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アーバンネットワーク

登録日:2010/04/21 Wed 01:21:38
更新日:2026/03/25 Wed 10:50:14
所要時間:約 3 分で読めます




アーバンネットワークとは、JR西日本が名付けた、近畿圏の近郊路線一帯をまとめて呼ぶ際の愛称。
英語でそれぞれ「都市」を意味する「アーバン(Urban)」と、「網目のようなもの(=鉄道網)」を意味する「ネットワーク(Network)」を組み合わせた造語である。

2005年に発生した福知山線の脱線事故以降は、JR内でも使用を取りやめている。


目次


概要

首都圏を営業エリアに持つJR東日本東海道新幹線を持つJR東海に対し、JR西日本は収益性が弱いことから山陽新幹線と大阪近郊路線に経営資源を集中させる戦略を採った。
大阪近郊のJR線はそのほとんどが私鉄と並行し、その私鉄各社はクロスシート車やパターンダイヤなど趣向を凝らしたダイヤを組んでおり、利用者のほとんどがそちらに流れていた。

利用者の奪還と経営資源の安定化を目的としてテコ入れが図られるようになったが、施策の一つとして路線に愛着を持ってもらうことを目標に、1988年3月13日のダイヤ改正から8線区9区間に愛称を制定、同時に大阪近郊路線一帯を指す名称としてこのアーバンネットワークの名の使用を開始した。

1990年3月10日からは10線区にラインカラーを制定。
更に88年の設定当初アーバンネットワークに組み込まれていなかった線区を組み込んだ。

路線は国鉄時代の大阪鉄道管理局管轄エリアを「アーバン北管区」、天王寺鉄道管理局管轄エリアを「アーバン南管区」と呼称しており、2000年代まで新車の導入は北管区に偏る傾向があった。
後述する路線記号の付番は、両管区の基幹路線である琵琶湖線・JR京都/神戸線・大阪環状線を起点に実施している。

この呼称は元々趣味者内で使われるスラングみたいな扱いだったが、近年JR西日本社内でも正式に使用されていることが明らかになった。

主な施策

  • クロスシート車の導入
1989年に登場した221系を皮切りに、3ドア転換クロスシート、最高速度120km/h以上の高性能車両を各線に導入。既存の113系も新車とほぼ同じ内装へ改造を実施してサービスレベルの向上を図った。
通勤路線には引き続きロングシート車を導入したが、こちらも並行私鉄と同レベルの内外装にしている。
クロスシート車は主に快速系統で使われるが、南管区では2010年代以降種別を問わずクロスシート車への統一を図った路線がある。

  • 直通運転
国鉄時代から関西線~大阪環状線、新快速の湖西線直通などを実施していたがこれをさらに拡大。
1989年には天王寺駅構内の連絡線を完成させ、阪和線の大阪環状線乗り入れを開始。1997年にはJR東西線開業に伴い学研都市線・JR宝塚線の直通が始まるなど、直通ルートを多数開拓した。
関西私鉄は大阪市営地下鉄(現・Osaka Metro)の方針もあってごく一部を除き直通運転がほとんど行われていないため、JRのネットワークを生かした直通ルートが利用客に大きく支持された。

  • 快速列車の増発
ネットワーク内で特に需要の多い路線には、通常の快速よりもサービスレベルの高い上位快速を新たに設け、さらに路線ごとに異なる種別名を与えた。
これらの列車は「○○路快速」の愛称が与えられているのも特徴。

  • 自動改札機の導入
意外と思われがちだが、本格的な導入は1997年からである。
関西は自動改札発祥の地と言われ、私鉄では大きく普及していた一方、国鉄及びJRへの導入は労働組合の猛反対もあってか大きく遅れていた。
1999年からはストアードフェアシステムの「Jスルー」を導入したが、このカードは私鉄の近鉄電車でも使用可能だった。


アーバンネットワーク路線一覧

※…背景色は各路線のラインカラーで、背景色がない路線はラインカラーなし。アルファベットは路線記号。

路線愛称 ネットワーク指定区間
A 琵琶湖線 北陸本線 長浜―米原、東海道本線 米原―京都
JR京都線 東海道本線 京都―大阪
JR神戸線 東海道本線 大阪―神戸、山陽本線 神戸―姫路
山陽本線 姫路―上郡
赤穂線 相生―播州赤穂
B 湖西線 山科―永原
C 草津線 (全線)
D 奈良線 (全線)
E 嵯峨野線 山陰本線 京都―園部
F おおさか東線 (全線)
G JR宝塚線 福知山線 尼崎―篠山口
H JR東西線学研都市線 *1 JR東西線・片町線 全線
O 大阪環状線 (全線)
P JRゆめ咲線 桜島線 全線
Q 大和路線 関西本線 JR難波―加茂
R 阪和線 (全線)
S 関西空港線 (全線)
T 和歌山線 (全線)
U 万葉まほろば線 桜井線 全線
V 関西本線 加茂―柘植
紀勢本線 和歌山―和歌山市
和田岬線 兵庫―和田岬
羽衣線 鳳―東羽衣

現況

冒頭に書いた通り、福知山線脱線事故以降は自粛するかのように「アーバンネットワーク」の名を使わなくなってしまった。

2010年代以降になると元々ネットワークに入っていなかった路線にもラインカラーや路線記号が導入され、長らく体質改善でごまかされていたがようやく新車も導入されるようになった。
また、新快速のようにネットワークの境界をまたいで走る列車があったり、そもそも路線記号やラインカラーの指定がネットワークの外へも及んだことから、実用的にも無意味になったことがうかがえる。
案内上での使用を取りやめてからも、しばらくは定例会見程度なら使われていたが、それも2020年代以降に無くなっている。

廣島?あそこは墓場だ。





追記・修正はアーバンネットワーク内の全路線を利用してからお願いします。

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最終更新:2026年03月25日 10:50

*1 学研都市線は当初ラインカラーが黄緑だったが、路線記号制定に際しJR東西線と統合。