巨大チェス(ハリー・ポッターと賢者の石)

登録日:2014/10/07 Tue 04:45:00
更新日:2025/03/24 Mon 02:15:44
所要時間:約 4 分で読めます




巨大チェスとは、ハリー・ポッターシリーズの第一作「ハリー・ポッターと賢者の石」に登場する、文字通り巨大なチェスである。
賢者の石ヴォルデモート卿から守るためにホグワーツ魔法魔術学校の先生達が張り巡らした罠をハリー・ポッター達が解きながらヴォルデモートが石を奪うのを阻止する…というのが本作のあらすじだが、その罠の一つとして登場したのがこの巨大チェスなのだ。

さて、巨大チェスについて説明する前に「魔法使いのチェス」について説明しておこう。
電気も燃料も無しで生活のあらゆる物事を魔法で解決してしまう彼ら魔法族であるが、彼らにも当然娯楽はある。
スポーツのクィディッチ、カードゲームの爆発スナップ等がそれだろう。
テレビもゲームもパソコンも無しで退屈しないのか、等と考えてはいけない。
そういった魔法使いの娯楽の一つが「魔法使いのチェス」なのだ。

この魔法使いのチェス、他の荒唐無稽な魔法使いのゲームと違ってルール自体は我々マグルのチェスと全く同じである。
違うのは駒が柱状ではなく人の形をしていてしかも生きていることぐらいだろうか(一応現実のチェスでも極稀に柱状でない駒が使われている物もあるが、公式戦などで使われる物はほぼ柱状)。

魔法使いのチェスの指し方はカンタン。動かしたい駒に行き先のマスを指示するだけである。
例えば1手目で白のプレイヤーが「ポーンをEの4へ!」と指示するとキングの前のポーンがそれに従って自分で2つ前進するのだ。
だが小説版によるとプレイヤーの腕が低いと駒が言うことを聞いてくれないこともあるらしく、
現にチェスの名人ロン・ウィーズリーの駒は彼の命令のままに動いたが、素人のハリーの駒はハリーを全く信用せず、ハリーを混乱させている。

魔法使いのチェスの見どころはこれだけではない。むしろここからが本番。
チェスをプレイするにあたって避けることが出来ないのが駒の取り合いであるが、敵の駒を取る時、
なんと駒が敵の駒をボードから叩きだしてしまうのだ。

そう、自動的に叩きだしてしまう。

大事なことなので二回(ry

チェスは将棋と違って取った駒を使うことはできないこともあって、駒同士が文字通り盤面で戦う魔法使いのチェスは正しく戦争であり、
プレイヤーは本当に軍隊を指揮している気分になれるのだ。

さて、話を巨大チェスに戻そう。この巨大チェスを仕掛けたのは変身術担当のマクゴナガル先生である。
映画版で見る限り、チェスボードはおよそ一辺10メートル程であり、駒は高さ2メートルぐらいの石像だ。
駒の姿も鎧甲冑を身に付けた戦士の姿をしており、非常に迫力がある。
勿論駒の種類ごとにデザインも違い、しかもそれぞれの駒の特徴をうまく取り入れているため、チェスファンの人ならニヤリとくるだろう。

ルールは基本的には普通の魔法使いのチェスと同じだが、
この巨大チェスではプレイヤーは黒(後手)でしかも自身が駒となってゲームに参加しなければならない。
つまり味方のキングに加えてプレイヤーが乗り移る駒も敵から守る必要が出てくるわけであり、後手であることもあって黒は非常に不利なゲームとなる。
ちなみにハリーはビショップ、ロンはナイト、ハーマイオニーはルークになった。

ここで駒達をよく見て欲しい。彼らは例外なく武器を持っていないだろうか。
勿論これらの武器は飾りではない。そう、彼らが駒を取り合う時は普通の魔法使いのチェスのように叩きだすなんて生易しいものではなく、
駒が敵の駒を武器で攻撃し、粉々に粉砕するのだ。

駒が敵の駒を武器で攻撃し、粉々に粉砕するのだ。

大事なことなので(ry

この巨大チェスでは駒同士が文字通り命をかけて戦うわけであり、
その攻撃の激しさはたとえプレイヤーが扮した駒が対象であっても全く手加減は無い。
プレイヤーが生き残るため、また敵のキングを倒すために駒達と共に必死で戦う巨大チェスはもはやゲームを通り越し、立派な戦争と言えるだろう。

物語のクライマックスの一つであることもあってかセットの破壊シーン、
駒が動くシーンなど気合を入れて撮影されており、全てにおいて迫力満点である。
この対決シーンに影響されてチェスを始めた人も多いという。

ちなみにハリー達がプレイした試合ではロンが指揮をとり、ナイトである彼が一時犠牲になったが直前に授けた手順通りにハリーのビショップが敵のキングをチェックメイト、試合に勝利した。
前述の通りこの巨大チェスを作ったのはマクゴナガル先生なので、ロンは彼女にチェスで勝利したことになる。


各駒のデザインは以下の通り。
●キング
甲冑を着、王冠の模様があしらわれた兜をかぶっている。直立して両手で剣を支えている。
チェックメイトされるとその剣を取り落とす。降伏の表現だろうか。

●クイーン
キング同様甲冑と兜を着け、棒状の剣を両手で支えているが(手の組み方は違う)、キングと違って下半身はスカート状。
女性だと思われるが、甲冑のせいでやや分かりにくい。

●ビショップ
司教冠(ミトラ)のような形の兜と司教服のようなデザインの甲冑を着る。左手に杖を持ち、右手は指を閉じたピースサイン(聖職者から祝福を与える動作の形)にしている。
唯一武器らしい武器を持っていない駒。

●ナイト
ほぼ馬に乗った騎士そのものの出で立ち。馬はフェラーリのエンブレムのように後ろ足で立ち上がっている。
武器はなんとガンダムハンマーのようなトゲ付き鉄球。

●ルーク
塔の上から城兵が身を乗り出し、盾と剣を構えている。兵士がいることを除けば現実のルーク駒と大差無い見た目。

●ポーン
最も弱い駒なのにまさかの二刀流。鉄兜(作業用ヘルメットのようなデザイン)をかぶり、屈んでいる。顔はのっぺらぼう。



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最終更新:2025年03月24日 02:15