キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲

登録日:2015/04/03 Fri 13:49:11
更新日:2025/01/25 Sat 09:30:25
所要時間:約 7 分で読めます




キャッスルヴァニア 暁月(あかつき)円舞曲(メヌエット)』(Castlevania: Aria of Sorrow)は2003年5月8日にコナミから発売した探索型アクションゲーム。
プラットフォームはゲームボーイアドバンス
悪魔城ドラキュラシリーズの英題“Castlevania”が邦題に使われている。
GBA作品としては3作目(ファミコンミニは除く)となる今作はその集大成とも言うべき完成度であり、多関節で滑らかに動くモンスター、秀逸なサウンド、歯応えのある難易度といずれも高水準でまとまっている。
ただし、ショップが1つしか無い、ワープ装置の位置が不親切等といった賛否両論な面もある。
2005年に発売された『蒼月の十字架』は今作の続編。

■あらすじ

2035年、来須蒼真は幼なじみの白馬弥那と一緒に皆既日食を見ようと彼女の住む白馬神社へ向かった。
ところが、神社の鳥居をくぐると意識が次第に薄れて蒼真は気を失う。
蒼真が目を覚ますと目の前に怪しげな西洋の古城が立っていた。状況も掴めないでいる蒼真達にモンスターが襲いかかる。
破れかぶれの攻撃でモンスターを倒した蒼真だがそのモンスターの魂が蒼真の中に吸い込まれていった。
その場に居合わせた男、有角によると蒼真は「支配の力」に目覚めたという。
そして有角は城の入り口に張られた結界が消えると弥那の命が危ない。それまでに城から出る方法を探すよう蒼真に命じる。
こうして蒼真は城を探索し始める。

■タクティカルソウルシステム

このゲームを代表的なシステム。
敵を倒すとまれにその魂を手に入れる事ができる。これを装備する事でそのモンスターの力を使えるようになる。
中にはストーリー攻略やマップ踏破に必要不可欠なものもある。

ソウルは大きく分けて4種類に分類される。

バレットタイプ
キー上+攻撃で発動。従来の作品でいう所のサブウェポンに相当する。雑魚散らしからボス撃破まで幅広く活躍する。

ガーディアンタイプ
Rボタンを押すor長押しで発動。発動中は常時MPを消費する。
主に移動のために使用するが、攻撃を行うソウルもあるが燃費は悪い。

エンチャントタイプ
MPを消費しないソウル。装備しているだけで効果がある。主にステータスを上げたり状態異常を防いだりする。

○アビリティタイプ
装備しているだけで効果があるのはエンチャントと同じだが、こちらはあらかじめ装備する必要が無く、一度に複数のソウルの効果が適用される。
新しいエリアへ行くために必要なアクションができるようになる。

■システム
ハート数の廃止とドロップの固定
これまでの探索型と違いHPとMPのみとなり、ガーディアンとバレットは両方ともMPを消費して使用する形式となり、ハートはMP回復に用いられるようになった。
ロウソクなどを破壊して得られる物もMPが減少している時はハート、満タンの時は金が出るようになった。
○装備品の増加
これまで一部のキャラやDSS等でしか使用できなかった武器が通常武器として使用できるようになり攻撃方法のバリエーションが増した。

■登場人物

  • 来須蒼真
声:緑川光
主人公。18歳。
普通の高校生(自称)だったが悪魔城に入った事で魔物の魂を支配する「支配の力」に目覚める。
一見威圧感のある風貌だが性格は至って普通の若者……なのだがこれまでの悪魔城シリーズが殺伐としていたシナリオだった事からコミカルで天然な印象を持たれやすいキャラである(ドラキュラをフィクションだと思っていたり、敵だと気づかず友好的に会話する、腐ったものを食べてもリアクションが「まじぃ!」等)。
城に入ってからは何かに引き寄せられるような感覚を覚えている様子。
続編で普通の高校生だったと回顧していたが、いつもコートを羽織っていたり(曰く「ふだんぎ」)、ナイフを携帯していたりする辺り、まだアレが抜け切っていないのかもしれない。
ナイフに関しては次回作では有角から渡される描写があった事から今作でも有角が渡した可能性もある(それを思わせる描写はないが)。
あまりにも日本人離れした容姿の為、海外版では留学生という設定*1になっている。

  • 白馬弥那
声:高橋裕子(現 高梁蒼)
蒼真の幼なじみ。18歳。白馬神社の一人娘で巫女。蒼真と同じく悪魔城に迷い込む。
最初のイベントで気絶したが気を取り戻した後は入り口で蒼真の帰りを待っている。
話しかけると有角からの伝言(攻略のヒント)を伝えてくれる。
一緒に行動しないので空気になりがち。しかし、ヒロインながら(本当にそう書くしかないのがこのシリーズ)専用曲持ちと地味に優遇されている。

  • 有角幻也
年齢不詳。ゲーム開始時から登場する黒いスーツの男。人間離れした美貌の持ち主。
脱出に協力的であるものの、何かと高圧的な物言いな為蒼真からは嫌われている(基本的に会話(命令口調)だけなので当然であるが)。
弥那とも面識があり、彼女曰く「10年前から見た目が全く変わっていない」。
過去作によく似た人がいるが、言うまでもなく正体はアルkソウルスチール!

  • ヨーコ・ヴェルナンデス
声:高橋裕子(現 高梁蒼)
24歳。かつてベルモンド家と共にドラキュラに立ち向かったヴェルナンデス家の血を引く魔法使いのおばお姉さん。
教会の命により悪魔城へ乗り込む。きっちりフラグを立てて途中退場するので出番は少ない。
神社にはよく出入りしており弥那とは姉妹のように仲が良いらしい。

  • J
声:龍谷修武
55歳。単身城へ乗り込んだ退魔士の男。1999年にこの城で事故に遭い、それ以前の記憶を無くしている。

  • グラハム・ジョーンズ
声:稲田徹
36歳。終末論を説く新興宗教の教祖。
1999年の7月に生まれた事から自分はドラキュラの生まれ変わりと信じている。その過激な思想から教会にマークされている。
最初は柔らかい物腰だが蒼真が支配の力に目覚めたと知ると豹変し、ドラキュラの魔力が眠っているという玉座の間を目指す。
断末魔が人気。アーーリエーーーン!!!

  • ハマー
声:稲田徹
34歳。軍から派遣されて悪魔城に来た男。詳しい事を知らされてなかった為初めからやる気が無かった。
蒼真と会ってからは城の調査をやめて蒼真だけを相手に商売を始める。
弥那が空気になるのはだいたいコイツのせい(主に位置的な意味で)。


以下ネタバレ







蒼真が魔物と戦っている姿を見ていたJが記憶を取り戻す。その正体は2世紀もの間歴史の表舞台から姿を消していたが1999年に突如現れてドラキュラとの長きに渡る戦いに終止符を打ったベルモンド家の末裔、ユリウス・ベルモンドだった。
彼はグラハムを倒すために前回の戦いで城に置いていった一族伝来の鞭「ヴァンパイアキラー」の回収に向かう。
しかし、ヨーコを退けたグラハムは既に玉座の間へ侵入し、ドラキュラの魔力を手にしてしまう。
グラハムは非常に勝手な理由(支配した魂を返せ→いや返した所で私の所有物を盗んだ事に変わりは無い、よって死刑!)で蒼真を殺そうとする。
蒼真がフレイムデーモン+おおこうもり+サキュバスの3つのソウルを付けた状態でグラハムを倒す事で飛び出たドラキュラの魔力は今度は蒼真の中に入り込む。
その時魔力に宿る記憶から蒼真は自分がドラキュラの生まれ変わりである事を知る。
ドラキュラに代わる新たな魔王に目覚めかけるが、有角の助言で蒼真の精神世界にいる混沌を打ち破る為魔力に呑まれそうになりながらも入り口を目指す。
途中、鞭を取り戻したユリウスに道を阻まれるがこれを退け、「魔王になった時は殺して欲しい」と約束を交わし、自らの精神世界へと向かう。
最後に待ち受けるカオスを倒す事が出来ればクリア、負ければ魔王となった蒼真とユリウスが対峙するシーンで終わる。

余談

一週目をクリアするとユリウスを操作できるユリウスモード、ボスラッシュ、ハードモードが解禁される。
その中で特筆すべきがユリウスモード。シリーズでおなじみのサブウェポンに加えてマップ踏破に必要なアビリティを全て使える状態でゲームが始まるのだが、蒼真のものとは微妙に性能が異なる。
中でも二段ジャンプした後に出せる急降下キックをユリウスの場合は一段目から出せる。これを前方向へ小さくジャンプした直後に使うと普通に歩くよりも若干速く進める。
この動作を連続で行えば歩行の何倍もの速さで移動出来るようになる。
キックの際に出す独特の掛け声からこの移動は「ドゥエ」と呼ばれ、他作品(ドラキュラ以外でも)でも似た動きが出来るキャラは「ドゥエリスト」と呼ばれるようになった。
ちなみにユリウスモードではラスボスはグラハム止まり。ユリウスでカオスと戦うことは出来ない。

あと「円舞曲」は本来「メヌエット」ではなく「ワルツ」である。


○ウィキごもり(アビリティタイプ)
追記・修正が出来るようになる

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最終更新:2025年01月25日 09:30

*1 名前のスペルも「Soma Cruz」に変わっている。