シンカー(ゾイド)

登録日:2015/06/30 Tue 18:10:00
更新日:2023/07/07 Fri 18:15:38
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シンカーとは、タカラトミーの玩具シリーズ『ZOIDS』に登場する水空両用小型ゾイド。
左投げの投手が投げるのがスクリューか否か、で時たまモメる変化球との関係は特にない。


スペック

番号:EMZ-19(ゼネバス帝国)/EZ-032(ガイロス帝国)
所属:ゼネバス帝国/ガイロス帝国/ブルーシティ治安局(フューザーズ)
分類:エイ(イトマキエイ)型
ロールアウト:ZAC2031年
全長:10.8m
全高:3.0m
全幅:12.7m
重量:26.6t
最高速度:空中M0.9/水中60kt
乗員:1名
武装:ホーミング魚雷×4
   ARZ加速ビーム砲×2
   ロケットブースター×2
   機銃×2(コクピット下部、旧仕様のみ)


機体解説

中央大陸戦争前期にゼネバス帝国技術廠が開発した、水空両用小型攻撃機。
本機の特筆すべき点はまさに『水空両用』であるという一点に尽きる。
ある程度の深度に限定されはするが潜行能力と、海中を高速巡航可能な機動力に加え、
これまた実用上昇限度は本職に劣るものの航空運用も可能、という凄まじい機体なのだ。

重装甲にサイズとしては強力な火器を備えてはいるが、本機は当初から戦闘用として設計されていたわけではない。
元は輸送/連絡機として、移動を妨害されづらい水空両用運用が可能なように設計されたのだが、
潜行用の外殻が戦闘に耐えうるレベルの防御力を有していたため、戦闘用に再設計が行われている。

惑星Zi大異変後も野生体が十分な数を保っていたため、旧大戦時にゼネバスから接収したものと合わせ、
ガイロス帝国でも引き続き運用されている。
制空戦闘は不得手にしても、それ以外のほとんどの任務をこなせるシンカーは、ガイロスにとっても魅力的な機体だったのだ。

防御性能と柔軟かつ自在なユーザビリティから、本機は様々な作戦に投入されている。
その投入任務は複雑かつ多岐にわたり、本職である対艦攻撃から、対地襲撃、直協支援、要人護送、偵察などなど、
航空/海戦ゾイドとして投入可能なほぼ全ての任務に従事したと言ってよい。

総じて非常に優秀なマルチロールゾイドであり、共和国も切歯扼腕。
空軍はそれを制するためにプテラスを開発しており、海軍もまた半世紀も遅れて「必ず殺せ!!!」という執念でハンマーヘッドを新規開発したほど。
なお、旧大戦で運用されたゼネバス帝国共通仕様小型コクピットには、
モジュール式脱出装置としての単独飛行機能が備わっているが、
西方大陸戦争時に製造された新規ロットにその機能があるかは定かではない。

地味に所属が空軍なのか海軍なのかハッキリしないため、考察メインのファンを悩ませていたりする。
個人的には、単にF-4みたいに空海で同じ機体を採用してるだけな気がするが。

アニメ版では地上をホバーのように滑走できたりする。


バリエーション

○高々度試験仕様
サラマンダー迎撃のために改修された高々度運用特化仕様。
主な追加装備は高々度への迅速な展開をサポートする大型ブースターと大型対空ミサイル、サーチライト。

○高速洋上仕様
共和国海軍との戦闘に特化した調整が施されたシンカー。外観上の特徴はブルーの2色迷彩。

○大型シンカー
外観上の変更点は背面の甲板以外には特に見受けられないが、輸送用に二回りほど大型化されている。
中央大陸を脱出するゼネバス軍を、暗黒大陸へ送り届ける役目を担った。
初出はゾイドバトルコミック。

○スペースシンカー
宇宙空間との往還を目的とした試験機。スペースシャトルをイメージしたのか、白主体で塗装されている。
大気圏離脱時には2段式ブースターを装備し、電磁誘導カタパルトで射出される。

○シンカーPBS
ブルーシティ治安局で運用されているモデルで、青と白のツートンカラーにパトライトがアクセント。
PBSはPeacekeeping Bureau Specialの略らしい。

○スティングレイ
『機獣新世紀ZOIDS』の作者サイトで絶賛連載停滞中の、非公式続編で登場した空戦特化型。
ロッソとヴィオーラが搭乗し、プー様一派に襲撃されたシュバルツとキルシェを救出した。
この時、ロッソ達が帝国軍で教官をやっていたガチエリートだったことが発覚。なんで盗賊やってたの……


戦歴

ZAC2031年にロールアウトして以降、ゼネバス帝国初の航空戦力兼海上戦力として活躍。
機動性や最大速度に難があるため制空戦闘は不得手だが、それでもヘリック共和国の主力機がペガサロスの頃は無双していた。
これは、強行偵察や同レベルの航空戦力しか想定しておらず、火力に難があるペガサロスに対し、
シンカーはその重装甲で相手の火器を無効化でき、存分に追い回せたため。

共和国の強力な航空ゾイドであるサラマンダーは数が足りず、また当時の共和国海軍にも強力な機体がいなかったため、
ニッチを突く形でシンカー無双を展開。様々な戦局で共和国軍を歯噛みさせている。
さすがに共和国がプテラスの就役させて以降は主力戦闘機の任を解かれたものの、
その運用性を活かして様々な戦況に投入され、一定以上の成果を残している。

西方大陸戦争では共和国海軍がマジギレし、ハンマーヘッドを就役させたことで優位性がついに消滅したが、
それでも小型機という生産性のアドバンテージを活かし、破壊された以上に配備するという数の暴力で対抗した。
数の暴力って本来は共和国軍の得意技なんですが、それは……
特筆すべきはアンダー海海戦。
政治的な理由で「勝って見せなければならない」と判断したギュンター・プロイツェンの命で大量に配備されたが、そのすべてが海中に温存され、目の前で帝国主力艦隊が壊滅しようがハンマーヘッドが沈もうが頑として動かず待機。
そして共和国空軍が燃料を使い果たして撤退を始めたその瞬間に一斉に飛び出し、わずかな直援隊しか残していなかった共和国艦隊を一瞬にして壊滅させた。
シンカーの持つ生産性と極端な汎用性、深海に潜れるという隠匿能力をフルに活用したうえでの完璧な勝利であった。

アニメではガイロス帝国の伝統競技として『シンカーレース』が開催されていたり(皇帝がお忍びで参加できる程度にガバガバだが)、
ラリった暴走族がお手軽に入手できる機体として登場したりした。パラリラパラリラ~。
(尤も寂れた村でも武装を施されたゴドスぐらいは所持している世界感である)
中には、ガイロス帝国がゼネバス帝国からシンカーを接収してから「50年経つか経たないかの伝統?」と突っ込む者もいるが、
バトルストーリー準拠ならガイロス帝国自体が建国150年程度なので気にするだけ無駄。
そもそも現実世界の「伝統の一戦」とやらも50年経過する前からそう呼称している。
また、アニメ版プー様の設定から、アニメ世界ではゼネバス帝国が最初から存在しなかった可能性も考えられる。


キット

トミー版は小型ゼンマイをパワーユニットにして車輪で走行する。連動ギミックは翼の羽ばたき。
また、ブースター内部にスチロール製の浮きを仕込んでおり、車軸からギアで動力伝達しスクリューを駆動させることで、
アヒルさんのように実際にお風呂で泳がせたりもできる。やったことある人、先生怒らないから手を上げなさい。
手動ギミックはコクピットブロックの前後動、コクピットハッチ開閉、尾部舵の旋回。
ゼネバス仕様の機体色は銀と濃赤色(ゼネバスレッド)、ガイロス仕様は紫紺と薄銀。

MSSはトミー版の半分の1/144サイズで発売。無動力だけあって翼もワシワシ動かせる。
また、トミー版では動かせなかった尻尾も可動可能。
差し替え式のランディングギアで降着形態も再現できるが、それでもブースターをちょっと引きずるのが難。

海上の表現が美しいディスプレイベースが同梱されているが、本家のように水に浮かべられないので注意。
ただし内部に空洞があるので、やりようによっては中にフロートを仕込むことも不可能ではない……はず。
シンカー好きなら買って損はないので買うべきそうすべき。


関連ワード

○デプスチャージ
飛べて泳げるエイ仲間。もちろんシンカーは変形(トランスフォーム)できないし喋れません。

ハンマーヘッド
シンカーの天敵にしてシンカー絶対殺すマン。共和国海軍のシンカーアレルギーの結晶。
なお、生産性が仇となって駆逐には失敗した模様。

○ウオディック
帝国軍最強の海戦ゾイド。
空を飛べないが、水中戦でハンマーヘッドと互角以上に戦えるほどの高性能。


余談

実は、ゾイドサーガDSにて主人公と最も相性がいいゾイドの一体。ちなみに、もう一方はディアブロタイガー。
トリニティライガー?ああ、あれは次点
というのも、このゲームは特定の要素を持ったゾイドに搭乗すると割合強化できる強力なスキルがあり、外付け兵器を強化できる唯一の要素である(内蔵兵器なら金さえあれば青天井)。
主人公だけはこのスキルを全種類習得できるのだが、この二体はそのスキルを4つまで重ねることができるのである(他は多くて3つ)。
また、前述の内蔵兵器同様、金さえあればいくらでもエネルギーや積載量などを増やすことができる。本来なら大型ゾイド用装備を小型ゾイドに積むのも十分可能。
そうするとどうなるかというと、荷電粒子砲(デスザウラーのアレ)や重力砲(ウルトラザウルスのアレ)をぶっ放すシンカーさんの誕生である。
ちなみに、主人公はスキルによって射撃武器を3つまでまとめて使用できる。エネルギーの消費が激しいが、そんなものは札束でビンタすれば片付くので無問題。
無論ディアブロタイガーの方が強いのだが、最終的に素体となるゾイドの入手が若干遅いのでこちらはこちらで利はある(このゲームは長く乗り続けるとその分HPなどが増加していく仕様)。

PSで発売されたSLG版にも作続けて登場。通常は飛行移動だが、水地形の上では水中移動で「隠水」し、近づいてきた敵への奇襲で大ダメージを与えられる。
入手性と足回りの両方に優れているので、センサー系パーツを多めに積んで、進軍の障害や埋蔵アイテムを発見したりするのに役立ててもよい。
しかし、その代償としてHPは同サイズワーストクラス。反撃不能狙いや奇襲などで一撃離脱的運用を心掛けたほうが良い。
ちなみにバトスト本編などでカモにしてたバリゲーターは、一作目ではシンカーと同じく水中隠蔽能力を持つうえ、強力な格闘攻撃とサビ攻撃付きミサイルによるデバフとシンカーの倍のHPで水中戦では無類の強さを誇り陸戦でも意外に戦えるマルチラウンダーとして君臨。シンカーはおろかウオディックですらかすむ強さを誇る。


追記・修正はシンカーで遂行可能な全任務に従事してからお願いします。

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最終更新:2023年07月07日 18:15