ユリウス・ベルモンド

登録日:2021/09/04 Sat 00:39:33
更新日:2025/01/26 Sun 00:30:43
所要時間:約 6 分で読めます







とくと味わえ、ベルモンドの力!


ユリウス・ベルモンドは『悪魔城ドラキュラ』(キャッスルヴァニア)に登場するヴァンパイアハンターである。
CV:龍谷修武(『暁月の円舞曲』)、稲田徹(『蒼月の十字架』『Harmony of Despair』)



■概要

ヴァンパイアハンターを生業としてきたベルモンド一族の末裔で、1999年にアルカードらと共にドラキュラを完全に滅ぼした戦士の一人。


暁月の円舞曲』ではその時の事故で記憶を失っており「J」と名乗り悪魔城に迷い込んだ来須蒼真の前に現れる。
ドラキュラを倒した1999年には19歳だった若き戦士も、この作品での2035年頃には55歳と結構なおじさんになっての登場であり、その点でもかなり異色のベルモンドである。
恐らく15年越しにドラキュラと二度目の邂逅を果たした先祖クリストファーよりも壮年。歴代のキャラクターを並べた場合、最も新しい時代にいながら一族の誰よりも高齢と、なんとも不思議な事となっている。
だが煉獄闘技場での蒼真の戦いがきっかけとなり記憶がよみがえり、ドラキュラの復活を予感して城に置いておいたヴァンパイアキラーを取りにいく。封印の絶縁体として使ったようで、ユリウスだけが場所を知っていた。
血の因縁はやはり誤魔化せないらしく、蒼真=ドラキュラである事にも記憶が戻った時から勘付いていた。

その後、ドラキュラとしての力に目覚めた蒼真の前に現れ、「ドラキュラなら滅ぼさねばならん」と戦いを挑む。
ソレイユ、リヒターに次ぐ三度目のベルモンドとの戦いだが*1、二人が洗脳されていたのと違いこちらは完全に本人の意思で挑んでくる。
しかも「プレイヤーがドラキュラを操作しベルモンドと戦う」としか言えない皮肉な構図で、ある意味「魔王の宿命に抗う戦い」を描いた蒼真を主人公としたシリーズを象徴する名シーンと言える。
表ボスのグラハムより遥かに手強く、HPをある程度減らすと背景の城の一部まで崩壊するほどの極大のグランドクロスを放ってくる。
この時強烈に引き寄せられるため、全力で逃げないと死亡確定。

最終的に蒼真が止めを刺さずに戦いを中断する形で終わったが、ユリウスも(あれで)手加減していたらしい。
蒼真の魂の力を信じ「もし自分が魔王として目覚めたときには自分を殺してほしい」という頼みを受けて道を開け、蒼真を混沌への戦いに送り出す。

その後、蒼真が混沌に敗れた場合はゲームオーバー画面の前に魔王と化した蒼真を討伐しに向かうユリウスのカットが挿入される。
蒼真が混沌に打ち勝った場合エンディングで登場し、ヴァンパイアキラーの力が弱まりつつあることを明らかにし*2、蒼真との再会を約束して去っていく。

続く『蒼月の十字架』では、教会の手伝いをしているらしく、蒼真の協力者として登場。謎の教団の城を調査している。東方正教会はレオンの時代からベルモンド一族とはちょっと確執があったはずだが、流石に解消したのだろうか。
親子ほどの年齢差のあるヨーコと距離感が近いのがハマーをやきもきさせている様子。彼にはそういう仲に見えるのか…?
蒼真とは別ルートで探索して、裁きの坑道への結界を破壊する。魔封陣が無いと倒せないような敵も普通に倒してたりする。
「再生する前に消滅させただけだ、大した事ではない」

尤も流石に全盛期は過ぎているようで、魔王候補の一人ダリオに不覚を取ってしまっている。
また結界破壊後は力を使い果たして疲弊してしまい、「年はとりたくないものだな」とぼやくシーンも。
前作もそうだが、ユリウスの本気のグランドクロスはイベントでしか見れない。

テーマBGMは「夜まで待てない」。本作初出のものではなく、1988年ごろ稼働していたアーケード版「悪魔城ドラキュラ」の最終面(崩れる橋~本丸道中)というかなりのマイナータイトルが出典。
原曲はループが短いので大幅なアレンジがなされており、完全にユリウス専用テーマとして定着した感がある。
元のアーケード版では最終ステージのBGMとして使われており、背景がなぜか昼間である事からこの曲名になったと思われるが、
戦いを望まない蒼真に対し「それが俺の宿命だ」と問答無用で戦いを仕掛けるユリウスの姿は、どことなく「夜まで待てない」というワードをイメージさせるものがある。

■性能

『暁月の円舞曲』

一度ゲームをクリアした後にネームエントリー画面で「JULIUS」と入力することによってユリウスモードをプレイできる。

前作『白夜の協奏曲』のマクシーム同様、ストーリー、アイテム、ソウル、レベルアップなどがない代わりに最初から全てのアクションが揃っており、城内を自由に探索できる。
今作ではサブウェポンシステムが廃止されているが、彼はサブウェポンを任意に変更出来、おなじみのグランドクロスも使用可能。
ボスを倒した時に出現する魔力の玉を回収することでステータスが上昇するようになっており、マクシームやリヒター(『月下の夜想曲』)のときと比べると各ボスを撃破する旨味は増している。なお、ラスボスはグラハム止まりで、ユリウスで混沌に挑むことはバグを利用しない限り出来ない。

『蒼月の十字架』

蒼真が魔王になるエンディングか、グッドエンディングを見ると出現する「ユリウスモード」でプレイ可能。時系列は魔王エンディングの後。

今作ではユリウスに加え、ヨーコ・ヴェルナンデス、アルカードを含めた3人で悪魔城を攻略する、『悪魔城伝説』をイメージしたモードとなっている(グラントに対応するキャラが居ないのが惜しまれる…)。今作ではレベルアップも可能。
最初のエリアBGMが『悪魔城伝説』のステージ1BGM「BEGINNIG」の現代風アレンジになるというファンサービスも。
3人組であるためかユリウス単体の性能は前作よりやや抑えられている。
蒼真ではソウルが必要だったアクションは最初から使えるものの、ハイジャンプの高度が申し訳程度になり無限滞空も不可、色即是空(この名前がついたのは『Harmony of Despair』からだが)は使えなくなりただのバックダッシュに変更、グランドクロスの出がかりの無敵時間削除、など暁月の円舞曲に比べてかなり弱体化している。こうでもしないとアルカードが完全に蝙蝠変身アイテムでしかなくなるので致し方なしか…
しかしながら、鞭によるロングレンジ攻撃と任意に変更できるサブウェポンといった強みは健在。
完全に魔王として覚醒した蒼真が最終ボスとなるが、ユリウスで撃破した時のみ聞ける専用ボイスがとても哀しい。
「許せ…」

『Harmony of Despair』

XBOX360版ではDLCキャラとして、2010年11月24日から240マイクロソフトポイントで配信された。

PS3版ではヨーコと共にデフォルトキャラに昇格。
性能は概ね『暁月』と『蒼月』の良い所取りに加え、それまでシモンのみが可能だった「8方向に攻撃できる鞭」「特定のポイントに鞭でぶら下がることが可能」といった特性を持つ。
また鞭の当たり判定が頭一つ抜けて強く、スライディングの移動が非常に速い。
マーシャルアーツ(コマンド技)の種類が少ないが、それを差し引いてもいわゆるヴァンパイアキラー持ちのキャラの中では初心者向けの強キャラといったところ。



■余談

◆1999年にドラキュラを完全に討伐したユリウスではあるが、肝心のこの話を描いた作品が今のところ何一つ無い
一応明かされている中では、日本の白馬神社の神主の力により、ドラキュラの魔力の根源であるドラキュラ城は日食の中に封じられ、魂と魔力を引き剥がされたドラキュラは復活の宿命より解放されたとされている。
実際、1999年8月11日に皆既日食がヨーロッパからアジアの広い範囲で観測されている。『暁月』作中のセリフを見る限りこの日のヨーロッパでこの最後の戦いが行われたようだ。
ユリウスはこの戦いについて「俺一人の力ではない」と言及しており、上記の「白馬神社の神主」やアルカードを含めて仲間と共に戦ったことが示唆されている。
◆◆間違いなくユリウス最大の見せ場であるはずのこの戦い、「それがゲーム化されればシリーズ最終作となる」とも噂されていた。
しかし、五十嵐孝司氏が悪魔城の企画・制作から離れた後、コナミを去ったことで、少なくとも当時構想されていたであろう1999年の戦いが世に出る可能性は極めて低くなった。
Bloodstained: Ritual of the Night』には『蝋燭職人ユリウス」の敵討ちとして「IGA」を倒す』というDLCサブクエストがあるが、五十嵐氏にも思うところがあったのか、単に最後に仕込んだセルフパロディの一部にすぎなかったのかは不明。

リヒター・ベルモンドからユリウスの間に存在していたであろうベルモンド一族にどのような者がいたのかも明らかになっていない。
リヒターの代以降にヴァンパイアキラーがベルモンド家の傍系であるモリス家に預けられ、その戦士達が代わりに活躍していた時期もあった。
だが、その間にベルモンド家はどのような活動を行なっていたか、鞭がベルモンド家に戻る際に誰とどんなやりとりがあったのかは不明なままである。

◆◆『オトメディウスX』の登場人物の一人に、ココロ・ベルモンドというキャラが登場する。
名前からしてベルモンド一族だが、作中のギャラリーで見られる資料には「ユリウス・ベルモンドの娘、または妹」との記述がある。
また、『ボンバーガール』に登場するセピア・ベルモンドは「ベルモンド一族の血縁者」という設定だが、時代が一番近いココロやユリウスとどのような関係なのかは一切不明である。*3


追記・修正はドラキュラの混沌に打ち勝ってからお願いします。





















































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最終更新:2025年01月26日 00:30

*1 『闇の呪印』でラルフと戦う場面があるが、発売日はこっちが先

*2 これはヴァンパイアキラーが弱体化したという事ではなく、新たな魔王となるはずだった蒼真がその運命を拒否したため、今は戦う必要がなくなったという事らしい

*3 セピアは現代(2018年~)の人物であるが、その当時のユリウスは四十路手前で絶賛失踪中。

*4 尤も『HD』の出ている機種では現状RTAしかできないのだが