登録日:2014/07/09 Wed 20:40:30
更新日:2025/05/14 Wed 20:51:22
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湖西線とは、
滋賀県の近江塩津駅から
京都府の山科駅までを結ぶ、
JR西日本の鉄道路線である。
ラインカラーは
■水色で、路線記号は
B 。
目次
概要
鉄道要覧では起点駅:近江塩津、終点駅:山科となっているが、JR西日本の発行する資料では「湖西線 山科~近江塩津」と終点駅→起点駅の順に記載されている。
市販の時刻表でも「下り:山科→近江塩津」、「上り:近江塩津→山科」の順に記載されているため、上下線についてはJR西日本基準で記述する。
なお、山科駅を始発・終着とする列車はなく、全列車が琵琶湖線の京都駅またはそれ以西まで直通している。
列車番号は列車により異なり、新快速と京都駅発着の普通列車は琵琶湖線での上り線・下り線を基準に列車番号が設定されているため、下りが偶数で上りが奇数となっている。
特急「サンダーバード」と近江今津~敦賀間のみを運行する普通列車は当路線基準で設定されているため、下りが奇数で上りが偶数となっている。また、特急「サンダーバード」の号数も下りが奇数、上りが偶数となっている。
北陸新幹線の敦賀以南開業時には、同路線が並行在来線扱いとなるため、JRからの経営分離が検討されている。仮に経営分離となれば、大都市近郊区間路線では初のケースとなる。
ただし敦賀以南のルートは滋賀県を全く通らないため滋賀県側は当然反対しており、今後の動向が注目される。
特徴
湖西線の西側には比良山地の山々がそびえているが、ここから吹き下ろす局地風「比良おろし」で、列車が減速したり運転を見合わせたりすることがしょっちゅうある。
この場合、本来は湖西線を走る特急「サンダーバード」がまれに琵琶湖線経由になることもある。
さらに、比良おろしによる貨物列車の脱線事故が過去に2度起きている(1979年と1997年)。
そのため、山側に防風柵を設置するなどの対策も行っている。
地図で確認してもらえば分かる様にほぼ琵琶湖に沿って直線的に建設されていることから、JR西日本の近畿地区向け車両は落成後この路線で試運転を行うことが恒例となっている。過去には在来線車両の高速試験にも使用されており、1985年には381系の高速試験で179.5km/hという日本最速記録を叩き出している。
歴史
元々この区間一帯は、浜大津~近江今津間を結ぶ
江若鉄道が開業・運行していた。
当時の国鉄が大阪と北陸地方の結ぶ短絡線を作りたいがために、国策でこの区間を江若鉄道から事実上買い上げ・跡地転用して湖西線が建設された。詳しい話は江若鉄道の項目を参照。
転用とは言っても、江若鉄道の元駅で現在も駅として使用されているのは日吉→叡山→比叡山坂本と、近江木戸→志賀、そして高島町→近江高島の3駅のみで、殆どの駅が元の駅とは異なる場所に建設されたため、車窓から廃線跡が良く見える。違いががわかってそれもまたいいという人もいるが……
湖西線の開業後の特筆事項といえば直流化工事である。
開通当時、山科駅は琵琶湖線の駅なので
直流電化、近江塩津駅は北陸本線の駅なので
交流電化であった。
そのため線内にデッドセクションを設ける必要があり、需要の見込めない湖西線と北陸本線の直通列車には
JR西日本にお金が全然ないから高価な交直流電車は投入されず、近江今津~敦賀間は電化区間でありながら1991年9月13日まで気動車で運転されていた。
流れが変わったのは、同じ交流電化の駅だった長浜駅が地元請願により直流化工事を行った結果、
新快速停車&乗降客倍増の大成功を収めたことだった。
これを見た湖西線沿線自治体が
二匹目のどじょうを狙おうと同じく地元請願を行い、北陸本線長浜~敦賀間、
小浜線の電化工事と合わせて直流化工事が実施された。
2003年の小浜線電化を経て2006年遂に湖西線直流化が完了し、新快速の敦賀延伸と近江塩津駅の村八分扱いが漸く解消され、湖西線の地位向上にもつながった。
使用車両
681系・683系電車… 特急「サンダーバード」で使用。当項目冒頭の写真は681系。
221系
223系(1000・2000・2500・6000番台)
225系(0番台・100番台)
521系… 直流化の際に投入された。
EF510形
停車駅
●…全列車停車
▲…一部列車停車
┃…全列車通過
普通列車は表中の全駅に停車する。
駅 番 号 (JR-) |
駅名 |
快
速 |
新 快 速 |
特
急 |
接続路線 |
B 31 |
京都 |
● |
● |
● |
JR西日本: JR京都線・琵琶湖線・奈良線・嵯峨野線 |
JR東海: 東海道新幹線 |
近畿日本鉄道: 京都線 |
京都市営地下鉄: 烏丸線 |
B 30 |
山科 |
● |
● |
┃ |
JR西日本: 琵琶湖線 |
京阪電気鉄道: 京津線 |
京都市営地下鉄: 東西線 |
B 29 |
大津京 |
● |
● |
┃ |
京阪電気鉄道: 石山坂本線(皇子山駅) |
B 28 |
唐崎 |
┃ |
┃ |
┃ |
|
B 27 |
比叡山坂本 |
● |
● |
┃ |
|
B 26 |
おごと温泉 |
● |
┃ |
┃ |
|
B 25 |
堅田 |
● |
● |
▲ |
|
B 24 |
小野 |
┃ |
┃ |
┃ |
|
B 23 |
和邇 |
┃ |
┃ |
┃ |
|
B 22 |
蓬莱 |
┃ |
┃ |
┃ |
|
B 21 |
志賀 |
┃ |
┃ |
┃ |
|
B 20 |
比良 |
┃ |
┃ |
┃ |
|
B 19 |
近江舞子 |
● |
● |
┃ |
|
B 18 |
北小松 |
● |
● |
┃ |
|
B 17 |
近江高島 |
● |
● |
┃ |
|
B 16 |
安曇川 |
● |
● |
┃ |
|
B 15 |
新旭 |
● |
● |
┃ |
|
B 14 |
近江今津 |
● |
● |
▲ |
|
B 13 |
近江中庄 |
● |
● |
┃ |
|
B 12 |
マキノ |
● |
● |
┃ |
|
B 11 |
永原 |
● |
● |
┃ |
|
B 10 |
近江塩津 |
● |
● |
┃ |
JR西日本: 北陸本線 |
特急・新快速・快速は北陸本線敦賀駅まで直通 |
主な駅の解説
運転系統上の終点駅。ホームは主に2・3番のりばを使用する。
詳細は該当項目参照。
因みに
奈良県からやって来た奴に駅構内で大暴れされ、爆発・炎上の憂き目にあった事がある。
京都市営地下鉄東西線、京阪京津線(京阪山科駅)乗り換え。
路線上の終点駅で、琵琶湖線との分岐駅でもある。
京都市山科区の中心駅で利用客が多く、特急「はるか」「らくラクびわこ」も停車する。
京阪石山坂本線(京阪大津京駅)乗り換え。
元は「西大津駅」だった。
駅名の由来となっている大津京の名称は厳密には正しくなく、近江宮が正しいため、只でさえややこしい名称問題を更にややこしくしている。
かつては特急「雷鳥」が停車していたが、全列車が「サンダーバード」となった時に全列車通過にされた。あまりにも京都から近過ぎたか。
比叡山延暦寺及び日吉大社の最寄駅。因みにこの駅は数少ない江若鉄道の元駅(日吉駅)。
滋賀県最大の温泉地である雄琴温泉と同じく滋賀県最大の風俗街である「雄琴地区」の最寄駅。かつては漢字で雄琴駅だった。
子供にも読めることや、かつての歓楽街のイメージを払拭して個人客をターゲットにするべく、「おごと」はひらがな表記となっている。
満月寺浮御堂やびわ湖タワー跡がある。一部特急停車駅。かつては京阪神緩行電車がここまで来ていた。
JRにも長野県に同名の駅が、JR以外だと京都府と兵庫県にも同名の駅があるややこしい駅。
因みにここの小野の由来は、地元出身の小野妹子から。
この駅も数少ない江若鉄道の元駅(近江木戸駅)。
かつて「湖西レジャー号」と名の付く新快速が運転され、通常の新快速の停車駅に加えて当駅にも停車していたが、2015年を最後に「湖西レジャー号」自体が運転されなくなった。
さらにかつては隣の比良にも停車し、当駅から各駅停車だったが末期は比良は通過となっていた。
日中の普通列車は一部折り返す。快速・新快速はここから各駅に停車。
この駅も数少ない江若鉄道の元駅(高島町駅)。近くに病院があり利用者が多い。
日中の普通列車はここですべて折り返す他、近江塩津方面へ直通する新快速は車両の増解結が行われる。
江若鉄道の元終着駅でもある。
保養地でもあり大変珍しいカタカナ駅。
所在地自体がカタカナ地名(高島市マキノ町)であることがカタカナ駅であることの所以である。
北陸本線乗り換え。滋賀県最北端の駅且つ起点駅。
上記の様にハブられっぷりが凄かったが、漸く解消された。
追記・修正は、強風により琵琶湖線経由になったサンダーバードに乗った人にお願いします。
- 小野駅にはかつて自由に借り出しOKの本がたくさん備え付けてあったが、無断でパクる人が多かったせいか、いつの間にか撤去された…残念。 -- 名無しさん (2020-09-03 22:56:36)
最終更新:2025年05月14日 20:51