』と言われるまでに気に入られる。

しかし同時に『美九のお願い』を士織が拒否したことで『精霊の力が効かない=一般人ではない』と美九に看過されてしまう。
事情を話し、士織は霊力を封印させて欲しいと願い出るも、美九はそれを拒否。その理由は『好きに行動できる精霊の力を捨てたくないから』。

もし精霊の力で友達が傷ついたら、と説得にかかる士織だが、美九は『自分が好きなんだから、死んだとしても彼女たちは本望だろう』と身勝手な理屈で反論。
それに憤りを感じた士織は美九に激昂し、『絶対に霊力を封印してやる』と告げる。それを聞いた美九は『自分に士織が天央祭で勝利したらさせてやる』と返す*2
しかし、もし士織が敗北したらこれまで霊力を封印した精霊と士織を自分のハーレムに加えるという条件も付けられてしまった。


困った士織は事情を話してバンドで参加する予定だった亜衣、麻衣、美衣の協力を取り付け、十香、四糸乃八舞姉妹、そして折紙の協力も得る。
彼女らの協力もあってなんとか美九に勝利する*3士織だったが、美九は約束を反故にし、『声』で十香以外の精霊たちを自分の影響下に置く。
霊力封印どころか貞操の危機に陥る士織。さらに違和感を覚えた美九が『士織が士道(=男)である』ことに気付き、文字通り絶体絶命の事態に陥る。

なんとか十香の協力もあって危機を脱し、どう封印しようかと悩んだ矢先に十香は『DEMインダストリー』に拉致されてしまう。
頼みの綱の琴里まで美九の『声』で操られてしまい、困り果てる士道の下に協力を申し出てきたのはなんと敵であるはずの狂三だった。

狂三の協力で美九の過去の一部を知り、士道はもう一度天宮スクエアの美九の下に向かう。
狂三が精霊たちを抑えているうちに美九と二人きりになれた士道だったが、説得は失敗。
霊力の封印をしない代わりになんとか十香の救出の協力だけでも取り付けようとするが、拒否される。
なぜそこまで十香のためにするのか、と聞かれた士道は『十香が大切だから』と答えるが、美九は今まで見せたことのない必死な表情でそれを否定する。

『全部嘘です!裏があるんです!人間みたいな利己的な生き物が、誰かをそんなに大切にするわけないんです!』

結局タイムアップと判断した狂三の手で、士道は撤退。士道は狂三と共に十香の救出に向かう。
そんな二人を見送った美九だったが、士道の言葉が嘘とは思えず、
また、士道をよく知る四糸乃と八舞姉妹が『士道なら命懸けで救出しようとする』と言ったことで気になり、彼らの後を追うことに。

しかし運悪く、狂三とはぐれて一人で救出に向かう士道と鉢合わせてしまった美九は不本意ながら(自分も危ないので)士道を助けながら十香の下に向かう。
大怪我をしながらも十香の下に向かおうとする士道の姿が気に障った美九は士道を挑発するが、士道はそれを無視。
頭にきた美九は十香の代わりになんでも言うことを聞く美少女をやるから十香を諦めると言え、と士道を誘惑するも、士道の猛反発を食らう。
「なぜ元は同じ人間だったのに、そこまで人間を嫌うのか」*4と。


士道が知った美九の過去とは、かつて『宵待月乃(よいまち つきの)』という名前でデビューしていたことであった。

当時の美九は精霊の力こそないものの、生来の整った容姿と、好き故に上手くなった歌でアイドルとしてかなりの人気を博していた。
しかし、とあるプロダクションの上役から接待を求められ、それを拒否したことで根も葉もない醜聞を吹聴され、人気はあっという間に下落。
それでもステージに立とうとした美九だったが、ストレスで歌うことができなくなり、心因性の失声症を発症。『宵待月乃』として活動することはできなくなった。

男性の欲望と人間の薄情さで大切だった声を失った美九は男性嫌い・人間嫌いとなってしまい、
男性のみならず、女性に対しても真の意味で心を開くことが出来なくなっており、『声』で洗脳した相手のみを侍らせているのもそのため。
上述した「可愛い女の子であれば誰でもいい」という歪んだ価値観も、元を辿ればこの人間不信に由来する。

ステージから降りてからの美九は、真剣に自殺を考える程に追いつめられ、失意の生活を送っていたが、
『ファントム』の接触により精霊の力を手に入れたことで、本名である『誘宵美九』の名で再デビューする。*5
しかし、かつての『宵待月乃』時代に刻み込まれた他人への不信感から、
精霊となって得た『声』で全て自分の都合の良いように周囲を操りながら芸能活動を続けることとなった。

その経緯ゆえに、『声』を失ったら今の自分もなくなり、歌うこともできなくなるから霊力の封印などされたくない、と言う美九だったが、士道はそれを否定する。
そして、『美九が人間を操るのは、人間が怖いから。しかし本心では人間を信じたいと思っている』という推論をぶつけられた美九は赤面しながらそんなことないと訴える。
その言動が図星を突かれた故のものと判断した士道は、さらに言葉を続ける。歌を失って無価値な自分に戻れというのか、と叫ぶ美九に『本当の声で歌ってほしい』と。

本当の声で歌っても誰も見向きもしないと言い返す美九。
しかし士道は『たとえ『声』がなくても、少なくとも俺は本当の声で歌う美九のファンでいる』と言い返す。
『宵待月乃』にもきっとそんなファンがいたはずだ、とも言われた美九は言葉に詰まり、
さらに『何があっても俺が手を差し伸べる』と言われ、逆ギレのように叫ぶ。

『じゃあなんですか、私がもし十香さんと同じようにピンチになったら、あなた、命を賭けて助けてくれるとでも言うんですかぁ!?』

『当然だろうが!』


そのやり取りの後、ついに士道と美九は十香の下に駆けつけるが、間に合わず十香は反転し、士道たちに刃を向ける。
必死に十香を救おうとする士道を、悪態をつきながらフォローする美九。しかし、反転した十香は士道ではなく美九を障害と感じたのか、美九に攻撃を加える。
自分を一撃の下に殺すであろう斬撃が目の前に迫り、恐怖で声を失い、死を覚悟する美九。しかし、覚悟した痛みはこなかった。
おそるおそる目を開いた美九の前にあったのは、士道の背中だった。

『え……?』

『約束…したからな』

その姿に感激し、『士道に十香を救うという目的を果たさせたい』と思った美九は影響下にいた精霊たちを解放。自分も士道に協力し、十香の救出は成功に終わった。

この一件で士道を『だーりん』と呼ぶほど気に入った美九は自ら霊力を封印してもらい、再び人間の『誘宵美九』としてアイドル活動を続けていくことを決意したのだった。


封印後は男性嫌いこそ治っていないが、『だーりん』たる士道に対してのみ心を許しており、積極的に士道に求愛のアピールをしている。
ぴったりと身体を寄せて『当ててるんですぅ』をするなど序の口であり、士道を高級ディナーに誘ったり、キスをねだったりとわかりやすいスキンシップや愛情表現を行う。
その士道LOVEっぷりは尋問中(つまり仕事中)の琴里が職務を忘れてマジギレするレベル。精霊とのイチャイチャを推奨する琴里がキレるぐらいってどんだけ…
ある意味折紙に匹敵する積極的さを見せるが、彼女と違って性的な言動は少なく、浮気に関しても好意的。まあこれは美九が百合嗜好なのもあるが。

女性好きは変わっておらず、『百合』から『条件付きの両刀』になったくらいの変化しかしていない。
十香や八舞姉妹にとても良い笑顔でハグを求めたり、喜々としてミスコンの審査員をしたりと百合百合な言動はなくならず、八舞姉妹に『身の危険を感じる』と言われるほどアレ。
『アンコール2』では十香や八舞姉妹のセクシーな水着に『タマリマセンワー』と繰り返しながら、士道に『低得点をつけてくれ』と依頼されたのを忘れて恍惚とした表情で満点を出したことも。美九ェ…
……なんか十香や八舞姉妹ばかり毒牙にかかりそうになっている気がしてきたが、多分気のせいだろう。むしろ七罪が登場して以降は彼女が美九に散々な目に遭わされているような……。

人間不信やに関しては士道のような信じるに値する人間もいると知ったことで改善されたらしく、他人を道具のように扱うことはなくなった。
男性嫌いに関しても克服しつつある描写もある。

アイドルとしての活動も順調であり、『声』を失って以降も着実にファンを増やしているとか。
スキャンダルに関しても士道が『何があっても自分のファンでいてくれる』ことで大らかであり、人前であっても熱烈な愛情表現をしている。
『もしパパラッチが潜んでいるなら、目線とピースくらいサービスしてあげます。フライデーでもサンデーでもドンと来いってんです!』

元々アイドルをしていたためにコスプレなどは割と好きで、士道とのデートで正体を隠すために女児向けアニメのコスプレを喜々として身に纏ったこともある。
その時のコスプレ姿はカメコに絶賛されるレベルで、快く写真撮影にも応じていたが、結局アイドルであることがバレて士道にお姫様抱っこされながら逃亡した。

ちなみに、デレて以降はやたらと士道にくっつきたがり、甘える姿が多く見られるだけでなく、
士道が関係していないところでも無邪気(※下心がないとは言っていない)な言動が目立つので幼く見えるが、士道より年上である。
自分が士道の依頼をこなせなかったことを悔やんで泣き出し、精霊の力が逆流するほど大泣きしたこともあったが、士道より年上である。大事なことなので2回言いました。




○天使


【破軍歌姫(ガブリエル)】
巨大な光るパイプオルガンの形をした美九の天使。

発する音に霊力が籠っており、聞いた者を洗脳して『美九の言動を第一優先として行動する』ようにする。
あくまで『行動理由の最優先事項が美九になる』だけであり、性格や美九以外への感情は変わらない。
洗脳された八舞姉妹や四糸乃は士道にとってはNTRされたも同然だったが、実のところ士道への信頼は変わっておらず、
洗脳によって彼女たちの中の『大切の度合い』の最上位に美九とその意向が置かれただけである。
…それをNTRって言うんだろって?知らないなぁ。

ちなみに洗脳は【独奏(ソロ)】という能力の一つに過ぎず、対象を鼓舞して力を増幅させる【行進曲(マーチ)】、
物理的な衝撃を『声』に付与する【輪舞曲(ロンド)】、対象に鎮痛作用をもたらす【鎮魂歌(レクイエム)】等、
その作用は多岐に渡る。これまで登場した天使の中でも狂三の【刻々帝(ザフキエル)】に次ぐ汎用性をもった天使である。

ゲームにおいて

  • PS3ソフト『凛祢ユートピア』
『或守インストール』から登場し、同作では攻略対象の一人である。
イベントではやはりというか自分の色気でアピールするものや士道にイチャイチャするものがほとんど。プレイヤーが士道であるためか、キマシタワーなノリになることはない。
ルートに入ってもその路線は基本的に変わらないが、士道から真剣に自分への想いを告げられて真っ赤になって照れたり、
士道に料理を作ったものの感想を気にしてぎこちなくなったりと、純情な一面を覗かせることも。
後なぜかシチュエーション上、士道との接点が少なかったり初対面設定でも無理矢理な理由をつけて士道をだーりんと呼んでいる。

初期参戦作品の一つとして参戦。
世界が混ざった事で出会うことが出来た異世界の女性にセクハラまがいのスキンシップをかましまくっており、他のキャラを対象としたボイスが非常に多い。
メインシナリオではWORLD03で登場。
敵に支配されたセイルーン王国において女性だけのレジスタンスを築いており、旅してきた主人公と出会う。
主人公は男女選択制なのだが、主人公が男か女かではっきりと態度を変えてくるので、大筋は変わらないものの主人公と美九の会話はかなり違う。

性能面では本人の戦闘能力の低さを再現してか最低レアリティの星1での実装。
代わりに原作通りに回復や耐久面等のサポート性能が高く、高難易度で役立つ性能をしている。
ただ最低レアリティだけにレベル上限が50*6と低く、そのままではHPも低いのでその点はサポートしてあげないと美九はあっさり落ちる。
数に限りのあるレベル上限を更に超えるアイテムを使えば星1キャラもレベル100まで上げる事も可能だが、それにはかなりの愛が必要となる。


余談


  • 『宵待月乃』であることは精霊になってからは隠しており、霊力によって「同一人物ではない」という暗示をかけていた。
    効果は絶大で、パフォーマンスや歌はほとんど一緒なのに気付く人はあまりいなかった模様。





『だーりん!だーりーん!』
『ん?なんだよ美九…って、おわぁ!』
『これ見てくださいよぉ、私の記事、なんとアニヲタwikiっていうサイトにもできたみたいなんですぅ。人気者の宿命ですかねぇ』
『そ、それは美九が人気アイドルって証拠ってことでいいって思うけど、あの、その、ちょっとくっつきすぎっていうか、当たって…』
『当ててるんだから当然ですぅ。ねーねーだーりん、私の記事、編集してくれますぅ?』
『い、いいけど、それなら離れてくれると助かるっ。ほら、こ、このままじゃキーボードとか打てないし!』
『あ、そーですね。じゃ、だーりんとくっついてる方がいいのでぇ、編集はwiki篭もりっていう方々とファンのみんなにお願いしますぅ』
『えっ!?いや、ちょっ…!』
『というわけでぇ、wiki篭もりさんとファンのみんな、応援と編集、よろしくお願いしますぅ♪』
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最終更新:2025年06月30日 00:54
添付ファイル

*1 琴里も封印後は念入りな倫理・情操教育が必要だと判断している

*2 この時士道が取った態度に対し琴里は『ラタトスク司令官』としては苦言を呈しているが、『五河琴里個人』としては賞賛している

*3 この結果は本来美九が所属している学校は丁寧な接客が売りであったが、美九が精霊の力を使い学校関係者を洗脳して自分のライブに特化させた。その本来のアドバンテージを来禅学校の接客が拾い上げてこの結果に至った。つまり美九自分が見下していたは『人と人の繋がり』を否定したことで敗北したと言って良い

*4 彼女に限らず始源の精霊ととある一人を除いて精霊は全員元人間ではあるが

*5 美九は『ファントム』を「神様」と呼んでおり、後の事情聴取で『ファントム』によって人生を狂わされた琴里は神格化されていることに複雑な表情を浮かべている

*6 最大は100。